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春告げの迷い子
第1話
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山からの雪解け水をはらんだ川は、ごうごうと音を立てて流れていく。道の脇には草花が陽の光を浴びて色鮮やかに咲いていた。
がたがたと振動する馬車にランファは乗っていた。膝の上には一見犬と見紛う大きさの白い虎が上半身を乗せて眠っていた。
「乗せてくれて、本当にありがとうございます」
「いやあ、おれも彼女に助けられたからねぇ」
隣で馬を操る中年の男が荷台を振り返った。本来、荷物が積まれているはずの場所には、樽が一つと女が一人横向きに座っていた。山の中で賊に襲われていたのを、彼女に助けられたらしい。
「だいたい、お嬢ちゃんみたいな女の子が一人でこんなところにいたら、さらってくれって言ってるようなもんだよ」
「そんなに山賊が出るんですか?」
「一年前からリヤナとを結ぶこの街道近くに山賊が住み着いてね。今じゃ他の商人はすっかり寄りつかなくなっちまった」
大変ですね、とランファは相槌を打つ。
「だいぶ寂れちまったが、一年前までは鉱山の町としてずいぶん賑わったもんだよ」
「へぇ、そうなんですか」
「お譲ちゃん、本当によく一人旅で無事に来れたねぇ」
男は感心したような呆れたような声を出した。
李西は黎明山の西に位置した国だ。
天然要塞と呼ばれる険しい山々の頂きに守られていた。この北部一帯は、テシャン山を北東に、南にかけてはゴウラ連峰が望めた。
目的地のトウシュクは、連なる山々に囲まれたこの地域で一番大きな町だという。商業の中心地であるリヤナとの唯一の街道を山賊に押さえられてしまい、近頃の商売はあがったりだとぐちを零した。
それに反応したのか、ずっと黙り込んでいた女が口を開いた。
「領主は何もしていないのか?」
凛とした声だった。振り返ってみるが、こちらを見ずに川の方を見ていた。
「領主様も傭兵を募ったり、お国に援助を頼んだり、頑張っておられるんだがなあ……」
「そうか」
短く頷くと、それきり女はまた口を閉じてしまった。
ランファが膝上の虎を撫でると、ぐるぐると気持ちよさそうに喉を鳴らした。春の陽気は暖かく、頬を撫でる柔らかな風が心地よい。目を閉じていると、そのまま眠ってしまいそうだ。
「ところで、お嬢ちゃん、珍しいお連れだね」
「クルルですか!?」
閉じかけた目蓋を開いて、勢いよく隣を見上げた。
寝ていたクルルを抱き起こして前足を持つと、上機嫌に隣に向き合わせた。男はランファの勢いにたじろぎながらうなずいた。
「クルルはね、私と一緒に育った兄妹みたいなもので……」
「ああ、見えたよ!」
跳ねる声を男が遮った。その指差す先に城壁が見えた。
山道を下った先、生い茂る木々が途絶えた場所に、城壁に囲まれた町があった。
家々や店の間を大通りが走り、奥には立派な屋敷が見えた。さらに町の向こうに蛇行する河が流れていた。船の影もいくつか見えた。
「わあ!!」
ランファは馬車から身を乗り出した。神隠しの里――そう呼ばれた山深くの里から出てきたランファにとって、城壁に囲まれた町は初めて目にするものだった。眼下に広がる光景を物珍しく眺めた。
山を下ると木々の向こうに悠然と構える城壁が間近に見えてきた。迫る城壁を目の当たりにして、その迫力に目を瞠った。
「大きいですね!」
「そうかい? まあここからは船も出ているからね」
はは、と男が頬をかいた。食い入るように見つめるランファの膝の上で、クルルが尻尾を振った。
開かれた門を潜って、馬車は町の中へと入っていった。
門の両端には槍を手にした門番がいた。 慣れた様子で木札の通行証を懐から取り出してかざせば、特に止められることもなく馬車はトウシュクの町へ通された。
町に入ってすぐの通りで男が馬車を止めた。
「じゃあ、ここでな」
「はい。本当にありがとうございました」
ランファに続いて、クルルが馬車から飛び降りた。
「――世話になった」
「俺こそ、あんたには世話になった。ありがとうよ。お嬢ちゃんも気をつけろよ」
女が荷台からひらりと降りると、馬車が動き出した。
ランファが大きく手を振ると、男は応えるように片手をあげた。馬車が見えなくなってからようやく手を下ろすと、クルルに話しかけた。
「さあ、クルル。これからどうしよう」
名前を呼ばれてランファを見上げたものの、クルルはすぐに視線を落として、ゆったりと尻尾を振った。
「目的もなくトウシュクに来たのか?」
背後からかけられた声に、ランファは振り返った。馬車を降りた女は、腰に手を当てて自分を見下ろしていた。
「あ、ええと。とにかく大きい町に行きたいんです」
「あの様子だと、街道が使い物にならないから船だな。船着き場に行ってみればいい」
町を縦断する大通りの奥を女が指差した。
北の商業圏の一端を担うトウシュクは、この大通りを中心にして商店や宿屋がずらりと並んでいる様子だ。
「ありがとうございます! すっごく助かります!」
船着き場の方を示す女の手をとって、元気よく上下に振った。ランファの行動に一瞬驚いたようだが、小さく笑みを浮かべた。
「いや、さっきの主人が言っていたように気をつけるんだな」
そう言って背を向けると、振り返ることなく女は建物の角を折れた。ランファは足元のクルルの頭を撫でた。
「よし、じゃあ船着き場に行ってみよう」
クルルが尻尾をひとつ振って返事をした。
きょろきょろと辺りを見回しながら、ランファは大通りへと足を向けた。里よりはるかに行き交う人が多い。しかし商売が盛んな活気は感じられず、ランファは首を傾げた。道を行く人は皆、俯きがちでどこか沈んだ様子なのが見て取れた。
軒先に並ぶ商品も少なく、閑散とした店や宿が並んだ通りを進むと広場に突き当たった。正面には立派な門に囲まれた屋敷があった。入口には城門と同じように門兵がいた。広場の端には領主からの高札が立っていて、数人が集まって覗き込んでいた。
ランファもそれに倣うと、件の傭兵を募る報せだった。
「この間も傭兵を募集したばかりだろ」
「こないだの討伐隊も全滅って話だ」
「なんとかならねえのか」
男たちの会話を聞きながら、ランファは広場を抜けて左手に曲がった。
「本当に山賊がよく出るんだね……」
人々に活気がないのはそのせいなのかな、と考えながら足を進めた。と、水の音が聞こえてきた。クルルが水の匂いを嗅ぎ取ったのか、しきりに鼻を動かした。ランファの少しずつ早くなっていく足にも、クルルは楽々ついてきた。
「広い河! 向こう岸が遠いね!」
緩やかな勾配を駆けていくと、なみなみと水を湛えて大きな河が流れていた。大陸を縦断する龍河へと流れつく支流のひとつだ。
歓声をあげて河に見入っていると、一艘が船着き場に泊まった。ランファは川べりまで近付いて、その船に声をかけた。
「すみませーん! この船は、どこか大きい町に行きますか?」
「いやー、行かないねぇ」
漁を終えたらしく船を桟橋に着けて、初老の男が陸に上がってきた。
「なんだい、都に行きたのかい?」
「え? あ、ええと、その」
煮え切らないランファの返事も気に留めず、残念だったな、と男は呟いた。
「都に出るには一度リヤナに出なきゃならんが、リヤナ行きの船は昨日出たばっかりだよ。次は三日後だねぇ」
「そうなんですか……」
「そもそも都までって言ったら、軽く一万皇はいるんだよ。嬢ちゃん、そんなに持ってるのかい?」
「いちまんっ! そんなにいるんですか?」
提示された金額に項垂れていると、堅い手のひらがランファの頭を乱暴に撫でた。
「まあ、嬢ちゃんみたいな子どもには難しいだろう。馬鹿言ってないで、家に帰りな」
じゃり、と音を立てて男は町の方へ足を向けた。
乱れた髪を手ぐしで整えながら、ランファは大きく溜息をついた。
「家に帰れって言われても……ねぇ」
しゃがみこんでクルルの背を撫でた。ぱたりぱたりと尻尾を振ってクルルがランファを見上げた。金色の瞳に、情けない顔をした自分の姿が映っていた。
帰るわけにはいかないのだ。自分の使命を果たすまでは。
ぱん、と両手で頬を叩く。
「こんなところで立ち止まってる暇なんてないのよ、ランファ!」
気合を入れて立ち上がると、ランファは踵を返した。
がたがたと振動する馬車にランファは乗っていた。膝の上には一見犬と見紛う大きさの白い虎が上半身を乗せて眠っていた。
「乗せてくれて、本当にありがとうございます」
「いやあ、おれも彼女に助けられたからねぇ」
隣で馬を操る中年の男が荷台を振り返った。本来、荷物が積まれているはずの場所には、樽が一つと女が一人横向きに座っていた。山の中で賊に襲われていたのを、彼女に助けられたらしい。
「だいたい、お嬢ちゃんみたいな女の子が一人でこんなところにいたら、さらってくれって言ってるようなもんだよ」
「そんなに山賊が出るんですか?」
「一年前からリヤナとを結ぶこの街道近くに山賊が住み着いてね。今じゃ他の商人はすっかり寄りつかなくなっちまった」
大変ですね、とランファは相槌を打つ。
「だいぶ寂れちまったが、一年前までは鉱山の町としてずいぶん賑わったもんだよ」
「へぇ、そうなんですか」
「お譲ちゃん、本当によく一人旅で無事に来れたねぇ」
男は感心したような呆れたような声を出した。
李西は黎明山の西に位置した国だ。
天然要塞と呼ばれる険しい山々の頂きに守られていた。この北部一帯は、テシャン山を北東に、南にかけてはゴウラ連峰が望めた。
目的地のトウシュクは、連なる山々に囲まれたこの地域で一番大きな町だという。商業の中心地であるリヤナとの唯一の街道を山賊に押さえられてしまい、近頃の商売はあがったりだとぐちを零した。
それに反応したのか、ずっと黙り込んでいた女が口を開いた。
「領主は何もしていないのか?」
凛とした声だった。振り返ってみるが、こちらを見ずに川の方を見ていた。
「領主様も傭兵を募ったり、お国に援助を頼んだり、頑張っておられるんだがなあ……」
「そうか」
短く頷くと、それきり女はまた口を閉じてしまった。
ランファが膝上の虎を撫でると、ぐるぐると気持ちよさそうに喉を鳴らした。春の陽気は暖かく、頬を撫でる柔らかな風が心地よい。目を閉じていると、そのまま眠ってしまいそうだ。
「ところで、お嬢ちゃん、珍しいお連れだね」
「クルルですか!?」
閉じかけた目蓋を開いて、勢いよく隣を見上げた。
寝ていたクルルを抱き起こして前足を持つと、上機嫌に隣に向き合わせた。男はランファの勢いにたじろぎながらうなずいた。
「クルルはね、私と一緒に育った兄妹みたいなもので……」
「ああ、見えたよ!」
跳ねる声を男が遮った。その指差す先に城壁が見えた。
山道を下った先、生い茂る木々が途絶えた場所に、城壁に囲まれた町があった。
家々や店の間を大通りが走り、奥には立派な屋敷が見えた。さらに町の向こうに蛇行する河が流れていた。船の影もいくつか見えた。
「わあ!!」
ランファは馬車から身を乗り出した。神隠しの里――そう呼ばれた山深くの里から出てきたランファにとって、城壁に囲まれた町は初めて目にするものだった。眼下に広がる光景を物珍しく眺めた。
山を下ると木々の向こうに悠然と構える城壁が間近に見えてきた。迫る城壁を目の当たりにして、その迫力に目を瞠った。
「大きいですね!」
「そうかい? まあここからは船も出ているからね」
はは、と男が頬をかいた。食い入るように見つめるランファの膝の上で、クルルが尻尾を振った。
開かれた門を潜って、馬車は町の中へと入っていった。
門の両端には槍を手にした門番がいた。 慣れた様子で木札の通行証を懐から取り出してかざせば、特に止められることもなく馬車はトウシュクの町へ通された。
町に入ってすぐの通りで男が馬車を止めた。
「じゃあ、ここでな」
「はい。本当にありがとうございました」
ランファに続いて、クルルが馬車から飛び降りた。
「――世話になった」
「俺こそ、あんたには世話になった。ありがとうよ。お嬢ちゃんも気をつけろよ」
女が荷台からひらりと降りると、馬車が動き出した。
ランファが大きく手を振ると、男は応えるように片手をあげた。馬車が見えなくなってからようやく手を下ろすと、クルルに話しかけた。
「さあ、クルル。これからどうしよう」
名前を呼ばれてランファを見上げたものの、クルルはすぐに視線を落として、ゆったりと尻尾を振った。
「目的もなくトウシュクに来たのか?」
背後からかけられた声に、ランファは振り返った。馬車を降りた女は、腰に手を当てて自分を見下ろしていた。
「あ、ええと。とにかく大きい町に行きたいんです」
「あの様子だと、街道が使い物にならないから船だな。船着き場に行ってみればいい」
町を縦断する大通りの奥を女が指差した。
北の商業圏の一端を担うトウシュクは、この大通りを中心にして商店や宿屋がずらりと並んでいる様子だ。
「ありがとうございます! すっごく助かります!」
船着き場の方を示す女の手をとって、元気よく上下に振った。ランファの行動に一瞬驚いたようだが、小さく笑みを浮かべた。
「いや、さっきの主人が言っていたように気をつけるんだな」
そう言って背を向けると、振り返ることなく女は建物の角を折れた。ランファは足元のクルルの頭を撫でた。
「よし、じゃあ船着き場に行ってみよう」
クルルが尻尾をひとつ振って返事をした。
きょろきょろと辺りを見回しながら、ランファは大通りへと足を向けた。里よりはるかに行き交う人が多い。しかし商売が盛んな活気は感じられず、ランファは首を傾げた。道を行く人は皆、俯きがちでどこか沈んだ様子なのが見て取れた。
軒先に並ぶ商品も少なく、閑散とした店や宿が並んだ通りを進むと広場に突き当たった。正面には立派な門に囲まれた屋敷があった。入口には城門と同じように門兵がいた。広場の端には領主からの高札が立っていて、数人が集まって覗き込んでいた。
ランファもそれに倣うと、件の傭兵を募る報せだった。
「この間も傭兵を募集したばかりだろ」
「こないだの討伐隊も全滅って話だ」
「なんとかならねえのか」
男たちの会話を聞きながら、ランファは広場を抜けて左手に曲がった。
「本当に山賊がよく出るんだね……」
人々に活気がないのはそのせいなのかな、と考えながら足を進めた。と、水の音が聞こえてきた。クルルが水の匂いを嗅ぎ取ったのか、しきりに鼻を動かした。ランファの少しずつ早くなっていく足にも、クルルは楽々ついてきた。
「広い河! 向こう岸が遠いね!」
緩やかな勾配を駆けていくと、なみなみと水を湛えて大きな河が流れていた。大陸を縦断する龍河へと流れつく支流のひとつだ。
歓声をあげて河に見入っていると、一艘が船着き場に泊まった。ランファは川べりまで近付いて、その船に声をかけた。
「すみませーん! この船は、どこか大きい町に行きますか?」
「いやー、行かないねぇ」
漁を終えたらしく船を桟橋に着けて、初老の男が陸に上がってきた。
「なんだい、都に行きたのかい?」
「え? あ、ええと、その」
煮え切らないランファの返事も気に留めず、残念だったな、と男は呟いた。
「都に出るには一度リヤナに出なきゃならんが、リヤナ行きの船は昨日出たばっかりだよ。次は三日後だねぇ」
「そうなんですか……」
「そもそも都までって言ったら、軽く一万皇はいるんだよ。嬢ちゃん、そんなに持ってるのかい?」
「いちまんっ! そんなにいるんですか?」
提示された金額に項垂れていると、堅い手のひらがランファの頭を乱暴に撫でた。
「まあ、嬢ちゃんみたいな子どもには難しいだろう。馬鹿言ってないで、家に帰りな」
じゃり、と音を立てて男は町の方へ足を向けた。
乱れた髪を手ぐしで整えながら、ランファは大きく溜息をついた。
「家に帰れって言われても……ねぇ」
しゃがみこんでクルルの背を撫でた。ぱたりぱたりと尻尾を振ってクルルがランファを見上げた。金色の瞳に、情けない顔をした自分の姿が映っていた。
帰るわけにはいかないのだ。自分の使命を果たすまでは。
ぱん、と両手で頬を叩く。
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