イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない

藤永ゆいか

文字の大きさ
22 / 35
第4章

◇一堂くんが好き

しおりを挟む
「一堂、満点だ。今回は、君がこのクラスでトップだった」
「ありがとうございます」

 英語の授業中。昨日の授業での小テストを先生から返却された一堂くんが、笑みを浮かべる。

 一堂くん、小テスト満点だったんだ。凄いな。それに比べてわたしは……50点。
 自分の小テストの点数を見て、ガクッと肩を落とす。わたし、英語は苦手なんだよね。

 ここ数日、一堂くんは授業を一度もサボることなく真面目に受けている。てっきり3日坊主なのかと思っていたら、今日で4日目に突入し出席記録を更新し続けている。

「今週は、授業も全くサボらずにちゃんと受けてるし。偉いぞ、一堂。この調子でな」

 英語の先生は、ニコニコ顔。授業をただ真面目に受けているだけで、先生に褒められるなんて。彼の今までの学校での行いが、どんなに悪かったのだろうと思わされる。
 でも、いくら2回目の高校1年生とはいえ、ここ数日真面目に授業を受けただけでもう小テストで満点をとれるなんて……さすが一堂くん。

 ていうか、頬に絆創膏を貼ってるけど……一堂くん、怪我でもしたのかな?


 英語の授業後は、お昼休み。
 一堂くんといつものように一緒に昼食を摂ろうと声をかけると、『用があるから、先に中庭に行ってて』と彼に言われたわたし。

「いけない。お茶持ってくるの忘れてた」

 中庭のベンチに腰を下ろしたわたしは、水筒を教室の机の上に置きっぱなしにしていたことを思い出した。

「お茶、取ってこようかな」

 わたしはベンチから立ち上がり、校舎のほうへと向かって歩き出す。

「一堂くんのことが好きです!」

 すると、どこからかそんな声が聞こえてきて、わたしは思わず足を止めた。

 えっ、今……『一堂くん』って言った?
 思わぬ名前が聞こえ、校舎の角の手前でわたしは動けなくなってしまう。
 一堂くんの名前を耳にし、どうしても気になったわたしは壁越しにそっと覗くと、そこには一堂くんと2年生の女の先輩が向かい合って立っていた。

 用があるって、一堂くん……女の子に呼び出されてたんだ。一堂くんが誰かに告白されている現場に遭遇するのは初めてで、胸がやけにドキドキする。
 しかも告白しているあの先輩、すごく綺麗。確か、ファッション雑誌のモデルをやっているって聞いたことがある。

「……良かったら、私と付き合ってください」

 モデルの先輩の声は、少し震えている。そりゃあ、そうだよね。好きな人に告白するのってすごく緊張するし、勇気がいることだもん。わたしも……そうだったから。

 わたしは、小林くんに振られてしまったけど。来る者拒まずの一堂くんだから、今告白したモデルの先輩のことを振ることはない。きっと、OKするのだろう。

 胸の底のほうにモヤモヤとした感情が広がるのを感じながら、わたしがその場を離れようとしたとき……。

「悪いけど、キミとは付き合えない」

 ……え?

 一堂くんの口から予想外の言葉が飛び出し、わたしは歩きかけていた足を思わず止めた。

 反射的に振り返ると、モデルの先輩は狐につままれたような顔をしていた。

「どっ、どうして? 一堂くん、OKしてくれるんじゃないの!?」

 モデルの先輩が焦った様子で、一堂くんに詰め寄る。

「今までの俺だったら……いいよって、すぐにOKしてたんだろうけど。もう無理なんだ」
「なんで?! 私だからダメなの!?」
「違う。俺、本気で好きな子ができたから。これからは、その子だけを見ていたいんだ」

 本気で好きな子ができたって……一堂くん、本当に?
 バクバクと、鼓動がどんどん速まっていく。

「だから……最近は、キミだけでなく女子からの告白は全て断ってる。いま付き合ってる彼女とも、全員別れるつもり。好きな子以外とは、もう誰とも付き合わないって決めたから」

 自分に言われたわけじゃないのに。ハンマーでガツンと殴られたような、強いショックを受ける。

 そっか。一堂くん、好きな子ができたんだ。
 言い方は悪いけど、これまで女の子にだらしなかったあの一堂くんが女の子からの告白を全て断って。一途に、その人のことだけを好きでいようとするなんて。それだけ、本気ってことだよね。

 プレイボーイだった一堂くんをそこまでさせるなんて、彼に想われている子はよほど魅力的な女の子なんだろうな。その女の子は……きっと、わたしじゃないってことだけは分かる。

 わたしが小林くんに振られた日、公園で一堂くんに『俺と付き合う?』ってからかわれた際にも『そんなお子ちゃま体型のキミが俺の彼女だなんて、百年早い』って言われたし。
 前に一堂くんに『好きだよ』って言われたこともあったけど……あれは、彼が風邪を引いて熱があるときだったから、信ぴょう性は低い。
 それに、一堂くんは年下に興味がないとも言っていたから……そもそもわたしは、彼のタイプですらない。

 わたしは背を壁にもたれかけたまま、ズルズルと力なく地面に座り込む。
 そしてついに、堪えていた涙が堰を切ったように流れ出して止まらなくなった。

「……っうう」

 地面が、ぽたぽたと涙で濡れていく。

 一堂くんにたくさん優しくしてもらって、もしかして……? と思ったときも何度かあったけど。わたしは……一堂くんの親友の妹だから。
 お兄ちゃんのよしみで毎日一緒にお昼ご飯を食べたりと、今まで他の彼女よりも良くしてもらっていただけだ。そう思うと、余計に悲しくなって。息が上手くできなくなるくらいに苦しい。

 「……っう~っ」

 さっきからずっと、涙がとめどなく溢れて一向に止まらない。
 どうしてわたし……こんなに泣くほどショックなんだろう。

 どうしてかって、その答えはもう自分が一番よく分かっている。わたしが……一堂くんのことを好きだからだって。

 本当は、少し前からこの気持ちに気づいていたけれど。この気持ちに蓋をして、ずっと気づかないフリをしていた。
 一堂くんは、女の子なら来る者拒まずのプレイボーイで。わたしたちは、1ヶ月限定の仮の恋人同士だから。
 1ヶ月が経てば別れが訪れると最初から分かっていて、彼を好きになるわけにはいかなかった。

 本気で好きになったところで、自分が辛いだけだから。そして何より、初恋のときみたいに振られて二度も傷つくのが怖かったから。

 だけど、やっぱり……一堂くんを好きにならないなんて無理だった。彼は、あんなにも魅力的な人なんだもん。

 明日で一堂くんとの約束の1ヶ月ってときに……こんな気持ちになるなんて。バカだ、わたし。

 「一堂くん……きだよ」

 好き、だよ……。

 どうにもならないこの想いを、ひたすら心の中でつぶやく。
 地面に体育座りをしたまま、わたしがしばらくじっと俯いていると、視界の隅っこに誰かのローファーが見えた。

「……依茉?」

 名前を呼ばれて顔を上げると、一堂くんが目の前に立っていた。

「どうしたんだよ、こんなところに座りこんで……」
「……っ」

 一堂くん、なんで……。

「ていうか、依茉……泣いてるのか?」
「なっ、泣いてない」

 わたしは、慌てて目元の涙を手で拭う。だけど、拭っても拭っても涙は次から次へと溢れてくる。

「依茉、どこか痛むの? しんどい?」

 一堂くんの問いかけに、わたしは首を横に振る。

「じゃあ、なんでそんなに泣いてるんだよ。依茉がずっと泣いてたら、心配になるだろ」

 一堂くんの大きな手が、わたしの頬に優しく触れる。

 自分の気持ちを自覚したせいか、彼に触れられると、いつも以上に胸が高鳴ってしまう。
 ねぇ、一堂くん。心配になるとか、そんなこと言わないで。

「はい。これ、まだ使ってないやつだから。これで涙拭いて」

 一堂くんが、わたしにハンカチを差し出してくる。

 こんなときまで、優しくしてくれるなんて。一堂くんの “ 好きな子 ” が、わたしなんじゃないかって勘違いしそうになる。

「ねぇ、一堂くん。他に好きな子がいるんでしょう? だったら……もうわたしに優しくしないで」
「え? 好きな子って……もしかして依茉、俺がさっき女子を振るところ見てたの?」

 わたしは、素直にこくりと頷く。

「そっか。依茉にあの場面を見られてたのか。だけど、それは誤解だよ」

 誤解?

「……ごめん、依茉。ちょっと立って、こっちに来てくれる?」

 地面に座り込んでいたわたしを強い力で立ち上がらせると、一堂くんがわたしの手を握って歩き出す。

「ちょっと、一堂くん!?」
「依茉に大事な話があるんだ」


 彼に少し強引に手を引かれてやって来たのは、中庭の噴水の前。
 噴水を取り囲むように設置されている花壇には、今日も色とりどりの花が咲いている。

「あのさ、依茉。俺がさっき言ってた好きな子っていうのは……依茉のことだよ」
「……え?」

 わ、わたし!?

「う、うそでしょ!?」
「嘘じゃないよ。依茉……覚えてないかな? 俺が中学2年の頃、ここで女子に告白されたんだけど。そのとき花壇の水やりをしていた依茉に、誤ってホースの水をかけられてさ」

 そういえば、そんなこともあった気がする。

 花城学園は中高一貫校だから、中等部と高等部で校舎は別々だけど。同じ敷地内にあるこの中庭は、共有の憩いの場となっていて。
 中学生の頃、花が好きだったわたしは昼休みに毎日ここで花壇の水やりをしていた。

 あの日もいつものようにここで花壇の水やりをしていたら、偶然告白現場に遭遇して。
 そういう場面に遭遇するのは初めてで、当時はわたしも小林くんに片想い中だったから。
 自分のことのようにドキドキしながら人様の告白につい見入っていたら……ホースを持つ手が滑っちゃったんだよね。

「その翌日に、依茉がお詫びにって手作りのクッキーをくれて。律儀でいい子だなって思って。それからずっと、俺は依茉のことが気になっていた。だけど、実家のこととか色々あったから……」


 それから一堂くんは、実家のことや女の子を来る者拒まずで受け入れるようになったワケなど、これまでのことを全て包み隠さずわたしに話してくれた。

 一堂くんに、そんなことがあったなんて……わたしは、口元を手でおさえる。

 中学生という多感な時期に、初めて付き合った女の子と強制的に別れさせられて。そのうえ、大好きだったバスケまで辞めさせられて。そんなの辛すぎるよ。

 そのときの一堂くんのことを思うと、胸がズキズキと痛む。

 女の子にだらしないのも、高校を留年したことももちろん良くはないけれど。いくら家や会社のためだとしても……あれもダメこれもダメと、自分のすること全てを親に否定されたら……一堂くんがこうなってしまったのも無理はない。

 もしわたしが彼の立場だったなら、きっと自暴自棄になっていたに違いない。

「辛かったよね、一堂くん……ぐすっ」
「なんで、依茉が泣くんだよ」
「だって……」

 一堂くんがわたしの目元の涙を、指で優しく拭ってくれる。

「こんな俺のために泣いてくれるなんて。依茉は、本当に優しい子だな。ますます好きになりそうだよ」

 一堂くんがわたしを見つめながら、ニコリと微笑む。


 でも、まさか……。ここで水をかけてしまった先輩と、今の一堂くんが同一人物だったなんて。しかも、一堂くんが中学生の頃からわたしのことを見ていてくれたなんてびっくり。

 頭の中に薄らと残る当時の一堂くんは、黒髪でピアスもつけてなくて、真面目そうな少年という印象だった。

 一堂くんとちゃんと話したのは、あのときの一度きりで。学年も違ったから、申し訳ないけどほとんど記憶に残ってなくて。
 公園で一堂くんに失恋現場を目撃されて爆笑されたときは、中庭で初めて話したときと彼の雰囲気が180度変わっていたから。
 あの日の公園での出会いが、一堂くんとの初対面だとばかり思っていた。

「俺、今までの女関係は全て終わらせたから。もちろん、連絡先も削除した」
「もしかして、それで頬に絆創膏を……?」
「ああ。来月付き合うことになっていた一人に、平手打ちにされた」

 そうだったんだ……。

 わたしは、一堂くんの絆創膏を貼っているほうの頬を指でそっと撫でる。

「俺、依茉のことがほんとに好きだ。これからは、依茉一筋で生きていくから……仮の彼女ではなく、今日からは俺の本当の彼女になって欲しい」

 自分だけに向けられる真剣な眼差しに、胸のドキドキは止まらない。どうしよう。嬉しい……。

「わたしも、一堂くんのことが好き。だから……これからもよろしくお願いします」

 1ヶ月が経ったら、一堂くんとは離れなければならないと心の底でずっと思っていたけれど。まさか、一堂くんと本当の恋人になれる日が来るなんて。

 わたしは嬉しくて、また涙が溢れてしまう。

「依茉、また泣いてる」
「だって、嬉しくて……夢じゃないよね?」

 一堂くんがわたしの腰に手をまわすと、わたしを自分のほうへと抱き寄せる。

「夢じゃないよ。俺たち、これからもずっと一緒だから」

 一堂くんが、力強く抱きしめてくれる。そんな彼の背に、わたしもそっと手をまわした。

 ひゅうっと風が吹き、花壇の色とりどりの花が静かに揺れる。

 彼と想いが通じ合ったこのときは、本当に幸せで。今日は、わたしの人生で忘れられない日となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈

玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳 大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。 でも、これはただのお見合いではないらしい。 初出はエブリスタ様にて。 また番外編を追加する予定です。 シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。 表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~

蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。 嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。 だから、仲の良い同期のままでいたい。 そう思っているのに。 今までと違う甘い視線で見つめられて、 “女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。 全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。 「勘違いじゃないから」 告白したい御曹司と 告白されたくない小ボケ女子 ラブバトル開始

誘惑の延長線上、君を囲う。

桜井 響華
恋愛
私と貴方の間には "恋"も"愛"も存在しない。 高校の同級生が上司となって 私の前に現れただけの話。 .。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚ Иatural+ 企画開発部部長 日下部 郁弥(30) × 転職したてのエリアマネージャー 佐藤 琴葉(30) .。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚ 偶然にもバーカウンターで泥酔寸前の 貴方を見つけて… 高校時代の面影がない私は… 弱っていそうな貴方を誘惑した。 : : ♡o。+..:* : 「本当は大好きだった……」 ───そんな気持ちを隠したままに 欲に溺れ、お互いの隙間を埋める。 【誘惑の延長線上、君を囲う。】

フローライト

藤谷 郁
恋愛
彩子(さいこ)は恋愛経験のない24歳。 ある日、友人の婚約話をきっかけに自分の未来を考えるようになる。 結婚するのか、それとも独身で過ごすのか? 「……そもそも私に、恋愛なんてできるのかな」 そんな時、伯母が見合い話を持ってきた。 写真を見れば、スーツを着た青年が、穏やかに微笑んでいる。 「趣味はこうぶつ?」 釣書を見ながら迷う彩子だが、不思議と、その青年には会いたいと思うのだった… ※他サイトにも掲載

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

俺様御曹司に飼われました

馬村 はくあ
恋愛
新入社員の心海が、与えられた社宅に行くと先住民が!? 「俺に飼われてみる?」 自分の家だと言い張る先住民に出された条件は、カノジョになること。 しぶしぶ受け入れてみるけど、俺様だけど優しいそんな彼にいつしか惹かれていって……

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……

処理中です...