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第3章
◆兄貴に宣言〜慧side〜
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遠足の日の放課後。俺は体操服姿のまま、ひとりで学校近くの公園のベンチに座っていた。
この公園は、俺が依茉と久しぶりに再会した公園だ。依茉が小林に告白して振られた……あの公園。
───春休みのあの日。俺は、当時付き合っていたハルカっていう彼女とのデートの待ち合わせ場所に向かっている途中で、この公園の前を通ったんだ。
そしたら、依茉と小林が向かい合って立っているのが見えて。遠目からでも分かるくらい、依茉はとても緊張した面持ちをしていたから。
俺は、なんとなく察した。依茉が、小林に告白するんじゃないかって。
そう思うと、いてもたってもいられなくて。どうしても依茉のことが気になってしまい、彼女とのデートのこともすっかり頭から抜け落ち、俺は公園へと足を踏み入れた。
『好きです! 付き合ってください!』
そして依茉は小林に告白し、俺の予感は見事に的中。
依茉は俺が中等部の頃、学年を問わず男子の間で可愛いと人気があったから。小林も告白をOKするのだろうと、ドキドキしながら見ていたら……答えはまさかのNOで。
『……あははっ。やっべぇ』
依茉のすぐ近くでその瞬間を見ていた俺は、気づいたら笑い声が出てしまっていた。
決して振られた依茉をバカにしたかった訳ではなく、依茉が誰かの彼女にならずに済んで、嬉しさのあまり思わず……といったところ。
自分の気になっていた女の子が、男に振られて喜ぶなんて。ほんと俺って、性格悪いよなと思いながら。
『なっ、何なんですか!? こっちは振られて傷ついてるっていうのに』
依茉は俺のことを全く覚えていなかったみたいで、かなりショックだった。
まあ、俺が中学を卒業してから今日まで依茉とは一度も会ってなかったし。そもそも依茉とちゃんと会話したのは、中庭で水をぶっかけられたあのときだけだったし……と、自分に言い聞かせる。
だけど、初めて見る依茉の怒った顔は可愛くて。バカな俺は、彼女の怒った顔をもっと見てみたいと思ってしまった。
そして、依茉に少しでも自分のことを覚えて欲しい一心で、ガキみたいにあんな嫌なことを沢山言ってしまった。
依茉の前から去ったあとすぐに自分の言ったことを後悔して、依茉にやっぱりちゃんと謝ろうと思って、俺は走って公園に戻ったけど。そこに、依茉の姿はもうなかった。
『ごめん、依茉。ごめん……』
俺の小さな呟きは、もちろん彼女に届くことはなかった。
それから、高校1年をもう一度やり直すことになった俺は、学校で依茉とまさかの同じクラスになって。
怜央に、“ 依茉の男避けのために1ヶ月間仮の恋人になって欲しい ” と頼まれてから、早いものであと1週間で約束の1ヶ月になる。
依茉と今の関係が始まったときには、淡いピンクの花を咲かせていたこの公園の大きな桜の木も、今では鮮やかな緑色の葉をつけている。
久しぶりにこの公園に来たら、つい依茉と再会したあの日のことを思い出してしまった。今となっては、懐かしい。
それにしても、この1ヶ月は本当に早かったな……。
色々なことがあったけど、依茉といると楽しくて。ほんと夢みたいな毎日だった。
親に初恋の彼女と強制的に別れさせられてからは、もう誰のことも好きにならないって決めていたのに。
俺は、この1ヶ月で依茉のことを本気で好きになってしまった。
親にバレたら、また何を言われるかも分からないが、依茉のことだけは諦めたくない。
俺は、できればこれからも依茉との関係をまだ続けたい。あと1週間で終わらせたくない。だから……。
スマホに目をやると、時刻は17時過ぎ。
約束の時間を5分オーバーしたけど、あいつは来てくれるだろうか。
「ごめん、慧。遅くなった」
怜央が走りながら公園へとやって来た。
「悪いな、怜央。急に呼び出して」
俺は『大事な話がある』と言って、怜央をこの公園に呼んだ。依茉は怜央の妹だから、ちゃんと怜央に話しておいたほうがいいと思ったんだ。
依茉に好意があることを黙っていて、俺たちの友情にヒビが入るのは嫌だし。
中学2年の頃。俺が学校の廊下の窓から、花壇の水やりをする依茉のことを見ていて『依茉のことが好きで、ここからあいつを見てるとかじゃないよな?』と怜央に聞かれたときは、思わず否定してしまったけれど。
あのときみたいに、もう嘘はつきたくないから。自分の気持ちに正直でいたいし、俺が本気だってことを親友の怜央にも分かって欲しい。
「それで? 大事な話ってなに?」
怜央が、俺の隣に腰をおろす。
「えっと……」
やばい。依茉に告白するわけじゃないのに、めちゃめちゃ緊張する。口から、心臓が飛び出してきそうだ。
一度深呼吸すると、俺は意を決して話し始める。
「実は俺……依茉のことが好きなんだ」
「は!?」
俺の告白に、怜央が目を丸くする。
「近いうちに、告白しようと思ってる」
「慧が依茉のことを好きって……冗談だろ?」
薄ら笑いを浮かべる怜央に、俺は首を横に振る。
「えっ。まさかお前、本気なのか?」
「ああ」
怜央の顔つきが、一気に険しいものになる。
「……そんなの、ダメだ。授業をサボって留年した上に、女を取っかえ引っ変えして。そんな奴に、大事な妹は渡せない」
……やっぱり。そうだよな。俺も怜央の立場だったら、きっと同じことを言うに違いない。
「そもそも、どうして依茉なんだ? 慧の周りには、他にもたくさん女の子がいるだろ?」
もし俺が、依茉じゃない他の女子を好きだって言っていたなら……怜央はすぐに応援するって言ってくれたのだろうか。
「別に、依茉にこだわることはないだろう」
「実は俺……中2の頃からずっと依茉のこと、良い子だなって思ってたんだ」
中学時代、依茉に中庭で水をかけられたこと。
依茉がトマトについて力説してくれたことや、仮の恋人として付き合うようになってからの日々。
そして、俺の家や過去のことも全部包み隠さずに話すと、徐々に怜央の表情が柔らかくなってきた。
「そうか。中学の頃から、依茉を……。慧、家のことで色々と辛い思いをしたんだな」
「他の女で依茉のことを忘れようとしても、やっぱりどうしても無理だった」
俺は真っ直ぐ、怜央を見据える。
「俺は、本当に依茉のことが好きなんだ」
「……」
怜央が黙り込んでしまい、俺たちの間には重い空気が流れる。
怜央、やっぱりそう簡単には許してくれないのかな……。
俺は緊張で高鳴る心臓を、制服の上から手で押さえる。
「……この間も、俺が慧のことをつい悪く言ってしまったら、依茉に怒られちゃったしな」
怜央が何かを思い出したのか、口角を上げる。
「まあ、どこの馬の骨かも分からない男よりも……慧だったら安心だな」
それって……。
「お前になら……依茉を任せてもいいよ」
「怜央、ほんとか!?」
俺は思わず、座っていたベンチから立ち上がってしまう。
「ただし……」
怜央の目が、再び鋭くなる。
「もし依茉のことを泣かせたりしたら……いくら慧でも絶対に許さないから」
「うん。約束するよ」
「それと、分かってるとは思うけど……女関係だけでなく、学校のこともちゃんとしろよ? もう二度と、留年とかすんな」
「もちろんだ」
俺は、依茉と一緒に高校を卒業したいし。何より、依茉にとって恥ずかしくない男でいたいから。これからは、ちゃんとするつもり。
「まあ、俺は慧のこと応援してるから。頑張れよ」
優しい表情の怜央が、拳を俺へと突き出してくる。
「ああ。ありがとうな、怜央」
依茉の兄で、俺の一番の親友でもある怜央に理解してもらえて、こうして応援の言葉までもらったんだ。
これからは、何があっても絶対に頑張るという気持ちを込めて、俺は怜央とグータッチをした。
この公園は、俺が依茉と久しぶりに再会した公園だ。依茉が小林に告白して振られた……あの公園。
───春休みのあの日。俺は、当時付き合っていたハルカっていう彼女とのデートの待ち合わせ場所に向かっている途中で、この公園の前を通ったんだ。
そしたら、依茉と小林が向かい合って立っているのが見えて。遠目からでも分かるくらい、依茉はとても緊張した面持ちをしていたから。
俺は、なんとなく察した。依茉が、小林に告白するんじゃないかって。
そう思うと、いてもたってもいられなくて。どうしても依茉のことが気になってしまい、彼女とのデートのこともすっかり頭から抜け落ち、俺は公園へと足を踏み入れた。
『好きです! 付き合ってください!』
そして依茉は小林に告白し、俺の予感は見事に的中。
依茉は俺が中等部の頃、学年を問わず男子の間で可愛いと人気があったから。小林も告白をOKするのだろうと、ドキドキしながら見ていたら……答えはまさかのNOで。
『……あははっ。やっべぇ』
依茉のすぐ近くでその瞬間を見ていた俺は、気づいたら笑い声が出てしまっていた。
決して振られた依茉をバカにしたかった訳ではなく、依茉が誰かの彼女にならずに済んで、嬉しさのあまり思わず……といったところ。
自分の気になっていた女の子が、男に振られて喜ぶなんて。ほんと俺って、性格悪いよなと思いながら。
『なっ、何なんですか!? こっちは振られて傷ついてるっていうのに』
依茉は俺のことを全く覚えていなかったみたいで、かなりショックだった。
まあ、俺が中学を卒業してから今日まで依茉とは一度も会ってなかったし。そもそも依茉とちゃんと会話したのは、中庭で水をぶっかけられたあのときだけだったし……と、自分に言い聞かせる。
だけど、初めて見る依茉の怒った顔は可愛くて。バカな俺は、彼女の怒った顔をもっと見てみたいと思ってしまった。
そして、依茉に少しでも自分のことを覚えて欲しい一心で、ガキみたいにあんな嫌なことを沢山言ってしまった。
依茉の前から去ったあとすぐに自分の言ったことを後悔して、依茉にやっぱりちゃんと謝ろうと思って、俺は走って公園に戻ったけど。そこに、依茉の姿はもうなかった。
『ごめん、依茉。ごめん……』
俺の小さな呟きは、もちろん彼女に届くことはなかった。
それから、高校1年をもう一度やり直すことになった俺は、学校で依茉とまさかの同じクラスになって。
怜央に、“ 依茉の男避けのために1ヶ月間仮の恋人になって欲しい ” と頼まれてから、早いものであと1週間で約束の1ヶ月になる。
依茉と今の関係が始まったときには、淡いピンクの花を咲かせていたこの公園の大きな桜の木も、今では鮮やかな緑色の葉をつけている。
久しぶりにこの公園に来たら、つい依茉と再会したあの日のことを思い出してしまった。今となっては、懐かしい。
それにしても、この1ヶ月は本当に早かったな……。
色々なことがあったけど、依茉といると楽しくて。ほんと夢みたいな毎日だった。
親に初恋の彼女と強制的に別れさせられてからは、もう誰のことも好きにならないって決めていたのに。
俺は、この1ヶ月で依茉のことを本気で好きになってしまった。
親にバレたら、また何を言われるかも分からないが、依茉のことだけは諦めたくない。
俺は、できればこれからも依茉との関係をまだ続けたい。あと1週間で終わらせたくない。だから……。
スマホに目をやると、時刻は17時過ぎ。
約束の時間を5分オーバーしたけど、あいつは来てくれるだろうか。
「ごめん、慧。遅くなった」
怜央が走りながら公園へとやって来た。
「悪いな、怜央。急に呼び出して」
俺は『大事な話がある』と言って、怜央をこの公園に呼んだ。依茉は怜央の妹だから、ちゃんと怜央に話しておいたほうがいいと思ったんだ。
依茉に好意があることを黙っていて、俺たちの友情にヒビが入るのは嫌だし。
中学2年の頃。俺が学校の廊下の窓から、花壇の水やりをする依茉のことを見ていて『依茉のことが好きで、ここからあいつを見てるとかじゃないよな?』と怜央に聞かれたときは、思わず否定してしまったけれど。
あのときみたいに、もう嘘はつきたくないから。自分の気持ちに正直でいたいし、俺が本気だってことを親友の怜央にも分かって欲しい。
「それで? 大事な話ってなに?」
怜央が、俺の隣に腰をおろす。
「えっと……」
やばい。依茉に告白するわけじゃないのに、めちゃめちゃ緊張する。口から、心臓が飛び出してきそうだ。
一度深呼吸すると、俺は意を決して話し始める。
「実は俺……依茉のことが好きなんだ」
「は!?」
俺の告白に、怜央が目を丸くする。
「近いうちに、告白しようと思ってる」
「慧が依茉のことを好きって……冗談だろ?」
薄ら笑いを浮かべる怜央に、俺は首を横に振る。
「えっ。まさかお前、本気なのか?」
「ああ」
怜央の顔つきが、一気に険しいものになる。
「……そんなの、ダメだ。授業をサボって留年した上に、女を取っかえ引っ変えして。そんな奴に、大事な妹は渡せない」
……やっぱり。そうだよな。俺も怜央の立場だったら、きっと同じことを言うに違いない。
「そもそも、どうして依茉なんだ? 慧の周りには、他にもたくさん女の子がいるだろ?」
もし俺が、依茉じゃない他の女子を好きだって言っていたなら……怜央はすぐに応援するって言ってくれたのだろうか。
「別に、依茉にこだわることはないだろう」
「実は俺……中2の頃からずっと依茉のこと、良い子だなって思ってたんだ」
中学時代、依茉に中庭で水をかけられたこと。
依茉がトマトについて力説してくれたことや、仮の恋人として付き合うようになってからの日々。
そして、俺の家や過去のことも全部包み隠さずに話すと、徐々に怜央の表情が柔らかくなってきた。
「そうか。中学の頃から、依茉を……。慧、家のことで色々と辛い思いをしたんだな」
「他の女で依茉のことを忘れようとしても、やっぱりどうしても無理だった」
俺は真っ直ぐ、怜央を見据える。
「俺は、本当に依茉のことが好きなんだ」
「……」
怜央が黙り込んでしまい、俺たちの間には重い空気が流れる。
怜央、やっぱりそう簡単には許してくれないのかな……。
俺は緊張で高鳴る心臓を、制服の上から手で押さえる。
「……この間も、俺が慧のことをつい悪く言ってしまったら、依茉に怒られちゃったしな」
怜央が何かを思い出したのか、口角を上げる。
「まあ、どこの馬の骨かも分からない男よりも……慧だったら安心だな」
それって……。
「お前になら……依茉を任せてもいいよ」
「怜央、ほんとか!?」
俺は思わず、座っていたベンチから立ち上がってしまう。
「ただし……」
怜央の目が、再び鋭くなる。
「もし依茉のことを泣かせたりしたら……いくら慧でも絶対に許さないから」
「うん。約束するよ」
「それと、分かってるとは思うけど……女関係だけでなく、学校のこともちゃんとしろよ? もう二度と、留年とかすんな」
「もちろんだ」
俺は、依茉と一緒に高校を卒業したいし。何より、依茉にとって恥ずかしくない男でいたいから。これからは、ちゃんとするつもり。
「まあ、俺は慧のこと応援してるから。頑張れよ」
優しい表情の怜央が、拳を俺へと突き出してくる。
「ああ。ありがとうな、怜央」
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