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第2章
陽向とひとつ屋根の下①
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「それじゃあ、星奈。陽向くんと仲良くね」
「うん。お母さんも夜勤頑張って」
土曜日の夕方。私は家の前で、仕事に向かうお母さんと手を振って別れた。
あれから着替えとか必要なものを詰めたリュックを背に、私は近所の一之瀬家へと向かう。
一之瀬グループの社長を父に持つ陽向の家は、我が家の3軒隣の角地にあった。住宅地のなかで一番大きな家だ。立派なお屋敷を前に、私は息を飲む。
陽向に絶交と言われたあの日から、ずっとこの家には来ていなかったから。
中学生になってからの訪問は初めてで、ちょっとドキドキする。
でも、私がいきなり訪問したら陽向びっくりするかな?
久しぶりの訪問ということもあり、少し緊張気味の私が家のインターフォンをなかなか押せずにいると。
ガチャッ。
「……何やってんの?」
陽向が玄関の扉を開けて、顔を出した。
「こっ、こんにちは」
「そんなところに突っ立ってないで、早く入れよ」
「う、うん。お邪魔します」
陽向に促され、私は久しぶりに彼の家の敷居をまたいだ。
「案内するから」という陽向のあとに続いて、私は廊下を歩く。
相変わらず広いなぁ。最後に来た3年前と何ら変わらず、家の中は甘く良い香りがする。
このにおいを嗅ぐと、陽向の家に来たんだと感じる。
「母さんが、星奈にはこの部屋を使ってもらってって」
陽向に案内されたのは、リビングの向かいにある8畳ほどの和室。
この和室に入るのは初めてだけど。ダークブラウンの畳や天井に、レトロな和モダンのインテリアが並んでいてオシャレ。
「ここ、自分の部屋だと思って星奈の好きに使っていいから。それじゃあ」
「あっ。待って、陽向」
私を部屋に案内すると、すぐに陽向が出て行こうとする。
「あの、これから毎週土曜日……よろしくね」
私がそう言うと、なぜか陽向にふいっと顔をそらされる。
あ、あれ? 返事してくれないなんて私、何かまずいことでも言った?
「えっと、それで……今日の夕飯のことなんだけど。陽向、何が良い? リクエストがあれば、私作るよ」
「……別に、無理して作ってくれなくて良い。コンビニで適当に買って食べるし」
それだけ言うと、陽向は今度こそ部屋から出て行ってしまった。
私は、和室にひとりポツン。
許嫁とは言え、やっぱりあまり歓迎はされてないのかな?
陽向、球技大会のバスケの練習は全く嫌がる素振りも見せずに付き合ってくれてるけど。それは陽向自身、バスケが好きだからなのかな?
陽向だって、せっかくの週末に家に私がいるよりも一人で過ごしたほうが気楽だろうし。
やっぱり私、自分の家に帰ろうかな……って。マイナスなことを色々と考えだしたら、キリがない。
この週末の同居は、もう決まったことなんだから。バスケの練習だけでなく、この同居をキッカケにもっと陽向との関係を良くしたい。
それに私は、陽向ママからも頼まれてるの。
『あの子、全く料理をしなくて。家に自分ひとりだけだと、すぐにカップ麺とかで済ませちゃうから。星奈ちゃん、よろしくね』って。
ここに来る前に陽向ママとの電話でそう言われて、冷蔵庫の中の物も好きに使って良いって言われたから。
お料理頑張らなきゃ。でも、何を作ろうかな?
最初の夕飯だし、できれば陽向の好きなもの……そうだ!
「うん。お母さんも夜勤頑張って」
土曜日の夕方。私は家の前で、仕事に向かうお母さんと手を振って別れた。
あれから着替えとか必要なものを詰めたリュックを背に、私は近所の一之瀬家へと向かう。
一之瀬グループの社長を父に持つ陽向の家は、我が家の3軒隣の角地にあった。住宅地のなかで一番大きな家だ。立派なお屋敷を前に、私は息を飲む。
陽向に絶交と言われたあの日から、ずっとこの家には来ていなかったから。
中学生になってからの訪問は初めてで、ちょっとドキドキする。
でも、私がいきなり訪問したら陽向びっくりするかな?
久しぶりの訪問ということもあり、少し緊張気味の私が家のインターフォンをなかなか押せずにいると。
ガチャッ。
「……何やってんの?」
陽向が玄関の扉を開けて、顔を出した。
「こっ、こんにちは」
「そんなところに突っ立ってないで、早く入れよ」
「う、うん。お邪魔します」
陽向に促され、私は久しぶりに彼の家の敷居をまたいだ。
「案内するから」という陽向のあとに続いて、私は廊下を歩く。
相変わらず広いなぁ。最後に来た3年前と何ら変わらず、家の中は甘く良い香りがする。
このにおいを嗅ぐと、陽向の家に来たんだと感じる。
「母さんが、星奈にはこの部屋を使ってもらってって」
陽向に案内されたのは、リビングの向かいにある8畳ほどの和室。
この和室に入るのは初めてだけど。ダークブラウンの畳や天井に、レトロな和モダンのインテリアが並んでいてオシャレ。
「ここ、自分の部屋だと思って星奈の好きに使っていいから。それじゃあ」
「あっ。待って、陽向」
私を部屋に案内すると、すぐに陽向が出て行こうとする。
「あの、これから毎週土曜日……よろしくね」
私がそう言うと、なぜか陽向にふいっと顔をそらされる。
あ、あれ? 返事してくれないなんて私、何かまずいことでも言った?
「えっと、それで……今日の夕飯のことなんだけど。陽向、何が良い? リクエストがあれば、私作るよ」
「……別に、無理して作ってくれなくて良い。コンビニで適当に買って食べるし」
それだけ言うと、陽向は今度こそ部屋から出て行ってしまった。
私は、和室にひとりポツン。
許嫁とは言え、やっぱりあまり歓迎はされてないのかな?
陽向、球技大会のバスケの練習は全く嫌がる素振りも見せずに付き合ってくれてるけど。それは陽向自身、バスケが好きだからなのかな?
陽向だって、せっかくの週末に家に私がいるよりも一人で過ごしたほうが気楽だろうし。
やっぱり私、自分の家に帰ろうかな……って。マイナスなことを色々と考えだしたら、キリがない。
この週末の同居は、もう決まったことなんだから。バスケの練習だけでなく、この同居をキッカケにもっと陽向との関係を良くしたい。
それに私は、陽向ママからも頼まれてるの。
『あの子、全く料理をしなくて。家に自分ひとりだけだと、すぐにカップ麺とかで済ませちゃうから。星奈ちゃん、よろしくね』って。
ここに来る前に陽向ママとの電話でそう言われて、冷蔵庫の中の物も好きに使って良いって言われたから。
お料理頑張らなきゃ。でも、何を作ろうかな?
最初の夕飯だし、できれば陽向の好きなもの……そうだ!
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