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第3章
帰国子女の転校生
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ゴールデンウィークが明けた、5月のある日の朝。
「おはよう、星奈」
「おはよ、天音ちゃん」
私が登校するとしばらくして、天音ちゃんが教室にやって来た。
「ていうか、教室の扉のところ! 女子だらけで入るのに苦労したんだけど」
「あはは」
頬を膨らませる天音ちゃんに、私は苦笑い。
私たちのクラスには、陽向と水上くんという学年のモテ男子二人が揃っているからか、朝礼前や休み時間になると他のクラスの女子たちが彼らを見物しにやって来る。
2年生になって1ヶ月が経つけど、陽向たちの人気は全く衰える気配がない。
それどころか、先日の球技大会で陽向と水上くんの活躍によりチームが優勝したからか、彼らの人気にますます火がついたほどだ。
「一之瀬くん、おはよう!」
「……」
登校してきて席に着く陽向にクラスの女子が声をかけるも、陽向は無視。
陰で“氷の王子様”と呼ばれている陽向にとって、これはいつものこと。
陽向は学校では基本、女子とは話さない。
「もう、ヒナくん。女の子を無視したら、ダメじゃんか~。ごめんね? 田中さん」
そして、そんな陽向を水上くんが注意するのもまた、いつものこと。
「おーい、席につけー。朝礼始めるぞ」
しばらくして、担任の先生が教室に入ってきた。他のクラスの女子たちは、慌てて自分の教室に戻っていく。
「おはよう、みんな。実は、今日からこのクラスに新しい仲間が増えることになった」
えっ、新しい仲間って。この時期に転校生!?
「マジかよ。男?女?」
「あたしは、断然イケメンが良い!」
先生の話を聞いたクラスメイトは、一斉に騒ぎ出す。
「はいはい。転校生に入って来てもらうから、みんな静かに! それじゃあ 秋川、入って来なさい」
秋川と呼ばれた転校生が、教室に入って来る。
「キャーーッ!」
その瞬間、教室には黄色い歓声があがる。
「やばーい!」
「めっちゃかっこいいーっ!」
突然の耳をつんざくような声に、私は思わず耳をふさいでしまう。
女子の黄色い歓声、イコール、転校生は男の子だった。
先生の隣に並んだ彼は、先生よりも背が高くて。少し癖のあるミルクティー色の髪に、目鼻立ちが整ったハーフ顔。
確かに。女の子が騒ぎ立てるのも分かるくらい、彼はかなりのイケメンだ。
あれ? でもこの人、昔どこかで会ったことがあるような……。
「それじゃあ、秋川。自己紹介して」
「オーケー。マイネームイズ、ソラ・アキカワ」
すると彼は、流暢な英語で話し始めた。
その途端、騒いでいた女子たちは静かになり、みんなポカンとしている。
「アイムフロム……」
英語が苦手な私も、喋るのが早すぎて彼が何を言ってるのかさっぱり分からない。
だけど、アキカワソラっていう名前だけはハッキリと聞こえた。
「秋川、できれば日本語で頼むよ」
担任の先生も、苦笑い。
「オー、ソーリー。つい英語で話してしまって。改めて、僕の名前は秋川想良。父が日本人で、母はアメリカ人。父の仕事の都合で、2歳の頃からアメリカに住んでました」
彼の口から飛び出した日本語に、みんなホッとした顔になる。
「小学3年生から2年間だけ、日本で過ごしていたことがあるけど。アメリカでの生活のほうが長くて、分からないことも多いので。みんな色々と教えてください」
彼の自己紹介に、教室からパラパラと拍手が沸き起こる。
「これから、よろしくお願いします」
秋川くんは王子様が挨拶するみたいに右手を胸に当てて、うやうやしくお辞儀をする。
そして頭を上げた彼は、白い歯を見せ爽やかに微笑んでみせた。
「キャーーー!!」
秋川くんの王子様スマイルに、教室には再び女子の大歓声が。
す、すごい。私が圧倒されていると。
偶然こちらを向いた彼と、パチッと目が合ってしまった。
「オーッ! キミはもしかして、せーちゃん!?」
私を見た瞬間、彼の顔がパと華やぐ。
私のことを『せーちゃん』って呼ぶってことは、やっぱり……。
「秋川くんってやっぱり、そーちゃん!?」
「イエス!」
「わあっ。そーちゃん、久しぶり~!」
私は思わず、席から立ち上がる。
「なになに? 星奈ちゃん、転校生くんと知り合い?」
「うん。小学校のときの友達なの」
水上くんに聞かれ、私は答える。
そーちゃんは、私が小学3年生のときにウチの近所に引っ越してきて。小学5年生になる少し前まで、私と同じ小学校に通っていた男の子。
当時は、陽向と3人でよく一緒に遊んだりもしていた。
こうして会うのは3年ぶりだけど、あの頃よりもすごく大人っぽくなってて。
そーちゃんだって、すぐには気づかなかったよ。
「でも、まさか……こんなところで、せーちゃんに会えるなんて」
ツカツカと歩いて私のところまでやって来たそーちゃんが、突然私の前でひざまずく。
「そーちゃん?」
「僕、アメリカに行ってからもずっと、せーちゃんに会いたかったから。こうして会えて、とてもハッピーだよ」
そーちゃんは私の右手を取ると、その甲にそっと口づけた。
……へ?
「きゃあああ」
そーちゃんのまさかのキスに、教室はまた一段と騒がしくなる。
「そっ、そーちゃ……なっ、何を」
「何って、挨拶のキスだよ」
「あっ、あ、挨拶!?」
手の甲とはいえ、今までキスなんてされたことのない私は動揺を隠せない。
「うん。アメリカや欧米では、普通に挨拶でハグもキスもするよ?」
不思議そうな顔で、首を傾げるそーちゃん。
さっ、さすが。アメリカ帰りというか、何というか。
小学生の頃のそーちゃんは、どちらかというとおとなしくて。
いくら挨拶とはいえ、こんなふうに簡単に人にキスしたりするような子じゃなかったと思うんだけど。
小学5年生からまた3年間アメリカに行って、変わったのかな?
「みんな! 僕のことは、気軽に想良って呼んで仲良くしてね。よろしく」
そーちゃんがパチンと片目を閉じると、また女子が叫ぶ。
学園のアイドルが、もう一人増えたなって感じ。
「澄野。お前、秋川と知り合いだったんだな」
「はい」
「だったら、澄野。昼休み、秋川に校内を案内してやってくれ」
担任の先生の突然の頼みに、私は固まってしまう。
「わ、私がですか?」
「ああ。秋川も、自分の知ってるヤツに色々と教えてもらうほうが良いだろう」
「先生、ナイスアイディア!」
そーちゃんが先生に、親指をグッと立てる。
「僕も、せーちゃんに学校を案内して欲しい」
私に向かって、そーちゃんがパンと手を合わせる。
「先生もああ言ってくれてるし。せーちゃん、お願いできる?」
うう。先生だけでなく、そーちゃんまで。
こんなふうに人から頼まれると私、断れないんだよね。
「わ、わかった」
「やった! それじゃあ、今日の昼休みよろしくね」
「おはよう、星奈」
「おはよ、天音ちゃん」
私が登校するとしばらくして、天音ちゃんが教室にやって来た。
「ていうか、教室の扉のところ! 女子だらけで入るのに苦労したんだけど」
「あはは」
頬を膨らませる天音ちゃんに、私は苦笑い。
私たちのクラスには、陽向と水上くんという学年のモテ男子二人が揃っているからか、朝礼前や休み時間になると他のクラスの女子たちが彼らを見物しにやって来る。
2年生になって1ヶ月が経つけど、陽向たちの人気は全く衰える気配がない。
それどころか、先日の球技大会で陽向と水上くんの活躍によりチームが優勝したからか、彼らの人気にますます火がついたほどだ。
「一之瀬くん、おはよう!」
「……」
登校してきて席に着く陽向にクラスの女子が声をかけるも、陽向は無視。
陰で“氷の王子様”と呼ばれている陽向にとって、これはいつものこと。
陽向は学校では基本、女子とは話さない。
「もう、ヒナくん。女の子を無視したら、ダメじゃんか~。ごめんね? 田中さん」
そして、そんな陽向を水上くんが注意するのもまた、いつものこと。
「おーい、席につけー。朝礼始めるぞ」
しばらくして、担任の先生が教室に入ってきた。他のクラスの女子たちは、慌てて自分の教室に戻っていく。
「おはよう、みんな。実は、今日からこのクラスに新しい仲間が増えることになった」
えっ、新しい仲間って。この時期に転校生!?
「マジかよ。男?女?」
「あたしは、断然イケメンが良い!」
先生の話を聞いたクラスメイトは、一斉に騒ぎ出す。
「はいはい。転校生に入って来てもらうから、みんな静かに! それじゃあ 秋川、入って来なさい」
秋川と呼ばれた転校生が、教室に入って来る。
「キャーーッ!」
その瞬間、教室には黄色い歓声があがる。
「やばーい!」
「めっちゃかっこいいーっ!」
突然の耳をつんざくような声に、私は思わず耳をふさいでしまう。
女子の黄色い歓声、イコール、転校生は男の子だった。
先生の隣に並んだ彼は、先生よりも背が高くて。少し癖のあるミルクティー色の髪に、目鼻立ちが整ったハーフ顔。
確かに。女の子が騒ぎ立てるのも分かるくらい、彼はかなりのイケメンだ。
あれ? でもこの人、昔どこかで会ったことがあるような……。
「それじゃあ、秋川。自己紹介して」
「オーケー。マイネームイズ、ソラ・アキカワ」
すると彼は、流暢な英語で話し始めた。
その途端、騒いでいた女子たちは静かになり、みんなポカンとしている。
「アイムフロム……」
英語が苦手な私も、喋るのが早すぎて彼が何を言ってるのかさっぱり分からない。
だけど、アキカワソラっていう名前だけはハッキリと聞こえた。
「秋川、できれば日本語で頼むよ」
担任の先生も、苦笑い。
「オー、ソーリー。つい英語で話してしまって。改めて、僕の名前は秋川想良。父が日本人で、母はアメリカ人。父の仕事の都合で、2歳の頃からアメリカに住んでました」
彼の口から飛び出した日本語に、みんなホッとした顔になる。
「小学3年生から2年間だけ、日本で過ごしていたことがあるけど。アメリカでの生活のほうが長くて、分からないことも多いので。みんな色々と教えてください」
彼の自己紹介に、教室からパラパラと拍手が沸き起こる。
「これから、よろしくお願いします」
秋川くんは王子様が挨拶するみたいに右手を胸に当てて、うやうやしくお辞儀をする。
そして頭を上げた彼は、白い歯を見せ爽やかに微笑んでみせた。
「キャーーー!!」
秋川くんの王子様スマイルに、教室には再び女子の大歓声が。
す、すごい。私が圧倒されていると。
偶然こちらを向いた彼と、パチッと目が合ってしまった。
「オーッ! キミはもしかして、せーちゃん!?」
私を見た瞬間、彼の顔がパと華やぐ。
私のことを『せーちゃん』って呼ぶってことは、やっぱり……。
「秋川くんってやっぱり、そーちゃん!?」
「イエス!」
「わあっ。そーちゃん、久しぶり~!」
私は思わず、席から立ち上がる。
「なになに? 星奈ちゃん、転校生くんと知り合い?」
「うん。小学校のときの友達なの」
水上くんに聞かれ、私は答える。
そーちゃんは、私が小学3年生のときにウチの近所に引っ越してきて。小学5年生になる少し前まで、私と同じ小学校に通っていた男の子。
当時は、陽向と3人でよく一緒に遊んだりもしていた。
こうして会うのは3年ぶりだけど、あの頃よりもすごく大人っぽくなってて。
そーちゃんだって、すぐには気づかなかったよ。
「でも、まさか……こんなところで、せーちゃんに会えるなんて」
ツカツカと歩いて私のところまでやって来たそーちゃんが、突然私の前でひざまずく。
「そーちゃん?」
「僕、アメリカに行ってからもずっと、せーちゃんに会いたかったから。こうして会えて、とてもハッピーだよ」
そーちゃんは私の右手を取ると、その甲にそっと口づけた。
……へ?
「きゃあああ」
そーちゃんのまさかのキスに、教室はまた一段と騒がしくなる。
「そっ、そーちゃ……なっ、何を」
「何って、挨拶のキスだよ」
「あっ、あ、挨拶!?」
手の甲とはいえ、今までキスなんてされたことのない私は動揺を隠せない。
「うん。アメリカや欧米では、普通に挨拶でハグもキスもするよ?」
不思議そうな顔で、首を傾げるそーちゃん。
さっ、さすが。アメリカ帰りというか、何というか。
小学生の頃のそーちゃんは、どちらかというとおとなしくて。
いくら挨拶とはいえ、こんなふうに簡単に人にキスしたりするような子じゃなかったと思うんだけど。
小学5年生からまた3年間アメリカに行って、変わったのかな?
「みんな! 僕のことは、気軽に想良って呼んで仲良くしてね。よろしく」
そーちゃんがパチンと片目を閉じると、また女子が叫ぶ。
学園のアイドルが、もう一人増えたなって感じ。
「澄野。お前、秋川と知り合いだったんだな」
「はい」
「だったら、澄野。昼休み、秋川に校内を案内してやってくれ」
担任の先生の突然の頼みに、私は固まってしまう。
「わ、私がですか?」
「ああ。秋川も、自分の知ってるヤツに色々と教えてもらうほうが良いだろう」
「先生、ナイスアイディア!」
そーちゃんが先生に、親指をグッと立てる。
「僕も、せーちゃんに学校を案内して欲しい」
私に向かって、そーちゃんがパンと手を合わせる。
「先生もああ言ってくれてるし。せーちゃん、お願いできる?」
うう。先生だけでなく、そーちゃんまで。
こんなふうに人から頼まれると私、断れないんだよね。
「わ、わかった」
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