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第3章
水上くんと図書室①
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5月下旬の、ある日の休み時間。
「一之瀬くん、相変わらず超イケメン」
「想良くんとこうちゃんも、やばい」
「さすが、TOP3だね」
今日も、私たち2年7組の教室は女の子たちで溢れ返っている。
そーちゃんが転校してきてからというもの、うちのクラスにイケメン鑑賞にやってくる女の子の数がめちゃくちゃ増えた。
転校初日にバスケ部に入部したそーちゃんは、先日行われた中間テストでは陽向に次ぐ2位だった。
陽向、水上くん。そして、そーちゃん。
イケメンの3人が同じクラスで、みんなバスケ部。
さらに、成績も学年で上位3位以内であることから、彼らはいつしか『TOP3』とひとくくりで呼ばれるようになったんだ。
私は、窓際で友達と話している陽向に目をやる。
そーちゃんが転校してきたことで、成績の順位はわずかに変動があったけれど。
陽向の成績学年首位だけは、1年の頃から今もずっと変わらずで。我が幼なじみながら、陽向ってほんとすごいなって思う。
ボーッと陽向のことをしばらく見つめていると、ふいに彼が視線をこちらに向けた。
わわわっ! 私は慌てて、陽向から目をそらす。
陽向と目が合いそうになって、ふと先日彼にお姫様抱っこされたときのことが頭を過ぎる。
あのときは、背中や足が陽向と密着して。とにかくやばかった。
おでこにボールが直撃した私は、あれから陽向に抱きかかえられたまま保健室に行って。
養護教諭の先生に、手当してもらって。
脳震盪とか何もなく、幸い軽い怪我ですんだ。
だけど、陽向にお姫様抱っこされたときのことを思い出すだけで、今も頬が少し熱くなるんだよね。
それに私、あのとき陽向が好きだってことを改めて実感して……。
「どうしたの、星奈。なんだか顔が赤いよ?」
「えっ!」
「もしかして、一之瀬くんのことでも考えてた?」
「ちっ、違……っ」
天音ちゃんにズバッと言い当てられ、ポポポッと頬の熱が更に上昇するのが分かる。
「ほんと星奈は、そういうとこ素直で可愛いんだから~」
「もう。天音ちゃん、からかわないでぇ」
私にギュッと抱きついてくる天音ちゃんに、これ以上赤い顔を見られたくなくて。私は、自分の顔を手でおおい隠した。
放課後。私は、図書室に来ていた。
先日の中間テストの結果が、前回よりも落ちちゃったから。図書室の自習スペースで、少し勉強してから帰ろうと思ったんだ。
これでも私は、陽向の許嫁だから。
そのことは、学校では内緒だけど。許嫁である限り、成績学年首位の陽向の横に並んでも、彼に恥ずかしいって思われないようになりたいと思った。
「えっと。X=……」
利用者の少ない静かな図書室で、私がひとり数学の問題集を広げてカリカリとシャーペンを走らせていると。
「あれ? 星奈ちゃん?」
ノートに人影ができて顔を上げると、そこに立っていたのは水上くんだった。
「どうしたの? こんなところで」
「えっと……お恥ずかしながら、この間のテストで数学の成績が落ちちゃったから。ここで勉強してたんだ。水上くんは?」
「部活が今日は早く終わったから。オレも期末テストに向けて、勉強して帰ろうと思って」
「へっ。期末テスト!?」
この間、中間テストが終わったばかりなのに。水上くんの口から、もう期末テストの話が飛び出すなんて。
「オレ、いつもテストの1ヶ月前から勉強してるんだよね」
「そうなんだ……」
私は、毎回テストの1週間前になって、焦ってようやく勉強を始めるから。
そんなに前から勉強してるだなんて。水上くん、すごいなあ。
「星奈ちゃん。オレも隣で、一緒に勉強してもいーい?」
「うん。いいよ」
水上くんが、私の隣の席に腰をおろす。
「一之瀬くん、相変わらず超イケメン」
「想良くんとこうちゃんも、やばい」
「さすが、TOP3だね」
今日も、私たち2年7組の教室は女の子たちで溢れ返っている。
そーちゃんが転校してきてからというもの、うちのクラスにイケメン鑑賞にやってくる女の子の数がめちゃくちゃ増えた。
転校初日にバスケ部に入部したそーちゃんは、先日行われた中間テストでは陽向に次ぐ2位だった。
陽向、水上くん。そして、そーちゃん。
イケメンの3人が同じクラスで、みんなバスケ部。
さらに、成績も学年で上位3位以内であることから、彼らはいつしか『TOP3』とひとくくりで呼ばれるようになったんだ。
私は、窓際で友達と話している陽向に目をやる。
そーちゃんが転校してきたことで、成績の順位はわずかに変動があったけれど。
陽向の成績学年首位だけは、1年の頃から今もずっと変わらずで。我が幼なじみながら、陽向ってほんとすごいなって思う。
ボーッと陽向のことをしばらく見つめていると、ふいに彼が視線をこちらに向けた。
わわわっ! 私は慌てて、陽向から目をそらす。
陽向と目が合いそうになって、ふと先日彼にお姫様抱っこされたときのことが頭を過ぎる。
あのときは、背中や足が陽向と密着して。とにかくやばかった。
おでこにボールが直撃した私は、あれから陽向に抱きかかえられたまま保健室に行って。
養護教諭の先生に、手当してもらって。
脳震盪とか何もなく、幸い軽い怪我ですんだ。
だけど、陽向にお姫様抱っこされたときのことを思い出すだけで、今も頬が少し熱くなるんだよね。
それに私、あのとき陽向が好きだってことを改めて実感して……。
「どうしたの、星奈。なんだか顔が赤いよ?」
「えっ!」
「もしかして、一之瀬くんのことでも考えてた?」
「ちっ、違……っ」
天音ちゃんにズバッと言い当てられ、ポポポッと頬の熱が更に上昇するのが分かる。
「ほんと星奈は、そういうとこ素直で可愛いんだから~」
「もう。天音ちゃん、からかわないでぇ」
私にギュッと抱きついてくる天音ちゃんに、これ以上赤い顔を見られたくなくて。私は、自分の顔を手でおおい隠した。
放課後。私は、図書室に来ていた。
先日の中間テストの結果が、前回よりも落ちちゃったから。図書室の自習スペースで、少し勉強してから帰ろうと思ったんだ。
これでも私は、陽向の許嫁だから。
そのことは、学校では内緒だけど。許嫁である限り、成績学年首位の陽向の横に並んでも、彼に恥ずかしいって思われないようになりたいと思った。
「えっと。X=……」
利用者の少ない静かな図書室で、私がひとり数学の問題集を広げてカリカリとシャーペンを走らせていると。
「あれ? 星奈ちゃん?」
ノートに人影ができて顔を上げると、そこに立っていたのは水上くんだった。
「どうしたの? こんなところで」
「えっと……お恥ずかしながら、この間のテストで数学の成績が落ちちゃったから。ここで勉強してたんだ。水上くんは?」
「部活が今日は早く終わったから。オレも期末テストに向けて、勉強して帰ろうと思って」
「へっ。期末テスト!?」
この間、中間テストが終わったばかりなのに。水上くんの口から、もう期末テストの話が飛び出すなんて。
「オレ、いつもテストの1ヶ月前から勉強してるんだよね」
「そうなんだ……」
私は、毎回テストの1週間前になって、焦ってようやく勉強を始めるから。
そんなに前から勉強してるだなんて。水上くん、すごいなあ。
「星奈ちゃん。オレも隣で、一緒に勉強してもいーい?」
「うん。いいよ」
水上くんが、私の隣の席に腰をおろす。
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