クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか

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第4章

そーちゃんとデート?②

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日曜日のショッピングモールは、家族連れや学生たちで賑わっている。

「えっと。今日は、親戚の女の子への誕生日プレゼントを買うんだっけ?」

今日の目的を、改めて私はそーちゃんに確認する。

「うん。僕と同い年のいとこなんだけど。彼女と会うのも久しぶりだし。何をあげたら良いのか、よく分からなくて」

そっか。そーちゃんは、3年間アメリカで暮らしてたから。

だけど、誕生日にプレゼントを渡すくらい仲良しのいとこの子がいるなんて。私にはいとこがいないから、そういうの羨ましいな。

「私たちと同い年の子かあ。だったら、コスメとか、ヘアアクセサリーはどうかな?」

普段よく行く雑貨屋さんの前を通った私は、足を止める。

「うわあ、可愛い」

私は、ショーウィンドウに陳列されている星のバレッタに目を奪われる。
いいな、欲しいな。

自分が『星奈』って名前だからか、昔から星がデザインされたものが好きで。

つい見ちゃうんだよね……って! ダメだダメだ。今日は、そーちゃんのいとこさんのプレゼントを買いに来たんだから。


気持ちを入れ替えて私は、そーちゃんと一緒に雑貨屋さんへと入る。

「このお店、いま女子中学生に人気なんだよ」
「へぇ~」

ファンシーな店内を、そーちゃんがグルリと見回す。

「いとこさんは、何が好きなの? 好きなキャラクターとか」
「あー、確かウサギのキャラクターが好きだったような」

ウサギって言ったら、あれかな?

私はキャラクターグッズが陳列されているところへ、そーちゃんを連れていく。

「もしかして、この子?」
「あっ、そうそう。このウサちゃんだよ」

それはここ数年女の子の間で大人気の、頭にピンクのリボンをつけた白いウサギだった。

「さすが、せーちゃんだね」
「いやいや!」
「それじゃあプレゼントは、このウサちゃんグッズにしようかな」
「いいと思う。シャーペンだったら普段使いできるし。あとは……」

私が少しだけアドバイスすると、そーちゃんが真剣な表情で選び始めた。


「それじゃあ僕、お会計してくるから。せーちゃん、ちょっと待っててくれる?」
「分かった」

しばらくしてプレゼントを選び終えたそーちゃんがお会計をしている間、私はひとりで店内を見てまわる。

「あっ。この消しゴム、可愛いな」

私は、目についたピンクの消しゴムを手にとる。

「こっちのヘアゴムも素敵!」

可愛いものに囲まれていると、不思議とテンションが上がって。ほんと、見ているだけで楽しい。

「せーちゃん、お待たせ」

私がヘアアクセサリーを見ていると、ショップバッグを手にしたそーちゃんに声をかけられた。

「あっ、そーちゃん! 買えたんだ。良かったね」

「うん。おかげで良い買い物ができたよ。ありがとう」
「ううん。どういたしまして」
「ねえ、せーちゃん。このあとだけど、時間ある?」
「あっ、うん」

時計を見ると、ショッピングモールに来てまだ1時間ほどしか経っていなかった。

「せっかくだから、1階のカフェでお茶でもしていかない?」
「いいね。私、あそこのカフェのココアが大好きなの」
「よし。それじゃあ、さっそくレッツゴー」

そーちゃんのあとについて、私が慌てて足を踏み出したとき。

──ガッ!

「わっ」
「危ない!」

何もないところでつまずき、転びそうになった私を、そーちゃんがとっさに受け止めてくれる。

「大丈夫? せーちゃん」
「うっ、うん」

身体に回った腕と触れ合った身体にドキリとして、私は慌ててそーちゃんから離れた。

「あ、ありがとう」
「ううん。せーちゃんが転ばなくて、本当に良かった」

そーちゃんが、爽やかな笑みを向けてくれる。
そーちゃんの笑顔って、いつもキラキラしてて。ほんと、王子様みたいだな。


それから二人で1階のカフェに行くと、店内は意外と空いていてすぐに席へと案内された。

そーちゃんと二人掛けのソファ席に向かい合って座り、雑談しながら待っていると。

「お待たせしました。アイスココアです」
「わあっ!」

店員さんが運んできてくれたアイスココアの上にはソフトクリームがそびえ立ち、それを見た私はテンションが上がる。

「せーちゃんって、小学生の頃からココアが好きだよね」
「うんっ! 大好き。いただきまーす」

まずはソフトクリームをスプーンですくって、パクッとひとくち。

「美味しい」

やっぱり今日みたいな初夏の暑い日は、アイスが一番。

ソフトクリームを食べ終えた私は、ココアを一気に喉へと流し込む。

「ん~、幸せだなあ」
「良かったね、せーちゃん」

アイスコーヒーを飲みながら微笑むそーちゃんの目は、とても優しい。

「せーちゃん、今日は付き合ってくれて本当にありがとう。これ、良かったらせーちゃんに……」

そーちゃんが、私にラッピングされた小さな袋を渡してくれる。

「そーちゃん、これは?」
「今日買い物に付き合ってくれたお礼に、買ったんだ」
「そんな! お礼なんていいのに」
「いいから。開けてみて?」

そーちゃんに促されて、私は袋を開けてみる。

「えっ。そーちゃん、これ……」

袋の中から出てきたのは、先ほど雑貨屋さんで私が見ていた星のバレッタだった。

「さっき、せーちゃんがそれ見てたから。もしかして、欲しいのかなって思って」

まさかあのとき、そーちゃんに見られていたなんて。

「勝手にプレゼントしてごめんね?」
「ううん、すごく嬉しいよ。せっかくだし、つけてみようかな」

私は、たった今もらったばかりのバレッタを早速つけてみることに。だけど……。

あっ、あれ?

思ったよりも上手くいかず、私はつけるのにもたついてしまう。

「貸して?」

そんな私を見かねたのか、そーちゃんがバレッタを私の手から取った。そして彼は立ち上がって、私の後ろへとまわり込む。

「じっとしててね?」

そーちゃんの少し低い声が耳元で聞こえ、彼の指先が髪に触れて鼓動がドキッと跳ね上がる。

「せーちゃんの髪の毛、サラサラだね」
「そっ、そうかな?」
「うん。とってもきれいだよ」

そーちゃんの指先が髪に触れる度に、ドキドキして。
彼との近すぎる距離に身体が固くなってしまい、私は息をするのがやっとだった。

「ついたよ」 

そーちゃんが、自分のスマホのカメラをインカメラにして私に見せてくれる。

「うん、思ったとおり。そのバレッタ、せーちゃんによく似合ってる」
「あっ、ありがとう」

私に似合ってるかどうかは別として。この星のバレッタは、本当に素敵。

「そーちゃん。私、これ大事にするね」
「気に入ってもらえたなら、良かったよ」

そーちゃんが、ニッコリと微笑んでくれる。

私はこの日、大切な宝物がひとつ増えたのだった。
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