8 / 27
第2章
彗くんと急接近⁉①
しおりを挟む
学校の休み時間。
次の授業が音楽のため、私が彗くんと一緒に音楽室へ向かって歩いていたとき。
「ねえ。あの二人、付き合ってるらしいよ」
私たちを見て、同じ2年生の女の子たちがひそひそと話している。
彗くんの秘密のボディーガードとして、休み時間や移動教室など学校ではいつも彗くんと一緒に過ごすうちに、私たちが交際しているという話は校内で瞬く間に広がった。
千春ちゃんにも、『宇山くんと、いつの間にそんな仲に!?』と驚かれ、祝福されるのと同時に、色々と質問攻めにあってしまった。
「庶民の人同士、お似合いよね~」
「ふふっ。だよねー」
私たちを見て、クスクスと笑う女の子たち。
あの二人、お嬢様なのか何なのか知らないけど。もし彗くんが三池財閥の御曹司だって知ったら、どんな顔をするんだろう?
「まあ、交際の噂が一気に広まった一番の原因は、蓮なんだろうけど。あいつ、口軽いから」
彗くんは女子たちの話を特に気にする様子もなく、平然と話す。
「俺がボディーガードを頼んだせいで、菜乃花まで笑われちゃって申し訳ないけど……」
首を横に振ると、彗くんの唇が私の耳元に近づく。
「……菜乃花のことは、俺が守るから」
彗くんの言葉に、ドキリとする。
「もし何かあったら、俺に言って?」
「う、うん。ありがとう」
私が返事すると、彗くんはニコッと優しく微笑んでくれた。
それから音楽の授業が終わり、教室に戻るため彗くんと並んで廊下を歩いていると。
──ドンッ!
廊下の角から出てきた人と、彗くんが思いきりぶつかってしまった。
相手の人は走ってきていたらしく、勢いよくぶつかったせいで、彗くんが廊下に尻もちをついてしまう。
「いってえ」
「彗くん、大丈夫!?」
慌てて駆け寄り、彗くんの顔を覗き込んだ私は固まってしまう。
尻もちをついた拍子にメガネが外れ、前髪もかき上げられて、彗くんの素顔があらわになっていたのだ。
やばい。これじゃあどう見ても、宇山彗くんじゃなくて、あの三池財閥の御曹司、三池彗くんだってバレバレだよ!
「ちょっと! あなた、どこ見て歩いてるのよ!?」
ぶつかった派手な髪の女の子が、彗くんのほうへ猛然と歩いてくる。
「なになに?」
「どうしたの? 大丈夫?」
さらには、周りにいた生徒たちが心配してこちらに歩み寄ってきた。
ま、まずい……! 彗くんの素顔がバレたら、大変なことになる!
私は急いで彗くんの前髪を下ろすと、落ちていたメガネをかけさせた。
よし。これで、いつもの地味な彗くんの完成だ。
「あなた、急に飛び出してきて……気をつけなさいよ!」
彗くんの素顔が、周囲にバレずにホッとしたのも束の間。彗くんとぶつかった女の子がトゲトゲしい言葉を投げかけてきて、私はカチンと頭にきた。
相手の女の子だって、ちゃんと前を見ていなかったのに……!
「あの、彗くんを一方的に責めるのはちょっと違うんじゃないかな? そもそも廊下は走っちゃダメなんだから。あなただって悪いでしょ……」
堪えきれなくて、私が彼女に言い返したそのとき。
次の授業が音楽のため、私が彗くんと一緒に音楽室へ向かって歩いていたとき。
「ねえ。あの二人、付き合ってるらしいよ」
私たちを見て、同じ2年生の女の子たちがひそひそと話している。
彗くんの秘密のボディーガードとして、休み時間や移動教室など学校ではいつも彗くんと一緒に過ごすうちに、私たちが交際しているという話は校内で瞬く間に広がった。
千春ちゃんにも、『宇山くんと、いつの間にそんな仲に!?』と驚かれ、祝福されるのと同時に、色々と質問攻めにあってしまった。
「庶民の人同士、お似合いよね~」
「ふふっ。だよねー」
私たちを見て、クスクスと笑う女の子たち。
あの二人、お嬢様なのか何なのか知らないけど。もし彗くんが三池財閥の御曹司だって知ったら、どんな顔をするんだろう?
「まあ、交際の噂が一気に広まった一番の原因は、蓮なんだろうけど。あいつ、口軽いから」
彗くんは女子たちの話を特に気にする様子もなく、平然と話す。
「俺がボディーガードを頼んだせいで、菜乃花まで笑われちゃって申し訳ないけど……」
首を横に振ると、彗くんの唇が私の耳元に近づく。
「……菜乃花のことは、俺が守るから」
彗くんの言葉に、ドキリとする。
「もし何かあったら、俺に言って?」
「う、うん。ありがとう」
私が返事すると、彗くんはニコッと優しく微笑んでくれた。
それから音楽の授業が終わり、教室に戻るため彗くんと並んで廊下を歩いていると。
──ドンッ!
廊下の角から出てきた人と、彗くんが思いきりぶつかってしまった。
相手の人は走ってきていたらしく、勢いよくぶつかったせいで、彗くんが廊下に尻もちをついてしまう。
「いってえ」
「彗くん、大丈夫!?」
慌てて駆け寄り、彗くんの顔を覗き込んだ私は固まってしまう。
尻もちをついた拍子にメガネが外れ、前髪もかき上げられて、彗くんの素顔があらわになっていたのだ。
やばい。これじゃあどう見ても、宇山彗くんじゃなくて、あの三池財閥の御曹司、三池彗くんだってバレバレだよ!
「ちょっと! あなた、どこ見て歩いてるのよ!?」
ぶつかった派手な髪の女の子が、彗くんのほうへ猛然と歩いてくる。
「なになに?」
「どうしたの? 大丈夫?」
さらには、周りにいた生徒たちが心配してこちらに歩み寄ってきた。
ま、まずい……! 彗くんの素顔がバレたら、大変なことになる!
私は急いで彗くんの前髪を下ろすと、落ちていたメガネをかけさせた。
よし。これで、いつもの地味な彗くんの完成だ。
「あなた、急に飛び出してきて……気をつけなさいよ!」
彗くんの素顔が、周囲にバレずにホッとしたのも束の間。彗くんとぶつかった女の子がトゲトゲしい言葉を投げかけてきて、私はカチンと頭にきた。
相手の女の子だって、ちゃんと前を見ていなかったのに……!
「あの、彗くんを一方的に責めるのはちょっと違うんじゃないかな? そもそも廊下は走っちゃダメなんだから。あなただって悪いでしょ……」
堪えきれなくて、私が彼女に言い返したそのとき。
0
あなたにおすすめの小説
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※noichigoさんに転載。
※ブザービートからはじまる恋
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
オバケの謎解きスタンプラリー
綾森れん
児童書・童話
第3回きずな児童書大賞 奨励賞をいただきました! ありがとうございます!
――七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映るんだって。
小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささやかれていた。
結菜は難関中学に合格するため、塾の夏期講習に通って勉強に励んでいる。
だが一方で、自分の将来にひそかな期待と不安をいだいてもいた。
知らない自分を知りたい結菜は、家族が留守にする夏休みのある夜、幼なじみの夏希(ナツキ)とともに七不思議めぐりを決意する。
苦労して夜の学校に忍び込んだ二人だが、出会うのは個性豊かなオバケたちばかり。
いまいち不真面目な二宮金次郎のブロンズ像から、二人はスタンプラリーの台紙を渡され、ルールを説明される。
「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集めて大階段の鏡のところへ持って行くと、君の知らない君自身が映し出されるんだ」
結菜と夏希はオバケたちの謎を解いて、スタンプを集められるのか?
そして大階段の鏡は二人に何を教えてくれるのか?
思春期に足を踏み入れたばかりの少女が、心の奥底に秘めた想いに気付いてゆく物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる