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ダイヤルの謎
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「祠の見回りの最中で、若い男の遺体を発見した俺は、足のもつれるのも構わずに祠の外へもんどり打った。声は出さなかった。なぜなら、その時祠の中に、誰かもう一人がいたような気がして、動物的本能から、何も気が付かないふりをして、その場から立ち去った。祠の中に、本当に誰かがいたのか、それとも、経験した事の無い恐怖が、俺の頭におかしな幻覚を見させたのか、それは、二年経った今になっても、分からない。
とにかく俺は、節ぶした枝を払い、片足のアイゼンを失いながら、小傷だらけになってペンションへ辿り着いた。身に覚えは無いが、沢の途中で転倒したらしく、全身びしょ濡れの状態だった。玄関の中へ飛び込んで、震える手でドアに鍵を掛けると、乾燥室へ入りながら服を脱いだ。まだ明るい窓の外の様子を窺いながら、俺は受付の受話器を手に取った。そして、教えられた連絡先に電話を掛けた」
「晦冥会か。それで?」
「初めて聞く男の声で、わかった、とだけ言って、電話は切れた。俺は受話器から聞こえる不通音を耳にしながら、このまま警察に通報しようかと、本気で迷った。人一人が死んでいたのだ。いくら遺体の第一発見者が警察へ通報する法的義務はないとは言え、あの男は晦冥会の謎の祠で死んでいた。もう事件性しか感じない。俺は震える指先で一、一、までダイヤルを回した」
「通報、したのか」
「いや、出来なかった。その理由は、俺の役目である、祠の中で異常があれば連絡すると言う、晦冥会との約束は守られていたからだ。晦冥会の以前から言っていた祠の異常とは、実にこの遺体の存在を指していたのではないか。そうであれば俺は、きっちりと彼らの約束を守った事になる。先方は、俺からの異常の連絡を受け取って、いやに落ち着いていた。計器類の指針が管理外だった、とか、祠の壁の一部が崩れ落ちていた、とか、そんな日常的な連絡を聞き入れるのと同じ扱いで、彼らは対応した。人一人が死んでいる、それなのに、遺体発見の連絡の取り扱いが恐ろしく業務的だった。彼らのその動じない態度が却って、俺には非常に頼もしくも思えた。今後一切の全ては彼らに任せてしまえと、とにかく俺は受話器を置く事ができた」
「それで、その後、どうなった?」
「それから、晦冥会からの連絡は一切無かった。ひょっとしたら、あの時電話対応した男の、いい加減で適当な判断によって、俺が報告した異常連絡は、そのまま黙殺されてしまったのではないかと、俺は、受付の電話の前を通る度に心配になった。心配をした所で、やはり掛かって来る電話と言えば、ケーブルテレビや怪しい美術品販売の営業ばかりだった。晦冥会からは連絡は無い。
そうこうしている内に、とうとう翌月の祠の見回りの日がやって来た。俺は、当月分の祠の見回りはよそうかと、本気で思った。晦冥会からは一つも指示が来ないし、あんな恐ろしい目に遭って、自らまたその現場へ向かわなければならない義務感が薄らぎ、それに打ち勝つだけの強い動機が、俺には全く無かった。ぐずくずとした日々を過ごして、窓から山を見上げてばかりで、ひたすら見回りを先延ばしにしていた。
すると、晦冥会からやっと電話が掛かって来た。今度は物腰の柔らかいいつもの男の声で、祠の見回りは継続するようにと、注意、忠告を受けた。祠にあった遺体の件はどうなったか、それを聞くまでもなく、電話は向こうで勝手に切られた。次の日の俺は、しぶしぶ登山着に着替えて、祠の見回りへ向かった。現地へ到着して、ヘッドライトの照明で、祠の至る所を照らして見た。ところが、一体どうした事か、一か月前に見たはずの遺体は跡形もなく消えていた」
「何だって?」
「俺は、本当に怖くなった。祠の男の遺体は、晦冥会によって処分されたと見て、間違い無い。彼らの中に死体処理班のような連中がいて、指示された業務に当たって、遺体は適切に処分された、そう想像して俺は、本当にヤバい世界に首を突っ込んでしまったと、背筋の凍る思いをした。こんな恐ろしい祠の見回りなど、俺はもう、辞めたくて、辞めたくて、或る晩ウォッカを思いっきり呷って、酒の勢いで晦冥会へ連絡した。祠の見回りを辞めさせてくれと。そうしたらいつもの男は『それは困る』と、俺の申し出を一蹴、あなたとあなたの家族の安全が保障できなくなると、この時はっきり、俺はともかく俺の家族の生命が、人質のように取り扱われている事について言及した。
俺はその後の調べによって、晦冥会の或る恐ろしい噂を掴んだ。晦冥会という宗教は脱会が利かない、特に重役についた者の脱会は即ち死を意味する。死とは、晦冥会の恐ろしい暗殺者の存在を示唆し、彼らが野に放たれたが最期、脱会した者の足取りを追って地の果てまで追い掛ける。その結果はどうか、それは今まで誰一人として生存者がいないと言う恐ろしい現実があるらしい。もしも俺が、晦冥会の闇の部分に恐れを成して、ペンションから夜逃げでも実行したら、その時はやはり、晦冥会から暗殺者が放たれ、俺や俺の家族を地の果てまで追い掛けて来るという事になるだろう」
「それじゃあ、君は一体これからどうするんだ」
「分からない。祠の見回りは今すぐにでも辞めたい。だが、家族の命が人質に取られている以上、もう辞めたいとは口に出来なくなった。今でも俺は、晦冥会から背中に銃口を押し付けられているような、死と隣り合わせの中で生活している」
岸本はハンドルを切る、と言うよりは、体重の移動だけで、オオソラビソの樹林の中を滑走した。
「ところでその祠と言うのは、晦冥会にとって一体何なのだろうか? 犯罪、つまり麻薬の取引にでも使用しているのだろうか?」
「分からない。一見何の変哲もない、ただの祠だ。俺意外に人の出入りした形跡はなく、何十年も前に人々から忘れ去られた廃墟と言った感じだ。紙垂の飾った御神体が一体、正面に祀られているだけ。その背後の壁は、人工的に造られたコンクリートで、モルタルかな? とにかく御神体の真裏には、金庫にあるようなダイヤルが付いている」
「ダイヤル? 何だそれは。暗証番号か何かを回すのか?」
「分からない。黒錆の入った、明治か大正を思わせる非常に古いダイヤルで、暗証番号を回せば、一体何が起きるか定かじゃない」
「今回の犯人は、もしかしたら暗証番号を探しているんじゃないか?」
「?」
「晦冥会にとってその祠は、毎月君に見回りをさせるくらい、重要な場所に違いない。いま美咲と一緒にいる今回の犯人は、晦冥会が祠を守る理由を知っている可能性が高い。彼女がどうにかして祠の鍵を開けて、中にある何かを手に入れたいのかも知れない」
岸本はスロットルを開けて、急斜面に立ち向かった。グリップを握るわたくしの手に、痺れのような疲労が溜まって来た。スロットルはハンドルを回すのではなく、どちらかと言うと、押しているように見えた。レバーを前に押してアクセルをONにしていた。
「宗村、お前、頭が良いな。だとしたらお前の言うその犯人は、無駄骨を折っている事になる」
「無駄骨?」
「祠にあるダイヤルの暗証番号は、俺も知らないし、無論君の恋人だって知らない。なぜなら、俺に祠の見回りを依頼している彼らだって、知らないのだからな」
「何だって? 晦冥会でも?」
「そうだ。いつだったか俺は、彼らに聞いたんだ。あのダイヤルは何だ、ダイヤルの目盛りは管理外か、と。そうしたら彼らは、絶対にあれは構うなと俺に警告した後、我々もあのダイヤルの意味を知らないのだ、と、うっかり小言を漏らしたのを聞き覚えている」
「彼らも、祠の意味を正しく把握できないでいない。それなのに、君に祠の見回りを頼んでいるというのか?」
「そのようだ。少なくとも、この仕事を俺にさせている男は何も知らされていない。晦冥会でももっと上層部の人間しか知らない可能性が高い」
「そんなやばい祠を、君みたいな素人同然の人間に点検させて良いと、晦冥会のトップは思っているのだろうか?」
「反対に良いのかもしれない。お前の言うように、今回の犯人が祠のダイヤルの暗証番号を知りたがっているとすれば、祠には宝や財産などを隠している可能性が高い。そうなると、俺みたいな何も知らない奴に金を与えて祠を監視させた方が、祠の価値を知る可能性のある関係者に監視させるよりも、危険が少ないのではないだろうか」
岸本は、樹林帯に続く夏道から外れて、木の幹に巻かれた赤布を目印に、的確なルートファインディングを見せた。十年も通っている道だけの事はある。倒木に雪が積もった凸凹の雪面を抜けると、樹木の生えていない広大な斜面に出た。岸本はゆっくりとスロットルから手を離し、スノーモービルを減速させた。
「ここは、雪庇や障害物が無くて、しょっちゅう雪崩れている。今は気象庁から雪崩注意報は出ていないが、念のため、エンジンの回転数は落として通行する。本来、雪塊の支えを壊してしまう恐れがあるから、こんな斜面の下は通ってはならないが、連日の強風で雪の結晶が砕けて積もった雪は、閉まり雪になりやすく、この場合滅多に表層雪崩は起きないはずだ」
わたくしは、乱れ舞う雪の間に、ヒンドゥークシュ山脈のサラン峠のような、急峻な地形を見上げた。ここはもしや二年前、美咲と太古が雪崩に遭遇した場所ではないだろうか。
「ここだ。冬場に来るのは初めてになるが、案外祠の入口は雪で塞がれていないのだな。ああ? 妙だな。お前の話では、お前の恋人と今回の犯人が、この祠の中にいるような話だったが、雪の上に人の足跡はないぞ」
とにかく俺は、節ぶした枝を払い、片足のアイゼンを失いながら、小傷だらけになってペンションへ辿り着いた。身に覚えは無いが、沢の途中で転倒したらしく、全身びしょ濡れの状態だった。玄関の中へ飛び込んで、震える手でドアに鍵を掛けると、乾燥室へ入りながら服を脱いだ。まだ明るい窓の外の様子を窺いながら、俺は受付の受話器を手に取った。そして、教えられた連絡先に電話を掛けた」
「晦冥会か。それで?」
「初めて聞く男の声で、わかった、とだけ言って、電話は切れた。俺は受話器から聞こえる不通音を耳にしながら、このまま警察に通報しようかと、本気で迷った。人一人が死んでいたのだ。いくら遺体の第一発見者が警察へ通報する法的義務はないとは言え、あの男は晦冥会の謎の祠で死んでいた。もう事件性しか感じない。俺は震える指先で一、一、までダイヤルを回した」
「通報、したのか」
「いや、出来なかった。その理由は、俺の役目である、祠の中で異常があれば連絡すると言う、晦冥会との約束は守られていたからだ。晦冥会の以前から言っていた祠の異常とは、実にこの遺体の存在を指していたのではないか。そうであれば俺は、きっちりと彼らの約束を守った事になる。先方は、俺からの異常の連絡を受け取って、いやに落ち着いていた。計器類の指針が管理外だった、とか、祠の壁の一部が崩れ落ちていた、とか、そんな日常的な連絡を聞き入れるのと同じ扱いで、彼らは対応した。人一人が死んでいる、それなのに、遺体発見の連絡の取り扱いが恐ろしく業務的だった。彼らのその動じない態度が却って、俺には非常に頼もしくも思えた。今後一切の全ては彼らに任せてしまえと、とにかく俺は受話器を置く事ができた」
「それで、その後、どうなった?」
「それから、晦冥会からの連絡は一切無かった。ひょっとしたら、あの時電話対応した男の、いい加減で適当な判断によって、俺が報告した異常連絡は、そのまま黙殺されてしまったのではないかと、俺は、受付の電話の前を通る度に心配になった。心配をした所で、やはり掛かって来る電話と言えば、ケーブルテレビや怪しい美術品販売の営業ばかりだった。晦冥会からは連絡は無い。
そうこうしている内に、とうとう翌月の祠の見回りの日がやって来た。俺は、当月分の祠の見回りはよそうかと、本気で思った。晦冥会からは一つも指示が来ないし、あんな恐ろしい目に遭って、自らまたその現場へ向かわなければならない義務感が薄らぎ、それに打ち勝つだけの強い動機が、俺には全く無かった。ぐずくずとした日々を過ごして、窓から山を見上げてばかりで、ひたすら見回りを先延ばしにしていた。
すると、晦冥会からやっと電話が掛かって来た。今度は物腰の柔らかいいつもの男の声で、祠の見回りは継続するようにと、注意、忠告を受けた。祠にあった遺体の件はどうなったか、それを聞くまでもなく、電話は向こうで勝手に切られた。次の日の俺は、しぶしぶ登山着に着替えて、祠の見回りへ向かった。現地へ到着して、ヘッドライトの照明で、祠の至る所を照らして見た。ところが、一体どうした事か、一か月前に見たはずの遺体は跡形もなく消えていた」
「何だって?」
「俺は、本当に怖くなった。祠の男の遺体は、晦冥会によって処分されたと見て、間違い無い。彼らの中に死体処理班のような連中がいて、指示された業務に当たって、遺体は適切に処分された、そう想像して俺は、本当にヤバい世界に首を突っ込んでしまったと、背筋の凍る思いをした。こんな恐ろしい祠の見回りなど、俺はもう、辞めたくて、辞めたくて、或る晩ウォッカを思いっきり呷って、酒の勢いで晦冥会へ連絡した。祠の見回りを辞めさせてくれと。そうしたらいつもの男は『それは困る』と、俺の申し出を一蹴、あなたとあなたの家族の安全が保障できなくなると、この時はっきり、俺はともかく俺の家族の生命が、人質のように取り扱われている事について言及した。
俺はその後の調べによって、晦冥会の或る恐ろしい噂を掴んだ。晦冥会という宗教は脱会が利かない、特に重役についた者の脱会は即ち死を意味する。死とは、晦冥会の恐ろしい暗殺者の存在を示唆し、彼らが野に放たれたが最期、脱会した者の足取りを追って地の果てまで追い掛ける。その結果はどうか、それは今まで誰一人として生存者がいないと言う恐ろしい現実があるらしい。もしも俺が、晦冥会の闇の部分に恐れを成して、ペンションから夜逃げでも実行したら、その時はやはり、晦冥会から暗殺者が放たれ、俺や俺の家族を地の果てまで追い掛けて来るという事になるだろう」
「それじゃあ、君は一体これからどうするんだ」
「分からない。祠の見回りは今すぐにでも辞めたい。だが、家族の命が人質に取られている以上、もう辞めたいとは口に出来なくなった。今でも俺は、晦冥会から背中に銃口を押し付けられているような、死と隣り合わせの中で生活している」
岸本はハンドルを切る、と言うよりは、体重の移動だけで、オオソラビソの樹林の中を滑走した。
「ところでその祠と言うのは、晦冥会にとって一体何なのだろうか? 犯罪、つまり麻薬の取引にでも使用しているのだろうか?」
「分からない。一見何の変哲もない、ただの祠だ。俺意外に人の出入りした形跡はなく、何十年も前に人々から忘れ去られた廃墟と言った感じだ。紙垂の飾った御神体が一体、正面に祀られているだけ。その背後の壁は、人工的に造られたコンクリートで、モルタルかな? とにかく御神体の真裏には、金庫にあるようなダイヤルが付いている」
「ダイヤル? 何だそれは。暗証番号か何かを回すのか?」
「分からない。黒錆の入った、明治か大正を思わせる非常に古いダイヤルで、暗証番号を回せば、一体何が起きるか定かじゃない」
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「?」
「晦冥会にとってその祠は、毎月君に見回りをさせるくらい、重要な場所に違いない。いま美咲と一緒にいる今回の犯人は、晦冥会が祠を守る理由を知っている可能性が高い。彼女がどうにかして祠の鍵を開けて、中にある何かを手に入れたいのかも知れない」
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「宗村、お前、頭が良いな。だとしたらお前の言うその犯人は、無駄骨を折っている事になる」
「無駄骨?」
「祠にあるダイヤルの暗証番号は、俺も知らないし、無論君の恋人だって知らない。なぜなら、俺に祠の見回りを依頼している彼らだって、知らないのだからな」
「何だって? 晦冥会でも?」
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「彼らも、祠の意味を正しく把握できないでいない。それなのに、君に祠の見回りを頼んでいるというのか?」
「そのようだ。少なくとも、この仕事を俺にさせている男は何も知らされていない。晦冥会でももっと上層部の人間しか知らない可能性が高い」
「そんなやばい祠を、君みたいな素人同然の人間に点検させて良いと、晦冥会のトップは思っているのだろうか?」
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岸本は、樹林帯に続く夏道から外れて、木の幹に巻かれた赤布を目印に、的確なルートファインディングを見せた。十年も通っている道だけの事はある。倒木に雪が積もった凸凹の雪面を抜けると、樹木の生えていない広大な斜面に出た。岸本はゆっくりとスロットルから手を離し、スノーモービルを減速させた。
「ここは、雪庇や障害物が無くて、しょっちゅう雪崩れている。今は気象庁から雪崩注意報は出ていないが、念のため、エンジンの回転数は落として通行する。本来、雪塊の支えを壊してしまう恐れがあるから、こんな斜面の下は通ってはならないが、連日の強風で雪の結晶が砕けて積もった雪は、閉まり雪になりやすく、この場合滅多に表層雪崩は起きないはずだ」
わたくしは、乱れ舞う雪の間に、ヒンドゥークシュ山脈のサラン峠のような、急峻な地形を見上げた。ここはもしや二年前、美咲と太古が雪崩に遭遇した場所ではないだろうか。
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