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本編
初めまして…で、良くない関係?
しおりを挟む危なかった。もしかしたら彼処で撃沈していたかもしれない。それより。
…なんで、私の拳は硬くなったんだろう。
全くわからない。だけど、転生人というものは超人的な力を得る…というのは
まさしく本当の事だろう。私は目の前のアクセルを見つめる。相手もそう。…だが、終わりは必ず来る。
「時間だ。」
いきなりヤトが終わりを告げた。私達は勢いでそちらを向く。
アクセルは目を丸くしていた。その眼球の先にあるのは…
階段を降りてくるボス…と拍手している男。不気味な効果音を立てて階段を降りる。
『異様』まさしくそんな言葉がお似合いだろう。…ボスだからそうだけども!
「いやぁ、実に素晴らしい演習だ!僕も釘付けになっていたよ!!」
拍手する男は高い声で私達を絶賛する。
「これは…イミテーション(imitation)のボス。お初にお目にかかりますねェ。」
「初めまして。キミは…カルマ君。と言ったよね?どうぞ宜しく。『冷酷な暗殺者』殿。」
「……シバ、で結構デス…………!!」
…無論、ピリピリである。
仲間の筈なのに双方煽る様な口調で、私が割って入ったら叩きのめされそうだ。
私はその様子を反面心配気味、反面呆れて見つめていた。
(『冷酷な暗殺者』ねぇ………。)
そう、心で言いながら私は陰で一枚の紙を取り出して、見つめた。…それはボスから貰った資料。
資料には、私達、カーナバルのメンバー、一人一人の情報が詳しく書かれていた。
『冷酷な暗殺者』…。ずっと前はまさにその様子だったらしい。
ボスだけの命令でどんな奴も慈悲無く殺す…マフィアの鑑である。(私からすれば)
「…あの、ルイさん。」
びっくりして、振り返ると、リュダが耳元で囁いていた。少し呆れて。
「…彼はボスから聞いているでしょうが、イミテーションのボスです…。自己紹介を。」
私はソレをハッと思い出した様に聞くと、私はソイツに向き返った。
「私、ルイです。マフィアの事はよく分かりませんが、必ずや、役に立ちます!宜しくお願いします!」
私はドキドキして言った。…もしかしたらここでクビになるかもだから。私はボスをジッと見た。
ーーーー結果、ボスは笑い転げました。
えぇぇぇぇぇぇ???!って感じなんだけど。とりあえず、コマンドから[焦る]を選択。
「えぇぇ…あ、あの。」私 の焦るは ボス に効果抜群だ!!
「…ひぃー…キミがルイぃ?…ふぅぅーん。」
彼は私をじっくりと観察した。全身がむず痒い。
「そうかぁ…。あぁ、ボクはイミテーション(imitation)のボスさ。まぁ、キミらの仲間って感じ。それにしても。
すると、彼は私の顔スレスレでまた喋る。…全く心臓に悪い人である。
転生人、ね。実に興味深い!!!ふふふ。今度ボクらのとこにも遊びにおいでよ!…可愛がってあげるからさ。」
心臓が乙女ゲームをやる乙女(は?)の様にドギマギする。…同時に冷や汗が垂れ流れる。
「…すみません。」
シバが睨んで私を自分の方に引き戻す。その目には凄い憎悪が感じられた。
「…お言葉ですがルイは一応は俺達、カーナバル側の人間。とても貴重なお嬢様なんです。
ですから。もし、コイツに危害を加えるなど何かしらの負担を加えれば…
私は勢いに押されて唾を飲み込む。シバは私を掴む手を強くした。
それ相応の報いがある事を…誓いましょう。……俺が約束します。」
いつもドS感を滲み出してくる、シバには合わない丁寧な言葉が溢れた。…私ってそんなに大事にされてんの?
それと同時に私はスポンジみたいに軽量だった状況が本当は鉄だった事を思い知る。
今回は勇気が素晴らしい!…という事でイミテーションのボスが感心していたが、
シバは事後、屋敷でヤトにこっ酷く叱られていたのは言うまでもない。
時計の針で10時を指す頃…私は自分の部屋を後にし、遊戯場に向かう。
…シバは何時もそこでビリヤードをして遊んでいると、リュダに聞いた。
デカイ屋敷は慣れない。10分もかかってやっと、扉の前に着いた。
色んな意味重い扉を開ける。…中にはやはり、シバがビリヤードをしていた。
待っていた、とでも言うように平然に私に一度視線を向けたその目は、
また、ビリヤードの台に向かう。
ボールの急所を狙い、小さな落とし穴へと導き、…殺す。さながら暗殺者の様。
彼は一つの戦いを圧勝で終えると、此方を向いた。
「悪い。…おかしくなるんだよ。たまにだけど。」
「別に、おかしくない。…でもびっくりはしたかな。」
私が小さくはにかむとシバは少し驚きの気の抜けた表情を一瞬見せて、笑顔を見せた。
…それは哀しい様な、笑顔。…しかし、また真剣な表情に移り変わる。
「アイツは…絶対、何かを企んでる。…例えば、お前を…こう、なんかしちゃう、とか。」
そのなんかが何なの?!って思ったが、私は喋りに割り込まなかった。
「だけど、お前は今後の俺達に必要なんだ。…もう、家族や仲間を失いたくないから。」
私は『家族』という言葉を頭の中でスライドする様に連呼した。
…そうだ、私は…いつだったか…私の……………
キィィィィィィィィィィィィィィィンンンン!!!
煩い機械音が屋敷中に響いた。私と彼は黙って、冷静にソレを聞いていた。
すると、小さい音だが、自分のインカム(ハンディ用イヤホンでしょうか)からボスの声が聞こえた。
『全員聞け。何者かが屋敷の裏口を襲撃。現在まで二人が死亡。戦闘員は『ヨサク』に。
今回は『No,2』が指揮と前衛に当たれ。『コメット』の死亡を全員で警戒せよ!コレは重大な事だ。
戦闘員以外は軍備の補給、避難用経路の展開に集中しろ!良いな!! 』
小さく舌打ちしたシバはキリッと表情を変え、走り出し、私はソレを追った。
…まさか、襲撃に遭ったなんて…私は焦りの表情を見せる。そしてボスの命令を今一度思い出す。
『ヨサク』…4階緊張作戦室の略称である。また、『コメット』というのは私の事である。…しかし、
「No,2って??!…一体誰なの??!」
私は赤々としたカーペットを駆けながら、前にいる、シバに聞いた。
「俺だ!!!とにかく、走る事に集中しろ!良いか?!俺の後にひっついとけ!!!」
シバの大声に私は深く頷き、走る事を最優先した。
…なんだっていい。ともかく私は『死んではいけない』んだ!!
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