如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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26話(7)俺はイク準備は出来ています?!でもにゃにしようとしたか忘れました?!

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「な、なにも~~いきなりキスして!!」
「え? いいじゃないですか」


 手を握られたかと思えば、そのまま口づけられて、顔が熱くなる。如月はねこみみばかり触ってくるし、いい加減そろそろ外そうかな……と思えてくる。


 っていうか、下着履いてないし!!! 立ってるわけじゃないけど、これはこれで恥ずかしい!!! Tシャツの裾で、剥き出しの下半身を慌てて隠す。


「なんか、そういうとこ、女の子みたいですよね。可愛くて、好きです」
「はぁ?! どこが!!! 女の子じゃないし!! なんでそんな堂々としてるのっ!!」
「え? だって、何回も見られてますし。睦月さんは、可愛いからそのままでいいですよ……ん」


 『可愛い』って……。赤く染まった頬にキスされる。この座り方、めっちゃキスされる。うぅ、恥ずかしい。でも、幸せ!!


 けれど、せっかく二人で出かけたのだから、エアコン見て、えっちして帰るだけってのは味気ない。やっぱり、少しくらい如月とデートがしたい。


「如月……え~~っと、少しデートしない? このあと」
「良いですよ。どこ行きます?」


 如月の手が、Tシャツの裾をめくり上げてくる。指先が胸の突起をなぞり、肩がびくっと震えた。


「っん……やめっ、なんで手入れてくるの!! あっ……」
「え? 今、顔赤くして、上目遣いで『触って?』って誘ってきたから~~」
「そ、そんなこと言ってないし!! 誘ってない!! もぉ……触るからおっきくなっちゃったじゃん!!」


 如月はクスクスと笑いながら、Tシャツの中から手を引き抜いた。その仕草が余裕たっぷりで、ますます恥ずかしい。


 それに、頬が染まっているのが自分でも分かる。急いでTシャツの裾を引き下げ、露わになってしまった下腹を隠す。


 隠したところで、もう遅いけど。


「すぐおっきくなっちゃうんですね? 触ってあげましょうか?」


 如月は口元を緩めると、俺の胸元に触れた。Tシャツ越しに指が這う。


「上は無防備ですよ~~、ほら……ここ、こんなに敏感」 


 くすぐるような声とともに、服の上から胸の突起をつままれた。


「あっ、んっ……や、やめて……っ!! もぉっ、デート!! やっ……デートの行き先決める!! んっ、如月~~っ」


 指先の感触が、じんじんと肌に残る。ちょっと触られただけなのに、下も反応してしまって、情けないくらい熱がこもる。


「はいはい、どうします? 何かお揃いで買いますか?」


 からかうような口調とは裏腹に、如月の目元はやわらかかった。


「そういえば、恋人になって三ヶ月くらいですね」


 優しく頭を撫でられ、思わず目を伏せる。如月の指先が前髪をすくい上げ、微笑んだ。


「……変わらず、今も好きですよ」


 囁くような声と同時に、額に唇が落ちる。ちゅっ、と音がして、頬が一気に熱を帯びた。


「っ……な、なにっ……いきなり……っ!!」
「え? 恋人が可愛いからキスしただけですよ?」


 さらりとした声音と、余裕たっぷりの笑みに、顔がみるみる真っ赤に染まっていく。


「も、もぉ……っ! 如月の、ばかぁ!!」
「なんですか、もう~~」


 頬を膨らませて睨むように言うと、如月が少しだけ目を細め、苦笑い混じりに、頭へぽん、と優しく手を置いた。


「お揃いはやだ?」
「ううん、お揃いがいい」


 その提案が、嬉しくて。思わず如月の頬に手を添え、唇を重ねる。嬉しさの愛情表現。


「じゃあ、決定ですね」


 にこりと微笑む如月に、こちらも笑顔を返す。でもすぐに眉をひそめ、Tシャツの裾をつまみ、すっかり反応したままの状態の下半身を指差した。


「……その前に、これ、どうにかして」
「ぇえ~~っ? それ、私の責任ですか? 違うと思うんですけど~~」


 如月は面倒くさそうに溜息をつきながら、俺をじとっと見つめてきた。


「……如月、早くシて?」


 半分冗談、半分本気。とろんとした目で見つめて甘えると、如月は小さく笑った。


「ふふ。何言ってるんだか」


 猫を撫でるように、顎の下を指先で優しくなぞられる。くすぐったくて、でも気持ちよくて、思わず喉が鳴りそうになった。


 そのまま、Tシャツの裾をつまみ上げ、ぺらっと捲って見せてみる。


(……まぁ、そのうち収まるし。何かしなくても別にいいけど)


 ほんのいたずら心。少しだけ、如月をからかって遊びたかった。どう反応するかな? そんな気持ちで覗き込むと、如月は困ったように笑って、優しく俺を抱き上げた。


「え?」


 お姫さま抱っこ? 視界がくるりと回る。そのまま、ソファへそっと座らされ、如月が正面に回り込んだ。


 そして、脚を開かれた。


「あ……」


 ま、まさか、今から……おくちで?!?! 嘘でしょ?!?! やだっ、そんな、ほんとに?!?! え、でも、嬉しいぃ~~っ! 想像するだけで、またおっきくなっちゃう!!! はぁ~~~っ。


「さ、いく準備しなきゃ」


 如月がのびをしながら、気だるげにそう言った。


 え? イク準備? え、え、え、え、俺が?!?! てことは、まさか、ピンクのやつ?!?! 開脚ってそのための?!?! やだちょっと!!! どうしよ!!! 無理、恥ずかしいすぎる~~っ!!!


「な、なななななんで脚を?」


 ドキドキが喉元までせり上がる。


「え? その方が(ソファから)立ちやすいかなって」


 …………立ちやすい……? そ、それは……まぁ、確かに……? 脚閉じてるよりは? で、でも……でも……! もう立ってるのに!! これ以上どうすんの?!?! 如月、どんな技を俺にっ!!


「……睦月さん?」


 如月の声が降ってきたそのとき、俺はすでに覚悟を決めていた。両腕を胸の前でクロスし、目を瞑る。そして、叫んだ。


「お、俺は……ぐちゃぐちゃに掻き乱され、何度もイクようなことも、準備は出来てるっ!!!」
「……………」


 如月の目が、見事に白く濁った。


 よし、これでいつでも来い! 俺の覚悟、受け止めろ、如月!! 薄目を開け、ちらりと視線を向ける。如月は……口を開けたまま固まっている。あぁ、準備中ですか? ならば!!


 俺はゆっくりと脚を、さらに広げた。


「睦月さぁああん!!! あなたって人はーー!!!! なんでそうなるんですか!!!!」


 むにっ。


 右の頬が引っ張られる。


「いっだああああいっ!!! ちょっとぉ!! 攻め方ちがーーう!!! もっとこう! 甘く! めちゃくちゃに!!」


 如月の瞳を見つめ返す。……あれ? 完全に濁ってる。どうして??


「なんの話ですか?! どのタイミングで話がこじれたぁあぁああ!!」


 左の頬も引っ張られる。


「痛い痛い痛いっ!!! 拗れてない!! 最初からそういう流れだったじゃん!!」
「んな訳あるかぁあぁあぁあ!!!!」


 ずるずると頬を引っ張られながら、どこかへ連行されていく。


(……え、どこいくの? 寝室?? 寝室だよね?!)


 やだぁ、そんな怒ったふりしてぇ~~。ほんとは俺のことめちゃくちゃにするんでしょ? もう、好きなんだからぁ~~、如月のえっちぃ。


 ーーバサ。


 視界が真っ暗になる。


「早く着替えろぉおおぉおぉお!!!」


 服が頭の上からどさどさと降ってきた。


「ぇえ?! なにこれ!!! 思わせぶりすぎない?! ここまで連れて来といて!! 如月のえっち!!」


 ばさっ。服を拾いながら叫ぶ。


「えっちなのは自分の頭の中でしょうがぁあぁあぁあ!!! 睦月さんのへんたい!! 脳内ぴんく!!!!」


 なっ……。


「そうさせてるのは如月だあぁあぁあぁあ!!!!」


 服を着替えかけの如月に、全力で飛びついた。


「ちょっ!! ばかっ!! 危なっ!!!!」


 少しよろけながらも、しっかり受け止めてくれる。


 俺がどれだけ無茶をしても、いつも、こうやって抱きとめてくれる。如月の腕の中は、ほんとにあったかくて、安心する。大好き。


 ふと視線を落とすと、外れたシャツの間からちらりと見える、白い肌。おへそ、見えちゃってる……っ、えっちぃ。


 いきなり飛びついたせいで、シャツが肩までずり落ちた。


「あっ……あっ……肩……胸が……うわ……っ」


 もう目が離せない。うずうずして、思わず顔をその中に埋めたくなる。


「……み、見るなぁあぁあぁあ!!!!」


 如月は俺と着替えを、まとめて寝室の外へ放り投げた。


「ひっどぉ~~い……」


 その場にどさっと座り込み、胡座をかいて腕を組む。頬をぷくっと膨らませて、ふと自分の頭を撫でて気づいた。


(……あれ? もう完全にねこみみ馴染んでるな……)


 もはや違和感なし。頭にあるのが当然、くらいの感覚だ。


 ふと我に返り、冷静になる。


 で、アレ? 俺、にゃにしようとしてたんだっけ?



 
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