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52話(4)#私のコレクションを捨てたお仕置きです?!おもちゃよりお前がいい?!
しおりを挟む家に戻ると、既に卯月は寝ていて、如月と広い部屋に2人きりになった。聖なる夜。会話はないのに、この後、何をするのかは分かっていて、恥ずかしい。その空気感が気恥ずかしくて、着替えを持ち、逃げるように脱衣所へ向かった。
今日は1人でお風呂に入りたい。
この後のことを考えると、鼓動だけが早くなっていく。服を脱いで、浴室の中折れドアを開けた。身体と頭を洗い終わり、浴槽に浸かる。
ちゃぽん。
「うぅ~~緊張してきたぁ……」
1人で入る風呂が余計に緊張を煽る。両手でお湯を掬い、顔にかけた。ぱしゃ。はぁ、またこのままがちがちに緊張してきたらどうしよう。気持ち的にはめっちゃえっちしたいのに。心と身体のバランスがうまく取れない!!!
もんもんもん。ぐるぐるぐる。
だめだ!!! ここにいると悶々と永遠に考える!!! 上がろう!!!
「ぁああぁあぁあぁあ!!!! しっかりしろ!!! 俺!!!!」
風呂から上がり、リビングへ行くと、着替えを持った如月がソファから立ち上がり、俺の目の前に来た。
「なんか叫んでいました?」
「いや……叫んでいないこともない」
「どっち」
「どっちも!!!」
ちゅ。
俺を落ち着かせるように額に口付けされた。俺のことなんて、全てお見通しですか? 俺の頭をぐしゃぐしゃっと撫で、脱衣所へ行ってしまった。口付けされた額に、そっと手のひらで触れる。
むー。俺だって如月の額にちゅーしたいし、なでなでしたい。いつも如月ばっかり。
ソファに腰掛け、如月が風呂から上がってくるのを待った。
*
さぶ。
湯に浸かり、先ほどの睦月さんの様子を思い返す。アレ、緊張してるパターンのやつじゃないかな。意外と緊張しいの睦月に手がかかる。でもそんなところも可愛い!!!
「上がろうかな」
浴室から出て、バスタオルで身体に付いた水滴を拭いていく。脱衣所の扉を少しだけ開け、リビングの様子を窺う。ソファに座り、膝掛けの匂いを嗅いでいる。それ貴方がくれたプレゼント!!! そして匂い嗅ぐな!!!
着替えを済ませ、睦月の元へ行き、膝掛けを取り上げた。
「ぁああぁ~~っ!!! 俺の膝掛け!!!」
「なんで匂い嗅ぐんですか!!! あとこれ、私のです!!!」
「匂い嗅いでると落ち着くっていうかぁ……和む」
「常習犯?!?!」
へんたい的な行動を実は私に隠しているのでは? と疑いつつ、睦月の隣に腰掛ける。睦月が私の肩に頭を乗せてきた。甘えている。緊張はもう大丈夫なの? 優しく頭を撫でた。
「何かお茶とか飲みますか?」
「ううん、要らない……」
「えっちする?」
「えっ!!!」
目は輝いているのに頬が真っ赤だ。可愛い。今日、手でシてあげたのに、えっちがしたいとは。若いっていいね。睦月の肩に手をかけ、ソファに押し倒す。
「えっ、ちょっ!!! ここで?!」
「ちょっと確かめたいことがあるんですよね~~」
「確かめたいことって?!」
睦月の穿いているジャージを下げる。てろん。少し透け感のあるいやらしい下着が現れた。ちゃんと穿いてる!!!! 持ってきたの?!?! 驚きで固まる。
「…………」
「如月が穿けって言ったんでしょ!!!」
「まさか本当に穿いてるとは思わなくて……」
「……透けてるし…食い込むし…これ、恥ずかしいんだからぁ……」
顔を赤らめて、恥ずかしそうに目を伏せる睦月に身体の奥から熱情が湧いてくる。今すぐにでも抱きたい気持ちをグッと堪え、指先を潤滑剤で濡らす。
睦月の下着の隙間から指を入れ、窄みに沈み込ませた。
ぐちゅ。
「んぁっ……で……な…なに……? んっ…」
「なにって、何か『わるいこと』した覚えはないの?」
「あぁっ…ん……『わるいこと』??」
指先を押し開くように動かし、ゆっくり奥へ進めていく。
ぐちゅくちゅ。
「うん。ちゃんと思い出さないとえっちできないよ」
「あっ…んっ……はぁ…えっとぉ…や……はぁ…んっ…」
ソファの上で動く指先にビクビクしながら、目をとろんとさせる睦月が可愛くて、下腹に熱が籠る。もっと感じて震える姿が見たい。肉壁を辿り、前立腺を少しだけ押す。
「ぁああっ…はぁっ…あっ…もしかして…んっあっ…やあっ」
「思い出したの? 私に教えて?」
これは私のコレクション(?)を勝手に捨てたお仕置き。膨らみをみせる睦月の黒いティーバックが、色っぽくて、性欲が掻き立てられる。熱く湿った内部を激しく押し引きした。
「あっぁあっ…んっあっやっ…はあっ…捨てたっ…んぁっ…ああっごめんっあっ」
「別に睦月さんに使おうと思ってたわけじゃないのに、捨てるなんてひどいんじゃない?」
「んあっあっ…俺に使おうと思ってたわけじゃない……?」
睦月が身体をゆっくり起こし、私の目を見た。動かす指を止め、同じように睦月の目を見つめる。
「……俺に使わないで、誰に使おうと思ってたんだよ」
「???? 誰かに使う予定は特に……」
妬きもち……?
目に悲しみの色がある。何か勘違いをされている気がする。居もしない相手にヤキモチを妬く睦月が愛おしい。窄みから指を抜いた。
「睦月さんと遊ぼうかな~~とは思いましたが、他の誰かに使おうなんて考えたことないですよ。おいで」
「……俺は使ってもいいけど」
「じゃあなんで捨てたの」
睦月の手を引っ張り、膝の上で抱っこする。睦月の頬がほんのり赤く染まった。先ほどまで指で掻き回していたせいか、瞳はまだとろんと垂れ下がっている。可愛い。目を泳がせながら、睦月が口を開いた。
「……道具より…その……如月の指とか……あれの方が気持ちいいから……えと……うぅん…」
「もう~~考えてることがいつもえっちなんだからぁ」
「違うもん!!!」
「違わないでしょ~~」
睦月のずり下がったジャージを全て脱がし、また下着の隙間から小さな窄まりに指先を押し込む。膝の上で睦月の身体がビクッと震えた。さっきよりきつい。指先が甘く締め付けられる。
「っんあ…ベッド行かないのぉ……あっ…」
「今みたいから」
感じる部分を突くと指先の締め付けが更にきつくなった。睦月に顔を近づけ、唇を重ねる。吐息の熱を分け合いながら、唇で睦月の口唇をこじ開けた。
「んっあっあっはぁ…んっ…んん…んふ…んっ……あっ…」
「睦月さんから舌入れて」
「はあっんっ…あっ…できないっあっぁんっ…んんっ」
もう一度唇を重ね、睦月を誘うように口唇を開ける。指先で突かれ、ビクビクと身体を震わせながら、ゆっくりと私の口内に舌が這う。歯列の裏が舌で撫でられ、次に口蓋をなぞられた。
くちゃ。
ねっとりと、優しく口内を愛撫してくる舌先に、動かしている指先が自然と止まる。
「んっ…ん……んんっ…はぁ……んっ…んふ……んっはぁ……睦月さ……んっ……んん」
離されたと思った口唇はまた口付けされ、何度も啄まれる。キスを求めたのは私だが、こんなに官能的に来られるとは思わず、頬が染まる。
「如月照れてるの? 可愛い」
「べつに照れてるわけでは……」
「早くベッド行こうよ、如月」
悪戯な笑みを浮かべ、私を煽る睦月に背筋がゾクっとする。膝の上の睦月をそのまま抱き上げた。私を煽ったことを後悔させてあげよう。
「今日は聖なる夜だから、いっぱい楽しまなきゃね」
「変なプレイはやだよ~~」
「変なプレイとは?」
「変なプレイは変なプレイだよ!!!」
「いたたたたた!!! 今運んでるんだから、ほっぺつねらないで!!!」
つねられた頬に痛みを感じながら、寝室へ睦月を運ぶ。私の可愛くてヤキモチ妬きなお姫さま。今日はどうしてくれようか。
「なに?」
「べつに?」
寝室へ赴く足を止め、私の愛しい睦月の頬に口付けした。
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