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13話(11)元の身体に……戻ってない?!ちょっとだけいちゃいちゃしようよ?!
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静かにドアが開く音がした。睦月さんが帰ってきた。玄関まで出迎えにいくと、私をみて、安堵したような表情を浮かべた。
「……ただいま」
「おかえりなさい」
「ごめん……できなかった」
え。
ホッとした表情から一変、睦月さんの顔が一気に暗くなる。一応、確認したくて、恐る恐る、睦月に訊く。
「……挿れました……?」
「……うん……一応……」
こ、これは!!! 成功であり、失敗?! う~~ん。蒼の目論見は多分、私の調教で防ぐことが出来た?!?!
男だから分かる!!! おそらく、睦月さんはイケなかったのだろう!!! ってことは、私の目標は一応、達成出来たのか?!?!
「俺……途中で出ちゃって……取引は失敗した」
「え……?」
頭を抱え込み、しゃがむ睦月の隣に、寄り添って座る。出ちゃったって? どういう状況??
前戯で出ちゃってイケなくなった的な……? 何この話題!!! センシティブすぎて聞けない!! そのパターンだと、元の体に戻ってるのか? 女性にも興奮したってことだよね???
挿れて、感じて、出ちゃったわけでしょ。知らんけど!!! つまり、元に戻った!!! あとは私次第!!
「そ、そういうこともありますよね……久しぶりの女性ですもんね」
「あ゛?」
慰めるように睦月の背中をさすると、眉間にシワを寄せ、睨まれた。こわっ!!!
「な、なんですか……?」
「なんか勘違いしてない?」
「え……?」
「俺が前戯でイッたと思ってるでしょ」
急に顎が掴まれ、睦月と顔が近づく。大きな瞳が私をじぃっと見つめた。
「ち、違うんですか……?」
「挿れてもイケなくて、口でしてもらってる時に、如月のえっちな姿想像したら、出ちゃったぁ~~」
なん…だ……と……?
作戦失敗?!?! むしろ悪化したのでは?!?! ぁああぁあぁあ!!!!!
「あの変な宣告、全部解禁してね。えっちしてきたんだから。如月、ん~~っ」
掴まれた顎が思いっきり、引き寄せられ、唇が重なった。久しぶりに重なる唇に鼓動が早くなる。
「~~~~っ」
「はぁっ……如月、俺、お前じゃないと立たないみたぁ~~い」
言われている内容も、睦月さんから積極的にキスをされている自分にも恥ずかしくて、顔を逸らす。なんか想像と違う!! 両手首が睦月に掴まれた。
「ちょっとだけ、いちゃいちゃしようよ」
「ここ、廊下ですけど!! 卯月さんリビングに居ます!!!」
「背徳感で逆に燃える~~」
「何言ってるんですか!!!」
押し倒されないように力を入れ、必死に抵抗する。仕事帰りのワイシャツとスラックス姿は、ちょっとグッとくるものはあるが、人道的に無理!!
「ちょっとだけだってばぁ」
「絶対嫌だ!!」
「何やってんの? 誤解はとけたの?」
「「えっ?」」
私たちのことが気になったのか、卯月が様子を見にきた。誤解? なんのこと?? 何を言っているのかよく分からず、思考が停止する。入れている力が不意に抜けた。
「あっーー」
気が抜けて緩んだ手は、睦月に力強く押され、廊下に背中が当たった。
「うん! もう大丈夫!! 卯月、30分くらい、和室に籠ってて!! その後ちゃんと、ご飯作るから!!」
「私は2人がギスギスしてるより、いちゃいちゃしてた方がいいかな。お腹空いてるから、早くしてね」
「えっちょっ…卯月さぁあぁあん!!! どこ行くんですかぁあぁああ!!!」
和室に向かう卯月を呼び止めるが、止まってくれない。むしろ、ニヤニヤして「ごゆっくり」なんて言っている。おいぃいいぃい!!! 兄の味方をするのかぁあぁああ!!!
「だ~~いじょうぶ、少し愛でるだけだよ」
「愛でるとは? ちょっ…ん……ぁっ…」
首筋にゆっくりと睦月の口唇が触れる。荒くない。私のことを優しく愛撫して終わるつもりだろうか。もしそうならば、委ねてもいい。
「なんだ、可愛い声出せるじゃん。ちょ~~っと、堪能するだけだよ。俺がな!!! 禁欲されてたから燃えてきたぁ~~!!」
私の服の下に睦月の手が這ってくる。こんの!!!! 若造が!!!!(?) 前言撤回!!!!
「ほら!! 結局!!! 期待した私が愚かだった!! 夕飯を作れぇえぇえ!!」
睦月の肩を押さえ、これ以上近づかないように粛清する。私だって、お腹が空いた!!!
「ちょっと!! ほら、ごめんって~~キスしよ? キス」
「もうっ……ん……」
瞼を閉じて、私からのキスを待つ睦月が可愛くて、頬に触れる。体を起こし、唇を重ねた。
床にあった睦月の手を握ると、自然に指先が深く絡まり、手と手が繋がった。口唇を何度も啄み、優しくて、甘いキスを交わす。
ゆっくり口唇を離すと、細く長い糸が私と睦月を結んだ。睦月と暫く見つめ合う。
「如月……好き」
「知ってます」
なんだか恥ずかしくて、初心に戻ったように、お互い頬を赤らめ、合わせていた目を逸らした。
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