128 / 203
第二章三部 激突!!方舟対方舟編
百二十八話「前哨戦! 」
しおりを挟むキャンパー前方に影あり。
「 !! 」
ユナが前方にファントムドローンの斥候を確認する。
強襲と偵察を兼ねた攻撃型だ。
「先行してくる飛行亡霊を確認、相手は二体だけ、こちらの様子を確認する為でしょうか? 」
ユナの敵発見に、すかさずカンチョウが行動の指示を飛ばす。
「一体だけで良い、ザジ君......格闘戦で攻撃し無力化してボディを回収して欲しい」
「了解、ねぱた姉さんはもう片方の相手は頼んだよ......すぐに先行する! 」
ザジがねぱたに背中を預ける、斥候二体に強襲する為に飛行土台用ドローンの上に乗る。
霊力で電源操作し、迎撃するためにキャンパー前方に出撃する。
「敵亡霊を確認! 攻撃を開始! 」
ザジの空中戦が繰り広げられる、斥候のファントムドローンは先ほどに陰陽師達を襲った歪なドローン人形で。
ザジ同様にファントムニードルやファントムスラッシュで攻撃する強襲型の様だ。
「......」
相手は物言わぬ亡霊である様子、だがザジの姿に反応してニードルによる射撃攻撃を開始。
対するザジも躊躇なく攻撃を回避し、上空を陣取って土台ドローンから飛び、素早く一撃を見舞う。
「たあああ! 」
いつもの大剣ではガールプラモデルの手首に負担がかかる為、専用の片手剣を振りかぶるザジ。
呆気なく袈裟斬りのファントムスラッシュが相手のボディにヒットし、ファントムドローンの胴はズルリと分断される。
「今の格好はちょっと変だけど、この二依子の改良ボディ、動きやすくて使いやすいよ、ビックリだ」
ファントムブースターを吹かし再び土台ドローンに着地したザジは、切り裂いたファントムドローンのボディの一部を掴む。
「妙にあっさり倒せたな、本当に亡霊か? 」
そして腕を切り払って霊力を霧散、かつ無力化するとキャンパーに戻る様に反転する......が。
「 !! 」
道路周辺に陰陽師の負傷者が倒れ、医療関係者が治療に当たっている光景が見える。
「何で亡霊に攻撃されて大怪我してるんだ!? ......まさかコイツらって」
ザジの驚きの様子に続き、場面は変わる。
そう......一方キャンパーの方では、ねぱたが対空砲撃でドローンファントムの斥候と戦っていた。
「どりゃああ!! そりゃあああ!! でいやああああ!! 墜ちんかーい!! 」
鬱憤を晴らすかのようなメチャクチャな射撃で、ファントムドローンを迎撃するねぱた。
だが以外にも精度は良く、追い詰めて落とす射撃技術を披露。
ユナは過去のトリガーハッピーなねぱたを思い出して、ふと疑問に思う。
(何でコックピットをバイクにするだけで射撃精度が上がるのか、特撮脳だから? )
その考える通りにファントムドローンは絶対的な着弾の後、落下。
道路に落ち、完全に砕け散った。
「あっけなー! 何や弱いやん......風避けを拡大してニードル発射しなくても良かったんとちゃう? 」
前方に風避けのバリアを長距離で張り、射程を伸ばす射撃技。
ねぱたの様な熟練の亡霊ならではの技であり。
その気になれば弾丸がスポンジの弾でも、鉄板にめり込ませる強度無視の霊力が込められていた。
「ザジ君の帰還を待とう、もしかすると、奴らの正体が解るかもしれん」
カンチョウはファントムドローンに、何か心当たりがあるようだ。
......そしてザジが帰還する。
「みんな、もう少しでそばを通るから道端に注目して......」
ザジは帰還と共に神妙な顔つきを見せている......そして指摘通りキャンパー一同は、道端で沢山居る陰陽師達の負傷者を見ることとなった。
「酷い......」
モニターしているユナと二依子が、口を手で覆って絶句している。
「こんなに怪我人が出ているなんて......」
ユナの声の後......
鳥の巨大霊体を追いかけるキャンパーの亡霊一同が、真剣な表情を見せる。
カンチョウがザジに問いかける。
「ザジ君......奴らのボディは回収出来たかね? 」
「ああ、胴体を回収したよ、残念ながら動かしていた霊体は霧散している」
ザジが持ち寄ったファントムドローンの残骸、それに残る霊力を確認したカンチョウを始め、キャンパー古参亡霊一同が確信する。
「間違いない......"マンイーター"ボディだ!! 」
「......何です? それ? 」
カンチョウが放つ聞きなれない答えに、ユナが問いかける。
カンチョウは語る。
「亡霊がボディに入る時の、霊力の形状は解放型と分霊型に別れる」
「解放型がノーマルボディ、分霊型がマトリョーシカボディと名付けられた......名付け親は五月人形の老人亡霊だったが」
「それら以外の霊力の形状は正に悪霊を思わせるモノが多く、本来亡霊がほとんど出来ない対人霊力を形状とする全てのボディタイプが......」
「"マンイーター"だ......! 」
その説明には力が込められていた、ひっそりと余生を過ごす亡霊は人とは関わりの無いモノ達。
カンチョウはその意志を反転させた忌むべき存在に、打倒の意識を表した。
「霊力を変質させて人に危害を加える等と、亡霊の風上にも置けぬ"最低野郎"! 」
「陰陽師に打ち倒されるのを嫌い"魔性"に堕ちる等と、決して許されぬ行為だ! 」
その言葉を知ったか否か、前方に走っていた巨大霊体の様子に変化があった。
ユナの代わりにモニターを監視していた二依子が言う。
「......敵の鳥の巨大霊体、前方のトンネル内部にて停止、霊力を放出し......迎撃体制! 」
奇しくもザジ達を敵勢勢力と認識したのか、ファントムドローンを全機発信させてトンネルでの決戦を望む形である。
カンチョウはザジに聞く。
「ザジ君......そのファントムドローンのボディの残骸に、電子機器は付いてるかね? 」
「付いてるも何もこれは教団亡霊のボディの一部を使って造られてる、半端に電子機器で制御されてて、霊力で動くロボットみたいな奴じゃないか? 」
ザジの見解は亡霊にしては動きが機械的で気持ち悪いとのこと。
「やな奴だな、俺のなりそこないみたいで気持ち悪い」
同じく電子基盤がオリジナルボディのパルドが語る。
話を聞いていたドクやラマーも会話に参加してきた。
「マンイーターは亡霊間でも絶対駆逐対象として、ネットワーク上のコミュニティで指名手配されている、それに......」
ラマーの言葉に続く様にドクも語る。
「電子機器で制御されてるんなら、新型迎撃装備も御披露目出来るかもな」
アンテナの様な機器が砲塔に付けられ、甲板に競り上がってきた。
ドクが意気揚々に語る。
「霊力増幅型EMPの出番だぜ! 」
前方に見えるトンネルはファントムドローンが飛び交い、巨大霊体がザジ達を迎え撃つ準備の出来た......"魔境"となっていた。
「本艦はトンネル内部に突入する、総員迎撃準備! 」
敵勢霊力で充満するトンネルで、ザジ達の前に大量のファントムドローンの群れが襲い掛かる!
0
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
神典日月神示 真実の物語
蔵屋
歴史・時代
私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。
この方たちのお名前は
大本開祖•出口なお(でぐちなお)、
神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。
この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。
昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。
その神示を纏めた書類です。
私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。
日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。
殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。
本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。
日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。
そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。
この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
『神知りて 人の幸せ 願うのみ
神のつたへし 愛善の道』
歌人 蔵屋日唱
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる