走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)

丸ーニィ

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第三章二部 ディルムン襲撃編

百五十八話「今こそソレ呼ぶ時だ! /アイドルとのっぺらぼう③」

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 それからしばらく、未来のユナから語られた未来についてユナが報告をまとめる。
 カンチョウはユナの報告を聞いて率直な感想を語る。
 
 「しかし......未来霊か、これまた時間を超えてくる存在が相手とは困ったものだ」
 「下手をすると手の内なんぞ全て筒抜けかもしれないぞ」
 
 それに対し紀伊も答える。
 
 「どのくらいの頻度で時間を超える事が出来るのかはわからないのです、術で話すだけでも新月の調整と媒介の"札"があっての事なのです」
 「つまり時間を超えるのが相当な準備や、容易に行えない制約があると想定するのです」
 
 紀伊の言葉の後でラマーが言う。
 
 「タイムパラドックス的に、霊体であっても時間旅行は簡単じゃないってことだね、その二体の霊体はスキル欲しさ時間下りを行うんだろう?」
 
 「はい......未来の世界では亡霊が居ないらしく、相手は工廠霊の進化型だっていってました」
 
 ユナがラマーの質問に答える。
 ここでカンチョウは言う。
 
 「本来の工廠霊の亜種なら強くはないのだろうね、未来にはファントムスキルが無くファントムドローンのスキルしかないと言うならだが......」
 「しかし過去の情報は持ってるのだろう? 未来の君が"警告"する程の相手なら、それ相応の何かを持っていると言う意味だ」
 
 「......私も気になります、警戒しなければならないと言うだけで、具体的には何も知らされませんでした」
 
 ユナの話を聞くねぱたは、ここで紀伊にアカウントについて聞く。
 
 「ねえ、紀伊ちゃん? ウチ思うんやけど、その未来の二人をディルムン参加アカウントから除外でけへんの? 」
 
 紀伊は俯いて言う。
 
 「......データベースには、その二人の未来霊の名前は無かったのです......」
 
 「!! ......え? 」
 
 紀伊の答えは皆を驚かせる。
 慌ててねぱたが聞き返す。
 
 「参加してないって事!? 」
 
 「当日にはキャンセル待ちの参加もあるのです、そこで一時的に入ってくるプレイヤーが、その未来霊の可能性もあるのですが......それ以前にハッキングによる侵入もあり得るのです」
 
 紀伊が語る可能性。
 つまり、強制的に参加するのでこちらからの除外は不可能と言うことだ。
 ラマーは語る。
 
 「だろうね、未来を知ってるんだ、セキュリティの中身も把握されてるんじゃないかな......」
 
 「結局は直接対応せなあかんな......でも誰がどこで遭遇するか解らんのやろ? 」
 
 ねぱたはラマーの話を聞き、再び紀伊に問いかける。
 
 「亡霊各員にハッキングによる侵入には、報告と厳重な対応を求める様に通達するのです」
 「そしてハンドルネームも指名手配しておくのです」
 
 紀伊が用意する対策、指定ハンドルネームの侵入に対する対応処置、これらにはディルムンの裏側で行われる様に行動出来る強い亡霊が必要と思われる。
 
 「地下帝国精鋭部隊を緊急召集しておくのです、彼らなら......まあ何とかなるかも知れないのです」
 
 紀伊がそう言うと、ユナは自信無さげな紀伊の言葉に不思議な顔をする。
 
 「精鋭部隊なのに......自信無いんですか? 」
 
 ユナの発言の後、ねぱたは何か察したかの様に反応し、ユナにその理由を語る。
 
 「あー、地下帝国精鋭部隊って......あの激強亡霊(ツワモノ)のことなんやな......噂で聞いたわ」
 
 「強い亡霊ですか? 精鋭部隊っていう位ですが、何か問題でも? 」
 
 ねぱたの話にユナは更に不思議そうな顔を見せる。
 ねぱたは言う。
 
 「そらな、ツワモノ言う位やで、馬鹿みたいに霊力強いねん、ゲームっぽく言うと......ザジやウチで星5やったら、そいつらは同じ星5でも尖ってる強さを持ってるねん」
 
 「そんなに強いんですか!? ねぱたさんより"尖ってる"奴ってどんな亡霊ですか?! 」
 
 ユナは興味津々だ、そんなにも"はっちゃけ"た亡霊の存在に驚きを隠せない。
 ねぱたはその存在の名前を口にする。
 
 「地下帝国第六機動亡霊隊"グランド·ファントムズ"!! 又の名を......」
 
 ユナはここで息を飲む。
 
 「「 玩 具 促 販 ガ チ 勢!! (ドーン)」」
 
 その名前を聞いたユナの顔は、期待からドンドン呆れ顔に変わっていく......
 ねぱたは言う。
 
 「ただのガチ勢ちゃうでえ! マジもんのガチ勢や! 」
 「奴等のボディが流行りのデカイベーゴマでも促販の通りに巨大な竜巻出したり......」
 「ビー玉発射するオモチャでも、分厚い鉄板を霊力の物理軟化無しで撃ち抜く程の完璧な促販ぶり......」
 「カブトムシに車輪付いたオモチャから人が死にかねんビームだしたりするんや!! 」
 
 「訳わかんねー!! 」
 
 ユナが突っ込みを取り戻す、だが現状で強力な戦力。
 頼らざる終えないのであった。
 
 ******
 
 「シラ達が全滅......!? 」
 
 場面は変わってザジ(子)がアンキャナーから驚愕の言葉を告げられた。
 
 (なんで? この人がシラ達教団の全滅を知ってるんだ! 俺達以外は極一部しか知らない情報なんだぞ! )
 (それに、俺達でも遠目に巨大霊体に食われてる教団達を見たけど......)
 (シラはまだ俺達でも消滅を確認してない! )
 
 アンキャナーはザジ(子)の狼狽ぶりをボディ越しに確認すると、更にシラの最後について語る。
 
 「ええ......彼らとは協力関係でしたが、袂(たもと)を分かちました、その際に彼の最後を見とる結果と成りまして......最終的に教団全滅も見とる事となったのです」
 
 アンキャナーは経緯を説明する。
 ザジは更に狼狽する。
 
 (協力関係!? えええええ! もしかすると......コイツの正体って!! )
 
 「驚きが絶えないようですね、これは失礼しました、貴方に安心を届けようとお知らせましたが、すいません......出過ぎたマネをしてしまいましたか」
 
 ザジ(子)の様子にアンキャナーは些か(いささか)刺激が強すぎた発言をしたと思い、謝罪を挟む。
 そんなザジは遂に......アンキャナーの正体を確信する!
 
 (まさか......この人がサテライトの中にいた相手!? )
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