走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)

丸ーニィ

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第一章 はじまりの会合編

七話「反撃のファントムズ②」

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黒服達はキャンパーを止められる事が優先的のようで、止まってしまえば如何様にも処理できると思われる。
 
 「もっと近くに付けろ......タイヤを潰して止める! 」
 
 助手席の黒服が拳銃を出すと、身を乗り出して狙う構えを見せる、当然狙撃に向かない姿勢の射撃であるので距離を詰めてからの射撃で確実性を求める必要性がある。
 
 キャンパーは以前目の前の式神を攻撃中、簡単な陽動が悟られる程の知性的な魑魅魍魎はそうは居ないと踏んでのことだろう。
 
 「所詮は魑魅魍魎など人の意識の残りモノ、だが…残りカスの意識だけであの様な奇っ怪な車が出来るとは以外じゃのう」
 
 頭目と呼ばれる女性はキャンパーをじっと見詰めていた。
 
 「つくも神でも意志が芽生えて50年以上はかかる、つまり車であれば本来年代物限定じゃ、あの様な近代的なモノはつくも神では有り得ん」
 
 頭目の女はふと思う、ソレは可能か否か。
 相手がそこいらの魑魅魍魎とは違うのなら、発生した原因を模索する意味もあるだろう、似たような現象が他にも有るかもしれない。
 
 「潰してからよう調べようぞ、今の時代じゃ貴重な奇跡なのやも知れん」
 
 確実的な射程に近付くと頭目の女が手で合図を出す、乗り出していた黒服が拳銃を構える!
 
 「サイドミラーは以前紙で塞いでおる気付かれんはずじゃ」
 
 ここで頭目の女はある重要な勘違いをしていた。
 
 「......しかし不便じゃのう、キャンピングカーというのは、後ろを見るのも大変じゃな! 」
 
 その言葉に黒服のドライバーがはっと気付く!
 
 「頭目様、近年のキャンピングカーは後ろにバック用のカメラ付いてますよ! 」
 
 「......へっ?」
 
 頭目の女は目が点になった。
 
 「あ、ああああ! しもうた!やられた! 」
 
 そう! その言葉通りバックカメラを角度を変えて確認されたかの様に、一気にキャンパーの砲塔がこちらを向いているではないか!
 
 引き付けたつもりが逆に引き付けられた事に気が付いた黒服達は、慌ててハンドルを切ろうとする!
 
 しかし! 時すでに遅し! エアガンやボウガンでフロントガラスが一気に真っ白になる位に亀裂が走る!当然エアガンもただの威力では無いようである。
 
 「クソ! 足だけでも! 」
 
 乗り出していた黒服が拳銃を構えて再びタイヤを狙う!
 
 だが…突然構える拳銃の手が、針のような細かい傷をいくつもの付けられ血が吹き出る!
 
 「ぐあああ手がああ! 」
 
 乗り出していた黒服のすぐ目の前を通り過ぎる物体、エンジンラジコンのプロペラ機だ!
 
 「! 」
 
 そして傷付けられた黒服は手に拳銃が無いことに気が付く!
 
 「しまった! 」
 
 一方後部座席では......
 
 「やられたわ口惜しやああ! 」
 
 腕をブンブン振るって悔しげな頭目の女の負け惜しみが響いた…。
 
 
 視点は戻り、キャンパーの方では当然後方に向けての砲撃が行われていた!
 
 「食らえ食らえ! ヒャッハー! 」
 
 ねぱた女史のトリガーハッピーになった叫びが木霊する。
 
 「こちらフォッカー! 合流する、着陸許可をくれ! 」
 
 聞こえてきた男の霊声の主は先程のラジコンプロペラ機だ!
 フォッカーと名乗ったその亡霊は霊体の手で何かを掴んでいる。
 
 「こちらカンチョウ、了解した」
 
 キャンパーの一部がまた競り上がると固定に使うアームが出てくる、そしてフォッカーのプロペラ機が器用に掴まれ回収された。
 
 「フォッカー君、観測任務ご苦労様、助かったよ」
 
 カンチョウの激励が飛ぶと、プロペラ機の上に青年の亡霊が浮かぶ。
 
 「航続距離ギリギリでしたよ、お土産も有りますぜ! 」
 
 その様子をユナはキョトンと見ていた。
 
 「......ユナ君紹介しよう、別動隊で上空から観測していたフォッカー君だ」
 
 ユナの居る階層にエレベーターでラジコンの飛行機が畳まれて入ってきた。
 
 「よ、よろしくお願いいたします! 」
 
 ヌイグルミのままフォッカーの霊体と握手する。
 
 「なかなか可愛いのが入ってきてうれしい限りだよ、ウチの女性はねぱたしか居なくてね」
 
 青年の亡霊はサムズアップで答えた。
 
 「は、はあ......」
 
 
一方キャンパーの屋根ではザジとねぱたがフォッカーの置き土産をマジマジと見ていた。
 
 「これ拳銃やん! こんなんで狙ってたとか危ないわー(ドン引き) 」

 砲撃でバリバリ反撃中の暴れん坊AIMねぱた女史が、見も蓋もない言葉で返す様にはザジもドン引きである。
 
 (姉さんないわー)
 
 フォッカーが置いていった拳銃は9㎜リボルバー、シリンダーには全弾入っている。
 
 「一発貰うね」
 
 ザジはさらっとシリンダーから実弾一発を取り出すと、プラモデルのボディがそれを抱えていた。
 
 「ザジ? そんなんでどうすんねん? 弾だけやん」
 
 その言葉にザジはニヤリと笑う。
 
 「うん、まあ見てて」
 
 そう言うとザジは下の階層から、偵察用レーシングドローンを持ち出す。
 
 「チョッと? 直接行くん?危ないで?! 」
 
 「へーきへーき」
 
 ザジはそのままプラモデルでドローンの上に乗り霊力でドローンを操作し、黒服達の車の方に飛んでいった。
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