走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)

丸ーニィ

文字の大きさ
33 / 203
第一章第二部 巨大霊体「根の国」

三十三話「双撃(ファントムズペイン)」

しおりを挟む

「マタシテモ! 箱ノクニノ民共メ! 」
 
 巨大霊体の土偶ボディがまたしても、熱砂のショットガンを撃ち始める。
 
 「間髪入れずバンバン撃つなあ。」
 
 ザジとねぱたが付け入る隙を伺いビルを盾にして、顔を出す。
 
 キャンパーのエレベーターではフォッカーの参戦で事態は好転しており、壊滅も時間の問題。
 
 速やかに援護射撃でエレベーターを攻撃しなければ、巨大霊体側も振り出しに戻るを繰り返す。
 
 
 そう、状況は変わりつつ在る!
 

 「オノレ!兵ヲ失ウ位ナラ......」
 
 自らの隙を晒して、巨大霊体が口を開けて砲撃に掛かろうとする......が
 
 「足リヌ! 足リヌゾ! 火ガ足リヌ! 」
 
 そう弾(熱砂利)が足りないのだ!
 
 キャンパーのバリアに覆い被さる胴体部分から、再び火災の熱と砂利を取り出す様に持ち上げると。
 
 首筋に大きな溜まりが見えて、巨大霊体の首が光り始める!
 
 
 「「またあの攻撃(熱砂の砲撃)を撃つ気だぞ!! 」」
 

 カンチョウの叫びが木霊する。
 
 キャンパーのバリアに引っ掛かりながらも、ゆっくりと巨大な顔の方に熱砂利の溜まりが移動を開始。
 
 ユナがその様に反応する。
 
 (キャンパーのエレベーターみたい......ってあれ? )
 
 巨大霊体の様子に違和感を感じる。
 
 
 そこに悠長に待ってられないねぱたが即、行動に出ようとするが…
 
 「させるかー! ってザジ? 何で止める! 」
 
 ザジがねぱたの行動にストップをかける。
 

 ザジは巨大霊体の喉元を指す。
 
 (姉さん、あれが喉まで来るまで待って! )
 
 そう、その時巨大霊体の喉元に異変が発生していた。
 
 離れて見ていたユナも様子がおかしいのに気がついた。
 

 (膨らんでる! 以前よりもカエルみたいに膨らんで喉が圧迫されてる! )

 
 「グゴゴゴ、喉ガ! 」
 
 巨大霊体も驚愕しているようだ!
 
 「エエイ! コンナ事デ、臆スル我デハ無イ! 」
 
 ここで巨大霊体は膨らんだ喉の熱砂を口に運ぼうとする、その隙にザジがファントムニードルを土偶に向けて発射。
 
 「キカヌ! 」
 
 霊糸の布のバリアが、急遽生えてくる様に飛び出してガードする!
 
 これにねぱたが驚愕した。
 
 「ザジがあんなに斬ったのに、こんなあっさり生えてくるとかおかしいわ! 」
 
 「いや......でも見て、アイツの喉! 」
 
 ここで更にザジが指摘する、巨大霊体の膨らんだ喉元......
 
 そう、以前よりも膨らみが大きくなっている! もうはち切れんばかりだ。
 

 「......」
 

 「ははーん(ニヤリ)」
 

 ねぱたが今、物凄く!暗黒微笑を浮かべた。
 
 「グギギギ! 」
 
 巨大霊体は砲撃の準備に手一杯であり。
 


 最悪の......
 
 ″ウィークポイント″
 

 ......を晒している事に、気が付いていない!
 


 ここで巨大霊体の顔の前に二人、ザジとねぱたが堂々並ぶ!
 


 「霊国の主だっけ? ええか! 」
 
 ねぱたが大きな弾丸を、上空にコイントスの様に打ち上げる。
 
 
 「選べよ! ここからは二択だ! 」
 
 ザジはプラモデルボディの両刃剣を、再び分解し二刀流に戻す。
 


 突然の問いかけに巨大霊体が困惑する!
 
 「?! 」
 
 二人が構える!
 
 最大の霊力で技を繰り出す!
 
 
 「ウウウウ! 」
 
 巨大霊体が唸る、受け止める為に身構える!
 
 
 「「ハイ! ファントム! 」」
 
 ねぱたが飛ぶ!
 放り投げた弾丸を足に付けて!
 
 「フィニッシュ・キック! 」
 
 目標は巨大霊体の土偶ボディ!
 
 
 「「ハイ! ファントム! 」」
 
 ザジが剣を二刀揃えて合わせる!
 刃の間に霊力の刃を形成して!
 
 「オーヴァード・エッジ! 」
 
 目標は熱砂でカエルの様に膨らんだ喉元!
 
 
 
 
 この二つの攻撃には合間が無い!
 
 つまり完全に同時攻撃なのだ!
 
 
 
 「オオオオオオ! 」
 
 ねぱたの全力(フィニッシュキック)が、霊糸の布の盾にぶつかる!
 
 ひとつまたひとつと布を増やしてガードする!
 
 はたまた下では、ザジの全力(オーヴァード・エッジ)が喉元に食い込む!
 
 首筋から霊糸の布が生える様に移動を行い
 
 その様子をユナやカンチョウ、フォッカーやドクが見守り。
 
 配下の埴輪達でさえ目を背ける事が出来なかった。
 
 

 まるで″溜め″の如し暫しの静寂が起こり。
 
 そして......
 
 

 弾丸の放つ轟音と供に!
 
 キャンパーのバリア内部で熱砂の爆発が発生し!
 
 炎と砂塵が激しく辺りを包み込む!
 
 「グアアアアアアア! 」
 
 霊声が木霊する!
 
 悲痛な断末魔の様にも聞こえる叫びだ!
 
 
 
 突然に周囲が変わる!
 
 「おお! キャンパーの周囲が戻った! 」
 
 カンチョウが叫ぶ!
 
 謎の結界のような草原が、キャンパー周囲に展開されていたがいつの間にか消えており......
 
 廃村の中央道路に戻って居るのだ!
 

 また、いつの間にか夜も開けており、周囲に朝陽が差していた。
 

 「退けたぞ! ラマー君! 早くここから移動を! 」
 
 フォッカーは巨大霊体の気配がキャンパーの上に無い事に気が付く!
 
 「パルド! バリアを集中展開! 奴との距離を図れ! 」
 
 巨大霊体の姿がキャンパーから遠退く、完全に退けたのである。
 
 「ねぱたさーん! ザジ君ー! 」
 
 ユナが辺りを見回す、爆発の後が激しく屋根がボロボロで穴まで空いている。
 
 
 「ちょっと......ユナちゃん......助けてえなあ」
 
 屋根の穴にねぱたの特撮フィギアがボロボロで大の字で倒れていた。
 
 「ねぱたさん! 無事ですか! 」
 
 「足吹っ飛んだわー、でもちゃんと尻尾切りで霊体のダメージは回避したで、凄いやろ......出来る女やで」
 
 「......んもう」
 
 ねぱたの霊体は健在の様だ、フィギアはキックの反動と爆発で足が壊れ、表面も熱砂利でボコボコだ。
 
 「ザジ君は? 何処? 」
 
 ユナが周囲を探す。
 
 「! 」
 
 辺りにプラモデルの装甲や手足パーツが散乱し、とてもじゃないが無事とは思えない様子が見てとれる。
 
 
 キャンパーの屋根から下の階、以前にザジとフォッカー帰還出来るように誘導灯等を照らしていた部分......
 
 
 「またここ......かよ」
 
 
 回収で開いたサイドパネルの受け止めネット......
 
 そこに手足も吹き飛んで、またダルマ状態になったザジが引っ掛かっていた。
 
 「またボディが無くなった......お気に入りがまたひとつ失われて、俺はかなしい」
 
 上からザジを探すユナ達の声が聞こえる。
 
 (よく聞こえるなあ、ユナの声が......)
 
 (上に行こう、ツッコミの合いの手しなきゃな)
 
 そう言うとザジの霊体はボディから抜けて、急いでレストルームに飛ぶ!
 
 
 
 
 
 ユナの濁った声が木霊する。
 
 「ザジ君! イギデダノオオオオ! 」
 
 ザジがガールズプラモデルに入って、エレベーターで屋根に上がってきた。
 
 「おおザジ君! 健在かね! 」
 
 カンチョウの激励が出迎えた。
 
 他のキャンパーのクルーも運転中のラマー達以外は姿を見せている。
 
 「埴輪は? 何処にいった? 」
 
 「飛び降りていったよ」
 
 カンチョウがキャンパーの壊れた屋根を見るように視差する。
 
 「あれをどうするかね? 」
 
 そう、そこには惨めな姿の″アレ″があった。
 
 
 「何トイウ事ヲ、シテクレタノダ......」
 
 ボロボロの遮光器土偶。
 
 そうそこには巨大霊体の頭に付いていた土偶ボディが転がり、黒いモヤになって崩れた巨大な霊体の顔から......
 
 
 小さな生首の霊が苦しみもがいていた!
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。 選んだ職業は“料理人”。 だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。 地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。 勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。 熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。 絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す! そこから始まる、料理人の大逆転。 ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。 リアルでは無職、ゲームでは負け組。 そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。

 神典日月神示 真実の物語

蔵屋
歴史・時代
 私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。 この方たちのお名前は 大本開祖•出口なお(でぐちなお)、 神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。  この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。  昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。 その神示を纏めた書類です。  私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。  日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。 殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。 本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。 日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。 そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。 なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。 縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。 日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。 この小説は真実の物語です。 「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」 どうぞ、お楽しみ下さい。 『神知りて 人の幸せ 願うのみ 神のつたへし 愛善の道』  歌人 蔵屋日唱

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...