俺だけ魔力が買えるので、投資したらチートモードに突入しました

第七章 「ディストリビューション」

Intermission 13-Append 「ダリルの取材記録」

取材記録／記録者：ダリル・フェイン

日時：憲章暦９９７年３月２９日　午後１時
場所：北リアディス基地・応接室
対象：エリーナ・ルミナス少将
記者：セリナ・クロフォード

　本日は、リアディス防衛線の査定試験に関する取材を目的に、エリーナ・ルミナス少将への短時間のインタビューが許可された。応接室は清潔で簡素。取材は二人掛かり――セリナ・クロフォードが主に質問し、ダリル・フェイン記録係を務めた。

以下記録。


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セリナ質問１：
「今回の査定試験は、どのような点を重視して実施されたのでしょうか？」

ルミナス少将回答：
「防衛戦力の基準は魔力出力の高さだけではありません。連携、持続力、正確性。そうした総合的な力が求められます。魔獣討伐の経験も重要です」

→明瞭な答え。特に「正確性」に言及したのは興味深い。
 
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セリナ質問２：
「つい先日の魔獣事件についても、お伺いしたいと思います。市民の間では、事件が再発するのではないかという不安が広がっていますが、少将はどのようにお考えでしょうか？」

ルミナス少将回答：
「魔獣の襲来は偶発的なものに見えて、背後に必ず原因があります。今回も徹底的に分析を進めています。大事なのは恐怖を放置しないことです。街の人々が再び立ち上がれるよう、私たちは安心を示さなければなりません」

→少将の視線が鋭くなったように感じた。軍高官として一般的な回答。

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セリナ質問３：
「制圧に使われた魔法についても、多くの市民が噂しています。閃光のごとき大規模な光魔法が発動したと。やはり少将ご自身が行われたのでしょうか？」

ルミナス少将回答：
　少将は少し間を置く。
「光魔法は拡散すれば目眩ましとなり、収束すれば刃にもなる。様々組み合わせて魔法を放つことになります。今回は、少し派手に見えてしまったかもしれません。レオリア軍の総力で魔獣を退けられました」

→ 直接的な言及は避けた。軍全体で退けたという建前を維持。

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セリナ質問４：
「市民の間では不安の声も広がっています。治安維持について、少将ご自身の見解は？」

ルミナス少将回答：
「不安は自然なことです。だからこそ、私たちが平穏を守る意思を示さなければならない。市民は、戦力の強弱よりも安心して暮らせる実感を求めています」

→ ルミナス少将らしい答え。理念を大事にしている印象。具体的な政策については言及を避けた。

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セリナ質問５：
「今後の少将の任務予定は？」

ルミナス少将回答：
「私はこの街を離れます。詳細は公表できません」

セリナ追及：
「また国境警備ですか？」

ルミナス少将回答：
「それに近いと考えていただいて結構です」

セリナ追及：
「それは、ティラナ島ですか？」

ルミナス少将回答：
「ふふ、それはご想像にお任せします。ただ、必要とされる場所へ行くだけです」

→ 明言は避けたが、目的地はティラナ島と推定される。

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セリナ質問６：
「次の任務は、目的は軍事行動でしょうか。それとも外交・査察？」

ルミナス少将回答：
「全てを軍事で片付けるのは愚かです。けれど、力を示さなければ外交も成り立たない。……その中間に答えがあると考えてください」

→抑止力としての配属とみる。

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セリナ質問７：
「個人的なお考えを伺います。もしティラナ島で戦乱が起これば、市場にも影響が出るでしょう。経済面についてどうお考えですか？」

ルミナス少将回答：
「市場は繊細です。戦争そのものよりも戦乱の予兆のほうが相場を揺らすと考えています。……だからこそ慎重に行動する必要があるのです」

→ 戦乱の予兆という言葉を強調していた点が印象的。

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取材後補足（私見：ダリル）

少将の転属先について、セリナは「確証が取れたら一面記事」と興奮していたが、私は記事化は時期尚早と判断。高官の動静を軽々しく載せれば当局からの報復の恐れすらある。ティラナ島着任時には、第一報を一面で打つ算段を整える。

取材全体を通して、少将はティラナ島に向かうことを隠しきれていない。発言の端々から目的地はティラナ島である可能性が高い。

ただし軍事・外交・経済が複雑に絡む任務のため、真意は不明。

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総括

エリーナ・ルミナス少将は近日中にリアディスを離れる。
国境地域、とりわけティラナ島が有力な目的地か。
抑止力強化としての配属見られるが、万が一の場合も考えての人事だろう。

記録ここまで。

ダリル・フェイン