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第十一章 「デッドクロス」
Short Stories 4 「ビキニパニック」
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白い砂浜から続く通りには、南国の強い日差しが降り注ぎ、色とりどりの布地や装飾が風に揺れている。海の香りとスパイスの甘い匂いが混ざり合い、歩いているだけで頭がすこしふわっとするような場所だった。
「わあああ! すごい! お店いっぱいある!」
真っ先に声を上げたのはリーリアだった。
「ほら見て! あの水着! あっちのもかわいい!」
屋台に吊るされた布切れ――いや、どう見ても布面積の少ない衣装を指さして、目を輝かせている。
「……あ、あれが……水着、ですか?」
その後ろで、アイラは完全に硬直していた。視線の先には、腰布と胸布が申し訳程度に組み合わさったロピカルハ式水着が並んでいる。
「む、むり……です……」
顔を赤くして視線を逸らすアイラに、ティタニアが腕を組んで頷いた。
「まあ、そうなるわね」
「え? でも普通ですよ?」
不思議そうに首をかしげたのはニナだった。
「暑いですし、泳ぐならこれが一番動きやすいです」
「えっ……普通……?」
アイラとヒカリが同時に固まる。
「ニナちゃん、これ……恥ずかしくないの?」
ヒカリが率直に聞くと、ニナはきょとんとした。
「? どうしてですか?」
「……うん、文化の違いってすごい」
アイラは深く息を吸ってから、遠い目をした。
「さあさあ、立ち止まってないで入りましょう」
フィリアがにこやかに言って、強引に一軒目の店へと女性陣を押し込む。
中はさらに賑やかだった。色見本が壁一面に並び、店主の明るい呼び声が飛び交う。
「こ、これは……」
アイラが今にも倒れそうな声を出す。
フィリアは平然と一枚手に取った。
「かわいいですわね。色も豊富ですし」
フィリアは平然と一枚手に取った。
「フィ、フィリア様!? 本当に着るんですか!?」
「ええ。海ですもの」
即答だった。
「リーリアはどれがいい?」
「えーっと……これと、これと……あ、これも!」
リーリアは楽しそうに三枚抱える。
「そんなに!?」
「だって全部かわいいもん!」
ティタニアは苦笑しつつ、落ち着いた色合いのものを選んでいた。
「形は同じでも、色で印象が変わるのね」
「お姉さん、通ですね!」
店主が親指を立てる。
一方、ヒカリは棚の前で小さく固まっていた。
「……やっぱり……ちょっと……」
「大丈夫ですよ」
ニナが自然な動きで声をかける。
「最初は慣れませんけど、海に入ると気にならなくなります」
「そ、そうなの……?」
「はい。泳ぐの、楽しいですよ」
その素直な言葉に、ヒカリは少しだけ表情を緩めた。
「じゃ、じゃあ……試着だけ……」
そこからは、まさに嵐だった。
「アイラ、それ似合いますわ!」
「む、むりです……見ないでください……!」
「ヒカリ、その色いいね!」
「えっ!? ほんと!?」
「リーリア、走らない!」
「だってテンション上がるー!」
試着室のカーテンが何度も開いては閉じ、笑い声と悲鳴が交互に響く。
ニナはその様子を不思議そうに、そして少し嬉しそうに眺めていた。
「みんな、楽しそうですね」
「……ニナは平気なのね」
ティタニアが尋ねる。
「はい。これ、いつも着てますから」
「……そうだったわね」
しみじみと納得する。
最終的に、いくつかの袋が手に渡った。
「はあ……つ、疲れました……」
アイラはぐったりだ。
「でも、楽しかった!」
リーリアは満面の笑み。
「明日は海ですわね」
フィリアが満足そうに頷く。
「……ビキニ、恐るべし……」
ヒカリがぽつりと呟いた。
ニナは通りの先、きらめく海を見て言った。
「ロピカルハの海、きっと気に入ります」
南国の風が、買い物袋を揺らした。
こうして――
楽園の一日は、にぎやかな笑い声とともに過ぎていくのだった。
「わあああ! すごい! お店いっぱいある!」
真っ先に声を上げたのはリーリアだった。
「ほら見て! あの水着! あっちのもかわいい!」
屋台に吊るされた布切れ――いや、どう見ても布面積の少ない衣装を指さして、目を輝かせている。
「……あ、あれが……水着、ですか?」
その後ろで、アイラは完全に硬直していた。視線の先には、腰布と胸布が申し訳程度に組み合わさったロピカルハ式水着が並んでいる。
「む、むり……です……」
顔を赤くして視線を逸らすアイラに、ティタニアが腕を組んで頷いた。
「まあ、そうなるわね」
「え? でも普通ですよ?」
不思議そうに首をかしげたのはニナだった。
「暑いですし、泳ぐならこれが一番動きやすいです」
「えっ……普通……?」
アイラとヒカリが同時に固まる。
「ニナちゃん、これ……恥ずかしくないの?」
ヒカリが率直に聞くと、ニナはきょとんとした。
「? どうしてですか?」
「……うん、文化の違いってすごい」
アイラは深く息を吸ってから、遠い目をした。
「さあさあ、立ち止まってないで入りましょう」
フィリアがにこやかに言って、強引に一軒目の店へと女性陣を押し込む。
中はさらに賑やかだった。色見本が壁一面に並び、店主の明るい呼び声が飛び交う。
「こ、これは……」
アイラが今にも倒れそうな声を出す。
フィリアは平然と一枚手に取った。
「かわいいですわね。色も豊富ですし」
フィリアは平然と一枚手に取った。
「フィ、フィリア様!? 本当に着るんですか!?」
「ええ。海ですもの」
即答だった。
「リーリアはどれがいい?」
「えーっと……これと、これと……あ、これも!」
リーリアは楽しそうに三枚抱える。
「そんなに!?」
「だって全部かわいいもん!」
ティタニアは苦笑しつつ、落ち着いた色合いのものを選んでいた。
「形は同じでも、色で印象が変わるのね」
「お姉さん、通ですね!」
店主が親指を立てる。
一方、ヒカリは棚の前で小さく固まっていた。
「……やっぱり……ちょっと……」
「大丈夫ですよ」
ニナが自然な動きで声をかける。
「最初は慣れませんけど、海に入ると気にならなくなります」
「そ、そうなの……?」
「はい。泳ぐの、楽しいですよ」
その素直な言葉に、ヒカリは少しだけ表情を緩めた。
「じゃ、じゃあ……試着だけ……」
そこからは、まさに嵐だった。
「アイラ、それ似合いますわ!」
「む、むりです……見ないでください……!」
「ヒカリ、その色いいね!」
「えっ!? ほんと!?」
「リーリア、走らない!」
「だってテンション上がるー!」
試着室のカーテンが何度も開いては閉じ、笑い声と悲鳴が交互に響く。
ニナはその様子を不思議そうに、そして少し嬉しそうに眺めていた。
「みんな、楽しそうですね」
「……ニナは平気なのね」
ティタニアが尋ねる。
「はい。これ、いつも着てますから」
「……そうだったわね」
しみじみと納得する。
最終的に、いくつかの袋が手に渡った。
「はあ……つ、疲れました……」
アイラはぐったりだ。
「でも、楽しかった!」
リーリアは満面の笑み。
「明日は海ですわね」
フィリアが満足そうに頷く。
「……ビキニ、恐るべし……」
ヒカリがぽつりと呟いた。
ニナは通りの先、きらめく海を見て言った。
「ロピカルハの海、きっと気に入ります」
南国の風が、買い物袋を揺らした。
こうして――
楽園の一日は、にぎやかな笑い声とともに過ぎていくのだった。
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