原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

魔王ヘルクレア１

よろよろと歩み寄るルセイン。
その姿は戦いを壮絶なものだと思わせるものだった
ルセインの片腕は消滅していて服もボロボロに焼け焦げていた。

「ヘルクレア・・・貴様は　真に魔王となれる器であったと　この私が認めよう
だが、最後の最後で　この私が上回った、ただ、それだけのことだ」

ルセインの持つ魔剣、ダークスレイブの刃先をヘルクレアの首に当てる

「眠れ、魔王ヘルクレアよ」

ルセインは眼を瞑り

ヘルクレアの首を跳ねた。

しかし、ルセインは違和感を感じて眼を開く

そこにはダークスレイブが粉々に散っている光景だった。

「ば、ばかなっ・・・！！！どういうことだ！」

見るとヘルクレアの首元には赤い皮膚のようなものに覆われていた

それはよくみると血管のようなものの集合体だった。
それは見る見るうちにつらなり、あっという間に体を覆ってしまった。

全身が真っ赤に染まったように見える

閉じていたヘルクレアの瞳がゆっくりと開く。

ふわぁ・・・と足を使わずに宙に浮いたかとおもうと立ち上がり

宙に浮いたままルセインを見つめた。

見つめられたルセインは身の毛もよだつような魂を抜き取られるような感覚に陥り

ヘルクレアから眼をそらすことができなかった。

その瞬間に、ありえないほどの魔力が送り込まれるのを感じ取ったが
時は既に遅く、自分の魔力器のはるか上をいく魔力を一瞬で供給されたことにより
頭が破裂して即死した。

その場で血を首から噴出し、ルセインの死体がバランスを崩し重力にしたがい地面にふっし、血を垂れ流した。

「キィイイエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ！！！！！！！」

その長く、鋭い、甲高い叫びは世界中に広がり、まるで世界の終わりを告げるサイレンのように感じた。

その音を聞いた人々は、みな空を見上げた。

そこには無限に広がる空。

その空に亀裂が入り始める。