83 / 99
囚愛Ⅳ《雅side》
囚愛Ⅳ《雅side》3
しおりを挟む俺はダンサーMiYaViとして振り付けやダンスの依頼を受け、エリックは変わらず執事学校の講師として働いている。
充実した毎日を過ごしていたがアメリカに来て3ヶ月後、事件が起きた。
【ダンサーMiYaViは三科雅彦とソフィア・フローレスの息子】
という記事がニュースになった。
母さんの妊娠時期~出産時期、
俺の本名がフローレス・雅でフローレスという名前が母さんの芸名と同じこと、
俺の顔が父さんに似ていること、
瞳も母さんと同じアンバー色、
エリックが父さんの執事で今は俺の傍にいること、
それらが瞬く間に世間に広まっていった。
「母さん、ごめん…大丈夫?」
『ええ、大丈夫よ。いつかこうなると思っていたわ。しばらくテリーと色んな国を転々とするわね』
「うん、何かあったらいつでも連絡して」
母さんは欧州で人気のモデルだったけど、父さんが亡くなってからは電撃引退し、消息不明で騒がれていた。
コルビナに見つかりたくないと言っていた母さんは、今回の記事で俺が学生時代日本にいたこともすぐにバレてしまうだろうから、テリーと身を眩ますそうだ。
「エリック、執事学校は?今日平日だよね?」
「しばらく休暇を取りました。雅と一緒にいる時間を増やしたかったので」
嬉しいこと言ってくれるじゃないかエリック。
確かに俺、最近遠征でヨーロッパ行ったり、アジア行ったり続いてたからなぁ。
久しぶりに2人の時間を楽しもう。
そう思った翌日、アルベルトがうちにやってきた。
「《はーい、雅》」
「《アル、どうしたの?》」
「《もしかして…エリックが謹慎処分になって仕事休んでるの知らないの?》」
「《は?―…なにそれ》」
謹慎処分―…?
エリックは今日だけ執事学校に行くと言って出ていったが、それは謹慎処分の説明を聞くためだとアルベルトが教えてくれた。
「《雅さぁ、エリックが何て言われてるか知ってる?資産狙い。三科雅彦を守れなかったくせに。職務放棄した執事。41歳が20歳年下となど犯罪だ》」
エリックは自分の母親の葬儀に出るために父さんとスイスに同行しなかったんだ。
でもマスコミはそれをバカンスとして、職務放棄をしたと報道していた。
学校の生徒たちもそれを信じる者がいて、中にはボイコットする生徒も出てきた。
だからとりあえず、騒動が落ち着くまでは謹慎処分にしたそうだ。
「《やっぱりエリックに相応しいのは僕じゃないかな?諦めてくれていいんだよ雅。僕は今でもエリックを愛しているから君の本気が知りたい。それだけだ》」
酷い。
ありえない。
エリックは何も悪くないのに。
「ねぇエリック知らなかったよ。謹慎中って」
「アルが言ったんですか?余計なことを―…雅のせいではありません。気にしないで。ちょうど薬学の勉強もしたかったので良い機会です」
エリックはそう言って、怒っている俺に優しくキスをした。
俺はこの笑顔を守りたい。
守るためにはどうすべきか数日考えた。
記事もどんどん出任せが増えていく。
―…決めた
「エリック。今日はバスタブにグリーンブルームバスソルト入れておいたよ。ゆっくり湯船に浸かっておいで。俺もツルツルでしょ」
「ありがとうございます」
「バスタイム終わったら俺の部屋にきて」
「雅の部屋に?寝室ではなく?」
「うん、俺の部屋。渡したいものがあるからさ」
不思議がるエリックにそう言って、俺は自分の部屋に移動した。
1
あなたにおすすめの小説
人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい
白妙スイ@1/9新刊発売
BL
八架 深都は好奇心から売り専のバイトをしている大学生。
ある日、不眠症の小説家・秋木 晴士から指名が入る。
秋木の家で深都はもこもこの部屋着を着せられて、抱きもせず添い寝させられる。
戸惑った深都だったが、秋木は気に入ったと何度も指名してくるようになって……。
●八架 深都(はちか みと)
20歳、大学2年生
好奇心旺盛な性格
●秋木 晴士(あきぎ せいじ)
26歳、小説家
重度の不眠症らしいが……?
※性的描写が含まれます
完結いたしました!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる