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逆愛Ⅷ《嵐side》5
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「やめ…放せ!放せよ!放…!!」
足も使って必死に暴れて俺から逃げようとする。
なぜそんなに嫌がる?
今更、放すつもりは無いけど。
「や、だ…!大空ぁ…大空ぁっ!助け…」
嘆きの声はいつしか助けを求める泣き声に変わった。
涙を流して必死に俺の名を呼んで。
肩を震わせ、必死に抵抗して。
―…誰かと勘違いしてるのか?
俺は洸弍先輩の手を開放し、グイッと引き寄せて抱きしめた。
髪を撫でて、背中を摩って力強く先輩を包み込んだ。
「大丈夫。俺、ここに居ますから」
「大…空…」
「はい。居ますよ、ここに」
すると先輩はギュウッと俺の背中に両手を回した。
泣き過ぎて過呼吸になっている洸弍先輩を俺は落ち着くまで抱きしめた。
「落ち着きました?」
何分かして先輩が落ち着いたあと、洸弍先輩の顔を確認したくて俺の胸に埋めている顔を触ろうとした。
すると、先輩は更に顔を埋めて抵抗した。
「…顔見んな」
俺は先輩を抱きしめながら、先輩の頭の上に顔を乗せて先輩の体温を感じていた。
これだけでも幸せだと感じてしまう。
今までが今までだったから。
何分経ったか分からないぐらい沈黙が続いた。
洸弍先輩がその沈黙を破った。
「大空…」
「はい」
「俺は今からお前を困らせることを言う」
そして深呼吸をして言った。
「大空が好きだ」
好き?
ウソだろ、オイ。
だって『嫌い』って言ってたじゃないか。
「俺のこと嫌いなんじゃないんですか?」
俺の質問に洸弍先輩は黙る。
しばらく沈黙が続き、雨の音が増す。
「足利槞唯に、お前を好きになったらお前をこの学園から追放させるって言われた」
―…追放?
「だから言えなかった。好きって言えばお前が追放されるから」
待っ…
マサやんが言ってた『好きって言えない状況』ってこのことだったのか。
だったら納得が行く。
最後に抱いたとき、俺を求めていた理由が今なら分かる。
「本当は好きだったんだよお前が」
「何で本当のこと言わなかったんですか…俺、追放されても構わなかったのに」
「お前に会えなくなるくらいなら、俺は自分の気持ちを押し殺す…それぐらい好きなんだよお前が」
経理の担当がルイルイからマサやんに変わったのはこのせいだったのか。
俺を嫌いとしか言えずに、苦しんでいたのか洸弍先輩は。
「俺も好きです」
俺の発言に、顔を埋めていた先輩が顔を上げて俺を見つめた。
「本当に…?だってお前には帝真が…」
「竜は先輩の身代りになってくれただけで、恋愛感情は無い親友ですよ。図書室以来、してないです」
ウソだろと言わんばかりの顔をして俺を見つめて。
――…あぁ、愛しい
そんな先輩の唇を再び奪った。
そんな中、洸弍先輩の携帯電話が鳴る。
きっと神威だろう。
「いいんですか?携帯鳴っ…」
俺がキスを止めてそう言うと、今度は先輩からキスをし始めた。
―…神威より俺を選んで
舌を絡めて、抱き合って。
我慢できない。
「先輩、俺の部屋行きましょう」
「バカ…鍵が無ぇだろ。綾くんに折り返し…」
俺はポケットから過去資料室の鍵を取り出し、部屋の鍵を開けた。
「お前っ…持ってたのかよ鍵」
「先輩と一緒に居たかったんで」
そして俺の部屋へと向かい、過去資料室を後にした。
足も使って必死に暴れて俺から逃げようとする。
なぜそんなに嫌がる?
今更、放すつもりは無いけど。
「や、だ…!大空ぁ…大空ぁっ!助け…」
嘆きの声はいつしか助けを求める泣き声に変わった。
涙を流して必死に俺の名を呼んで。
肩を震わせ、必死に抵抗して。
―…誰かと勘違いしてるのか?
俺は洸弍先輩の手を開放し、グイッと引き寄せて抱きしめた。
髪を撫でて、背中を摩って力強く先輩を包み込んだ。
「大丈夫。俺、ここに居ますから」
「大…空…」
「はい。居ますよ、ここに」
すると先輩はギュウッと俺の背中に両手を回した。
泣き過ぎて過呼吸になっている洸弍先輩を俺は落ち着くまで抱きしめた。
「落ち着きました?」
何分かして先輩が落ち着いたあと、洸弍先輩の顔を確認したくて俺の胸に埋めている顔を触ろうとした。
すると、先輩は更に顔を埋めて抵抗した。
「…顔見んな」
俺は先輩を抱きしめながら、先輩の頭の上に顔を乗せて先輩の体温を感じていた。
これだけでも幸せだと感じてしまう。
今までが今までだったから。
何分経ったか分からないぐらい沈黙が続いた。
洸弍先輩がその沈黙を破った。
「大空…」
「はい」
「俺は今からお前を困らせることを言う」
そして深呼吸をして言った。
「大空が好きだ」
好き?
ウソだろ、オイ。
だって『嫌い』って言ってたじゃないか。
「俺のこと嫌いなんじゃないんですか?」
俺の質問に洸弍先輩は黙る。
しばらく沈黙が続き、雨の音が増す。
「足利槞唯に、お前を好きになったらお前をこの学園から追放させるって言われた」
―…追放?
「だから言えなかった。好きって言えばお前が追放されるから」
待っ…
マサやんが言ってた『好きって言えない状況』ってこのことだったのか。
だったら納得が行く。
最後に抱いたとき、俺を求めていた理由が今なら分かる。
「本当は好きだったんだよお前が」
「何で本当のこと言わなかったんですか…俺、追放されても構わなかったのに」
「お前に会えなくなるくらいなら、俺は自分の気持ちを押し殺す…それぐらい好きなんだよお前が」
経理の担当がルイルイからマサやんに変わったのはこのせいだったのか。
俺を嫌いとしか言えずに、苦しんでいたのか洸弍先輩は。
「俺も好きです」
俺の発言に、顔を埋めていた先輩が顔を上げて俺を見つめた。
「本当に…?だってお前には帝真が…」
「竜は先輩の身代りになってくれただけで、恋愛感情は無い親友ですよ。図書室以来、してないです」
ウソだろと言わんばかりの顔をして俺を見つめて。
――…あぁ、愛しい
そんな先輩の唇を再び奪った。
そんな中、洸弍先輩の携帯電話が鳴る。
きっと神威だろう。
「いいんですか?携帯鳴っ…」
俺がキスを止めてそう言うと、今度は先輩からキスをし始めた。
―…神威より俺を選んで
舌を絡めて、抱き合って。
我慢できない。
「先輩、俺の部屋行きましょう」
「バカ…鍵が無ぇだろ。綾くんに折り返し…」
俺はポケットから過去資料室の鍵を取り出し、部屋の鍵を開けた。
「お前っ…持ってたのかよ鍵」
「先輩と一緒に居たかったんで」
そして俺の部屋へと向かい、過去資料室を後にした。
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