天才ピアニストでヴァイオリニストの二刀流の俺が死んだと思ったら異世界に飛ばされたので,世界最高の音楽を異世界で奏でてみた結果

yuraaaaaaa

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第二章

〜エルフ奪還作戦②〜

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 だだっ広い庭を通り,簡単に屋敷の中へと入る事が出来た。
 屋敷の中はあちこちが荒れていた。そして,あちこちで人が倒れていた。

 「こっちじゃ」
 クロエの後を俺達は付いて行く。

 屋敷の二階に上がり,長い直線の廊下を進んでいく。
 突き当りに差し掛かると,正面に大きなドアが見える。

 クロエは躊躇なくドアに飛び蹴りをかまし,ドアをぶっ壊した。
 先程,外から見えていた屋根が吹き飛んだ部屋に到着した。

 「あら? やっと皆来たわね!」
 そこにはミーナと,牢屋に閉じ込められていた時に見たドルド伯爵が居た。

 ドルド伯爵は,ミーナに対して土下座をしているような体勢をしている。
 神に祈るかのようにミーナに跪き,手を組んでいる。ドルド伯爵の体は震えていた。

 「今コイツから同胞の場所を訊いていた所だったの」
 「それで――。場所は分かったのか?」

 「ええ。教えてもらったわ! 殺そうとしたらコイツが命乞いをしてきて,そんなやり取りをしている時にカナデ達が来たって感じよ」

 「殺すのか?」
 「コイツが私達エルフを攫ったり人身売買していた張本人なのよ。生かす意味がないわ。生かしたらまた必ず繰り返すわ」

 「お願いします! お願いします! 殺さないで下さい」
 ドルド伯爵は,頭を床にこすり付けながら懇願こんがんしていた。

 「どうか……どうか,おねが――」
 ミーナが右手を振り払うとドルド伯爵の首が飛んでいった。

 ゴロゴロとドルド伯爵の首が転がり,目だけがこっちを見ている。
 ドルド伯爵の目と俺の目が合った。
 人の死体を見る事に慣れていない俺は,すぐに目を逸らす。

 「ミーナ,エルフ達は何処にいるんじゃ!?」
 ごく普通の日常かのようにクロエは普通に,ミーナに尋ねる。

 「この屋敷の地下に囚われているみたい。後は何人かの貴族の家に奴隷にされてるっていう事もドルドから聞いたわ。とりあえず地下に助けに行くわ」
 屋敷を出て庭の奥へと向かっていく。そして隠された扉を発見する。

 ミーナが右手を掛けて扉を開く。開いた瞬,中から嗅いだことがない異臭がした。

 「臭い! 臭いぞこれは! オイラ我慢出来ない」
 我慢するのがキツイ程,異臭が漂っていた。

 階段を降りていき,下まで降りると,長く続く道と両側に牢が何十箇所とあった。
 牢の中を見ると,様々な人間? が囚われているようだった。

 「みんな!! みんな生きてる?」
 そうミーナが叫ぶと,反応があった。

 「その声は,ミーナさん!? ミーナさんですか!?」
 声のする方へと向かうと,エルフが囚われていた。
 「いま,助けてあげるから待ってて!」

 ミーナが両手で目の前を振り払うと,鉄の檻がいとも簡単にバラバラになった。
 同胞のエルフの手枷を外す。助けられたエルフはミーナに抱きつく。

 「ミーナさんありがとうございます! 助からないと思ってました」
 「いいのよ! それより他の仲間達は?」
 「まだ何処かにいると思います。連れて行かれた者達は分かりませんが」

 「クロエ達も手分けして救出してもらえないかしら?」
 「分かったのじゃ!」
 俺はエルフが収監されている牢を探す。

 エルフだけじゃなく人間や,俺の知らない種族らしき者達も囚われているようだった。
 俺は,とある牢で鎖に両手と両足を継がれたエルフを発見する。

 「ミーナ!! ミーナこっち来て!!」
 ミーナが小走りで俺の方へと来た。

 「カナデ……ちょっと離れてて」
 ミーナは牢を破壊し,繋がれている鎖も破壊しエルフを助けた。

 しかし,そのエルフの生気はもう失われていて,全く動かなかった。
 ミーナは赤ん坊を抱えるかのように,大事に同胞を抱え込む。

 「ごめん。ごめんね!」
 そう言いながらミーナは涙を流していた。
 ミーナは仲間のからだを置いて立ち上がる。

 「他を助けて来るわ……」
 ミーナは牢を出る。

 目の前にあるエルフの無残むざんな姿と臭いに,とうとう我慢できずに俺は吐いてしまった。
 身体中は傷だらけで,顔を見たら,原型が分からない程,潰されていた。

 どういった事があったのか,想像すら出来ない。
 だけれど,非人道的で酷い仕打ちにあった事は分かる。

 俺はフラフラになりながら,立ち上がり牢を出る。
 まだ助けないといけないエルフが居ないか俺は探そうとする――。

 「おい! おい! 人間のお前!」
 声が聞こえた。俺は声の出処を探したが見つからない。

 「おい! こっちだ。こっち!」
 はっきりと声だけは聞こえる。だが,分からない……

 「こっちだっつってんだろ!!」
 よく見渡してやっと声の主が分かる。だが俺は,自分自身の目を疑った。
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