小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

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攻略戦を終えて

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 「ジャン様! ジャン様!」
 部屋のドアを叩きながら俺の事を呼ぶ声がする。

 「はーい……今いくよ」
 ドアを開けるとそこには一人の兵士が。

 「お目覚めですか? ルイス殿下に呼んでくるように言われました。朝食の用意があるようです」
 「ナイスタイミング。丁度今起きた所なんだよ」
 俺は軽く着替えるとあくびをしながら、兵士の後をついて行く。

 案内された部屋のドアを開けると、長いテーブルがそこにはあり、ルイス殿下とロベルタ、それにレオンが座って食事をしていた。

 「おはようジャン」
 「おはようございますルイス殿下」
 俺は軽く挨拶をした。

 「朝だからってだらしがないのねジャン! もっと貴族としての威厳を持って立ち居振る舞いなさいよ!」

 「朝っぱらからうるせぇ奴だな! いいじゃんか別に! 戦中っちゃあ戦中なんだから好きにさせろよ。それよりも朝飯よろしく――」
 「それでも少しは気遣った方がいいですよ。殿下の顔に泥を塗る気ですか? 私の知っているジャンはもっと大人しい性格かと思っていたんですけどね」

 「急に変わったのよこいつ……」
 「二人共、言いたいことは分かるけどいいじゃないか。ジャンのおかげでこんな朝から仲良く喧嘩出来るんだから」

 「仲良くないわよ!」
 「仲良くありません!」

 「ルイスはジャンにちょっと甘いんじゃない?」
 「私もロベルタと同じ意見です。殿下はジャンに甘い気がします」

 「そうかな? 君等二人にも甘いと思うんだけどな」
 「どうでもいいだろ」

 「あなたがルイスにそんな態度を取ったら、王子としての尊厳がなくなるでしょ!」
 「お前だってルイスって呼び捨てにしてんじゃん!」

 「うるさいわね! 私とレオンはずっと昔から家族ぐるみでお世話になってて、私とレオンは侯爵だし、ずっと同じクラスで学んできたからまだいいのよ! あんたは男爵なんだから本当なら私にだってそんな言葉遣いしちゃいけないのよ!?」

 「では、ロベルタ様とそう呼べばよろしいですか?」
 「何よ急に……気持ち悪いわね」

 「ロベルタ様が先程ちゃんとしろとおっしゃったものですから、ちゃんとしてるんです」
 「ゲゲッ! 鳥肌が立つわ……」
 「二人共、もうやめたらどうですか?」

 「朝食をしているうちに話すけど、制圧の済んだ私達はこれで帰還する事になる。ジャンはダラムへ戻ったら王都まで来てもらえるだろうか?」
 「なんでですか?」

 「今回の活躍によって、きっと子爵の位が与えられるからだ」
 「本当ですか!? ありがとうございます」

 (良かったじゃん! 子爵になったら良いことでもあんの?)
 (男爵よりは多少マシになる程度だよ……)
 (え!? そうなの!? なんか微妙だな)

 「これからも期待しているぞジャン」
 「期待に応えられるよう頑張りたいと思いますルイス殿下」

 ジャンは朝食を済ませると、ダラムに帰る事をジェイドに伝えて準備するよう指示する。
 アウル軍の準備を数日で整えさせると、皆に挨拶を交わしてアウル軍はダラムへと帰還した。

 「お兄様ーーーー!!!!」
 ダラムの屋敷に戻った途端、エミリが凄い勢いでジャンに抱きつく。

 「エミリただいま」
 ジャンは優しくエミリを抱きかかえる。

 「なんだ小僧、生きて帰ってきおったのか」
 「もうじいちゃん、なんでそんな事言うんだよ! ジャン様おかえりなさい。何事もなかったようで何よりです」
 ダンとマルコ、ベイルも一緒出迎えてくれた。

 「ジャン様、戦いと長旅でお疲れだと思いますが……お伝えしなければいけないことが……」
 「ベイルどうしたんだ?」
 「ここでは少し……出来たら二人きりで……」

 ベイルの神妙な顔。
 「分かった……屋敷の書斎に行こうか」
 「はい」

 「エミリごめんね。後で遊ぼうね! ちょっとだけ待っててね」
 「えー!! 絶対だよ? 約束だよ?」
 「約束約束!」
 ジャンとベイルは屋敷にあるジャンの書斎へと向かい、ジャンは椅子に座った。

 「それでベイル……何かあったのか?」
 「これを……」
 ベイルに手渡されたのは、一通の手紙だった。

 「中身を見ていただけたら分かると思います……」
 ジャンは封を開けて中を確認していく。

 (中身にはなんて書いてあるんだ?)
 疑問に思った俺はジャンに訊いてみる。

 (なんだこれは……本当の事なのか?)
 (えっ!? 一体どうした!?)

 (どうやら僕には婚約者がいるらしい。その子が近々会いに来るって……)
 (婚約者かよ! てことは、ジャン結婚するのか? てことは、俺も結婚って事か?)

 「ベイル……これは本当の事なのか?」
 「私も初めて聞いたのでなんとも言えません……」
 「父上が僕の知らない所で決めていた事なのかもしれないな……」
 「そうかも知れません。相手は有名なクリスタ伯爵の三姉妹ですから」
 「……」

 ジャンが手紙の最後には、その相手と思える絵が描かれている。
 (おいおいおいおい! こいつがもしかして婚約者なのか?)
 (……)

 (ハハハハハハ! ハハハハハハ! マジかよ!)
 その絵に書かれていた姿は、チャーシューのように太ったまさに豚のような女性。
 ドレスはピチピチ過ぎて張り裂けそうになっている姿が描かれていた。

 (ハハハハハハ! ああ!? あぁぁぁぁ!)
 (うるさいなぁ。頭で騒がないでよ!)
 (こいつと結婚するって俺もこいつの旦那になるって事だよな? それは無理だ!)
 (まだ結婚するって確定している訳じゃないって)
 「父上はきっと伯爵との繋がりを作りたかったんだろうな。でも男爵で伯爵と結婚するなんて普通は不可能に近い。だから三姉妹の次女って訳か……」
 「ジャン様の考えている通りかと……」

 (なんだよ? どういう事だよ?)

 (色々と有名な三姉妹なんだけど、次女だけがさっき見た絵のような風貌をしているんだ。父親と母親は美男美女で、長女も三女も絶世の美女という話だよ。次女はクリスタ家の中ではなかったかのようにされているという噂。離れに隔離されて存在していないように扱われているとか……噂だけどね)

 (クリスタ伯爵は早く次女を外に出したい、けど婚約者が見つからない。アウル家は上の爵位を持っている貴族と仲良くなりたい。手っ取り早いのが結婚という手段だった……利害が一致したから婚約者になったって感じかな)

 (要するに親の都合で結婚って事?)
 (そういう事かな)

 「ジャン様はどうされるつもりなんでしょうか?」
 「……相手は伯爵令嬢なんだ。来るって言うなら会わない訳にもいかないだろう」

 「では迎える準備を整えておきます」
 「ああ、出来るだけ丁重に頼むよ」
 「かしこまりました」
 ベイルが書斎を後にする。

 「なあユウタ、どうしたらいいと思うよ」
 (知らねぇーよ! お前の人生なんだからお前が決めろよ)

 ジャンからはっきりした答えは返ってこなかった。
 婚約者がダラムに訪れたのは思っていたよりもずっと早く、次の日にやってきた。 
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