小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

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昇進×不安×成長

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 馬車に揺られながら、今は王都へと向かっている。
 ルイス殿下から言われていた通り、子爵の位を与えられるという事だった。
 護衛にはリリアとその部下を。数日揺られて王都へと到着する。

 「やっと着いたね。疲れたよ……なんか最近ゆっくり出来てないな」
 「お疲れ様です主様! お疲れだと思いますが、明日は王城へ行かないと」

 「そうだね……皆もお疲れ! 明日もよろしくね」
 「「はっ!」」
 解散し宿に泊まることに。部屋に入るとジャンはすぐに横になる。

 「あ~、疲れた~。ユウタが来てから毎日があっという間なんだよな」
 (それはこっちのセリフだよ!)

 「なんか学園でいじめられていた頃が、そんな前じゃないのに遠い記憶だよ」
 (なんだよ!? いじめられていた頃の方がいいのかよ!?)

 「そうじゃないけどさ……」
 (昇進するんだから喜べよ! お前が望んでいた家の復活の第一歩だろ)

 「そうだねユウタの言う通りだね……今日は疲れたもう寝よう」


 ドンドンドンッ!
 「主様! 主様! 起きてますか!?」
 ベットから起き上がり、ドアを開けるとリリアと部下達が目の前に。

 「主様があまりにも遅いので心配して見に来ました。すぐに準備して王城に向かいましょう! 主様申し訳ありません。時間がないので我々が手伝います!」
 リリア達が部屋に入ってきて、身支度を整えさせられすぐに王城へと向かった。

 「なんとか間に合いましたね……」
 「ありがとうリリア、とにかく行こうか」
 黒い衣装を纏い、王城の中へと入っていく。

 長い廊下を歩いた先に、とつもなく高い扉が目の前に現れた。
 その扉を開くと、レッドカーペットが敷かれた大広間で、周りには沢山の人と、奥には国王と思わしき人物が椅子に座っていた。隣にはルイス殿下の姿も。

 ジャンはレッドカーペットを歩き、跪いた。

 「これよりジャン・アウル男爵の叙勲式を行う」
 巻物のような物を縦に広げながら読み上げるおっさん。
 今いる広間には、偉そうなおっさん達が沢山並んでいる。
 「――、これにより子爵の位を与える事にする」

 この瞬間、ジャン・アウルは正式に子爵になった。
 国王が近づいてきて、剣を差し出してきた。
 「これからも期待しておる」
 言葉をもらうジャン。

 「ありがたき幸せ――」
 「さらにアウル子爵には領土を与える事にする――」
 領土までもらえることになったようだった。

 さらに俺だけではなくカナリーン城攻略戦の活躍として、ルイス殿下とロベルタ、それにレオンも褒美をもらった。
 「これにて叙勲式は終わりとさせて頂きます」
 全校集会のよりも堅苦しい式が終わり、やっと開放された。

 王城の出口へと向かっていると声をかけられる。
 「ジャン! ジャン!」

 声に振り向くと、ルイス殿下だった。
 「ルイス殿下、どうされましたか?」
 
 「おめでとうジャン……私は今回のカナリーン城攻略戦で如何に自分がまだ甘いか思い知ったよ。まだまだ子供なんだと、それでも私は私の夢を諦めないと心に誓った! これだけはジャンに伝えておこうと思って」

 「わざわざですか?」
 「ああそうだ。ジャンに影響されているのがもう二人。ロベルタとレオンは、あれから訓練と勉学にさらに励むようになっているという話だ」

 「ハハハ! あの二人がそんな努力を重ねたら、誰も相手になりませんね」
 「本人達は、そう思っていないと思うけどな」
 「それはどういう?」
 ルイス殿下は含み笑いを浮かべる。
 
 「今回は本当に助かった。成長した時に再び会おうジャン子爵」

 殿下は右手を差し出し、ジャンはそれに応え握手を交わした。
 「では、またなジャン」

 「主様はルイス殿下と親しいのですか?」
 「まさか! 本当に小さい時は遊んだりした事もあったけど、身分が違いすぎる」
 ジャン達は宿に戻り、その日一日は王都でゆっくりした。
 次の日の早朝には王都を出て、ダラムへと戻っていく。

 ダラムに戻ると、訓練場にていつにもまして訓練に勤しむ姿が。
 「おりゃああああああああああ!!!」

 勢いと声は良いが、マルコに簡単にあしらわれていた。
 「ジャン様、おかえりなさい。王都はどうでしたか?」
 「疲れただけだよジェイド……それよりグロッセが必死に訓練なんて珍しいね」

 「ええ……カナリーン城から戻ってきてから何故かずっとあんな感じなんです。元々才能あるやつですからね悪いことではありません」
 「ふ~ん。でもあまり無茶させないようにねジェイドがみてあげてね」
 「はっ! 分かりました」

 「ハァハァ」
 「一旦休憩しよグロッセさん」
 グロッセが息を切らし、大量の汗を掻きながらこちらへと歩いていくる。

 「ジャン様……おかえりなさい」
 「やあグロッセ。頑張ってるみたいだね」
 
 「いえ……そんな事は。あああああああああああ!!!!」
 突然グロッセが大声を出した。

 「うるさいな! どうしたんだよ急に!」
 「ジャン様、俺の訓練付き合って下さいよ!」
 「え!? 急に!?」

 「ジャン様って強いじゃないっすか! マルコは他の人に教えないといけないし、ジェイドの大将も部下とか教えないといけない。俺は強い人と戦いたいんすよ!」
 「やめろグロッセ。ジャン様は他にもやる事がいっぱいあるんだぞ!? 勉強だってしているんだ。お前に構う暇なんてないぞ」

 「それ位分かってますよ大将! でもお願いします!」
 グロッセがジャンに土下座をする勢いで頭を下げる。

 (ユウタどうする?)
 (ちょっと面白いから良いんじゃないか? ダンとの練習を短くすれば時間取れるだろ?)

 「いいよグロッセ! じゃあ僕と訓練しようか」
 「え!? いいんすか!?」
 
 「さっさとこい! やるぞグロッセ!」
 「分かりました!」
 グロッセを連れて奥の訓練場へと連れ出す。

 「いつでもかかってこいよ」
 木剣のダガーを手の取った俺は、笑って余裕を見せる。
 グロッセは両手で握った大剣を構える。
 「いきます――」

 グロッセを軽くあしらった。

 「ハァハァハァハァ。ジャン様ってこんな強かったんすか!?」
 仰向けに倒れるグロッセ。

 「別にそんな強くねえよ! ダンに一発も入れたことないし」
 「本当っすか? ダンさんってムチャクチャ強いんすね……」
 グロッセの姿を見て、レベッタ先生に挑んでいた時の俺を思い出した。

 「グロッセはなんで急にそんなやる気出したんだ? サボりの常習犯だったお前が」

 「俺だけ活躍してないなって思ってるんすよ。大将は絶対にアウル軍には必要な人だし、リリアは女部隊を率いて中々の活躍をしてます……意外なのはテディとエルガルド。テディが魔法を使えるなんて思わなかったっすよ。あんな強い魔法」

 「エルガルドは料理の腕もそうっすけど、元盗賊だから戦では色々と役に立ってます。目立って活躍してないのって俺の部隊だけなんすよ」

 (そんな事思ってたのかこいつ)
 (むしろ僕はグロッセがいることで、部隊全体がまとまってると思ってるんだけどね。グロッセがいなかったら喧嘩になってるよ隊長同士が)

 「それでグロッセは腕を磨こうと?」
 「そうっす。ジャン様はまだ13歳なのにこれだけ活躍して子爵になりました。今後はもっと活躍すると思ってます。そうなっていった時に俺と俺の部隊は、このままでは必要無くなるんじゃないかと思って焦ってるっす……」

 (ちゃんと言ってやれば?)

 「そんな事はないよグロッセ。僕はグロッセにはいつも感謝しているんだ」
 「俺にっすか!?」

 「そうだよ。グロッセは人との付き合い方が上手だから部下からの信頼も厚いし、グロッセがいるから隊長を集めた軍議をしてもいざこざが起きないで終わってると僕は思っている。エルガルドが料理が上手で重宝されているように、グロッセはそれ以上に大切だと思っているよ」

 「……」

 「それにグロッセは器用だからね。今までにない作戦をやったとしてもグロッセはすぐに順応してくれる。周りもそんなグロッセに影響されてると思うよ! アウル軍が今後大きくなればなるほど強さ以外の能力も必要になってくる。グロッセは一番そういった能力を持ってるよ自信を持っていい!!」
 ジャンはグロッセに思いを告げた。
 「ジャン様が俺の事そんな風に思ってるなんて知らなかったっす……」

 「訓練するのは勿論良いことだけどね! ただグロッセが思ってる程焦らなくていいよって事」

 「それでも……俺の訓練には付き合ってくれますか?」
 「いつでもいいよ」

 「ありがとうございますジャン様」
 立ち上がったグロッセは、ジャンに深々と頭を下げる。
 グロッセは走ってその場を後にした。

 (あいつ……強くなるかもな)
 「ユウタもそう思う? 僕もなんだかそう思う」

 その日からグロッセは、毎日のように俺に挑んでくるようになった。
 俺は俺自身で、確かめたい技などがあったのでグロッセで試していた。
 
 ダンとの訓練とは違う意味で、いい訓練になった。
 強い奴と戦う事も大事だが、色んな人と戦う事で戦闘の勉強になる事もあるんだな。と俺はこの時に感じていた。
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