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糖度8*ハイスペック彼氏
3
「ゆかりは何でそっちに座ったの?こっちに座ればいいのに…」
有澄は凄く機嫌が悪そうで、日下部さんの方は向かない。
「そうは行きませんよね、社内では"上司と部下"の関係ですものね」
「はい…」
多分、有澄の秘書さんだと思う方が、日下部さんには当たり前の様にコーヒー(砂糖とミルクなし)を出してくれた。
私と有澄の前には紅茶が出され、アールグレイの良い香りが広がった。
「秋葉さんがカフェでいつも飲んでいたアールグレイです。副社長が秋葉さん専用にと言っておりましたが…社内での浮ついた行動はお控えくださいませね、副社長」
「はいはい…小言は分かったから下がっていいよ、相良」
「かしこまりました」
秘書さんの名前は相良さんかな?
スマートな振る舞いの眼鏡をかけた男性で、年齢は日下部さんくらいだろうか?
「相良は全て知ってるから、聞こえても大丈夫だよ。本当は辞令が出た今日の夜に話すつもりだったけど…」
「うん、副社長の事は驚いたけど、社内でも会った事もあったし、今は全て繋がったから理解出来てる」
「さすが、俺のゆかり。賢くて可愛い」
「…何が俺のゆかり、だよ!」
「そう、だから仕方ないよね?」
「…失せろ」
お互いに一言、一言が気に入らないらしく、会話が成立していない。
兄弟喧嘩みたいでおかしくなってしまい、私は思わず笑った。
「あはは、兄弟喧嘩みたいですね」
二人共、今の会話を聞いて、きょとんとする。
「……みたい、じゃなくて、兄弟喧嘩だよ」
「え…!?誰と誰が…!?」
「有澄と俺は父親違いの義理の兄弟」
・・・・・・・・・。
フリーズ状態、思考回路がついて行きません。
義理の兄弟って事は、日下部さんも御曹司なのか否か?
そんな事はさておき、義理の兄弟って事は前から知っていたの?
離婚して再婚したって事かもしれないけれど、名字が違うのと父親が違うって事は・・・つまり・・・日下部さんはお父さんに引き取られたのかな?
「秋葉、放心状態って感じだな。大丈夫?」
日下部さんが私の顔を覗き込む。
「大丈夫です。大丈夫ですけど…1つ聞いても良いですか?」
「どうぞ」
「ゆかりが気になってる事、何でも聞いて?」
私は最大の核心に触れる。
日下部さんが私の彼氏は有澄だと知っていた。
・・・が、しかし、以前日下部さんに会議室で
「どこの誰かも分からない奴に取られた」って言われたけれど、本当は知っていた?
私は自分自身を落ち着かせる様に胸に手を当てて、深呼吸をしてから話す。
「日下部さんが私と有澄の関係を知っていました。私はその事を忘年会で初めて知りましたが、有澄を信じていたので仕事の件も関係性も何も聞きはしませんでした。
カフェで食事をしていたら日下部さんが来ましたが、単なる偶然ですか?
お互いに知らないフリをしてましたが、本当は知らないフリが嘘でしたか?
あの時、言ってくれたら良かったのに…」
話終わった後、返事を聞くのが怖くて少し手が震えたので、ぎゅっと強く拳を握った。
わずかな沈黙の後、先に言葉を発したのは有澄だった。
「あの時は本当に知らなかった。だから、純粋に同じ男としてカッコイイと思ったけれど…今はライバルでしかない」
その返答に対して日下部さんは、
「俺は別にライバルとも思ってないけど…」
と返したので、更に口論になった。
「何なんだよ、いちいち!」
「本音を言っただけだ…!」
会話を交わす度にエスカレートして行き、有澄が日下部さんの胸ぐらを掴んだ。
日下部さんは手を出さず、無言で有澄の手を避ける。
「副社長、お止め下さい。午後3時から金井繊維を訪問予定ですので、お話はまた後ほどにして下さい」
有澄は悔しそうな顔付きをして、立ち上がる。
「ごめんなさい…今、ここで聞いた私が悪いんです。場所をわきまえるべきでした」
こちら側に背を向けている有澄と秘書の相良さんに対してお辞儀をして謝罪した。
「いいえ、手を出そうとした副社長が悪いのです。兄弟喧嘩は御自宅でして下さい」
日下部さんは何も言わずに立ち上がり副社長室を後にしたので、私も一礼してから飛び出すように出ていった。
「日下部さん、日下部さんってば!」
足早にエレベーターに向かう日下部さんを追いかける。
エレベーターのちょっと前で止まったので、私は勢い余って日下部さんの背中に頭がぶつかった。
「ご、ごめんなさい。前を良く見てなくて…」
「先に戻ってて。言い忘れた事がある」
「はい、分かりました。じゃあ、お先に戻ります。喧嘩…しないでね」
日下部さんは私の頭を優しく撫でると、再び副社長室へと向かった。
エレベーターを待っていると、日下部さんと引き換えに秘書の相良さんが副社長室から出てきた。
「追い出されてしまいました…」
「………?」
有澄は凄く機嫌が悪そうで、日下部さんの方は向かない。
「そうは行きませんよね、社内では"上司と部下"の関係ですものね」
「はい…」
多分、有澄の秘書さんだと思う方が、日下部さんには当たり前の様にコーヒー(砂糖とミルクなし)を出してくれた。
私と有澄の前には紅茶が出され、アールグレイの良い香りが広がった。
「秋葉さんがカフェでいつも飲んでいたアールグレイです。副社長が秋葉さん専用にと言っておりましたが…社内での浮ついた行動はお控えくださいませね、副社長」
「はいはい…小言は分かったから下がっていいよ、相良」
「かしこまりました」
秘書さんの名前は相良さんかな?
スマートな振る舞いの眼鏡をかけた男性で、年齢は日下部さんくらいだろうか?
「相良は全て知ってるから、聞こえても大丈夫だよ。本当は辞令が出た今日の夜に話すつもりだったけど…」
「うん、副社長の事は驚いたけど、社内でも会った事もあったし、今は全て繋がったから理解出来てる」
「さすが、俺のゆかり。賢くて可愛い」
「…何が俺のゆかり、だよ!」
「そう、だから仕方ないよね?」
「…失せろ」
お互いに一言、一言が気に入らないらしく、会話が成立していない。
兄弟喧嘩みたいでおかしくなってしまい、私は思わず笑った。
「あはは、兄弟喧嘩みたいですね」
二人共、今の会話を聞いて、きょとんとする。
「……みたい、じゃなくて、兄弟喧嘩だよ」
「え…!?誰と誰が…!?」
「有澄と俺は父親違いの義理の兄弟」
・・・・・・・・・。
フリーズ状態、思考回路がついて行きません。
義理の兄弟って事は、日下部さんも御曹司なのか否か?
そんな事はさておき、義理の兄弟って事は前から知っていたの?
離婚して再婚したって事かもしれないけれど、名字が違うのと父親が違うって事は・・・つまり・・・日下部さんはお父さんに引き取られたのかな?
「秋葉、放心状態って感じだな。大丈夫?」
日下部さんが私の顔を覗き込む。
「大丈夫です。大丈夫ですけど…1つ聞いても良いですか?」
「どうぞ」
「ゆかりが気になってる事、何でも聞いて?」
私は最大の核心に触れる。
日下部さんが私の彼氏は有澄だと知っていた。
・・・が、しかし、以前日下部さんに会議室で
「どこの誰かも分からない奴に取られた」って言われたけれど、本当は知っていた?
私は自分自身を落ち着かせる様に胸に手を当てて、深呼吸をしてから話す。
「日下部さんが私と有澄の関係を知っていました。私はその事を忘年会で初めて知りましたが、有澄を信じていたので仕事の件も関係性も何も聞きはしませんでした。
カフェで食事をしていたら日下部さんが来ましたが、単なる偶然ですか?
お互いに知らないフリをしてましたが、本当は知らないフリが嘘でしたか?
あの時、言ってくれたら良かったのに…」
話終わった後、返事を聞くのが怖くて少し手が震えたので、ぎゅっと強く拳を握った。
わずかな沈黙の後、先に言葉を発したのは有澄だった。
「あの時は本当に知らなかった。だから、純粋に同じ男としてカッコイイと思ったけれど…今はライバルでしかない」
その返答に対して日下部さんは、
「俺は別にライバルとも思ってないけど…」
と返したので、更に口論になった。
「何なんだよ、いちいち!」
「本音を言っただけだ…!」
会話を交わす度にエスカレートして行き、有澄が日下部さんの胸ぐらを掴んだ。
日下部さんは手を出さず、無言で有澄の手を避ける。
「副社長、お止め下さい。午後3時から金井繊維を訪問予定ですので、お話はまた後ほどにして下さい」
有澄は悔しそうな顔付きをして、立ち上がる。
「ごめんなさい…今、ここで聞いた私が悪いんです。場所をわきまえるべきでした」
こちら側に背を向けている有澄と秘書の相良さんに対してお辞儀をして謝罪した。
「いいえ、手を出そうとした副社長が悪いのです。兄弟喧嘩は御自宅でして下さい」
日下部さんは何も言わずに立ち上がり副社長室を後にしたので、私も一礼してから飛び出すように出ていった。
「日下部さん、日下部さんってば!」
足早にエレベーターに向かう日下部さんを追いかける。
エレベーターのちょっと前で止まったので、私は勢い余って日下部さんの背中に頭がぶつかった。
「ご、ごめんなさい。前を良く見てなくて…」
「先に戻ってて。言い忘れた事がある」
「はい、分かりました。じゃあ、お先に戻ります。喧嘩…しないでね」
日下部さんは私の頭を優しく撫でると、再び副社長室へと向かった。
エレベーターを待っていると、日下部さんと引き換えに秘書の相良さんが副社長室から出てきた。
「追い出されてしまいました…」
「………?」
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