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糖度11*戦う女!
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「いいんじゃない?迷惑かけたって。彼氏だし、上司だし。…この際、開き直って逆手にとってやれば?ゆかりも、その立場を"利用"したらいいよ。
ビジネスは時に騙し合いというか、お世辞も利用も範疇に含まれてるよ」
言っている意味が私には理解出来ないのだが、有澄が策略家だという事は良く分かった。
「っね?」と言って、右手の人差し指で私の左目のきわに溜まっている涙をなぞる。
目が合うと有澄の右手が肩に触れて、お互いに自然と目を閉じ唇を重ねようとした時、ドアをノックする音が聞こえた。
「失礼いた…副社長、今何しようとしてましたか?」
ドアを開けるなり、冷ややかな目線と共に低音ボイスで指摘したのは相良さんだ。
「相良、仕事が早過ぎるんだよっ!」
「仕事が"早い"と言って怒られたのは初めてです…」
慌てて離れて、お互いに違う方向を見た。
私も有澄も頬を赤らめて、まともに相良さんを見れない。
「フリーメールのアドレスを使って、不特定多数に送信した模様ですね。企画開発部、総務部、広告部他、アドレスの一覧表を出せる範囲内です。上層部に送信されなかったのは、ただ単にアドレスを調べる事が出来なかったからでしょう」
「…そう。…で、犯人は誰?」
「社内の人間ではなく、部外者のPCから発信された様ですね。社内のPCからなら足が付くでしょうから、いくら何でも送信しないでしょうし…」
部外者?部外者または社内の人間の自宅のパソコンって事も有り得るのかな?
「多分、ですけど…」と言って相良さんが差し出したのは社内の写真入りIDカードのコピー。
あ、この人…忘年会の時に同じ席だった人で、社員食堂脇の掲示板を見ていたら声をかけてきた女の子だ。
「見覚えありますか?」
「はい、忘年会の時に同じ席でした」
「首謀者は通販部の多岐川 七海(たきがわ ななみ)、他にも複数が絡んでいるかもしれません」
「そうですが…」
あの子、多岐川さんていうのね・・・、名前は知らなかった。
日下部さんを狙っている子だし、私が有澄と付き合っているのを知っている人物と言えば、思い当たるのはこの子だ。
先日、会話した時にもトゲトゲしい言い方をされ、チクリチクリと私の心を痛めつけてくれた人物。
正直なところ、これ以上関わりたくなかったのもあり、この事は綾美にも誰にも話さずに、心の内にしまっておいた。
大事になってしまい迷惑をかけて、その上、有澄との関係まで会社中にバレてしまって・・・この先、どうしたら良いのだろう?
事実とは違えど、日下部さんまで巻き込んでしまって・・・。
解決策が見い出せない。
有澄は副社長に就任したばかりなのに、私のせいで責められたり、罵倒されたりして欲しくない。
・・・・・・だとすると、私が出来る事は1つしかない。
「…私、会社辞めますね」
ボソリ、と小さく呟くと二人が一斉に私を見る。
「…聞き間違えじゃないですよね?」
相良さんが聞き返してきたので、
「私が辞めて丸く収まるなら辞めます。副社長にも日下部さんにもこれ以上、迷惑かけ…」
とまで返答したら有澄が今までになく低い声で言った。
「本気で言ってんの?」と。
眉間にシワを寄せて、私の事を蔑んだ様に睨みつけた。
「さっき言ったでしょ!彼氏だし上司なんだから、迷惑かけたっていいって!
今まで築き上げてきた地位を簡単に捨てちゃうの?ゆかりのデザインへの気持ちって、そんなもんだったんだ?
辞めたら、下らない感情で嫌がらせした奴らの思うつぼだよ!」
有澄は感情的になり私から目線を外して、こっちを向いてもくれない。
「…だって、どっちにしても辞めなきゃいけなくなるもん…」
私にはもう一つ、気になっている事があって、有澄にも言えないままで日にちだけが過ぎていた事がある。
「……ゆかりには失望した」
「副社長、今のは言い過ぎですよ!」
小さく呟いた有澄の言葉が重くのしかかり、一度止まった涙腺がまた溢れ出す。
ポタポタとスカートの上にこぼれ落ちる涙は、ハンカチを取り出して頬を拭いても止まらない。
化粧も落ちて酷い顔をしているんだろうな、とは思うけれど、自分ではコントロール出来ずにいた。
「秋葉さん、この件は私に一任して下さい。今日中には片付けますから。
そして、副社長、貴方の言葉で女性が泣いてるのに何にもフォロー出来ないんですね?感情的になったら負けだと、貴方が一番知っているでしょう?副社長が感情的になっても解決しないんですよ。大人しくしていて下さい。
では失礼致します」
相良さんのお説教?により、大きな溜息をつく有澄だけれど、相変わらず私の方は見てはくれない。
有澄は冷めてしまった紅茶を飲みながら、だんまり。
言わなきゃ、辞める事になるかもしれない"もう一つの理由"───・・・・・・
「有澄…ごめんなさい。怒ってるかもしれないけど、聞いて?」
ビジネスは時に騙し合いというか、お世辞も利用も範疇に含まれてるよ」
言っている意味が私には理解出来ないのだが、有澄が策略家だという事は良く分かった。
「っね?」と言って、右手の人差し指で私の左目のきわに溜まっている涙をなぞる。
目が合うと有澄の右手が肩に触れて、お互いに自然と目を閉じ唇を重ねようとした時、ドアをノックする音が聞こえた。
「失礼いた…副社長、今何しようとしてましたか?」
ドアを開けるなり、冷ややかな目線と共に低音ボイスで指摘したのは相良さんだ。
「相良、仕事が早過ぎるんだよっ!」
「仕事が"早い"と言って怒られたのは初めてです…」
慌てて離れて、お互いに違う方向を見た。
私も有澄も頬を赤らめて、まともに相良さんを見れない。
「フリーメールのアドレスを使って、不特定多数に送信した模様ですね。企画開発部、総務部、広告部他、アドレスの一覧表を出せる範囲内です。上層部に送信されなかったのは、ただ単にアドレスを調べる事が出来なかったからでしょう」
「…そう。…で、犯人は誰?」
「社内の人間ではなく、部外者のPCから発信された様ですね。社内のPCからなら足が付くでしょうから、いくら何でも送信しないでしょうし…」
部外者?部外者または社内の人間の自宅のパソコンって事も有り得るのかな?
「多分、ですけど…」と言って相良さんが差し出したのは社内の写真入りIDカードのコピー。
あ、この人…忘年会の時に同じ席だった人で、社員食堂脇の掲示板を見ていたら声をかけてきた女の子だ。
「見覚えありますか?」
「はい、忘年会の時に同じ席でした」
「首謀者は通販部の多岐川 七海(たきがわ ななみ)、他にも複数が絡んでいるかもしれません」
「そうですが…」
あの子、多岐川さんていうのね・・・、名前は知らなかった。
日下部さんを狙っている子だし、私が有澄と付き合っているのを知っている人物と言えば、思い当たるのはこの子だ。
先日、会話した時にもトゲトゲしい言い方をされ、チクリチクリと私の心を痛めつけてくれた人物。
正直なところ、これ以上関わりたくなかったのもあり、この事は綾美にも誰にも話さずに、心の内にしまっておいた。
大事になってしまい迷惑をかけて、その上、有澄との関係まで会社中にバレてしまって・・・この先、どうしたら良いのだろう?
事実とは違えど、日下部さんまで巻き込んでしまって・・・。
解決策が見い出せない。
有澄は副社長に就任したばかりなのに、私のせいで責められたり、罵倒されたりして欲しくない。
・・・・・・だとすると、私が出来る事は1つしかない。
「…私、会社辞めますね」
ボソリ、と小さく呟くと二人が一斉に私を見る。
「…聞き間違えじゃないですよね?」
相良さんが聞き返してきたので、
「私が辞めて丸く収まるなら辞めます。副社長にも日下部さんにもこれ以上、迷惑かけ…」
とまで返答したら有澄が今までになく低い声で言った。
「本気で言ってんの?」と。
眉間にシワを寄せて、私の事を蔑んだ様に睨みつけた。
「さっき言ったでしょ!彼氏だし上司なんだから、迷惑かけたっていいって!
今まで築き上げてきた地位を簡単に捨てちゃうの?ゆかりのデザインへの気持ちって、そんなもんだったんだ?
辞めたら、下らない感情で嫌がらせした奴らの思うつぼだよ!」
有澄は感情的になり私から目線を外して、こっちを向いてもくれない。
「…だって、どっちにしても辞めなきゃいけなくなるもん…」
私にはもう一つ、気になっている事があって、有澄にも言えないままで日にちだけが過ぎていた事がある。
「……ゆかりには失望した」
「副社長、今のは言い過ぎですよ!」
小さく呟いた有澄の言葉が重くのしかかり、一度止まった涙腺がまた溢れ出す。
ポタポタとスカートの上にこぼれ落ちる涙は、ハンカチを取り出して頬を拭いても止まらない。
化粧も落ちて酷い顔をしているんだろうな、とは思うけれど、自分ではコントロール出来ずにいた。
「秋葉さん、この件は私に一任して下さい。今日中には片付けますから。
そして、副社長、貴方の言葉で女性が泣いてるのに何にもフォロー出来ないんですね?感情的になったら負けだと、貴方が一番知っているでしょう?副社長が感情的になっても解決しないんですよ。大人しくしていて下さい。
では失礼致します」
相良さんのお説教?により、大きな溜息をつく有澄だけれど、相変わらず私の方は見てはくれない。
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