55 / 73
糖度12*決断すべき、お別れの時
2
だから、本当は1LDKのアパートにこじんまりと暮らして、私の作る庶民的な料理が好きなのかもしれない。
「有澄って、何で一人暮らししたの?」
実家には相良さんも住んでるのに置いて出て行くなんて・・・!
「そんなの決まってるじゃん。ゆかりを連れ込む為だよ!他に何かある?」
ふわりと持ち上げられ、お姫様抱っこをされてベッドに降ろされ見下ろされる。
「わぁっ!?……あ、りとってお金持ちって言われるの嫌いそうだから、庶民的なものに憧れたのかなって思って?」
真上から直視されるのが今だに慣れなくて、心臓に悪い。
目を思わず反らして話をするが、ドキドキが止まらない・・・有澄の髪が濡れていて色っぽく見えるから余計だろうか?
「ご名答!それもあるね…。ゆかりはもう寝なさい!俺はソファーで寝るから、おやすみ」
おでこにキスをされて、有澄が去ろうとしたので咄嗟に腕を掴む。
「何でソファーで寝るの?」
「…だって、女の子の日が来ないとまだ妊娠の可能性が否定出来ないし、もしも妊娠してたら赤ちゃんに悪影響かなって思って」
検査薬はほぼ正確らしいけれど、妊娠の兆候の値がまだ薄いのかも知れず、絶対とは言いきれない。
「悪影響?どうして?」
「…はぁ。我慢はするけど…本当は赤ちゃんがいて成り行きでエッチしちゃって流産したら嫌だから、ソファーで寝るの!」
妊娠初期に無理なエッチをすると、流産の可能性が高くなる事を有澄が調べたのだろう。
「…今日1日、不安だったから有澄とくっついて寝たい」
「……そんなに可愛くお願いされたら寝るしかないけど、本当に本当に俺にとって拷問なんだから。今日みたいな日こそ、ゆかりを思い切り抱いてから寝たかったんだから…。
女の子の日が終わったら、覚悟しといてね!」
「それでも良いから、今日は一緒に寝てくれる?」
「うん、分かった」
有澄に腕枕をしてもらい、後ろから抱きしめてもらうと私は直ぐに眠りにつけた。
何か話しかけられたけれど、安心しきっていて目がトロンと眠くなっている私には聞こえなかった。
夜中に一度、目が覚めてお腹がチクチク痛むような感覚があったが眠気が半端なくて、直ぐにまた瞼を閉じる。
有澄に小さな女の子が抱っこされている夢を見た。
「パパ」って呼んでたから、娘ちゃんかな?
髪が長くて可愛い女の子。
私にも「ママ」と言って近寄って来たところで目覚ましが鳴り、夢から覚めた。
朝食を作りながらも夢の中を思い出す。
子供の居る結婚生活も悪くないな、有澄はきっと優しいパパになるはずだ。
「今日の朝方、有澄が女の子を抱っこしている夢を見たの。可愛い女の子だったよ」
「そんな未来も楽しみだね」
今日の朝ごはんは、ワンプレートに乗せたサラダとハムエッグとトースト。
お気に入りの生姜ドレッシングがかかったサラダを食べながら、有澄が優しく微笑む。
いつも通りに紅茶を入れていたら、有澄からのダメ出しが・・・。
「ゆかりはノンカフェインしか飲んじゃダメね。それじゃなくても、旅行の時にお酒飲んじゃってるし、昨日も紅茶飲ませてしまったし。結果がハッキリするまでダメ!」
「うぅっ…。寂しいけど我慢する」
私よりも有澄の方が神経質になっていて、どっちが女性なんだか分からない。
検査薬では陰性反応が出たけれど、二週間経っても女の子の日が来なければ産婦人科に行く予定。
*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚
事件の事もあり、ドキドキしながら出勤したのだが、誰も何も聞いて来なかった。
日下部さんが上手く収めてくれたのかは定かではないが、他の部署の人からも何も聞かれず、コソコソ話を囁かれる様子もなく、いつもの職場に戻っていた。
時は過ぎて更に3日後。
春の心地良い気温に負けて、うたた寝しそうなお昼近く。
デスクワークをしていると、とてつもない眠気が襲ってくる。
妊娠初期もいつもとは違う眠気が出るとネットに記載されていた。
この眠気は女の子の日が近付いて来てるのか、妊娠初期なのか・・・よく分からない。
「秋葉、先日言ってた入浴剤の会社の"LUPINASU"に午後行く事になったから、一緒に打ち合わせに来て」
「分かりました」
少し前に有澄が言っていた入浴剤の会社だ。
コラボ商品を作る事が決定したらしい。
サンプルを見せて貰い、良さそうな物をピックアップしに行く。
商品決定会議を重ねるので、店頭に並ぶのはまだまだ先の話・・・。
取引先のLUPINASUバス株式会社には14時に待ち合わせと聞いている。
お昼時間になったら直ぐに会社を出るから駐車場の入口に来て、と日下部さんに言われたので言われるがまま来たのだけれど・・・相良さんが乗せて行ってくれるのかな?
「悪い、待たせたな。こっち来て」
遅れて登場の日下部さんは駐車場の奥の方へ進む。
相良さんの車はあるけれど通り過ぎて、シルバーの車の前で立ち止まる。
「……?誰の車ですか?」
営業の社用車にしては目新しい。
「俺の。とにかく乗って!」
「有澄って、何で一人暮らししたの?」
実家には相良さんも住んでるのに置いて出て行くなんて・・・!
「そんなの決まってるじゃん。ゆかりを連れ込む為だよ!他に何かある?」
ふわりと持ち上げられ、お姫様抱っこをされてベッドに降ろされ見下ろされる。
「わぁっ!?……あ、りとってお金持ちって言われるの嫌いそうだから、庶民的なものに憧れたのかなって思って?」
真上から直視されるのが今だに慣れなくて、心臓に悪い。
目を思わず反らして話をするが、ドキドキが止まらない・・・有澄の髪が濡れていて色っぽく見えるから余計だろうか?
「ご名答!それもあるね…。ゆかりはもう寝なさい!俺はソファーで寝るから、おやすみ」
おでこにキスをされて、有澄が去ろうとしたので咄嗟に腕を掴む。
「何でソファーで寝るの?」
「…だって、女の子の日が来ないとまだ妊娠の可能性が否定出来ないし、もしも妊娠してたら赤ちゃんに悪影響かなって思って」
検査薬はほぼ正確らしいけれど、妊娠の兆候の値がまだ薄いのかも知れず、絶対とは言いきれない。
「悪影響?どうして?」
「…はぁ。我慢はするけど…本当は赤ちゃんがいて成り行きでエッチしちゃって流産したら嫌だから、ソファーで寝るの!」
妊娠初期に無理なエッチをすると、流産の可能性が高くなる事を有澄が調べたのだろう。
「…今日1日、不安だったから有澄とくっついて寝たい」
「……そんなに可愛くお願いされたら寝るしかないけど、本当に本当に俺にとって拷問なんだから。今日みたいな日こそ、ゆかりを思い切り抱いてから寝たかったんだから…。
女の子の日が終わったら、覚悟しといてね!」
「それでも良いから、今日は一緒に寝てくれる?」
「うん、分かった」
有澄に腕枕をしてもらい、後ろから抱きしめてもらうと私は直ぐに眠りにつけた。
何か話しかけられたけれど、安心しきっていて目がトロンと眠くなっている私には聞こえなかった。
夜中に一度、目が覚めてお腹がチクチク痛むような感覚があったが眠気が半端なくて、直ぐにまた瞼を閉じる。
有澄に小さな女の子が抱っこされている夢を見た。
「パパ」って呼んでたから、娘ちゃんかな?
髪が長くて可愛い女の子。
私にも「ママ」と言って近寄って来たところで目覚ましが鳴り、夢から覚めた。
朝食を作りながらも夢の中を思い出す。
子供の居る結婚生活も悪くないな、有澄はきっと優しいパパになるはずだ。
「今日の朝方、有澄が女の子を抱っこしている夢を見たの。可愛い女の子だったよ」
「そんな未来も楽しみだね」
今日の朝ごはんは、ワンプレートに乗せたサラダとハムエッグとトースト。
お気に入りの生姜ドレッシングがかかったサラダを食べながら、有澄が優しく微笑む。
いつも通りに紅茶を入れていたら、有澄からのダメ出しが・・・。
「ゆかりはノンカフェインしか飲んじゃダメね。それじゃなくても、旅行の時にお酒飲んじゃってるし、昨日も紅茶飲ませてしまったし。結果がハッキリするまでダメ!」
「うぅっ…。寂しいけど我慢する」
私よりも有澄の方が神経質になっていて、どっちが女性なんだか分からない。
検査薬では陰性反応が出たけれど、二週間経っても女の子の日が来なければ産婦人科に行く予定。
*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚
事件の事もあり、ドキドキしながら出勤したのだが、誰も何も聞いて来なかった。
日下部さんが上手く収めてくれたのかは定かではないが、他の部署の人からも何も聞かれず、コソコソ話を囁かれる様子もなく、いつもの職場に戻っていた。
時は過ぎて更に3日後。
春の心地良い気温に負けて、うたた寝しそうなお昼近く。
デスクワークをしていると、とてつもない眠気が襲ってくる。
妊娠初期もいつもとは違う眠気が出るとネットに記載されていた。
この眠気は女の子の日が近付いて来てるのか、妊娠初期なのか・・・よく分からない。
「秋葉、先日言ってた入浴剤の会社の"LUPINASU"に午後行く事になったから、一緒に打ち合わせに来て」
「分かりました」
少し前に有澄が言っていた入浴剤の会社だ。
コラボ商品を作る事が決定したらしい。
サンプルを見せて貰い、良さそうな物をピックアップしに行く。
商品決定会議を重ねるので、店頭に並ぶのはまだまだ先の話・・・。
取引先のLUPINASUバス株式会社には14時に待ち合わせと聞いている。
お昼時間になったら直ぐに会社を出るから駐車場の入口に来て、と日下部さんに言われたので言われるがまま来たのだけれど・・・相良さんが乗せて行ってくれるのかな?
「悪い、待たせたな。こっち来て」
遅れて登場の日下部さんは駐車場の奥の方へ進む。
相良さんの車はあるけれど通り過ぎて、シルバーの車の前で立ち止まる。
「……?誰の車ですか?」
営業の社用車にしては目新しい。
「俺の。とにかく乗って!」
あなたにおすすめの小説
絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。
孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。
その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
恋愛
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。