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糖度13*彼氏の実家にお邪魔しました
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「郁弥も私と同じで敷かれたレールが嫌いだから、いろはを無理に継いでとは言わないわ。
今、企画している新店舗から会社を設立して貰っても構わないと思ってるの。…だとすると、郁弥が継がない時は、ゆかりちゃんにお願いするしかないわね」
そう言えば、怪文書事件の時に有澄が何となく言ってた。
私がいろはの後継者になるなんて、その場凌ぎの言葉だと思っていたけれど、社長からの言葉で急に現実味を帯びる。
「その時は宜しくね、ゆかりちゃん。有澄と結婚しなくても、郁弥が手放すならゆかりちゃんに差し上げるわ。私、今でもゆかりちゃんが面接に来た時の事、思い出すの。二次面接時にデザイン画バラまいてしまったのよね…」
「そう言えば…そうでした…。あの時は大変な失態をお見せしてしまい…」
二次面接時の課題、"社長に直接、自分の考えたいろは雑貨のデザインを見てもらう"との事でプリントアウトしたデザイン画の入ったクリアケースを取り出そうとしたら、バッグの中の没デザイン画をバラまけてしまい、面接官は唖然としていた。
涙目になりながらかき集める私に、真ん中に座っていた社長が駆け寄り、一緒に拾って下さった時に没デザイン画を見た社長が「決めた、この子にするわ」って独断で決定した。
あの時、没デザイン画をバラまいてなければ、私は不採用だったかもしれない。
社長は本命のデザイン画より、没デザイン画の方を気に入っていたから。
巡り合わせって、いつどこでどうなるか分からないものだな。
「…秋葉は面接の時からそんな事ばっかりしてるんだな。今も鈍臭いのは変わらないけど…」
この後に及んで、この男はっ!
日下部さんは私にだけ聞こえるくらいの小さな声で言い、表情は変えないまま私をからかう。
社長はそんな私達に気付いたのか、にこやかに微笑む。
「郁弥がいろはに応募してきた時も驚いたわ。入社してから社外で話をしたら、『会社を潰しに来た』って言われるし…。まぁ、私は恨まれても仕方ない存在だけど…。
今は聡明で冷静沈着だけど、当時はクソガキだったわね」
お茶を飲み干した後に紅茶が出されて、右手にティーカップを持ちながら語る社長。
日下部さんの昔話に会長ご夫妻も笑う。
「郁弥、花野井グループと有澄の手前もあって今までは堂々と会えなかったけれど、これからは気軽に来てくれて良いのよ。有澄も大人になったし、理解は出来てるハズよ。
郁弥にとっては虫の良い話かもしれないけれど…私達はまた郁弥と家族になりたいのよ」
お祖母様が申し訳なさそうに涙を流しながら、ハンカチを片手に日下部さんに向けて話す。
長い間、有澄は兄の存在を知らず、日下部さんは弟の存在を知っていて父親も了承の上、花野井家と接触していたらしい。
大きくなるに連れ、本人は祖父母や母親とは会わずに相良さんを通しての連絡になっていったそうで、実に25年ぶりくらいぶりにもう一つの実家に顔を出した。
「…こないだ、日下部さんと一緒に焼肉行ったんだ。ね?お兄様」
「…勝手に決められたから行っただけで、もう行くつもりもない」
「今更だけど、ケーキごちそうさまでした。ゆかりとの時間もいただけて、何よりでした」
「こちらこそ、最後に有意義な時間をいただけて光栄です」
ちょっと、ちょっと、有澄と日下部さんの会話が何だかおかしい。
丁寧に話しているけれど、ケンカ越しだ。
有澄、何か怒ってる?
今、企画している新店舗から会社を設立して貰っても構わないと思ってるの。…だとすると、郁弥が継がない時は、ゆかりちゃんにお願いするしかないわね」
そう言えば、怪文書事件の時に有澄が何となく言ってた。
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「その時は宜しくね、ゆかりちゃん。有澄と結婚しなくても、郁弥が手放すならゆかりちゃんに差し上げるわ。私、今でもゆかりちゃんが面接に来た時の事、思い出すの。二次面接時にデザイン画バラまいてしまったのよね…」
「そう言えば…そうでした…。あの時は大変な失態をお見せしてしまい…」
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涙目になりながらかき集める私に、真ん中に座っていた社長が駆け寄り、一緒に拾って下さった時に没デザイン画を見た社長が「決めた、この子にするわ」って独断で決定した。
あの時、没デザイン画をバラまいてなければ、私は不採用だったかもしれない。
社長は本命のデザイン画より、没デザイン画の方を気に入っていたから。
巡り合わせって、いつどこでどうなるか分からないものだな。
「…秋葉は面接の時からそんな事ばっかりしてるんだな。今も鈍臭いのは変わらないけど…」
この後に及んで、この男はっ!
日下部さんは私にだけ聞こえるくらいの小さな声で言い、表情は変えないまま私をからかう。
社長はそんな私達に気付いたのか、にこやかに微笑む。
「郁弥がいろはに応募してきた時も驚いたわ。入社してから社外で話をしたら、『会社を潰しに来た』って言われるし…。まぁ、私は恨まれても仕方ない存在だけど…。
今は聡明で冷静沈着だけど、当時はクソガキだったわね」
お茶を飲み干した後に紅茶が出されて、右手にティーカップを持ちながら語る社長。
日下部さんの昔話に会長ご夫妻も笑う。
「郁弥、花野井グループと有澄の手前もあって今までは堂々と会えなかったけれど、これからは気軽に来てくれて良いのよ。有澄も大人になったし、理解は出来てるハズよ。
郁弥にとっては虫の良い話かもしれないけれど…私達はまた郁弥と家族になりたいのよ」
お祖母様が申し訳なさそうに涙を流しながら、ハンカチを片手に日下部さんに向けて話す。
長い間、有澄は兄の存在を知らず、日下部さんは弟の存在を知っていて父親も了承の上、花野井家と接触していたらしい。
大きくなるに連れ、本人は祖父母や母親とは会わずに相良さんを通しての連絡になっていったそうで、実に25年ぶりくらいぶりにもう一つの実家に顔を出した。
「…こないだ、日下部さんと一緒に焼肉行ったんだ。ね?お兄様」
「…勝手に決められたから行っただけで、もう行くつもりもない」
「今更だけど、ケーキごちそうさまでした。ゆかりとの時間もいただけて、何よりでした」
「こちらこそ、最後に有意義な時間をいただけて光栄です」
ちょっと、ちょっと、有澄と日下部さんの会話が何だかおかしい。
丁寧に話しているけれど、ケンカ越しだ。
有澄、何か怒ってる?
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