妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio

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葬儀

エミリアの葬儀の日。

エミリアの葬儀は家族だけで行った。

フェイン伯爵と夫人はルーカスが生まれるとエミリアは死ぬってわかっていた。
わかっていて止めなかった。
ルーカスを見て、どんな反応を示すのか怖かった。

「シェラード侯爵…」

後ろから女性に声を掛けられ、振り向くと義母上だった。

「ルーカスを…抱かせてもらえないかしら…。」
「えぇ。もちろん」

ルーカスを大切そうに抱えて、瞳を見た夫人は嬉しそうに微笑んだ。

「あぁ…エミリアの瞳なのね。おばあちゃまよ。貴方に祝福を」
「夫人も…聖属性を?…」

夫人は少し目を見開いて、困ったように笑った。

「今の祝福は毒耐性特化です。病には少し弱いので気をつけて。」
「ありがとうございます。大切に育てます。」
「この子は私の、私たちの宝物なんです。よろしくお願いいたします。」

エミリアによく似た微笑みでルーカスに笑いかける義母上を見て、心が押しつぶされそうになった。
娘を失った悲しみ、妻を失った悲しみは似て非なるものなのだろうか。
俺はルーカスを憎んでしまった。
義母上は憎んでないんだろうか。



葬儀が終わって、エミリアが亡くなってから初めてエミリアの私室に入った。

「やっと終わったよ…。」

エミリアの執務机に座って、机に突っ伏した。
横を向いた先にある書棚にある、「育児ノート」というものを見つけた。
0歳~18歳とナンバリングされていた。
エミリアの手書きのノートだった。


【0歳】

新生児期
鼻だけで呼吸してます。乳を飲んだ後の吐き戻しで鼻につまらないように。
体温調節が苦手なので注意が必要です。魔石の使用をお願いします。

1か月
授乳のタイミングを3、4時間ほどに開けていいと思います。
あやすと笑うようになります。

2か月
首が座り始めます。
視力が良くなって、物を目で追うようになります。

 ¦
 ¦
 ¦
 ¦

【18歳】

魔術の基本は思考をやめない事です。
考え続けた人だけが辿り着ける極意があります。


途中から魔術の話になってたけど、前半は完全に育児だった。
気づけば、かなりの時間が経っていた。
そろそろルーカスも起きる時間だろう。

育児ノート0歳を持ってエミリアの私室から出た。

エミリアのノートは18年間で何度も読んだ。
魔術に関してはルーカスに教えられるように書いてあったみたいだった。
魔術が苦手な俺が父親としての威厳が保てるように丁寧に書いてあったが、やっぱり俺は魔術が苦手なままだった。

ルーカスは自分で魔術の勉強をしてくれたので俺の出番はなかった。
感想 3

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