妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio

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第二章

魔力暴走


「今日は機嫌が悪いんです。」
「だろうね。俺が一緒に寝るから休んでいいよ。」

授乳を終え、乳母からルーカスを預かった。
今日はルーカスが魔力暴走を起こした日だ。
体温も少し高い。

「ルカ、気持ち悪いよね。大丈夫だよ。お父様がいるからね。」

抱っこをしたまま寝室を歩き続けても、ぐずっていた。
1時間ほど「あぅ…」、「ぅぅー」と呻きながら指しゃぶりをしていたけど眠くなったのか寝てくれた。

ベッドに下ろして様子を見て、少しだけうたた寝してしまった。
「バンッ!」と言う音が隣から聞こえ飛び起きると、ルーカスのベビーベッドの柵が弾け飛び、ルーカスが浮いていた。

顔も真っ赤で、わーわー泣いて、魔力が漏れ出ている。
魔力で圧をかけられたことはあるけど、これは無意識に出されていて制限なく襲いかかってくる。
息ができないほど苦しい。
俺はウィルにこんなところに行かせたのか…。

何とかルーカスを抱きしめ、魔力を解放したかったのに、上手くでていかない。
呼吸ができないと集中できないから上手くいかないんだ。
ウィルはできたのに…。
苦しい…ルーカスが泣いてる。
やらなきゃ…!

脹脛にベッドの柱が掠めた。
膝から崩れ落ちた。
ルーカスを守るように抱えて全力で魔力を解放した。
ルーカスの広がった魔力に、重ねるように魔力を合わせる。

身体中の酸素が出ていってしまった。
苦しい…苦しいけど…
その魔力をルーカスの体内に引き寄せる。

体内に魔力が戻るとルーカスは泣き疲れたのか眠ってしまった。

「セオ!大丈夫か!」

ウィルが部屋に入ってきた。

「ぁ…うん。ルカお願い。」
「ルーカス様!…よかった。って、足怪我したのか?!」
「ベッドの破片が飛んできたけど平気…」

ウィルは「よくルーカス様をお守りした。」と何故か上から目線で俺の足に【回復ヒール】をかけて、ルーカスを連れて出ていった。

「坊っちゃま!よくルーカス様を守ってくださいましたね!流石ですわ!」

ルーカスの魔力暴走で圧縮魔法がかかっていたようで、息が苦しかったのはそのせいだった。
空間魔法で対策を取れない俺は気道と肺が圧縮されて苦しかったはずなのだが、クロエは魔力圧で動けなくなっていて、ウィルは息ができない使用人を助けて回っていた。
前回はクロエが圧縮魔法を制御してくれていたのか…。

「今日は客室で寝てくださいね!ウィル、お運びして。」

魔力暴走を乗り越えて、みんな生きてる…。
ウィルにおんぶされながら意識を失った。
感想 3

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