妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio

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第一章

ウィル:呪われた力

祝福ギフト】と聞けば誰しもが羨む能力だが、俺にとっては呪いだった。

力が制御できるまでは、孤独で、仕事に行く母を見送り、たまに部屋に来る友だちセオを待ち続けるだけの日々だった。

「部屋から出ると、連れ去られる。」
いつも母が言っていた。

ある日、セオが俺を連れ出した。
初めて母とセオ、侯爵様、侯爵夫人以外の人に会った。
セオが声をかけて、近寄ってきたおじさんが俺を見て鼻息を荒くした。

「坊ちゃんのお友達ですか?おじさんに抱っこさせてくれないか?」

答えてもないのに、その大人は俺を抱きかかえて走り出した。

「セオ!助けて!」

突然のことに驚いたセオは、一瞬悩んでおじさんに向けて魔法を放った。
おじさんと一緒に地面に転がって、泣きながら自分の部屋に逃げ込んだ。

クローゼットに隠れ、乱れる呼吸が落ち着いた頃に、セオが扉を叩いていたことに気づいた。
扉を開けると、涙でボロボロのセオが飛び込んできた。

「ごわっがっだ!ウィルっ…ぼ、くのっ…ご、とおっ…いでっ…っだ!!」

俺は自分のことばかりでセオを置いて逃げてしまったことを思い出した。

「ごめん…。ご、めっ…ん、セオ。ありっ…がと…っぅ…」



俺の呪われた力ギフトは【魅了】
人の心を惹きつけて、夢中にさせる。性的興奮を高める。

マナーズ子爵家はシェラード侯爵家に従魂契約を結んでるからセオにギフトは、通じなかった。

俺が生きているのは偶然だ。

シェラード侯爵様が保護して下さっているから生きていられる。
俺が生まれた時、助産師と医者と使用人が争っていたところを侯爵夫人が助けてくださらなければ拉致されていたかもしれなかったらしい。

今回のことも、侯爵様に報告された。
侯爵様は俺にやる気があるなら、宮廷魔術師を付けてくれると言った。
宮廷魔術師を講師につけて、魔力制御を学びなさいと言ってくださった。

宮廷魔術師を講師に呼ぶには、お金がかかる。
母の給料じゃ足りないことぐらいは7歳の俺にだってわかった。
血の契約をさせて欲しい、セオと主従になりたいとお願いした。
きっとセオは怒るだろうとわかっていたけど、なんでもしますと頭をさげた。
侯爵は困ったように笑って、了承してくれた。
契約書の字は難しくて読めなかったけど、自分の字は書けたから、契約は結べた。

セオとはもう前のようには遊べない。
もう友だちには戻れない。
でも、俺は母さんに守られるだけ、セオに守られるだけの人生は嫌だった。
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