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BACK TO THE ・・・・・・
00001話「現在は過去」
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タイムマシンを起動すると、一瞬浮遊するような感覚。グンと加速したように体が後ろに引っ張られる。
魔力の奔流がタイムマシンの外装にぶつかり、ゴリゴリと削るような振動と音を立て始めた。
ぶつかる魔力の強さはまちまちで、そのせいでタイムマシンの姿勢が崩れグルグルと回り出す。前後どころか上下まで不覚に陥ってしまう。
時間渡りの魔法陣を彫っただけで、それ以外の機能は全く考えずに作ってしまった弊害だろう。
シェイクに耐えながらどれくらい経っただろうか、きりもみしながら一方向へ引っ張られていくのを感じる。
何かにぶつかり、ガサガサという音がタイムマシン内に反響する。
そしてドンッという衝撃とともにタイムマシンは止まった。
どうやらどこかから落下して、木にぶつかりながら地面に墜落したらしい。
身体だけはしっかりと守れるように作っておいたのは正解だったようだ。
「いててて・・・・・・。」
タイムマシンを内側から解体して外に這い出る。
目に飛び込んできたのは鬱蒼とした木々に視界を遮られた森の景色だった。
「着地点がズレたか・・・・・・?」
本来なら受信側の魔法陣のある座標に着地するはずだが・・・・・・どうやら誤差が出てしまったらしい。
移動した年数がかなりのものなので、誤差が出てしまったのだろう。
まぁ、海の上や地面の中でなかっただけでも儲けものか。
「とにかく、今居る場所を特定しないと――」
「ギィッ!!!」
何かの鳴き声に思考を中断させられる。
しまった、着地時のショックで警戒を怠ってしまっていた。
慌てて声にした方に視線を向ける。
「・・・・・・ゴブリンか?」
俺が知っているゴブリンよりは一回りほど大きい。
だが、過去で見たゴツいゴブリンよりはスラッとした印象だ。
周囲の魔力を探ってみるが、どうやら近くにいるのはコイツ一体だけらしい。
木々が生い茂っているせいで遠くまで魔力感知はできないが、コイツはおそらくは斥候。そう離れていない場所に群れが居るはずだ。
タイムマシンは目立っていただろうから、ゴブリン以外の魔物がやってくるのも時間の問題だろう。
ここはさっさとコイツを片付けて――
俺が身構えるよりも先に、ゴブリンが手に持った何かをこちらに向ける。
その先端に一瞬にして魔力が収縮され、俺に向かって放たれた。
「おわっ、あぶね!」
咄嗟に横っ飛びで回避する。
放たれた魔力は俺が数瞬前まで居た場所を射貫き、直線状にあった木に穴をあけた。
「今のって・・・・・・もしかしなくても、銃!?」
火薬を爆発させて鉄の弾を飛ばすものとは異なるようだが、魔力によって似たような効果を得られる魔道具のようだ。
圧縮した魔力弾を撃ち出す・・・・・・そんなところだろう。形は俺の知っている拳銃と酷似している。
奪って分解してみたいが・・・・・・考えている間にも二射、三射と撃ち出される。弾道は真っすぐで避けやすいが連射性能は悪くはなさそうだ。
だが装弾数は多くないらしい。もう弾切れのようだ。いや、元々減っていた可能性も考えられるか。
どちらでも構わないが、この好機を逃すわけにはいかない。
ゴブリンの隙を突いて体勢を立て直し、触手でゴブリンの胸を貫いた。同時に持っていた銃も奪う。
しかし、奪った銃を調べる間もなく新たな魔物が感知網にかかった。
「とりあえず、この場から逃げよう。」
出来れば空から地形や周囲の情報を確かめておきたかったが、銃を使ってくる魔物が居る以上、下手に飛んで的になってしまうのは避けたい。となれば地面を進んで行くしかない。
インベントリに奪った銃を放り込み、何処とも知れず駆け出した。
とにもかくにも安全な場所を見つけなければ、レンシアたちと連絡を取ることもままならない。
しばらく走っていると、視界を塞ぐ木々の先に少し開けている場所があるのが見えた。それが長く真っすぐに伸びている。
「ん、あれは・・・・・・道? 大きさ的に街道か!」
しめた! あの街道を進んで行けば、どこか人里に出られるだろう。
人里へ辿り着ければ、今居る場所も判明させることができる。
逸る気持ちを押さえながら歩を進め、街道へ飛び出した。
「キキィーーーーーッ!!」
悲鳴のような音が響き、反射的に目を向けると突進してくる鉄の塊を視界に捉えた。
土煙を上げながら鉄の塊が眼前で静止する。
音の正体は、俺に接触する寸前で停止した鉄の塊から発生した音のようだ。いや、鉄の塊というか・・・・・・車か、コレ!?
対になった車輪が複数備え付けられ、丈夫そうな鉄の装甲で覆われた装甲車である。馬を連れていないため装甲”馬車”ではない。
動力は魔力のようだ。つまりこの装甲車も魔道具ということである。
「大丈夫かい、キミ!?」
装甲車のドアを開けて、一人の男性が飛び降りてきた。良かった、あの人に聞けば自分が今どこに居るのか分かりそうだ。
いきなり森の中に放り出されるわ襲われるわで一時はどうなることかと思ったが・・・・・・あれ、過去に飛ばされた時とあんまり状況変わらなくね?
とにかく、まだ運に完全に見放されているわけでは無いらしい。
しかし銃といい装甲車といい・・・・・・俺は一体、何年先の未来に来てしまったんだ!?
魔力の奔流がタイムマシンの外装にぶつかり、ゴリゴリと削るような振動と音を立て始めた。
ぶつかる魔力の強さはまちまちで、そのせいでタイムマシンの姿勢が崩れグルグルと回り出す。前後どころか上下まで不覚に陥ってしまう。
時間渡りの魔法陣を彫っただけで、それ以外の機能は全く考えずに作ってしまった弊害だろう。
シェイクに耐えながらどれくらい経っただろうか、きりもみしながら一方向へ引っ張られていくのを感じる。
何かにぶつかり、ガサガサという音がタイムマシン内に反響する。
そしてドンッという衝撃とともにタイムマシンは止まった。
どうやらどこかから落下して、木にぶつかりながら地面に墜落したらしい。
身体だけはしっかりと守れるように作っておいたのは正解だったようだ。
「いててて・・・・・・。」
タイムマシンを内側から解体して外に這い出る。
目に飛び込んできたのは鬱蒼とした木々に視界を遮られた森の景色だった。
「着地点がズレたか・・・・・・?」
本来なら受信側の魔法陣のある座標に着地するはずだが・・・・・・どうやら誤差が出てしまったらしい。
移動した年数がかなりのものなので、誤差が出てしまったのだろう。
まぁ、海の上や地面の中でなかっただけでも儲けものか。
「とにかく、今居る場所を特定しないと――」
「ギィッ!!!」
何かの鳴き声に思考を中断させられる。
しまった、着地時のショックで警戒を怠ってしまっていた。
慌てて声にした方に視線を向ける。
「・・・・・・ゴブリンか?」
俺が知っているゴブリンよりは一回りほど大きい。
だが、過去で見たゴツいゴブリンよりはスラッとした印象だ。
周囲の魔力を探ってみるが、どうやら近くにいるのはコイツ一体だけらしい。
木々が生い茂っているせいで遠くまで魔力感知はできないが、コイツはおそらくは斥候。そう離れていない場所に群れが居るはずだ。
タイムマシンは目立っていただろうから、ゴブリン以外の魔物がやってくるのも時間の問題だろう。
ここはさっさとコイツを片付けて――
俺が身構えるよりも先に、ゴブリンが手に持った何かをこちらに向ける。
その先端に一瞬にして魔力が収縮され、俺に向かって放たれた。
「おわっ、あぶね!」
咄嗟に横っ飛びで回避する。
放たれた魔力は俺が数瞬前まで居た場所を射貫き、直線状にあった木に穴をあけた。
「今のって・・・・・・もしかしなくても、銃!?」
火薬を爆発させて鉄の弾を飛ばすものとは異なるようだが、魔力によって似たような効果を得られる魔道具のようだ。
圧縮した魔力弾を撃ち出す・・・・・・そんなところだろう。形は俺の知っている拳銃と酷似している。
奪って分解してみたいが・・・・・・考えている間にも二射、三射と撃ち出される。弾道は真っすぐで避けやすいが連射性能は悪くはなさそうだ。
だが装弾数は多くないらしい。もう弾切れのようだ。いや、元々減っていた可能性も考えられるか。
どちらでも構わないが、この好機を逃すわけにはいかない。
ゴブリンの隙を突いて体勢を立て直し、触手でゴブリンの胸を貫いた。同時に持っていた銃も奪う。
しかし、奪った銃を調べる間もなく新たな魔物が感知網にかかった。
「とりあえず、この場から逃げよう。」
出来れば空から地形や周囲の情報を確かめておきたかったが、銃を使ってくる魔物が居る以上、下手に飛んで的になってしまうのは避けたい。となれば地面を進んで行くしかない。
インベントリに奪った銃を放り込み、何処とも知れず駆け出した。
とにもかくにも安全な場所を見つけなければ、レンシアたちと連絡を取ることもままならない。
しばらく走っていると、視界を塞ぐ木々の先に少し開けている場所があるのが見えた。それが長く真っすぐに伸びている。
「ん、あれは・・・・・・道? 大きさ的に街道か!」
しめた! あの街道を進んで行けば、どこか人里に出られるだろう。
人里へ辿り着ければ、今居る場所も判明させることができる。
逸る気持ちを押さえながら歩を進め、街道へ飛び出した。
「キキィーーーーーッ!!」
悲鳴のような音が響き、反射的に目を向けると突進してくる鉄の塊を視界に捉えた。
土煙を上げながら鉄の塊が眼前で静止する。
音の正体は、俺に接触する寸前で停止した鉄の塊から発生した音のようだ。いや、鉄の塊というか・・・・・・車か、コレ!?
対になった車輪が複数備え付けられ、丈夫そうな鉄の装甲で覆われた装甲車である。馬を連れていないため装甲”馬車”ではない。
動力は魔力のようだ。つまりこの装甲車も魔道具ということである。
「大丈夫かい、キミ!?」
装甲車のドアを開けて、一人の男性が飛び降りてきた。良かった、あの人に聞けば自分が今どこに居るのか分かりそうだ。
いきなり森の中に放り出されるわ襲われるわで一時はどうなることかと思ったが・・・・・・あれ、過去に飛ばされた時とあんまり状況変わらなくね?
とにかく、まだ運に完全に見放されているわけでは無いらしい。
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