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13.【番外編】初めての… 1-1 *
ハルカと恋人になった。
もう、世界中に宣言したい。
「俺の恋人、世界一可愛いーーー!!!」
もう、可愛いの大洪水で。
俺は毎日幸せいっぱい、夢いっぱい。
朝は一緒に登校して、帰りも一緒に帰る。
横を向けばハルカも俺を見てにっこり笑ってくれて楽しそうにしてくれる。
そんなハルカを見て俺も嬉しくなって、そっとハルカの手を握れば恋人繋ぎで握り返してくれる。
本当に、これって現実なのかっ。
夢、夢じゃないのかっって何度も思って頬を抓ってもらったのも一回や二回じゃない。
まぁそれだってハルカがおずおずと俺の頬を軽くツネッってしてくれるだけで全然痛くない。
いや、寧ろ擽ったくてむず痒い。
そんな何から何まで俺にとって夢みたいな展開に毎日ウキウキ気分でいたけれど、俺、一つだけまだ叶えてない願い事があるんだよな。
そう…それはもちろん、ハルカとの初めてのエッチ♡だ。
「なぁなぁ、今日俺の家に来ない?」
「ご、ごめん。今日は早く帰ってこいって言われてるんだ。」
「な、ハルカの家に遊びに行っても良いか?」
「お、俺、今日はゲーセン行きたいんだけど、ダメ?」
何度かハルカを誘ってみたけれど、悉く断られる。
おかしい……。
俺の煩悩が読まれているのか。
最近ハルカは俺と2人きりになる事を避けているように思える。
そんなにあからさまだっただろうか、と自分の言動を顧みると、うん、そうだな、がっついていたかも、と反省する。
だって、ハルカが隣を歩いていたら触れたくなるのは当たりまえだろう。
あの細い首筋に舌を這わせて、何だったら噛み痕だって残してやりたい。
薄い耳殻をべろべろに舐めしゃぶりたいし、唾液でぐちゃぐちゃになった耳をくちゃくちゃと咀嚼したい。
どこもかしこも甘くて柔らかいあの肌を堪能したくてたまらない。
俺は自分の名前よろしく、野生の獣みたいにギラギラとした視線でハルカを眺めている。
そんな俺の欲望をハルカは第六感みたいな未知の力で察知したのかもしれない。
それは一大事だ。
やっと恋人になれたのに、俺の邪な欲望でハルカが俺に愛想を尽かしたら大変、と俺は努めてハルカにそう言った欲望を向けない努力をした。
ハルカと目が合いそうになったら咄嗟に背け目を合わせない。
手を繋いでも前みたいに指と指を絡める恋人繋ぎはしない。
だってそのまま手を引いて、ハルカを抱きしめてしまいたくなるから。
血を吐くような苦しさに耐えて、ハルカとの毎日を過ごしていたら、その内ハルカが何か言いたげに俺を見つめる事が多くなっていった。
ごめん、ハルカ。今こっち見ちゃダメだ。
お前の可愛い唇を奪いたくてしょうがなくなるから。
なんて心の中でめちゃめちゃ思っていても顔に出したらマズイ。またハルカに引かれてしまう。
「なぁ、タイガ。何かあった?」
「え、な、何かって?」
上目遣いで伺うようにハルカがそう聞いてきた。
いや、ヤバイってその角度。キス待ち顔に見えるからっ。
はぁはぁと息遣いも荒くなりがちだけど、俺はハルカから必死で目を逸らす。
「何もないって。いつもと同じじゃん。」
「そっかなぁ……。」
声に若干寂しさが滲んでいるように感じるけれど、気のせいって事にしとこう。
じゃないとハルカを抱きしめて押し倒してしまいそうだ。
最近妄想のハルカが俺の欲望の垣根を越えてきて困る。
現実世界のハルカに触れられない分妄想のハルカにはキスとハグをしてもOKと俺自身が許しているから、一度妄想でハルカに触れてしまうと歯止めが利かないのだ、
妄想ハルカがキスが気持ち良くてメロメロになってしまう様子に俺の股間がズキュンと痛む。
あ、思い出しただけで勃つな、これは。
そんな妄想ハルカとの夢の逢瀬をニヤニヤとした顔で思い出していると、俺の右腕がぎゅぅっと抓られた。
「いっってっ。」
「もうっ、タイガったら何を考えてるんだよっ。俺、何度もお前の事呼んだのにっ。」
そう言ってむくれるハルカのぷっくり頬袋がまた可愛い。
ハムハムしたい。
「ごめん、ごめん。ちょっと考え言してて気づかなかった。決してハルカの事無視した訳じゃないからね。」
そう言って謝ると、ハルカはちょっと拗ねた顔をしていたけれど「しょうがないな」と機嫌を直してくれた。
ふぅ助かった…。と思っていると、今度は抓られた腕を掴んだまま上目遣いでおねだりだ。
「なぁ、俺の家今日来ない?」
「ふぇっ。」
驚いて間抜けな声が出た。
「ずっとふ、2人っきりになれてなかっただろう?…‥今日な、母さんも父さんも遠縁の法事に行ってて帰ってこないんだ。タイガ……泊ってく?」
「も、も、もちろんですーーー!!!」
めっちゃ大きい声が出た。
だってハルカからのお誘いだぞ。それもお泊りOKって事は絶対「今日は寝かさないでね♡」って事だろう。そうだろう?
俺はもう夢と希望をバックパックに詰め込んで、一目散にハルカの家に向かった。一瞬も離れたくなかったけれど、お泊りセット+ハルカの為の準備セットは絶対に必要不可欠だったから、先にハルカを家に帰して俺は後から追いかける事にした。
待っててくれよ、ハルカっ。
*
ピンポー――ン
インターホンも心なしか俺を喜んで迎えてくれているかのようだ。
ほら、弾んでいるだろう?
暫く待つとガチャと玄関の鍵を開ける音がして、中から部屋着に着替えたハルカが出てきた。
「タイガ…‥いらっしゃい。」
「ハルカ~~~。」
照れくさそうに俺を出迎えるハルカの可愛らしい姿に鼻血が出そうだったのに、ハルカの部屋着の威力が半端ない。
その部屋着、どうしたって思う。
だってむっちり太腿は見えちゃうぐらい短いし、Tシャツだってちょっと短すぎるだろ、けしからんって丈しかない。
ちょっと伸びをすればハルカの形の良い臍が見えちゃうじゃん。
いや、今だってチラ見えしてるけどっ。
なになになにっ。何なのハルカってば。俺をどうしたいんだっ。
既に期待に俺の下半身は徐々に熱を持ち始めている。
いやいや、でも今がっつくのはダメだ。
ハルカが怖がってしまうだろう。
あくまでそんな素振りは見せないで、いつも通りにしてないとっ。
そう俺は愚息に言い聞かせてなんとか昂りを治める。
めっちゃ時間かかったけど。
「今日さ…カレーでいい?俺作るから。」
ぶーーーっ
ハルカの手作りカレー。
何そのご褒美っ。
俺のテンションは上がりっぱなし。
「一緒に作ってくれる?」
なんて小首傾げてそう頼むハルカの姿に鼻の下は伸びすぎて戻らなくなりそうだ。
その後、俺とハルカは仲良く並んでカレーを作った。
その新婚さん的なシチュエーションに何度もハルカへキスしたくなって困った。
衝動を抑える事に必死で挙動不審だったかも知れないな。
「は~美味しかった。ハルカのカレー、また食べたい。」
「普通のカレーじゃん。でもありがとう。一緒に作ってくれて楽しかった。」
何この可愛い子。同じ人間?。
ハルカの笑顔に俺はもうこのまま昇天してもしょうがないって思ったのに、これ以上の楽園が待っていた。
「タイガ…お風呂一緒に入る?」
もうね、ドキドキが止まらない訳。
今まで一緒に入りたいって何度言っても恥ずかしいってひと言で断ってきたハルカが今日に限ってこのサービス。
本当に夢じゃないのか…。
でも夢でもいいもんね。
夢でもハルカが一緒に入ってくれるっていうならそんなチャンスは逃さないよ、俺。
そう思って俺はあっという間にハルカを抱いて浴室まで連れて行った。
「うわっ、タイガッ、下ろしてよっ。」
急に抱き上げたからか、ハルカは俺の首に両手を回して怖がる。
うんうん、もっときつく抱きしめてくれてもいいよ、なんて顔に出さずに思う。
それでもがっついたらダメだっていう思いは俺の中で強く強く刻まれていて何とか平静を装ってハルカとお風呂に入った。
俺のムスコはすぐその気になっちゃうから腰にタオルを巻いて目隠し。
ハルカの目には触れないように注意した。
ハルカが先に身体を洗っている。もこもこの泡から時折除くピンク色の乳首だったり、艶めかしい太腿だったり。
同じように腰にタオルを巻いたまま洗っているのに隠れているからこその卑猥さがにじみ出ていてヤバかった。
何度も手を伸ばしては我慢、我慢と繰り返して心を静めた。
最大の試練は俺の身体を洗ってあげようとするハルカとの攻防だった。
自分で出来ると言っても何故か自分がやると言って効かないハルカはついにボディーソープをタオルで泡立てて俺の身体を洗いだす。
ハルカの手の平が俺の身体に触れているっ。そう思ったら苦しくて苦しくてたまらなくなった。
裸のハルカの身体にも手を這わせ胸から手から足から、とにかく何もかも嘗め尽くしたくてしょうがなくなった。
パシッっとハルカの手を取る。
その瞬間ハッとハルカの顔が強張った。
その一瞬の表情の変化を見て、僕は欲望が萎えるのを感じた。
「さ、もういいよ。後は俺自分で出来るから。ハルカ、先に上がってもいいぞ。」
大人の対応をしたはずだった。
がっつかず、恋人の事を大事にしている大人の恋人。
俺、出来てるよな?
そう思ったら、急にハルカがシャワーを俺に向けてシャーっと勢いよく掛けてきた。
「わっ、ぷっ、うっ、ちょ、ちょっと、やめっ。」
「何でっ、何でタイガっ、俺に触ってくれないのっ。もう俺のこと好きじゃないのっ。俺が触らせないから嫌になったのかよー。」
ハルカはそう言うとわんわん泣きだした。
「え、ええ?!」
俺はと言えば、ハルカの主張は寝耳に水だし、ちゃんと反論もしたい。
それにはまずは…。
俺はすばやくハルカの唇を奪った。
軽いキスでもなく深くて濃厚な舌を絡めるキスだ。
「んっ、んんっ。」
息苦しくなったのか、シャワーのもうもうとした湯気の中ハルカが俺からのキスで力が抜けそうになっている。
「はぁ……色々言いたい事あるけど…‥。俺がハルカに触れたくない訳ないだろ。ずっとずうっとお前に触りたくてしょうがなかったよ。」
そう言ってやると、ハルカはちょっと涙ぐんでこう言った。
「じゃ、俺を奪ってよ、タイガ。」
と。
喜んで―――!!!
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