【完結】発現遅めの獣人だと思ってたら、まさかで異世界転移者でした。

塚銛イオ

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31.束の間の休息(*)



 僕が部屋に入ると、ルークはベッド近くのソファーに腰を下ろしていた。
 慌てて近くまで駆け寄ると、ルークの顔が綻ぶ。

「良かった…。またどこかに行ってしまったかと思った。」

 そう言って微笑むルークは、まだ少し疲れたような顔をしていたけれど王宮に戻ってきた事で気が緩んだみたいだ。顔色は少し良くなっている。

「ルーク、良かった。無事で、本当に良かった。」

 ルークの手を取り何度も言う。
 また泣いてしまいそうになって、グッと堪えた。

「さ、ルークも疲れたでしょ。身体を拭いてさっぱりしたらひと休みして。」

 そう言うと温かいお湯とタオルを持ってきてもらった。部屋には僕一人。
 僕がルークの世話をするから、と断ったからだ。

「ノアがやってくれるの?」

 ソファーの背に身を預けながら、ルークがどこか色を乗せて僕に言う。
 その言葉にゴクンと唾を飲み込んで僕は頷いた。

 おずおずとルークのシャツに手をかけてボタンを外す。細かい装飾などない簡素なシャツだけれど逞しい胸板がシャツの布地を押し上げている。

 所々擦り切れ、薄汚れたシャツを脱がせるとルークの肌が見えた。
 張りのある胸筋と太く逞しい二の腕。見事に割れた腹筋に惚れ惚れすると同時に腹の辺りに見える青あざに殴られた跡が見えて心が苦しい。
 硬く絞ったタオルをそっと押し当てる。
 ぐぅっとぐぐもった声が上から漏れて、慌てて手をどけた。

「ご、ごめんっ。痛かった?」
「い、や…。痛みはそれほど酷くないから大丈夫だ。」

 その言葉にホッとしてもう一度タオルを当てる。
 今度はもっとそっと、優しく。

 ほうっと言う声がルークから漏れて、今度は僕も安心して続きをする事が出来た。
 二の腕や肩をタオルで拭う。僕とはまるで違う逞しい身体だ。
 広い背中は引き締まった筋肉がよく分かる。僕は何度もタオルを湯に浸しては搾り、ルークの身体を隅々まで拭いてまわった。

 上半身を終えて、下半身の状態になった時。僕はどうしよう、とチラリとルークを見上げた。
 ルークは少し興奮したような顔つきで僕を見ていたけれど、特に何も言わなかった。

 ゴクリ、と喉を鳴らしてから、僕は掠れた声でルークに告げた。

「ルーク…。下、下も脱がせる、ね。」

 腰回りを紐で縛っていただけのズボンはアッサリと解けて落ちた。
 目の前に現れたルークの中心は下着の上からでもその大きさが分かるほど立派なものだった。
 興奮している訳でもないのに、これほど立派なものがその時を迎えたら…と考えるとドキドキとして僕の息も上がる。

「こ、このままで大丈夫だよね。」

 掠れた声が出て、足元からタオルで汚れを落とす。
 足先、ふくらはぎ、太腿、と徐々に上に上がっていくに従ってルークの息が上がっていくのが分かった。

 時折、ピクッと動く脚の筋肉に、努めて気にしないようにしてタオルを動かす。
 考えない、考えない、と何度も脳裏で呟くのに徐々に近づいてくるルークの中心への期待が抜けない。

 太腿の内側を終え、軽く臀部の方も拭こうとルークに腰を上げてもらった。
 すると、ちょうど僕の顔がルークの中心辺りに来てしまい、その大きさから僕の顔にペタッと触れた。

「わっっ。」

 慌てて身を起こすと、

「す、すまないっ。」

 と焦って謝るルークがいた。
 お互い気まずい雰囲気になったが、今は自分の恥ずかしさよりもルークを綺麗にして休ませる事が一番だ、と気持ちを奮い立たせる。
 僕はルークに大丈夫だから、と声をかけもう一度ソファーに座らせた。
 ルークの中心は最初に見た時よりも存在感を増していた。僕は意識しないように注意しながら淡々と進める事にした。だって意識しちゃったら、もう何も出来なくなっちゃうよ。


「か、軽く、ね。」
「あ、ああ。」

 そっと太腿の内側の際どい部分に触れる。そっと撫でるようにタオルを動かすとピクッと肌が動いた。

「し、失礼しまーす。」

 お道化てソッとルークのモノを持ち上げる。大きくて長くて僕とまるで違う。
 ほんの少し反応しかけているような硬さを感じて、僕は慌ててタオルでそっと包んだ。

「ふっ……んっ……。」

 おかしい…。ただルークの身体を拭いているだけなのに、何だか自分の身体も熱く汗ばんでいるような気がする。
 息も荒く、動悸の高鳴りも感じる。

 僕は焦りながらも、ゆっくり擦るようにルークの中心を拭いて早く終わらせようと思った。
 何故なら、ルークの身体を拭いている内に自分の中心にも異変を感じ始めたからだ。

「ふっ、うぅ。」

 息が上がって思わず口から吐息が漏れる。
 上ずった声がでて、僕が興奮しているのがルークにバレてしまいそうで焦る。

「ノア……。」
「……‥え?」

 不意に頬に手を添えられ、ルークの方へ顔を向けられる。

「ひゃっ。」

 そこにはギラギラとした目つきで僕を見るルークの顔があった。
 まるで獲物を見つけた獣のような目だ。

「いけない子だ。そんな風に俺を誘惑して。」
「ゆ、わく…してな…。」

 僕の答えよりも早く、ルークは僕を軽々と引き上げると自分の膝の上に乗せ僕がルークと向き合う形になった。

「わっ、ルークっ、けがっ。」

 打ち身のアザが目立つルークに負担を掛けたくなくてそう言った僕に構わずルークは顔を寄せる。

「怪我などしていない。それより…。」
「んっ…。」

 性急に重ねられた唇は触れた瞬間から熱く情熱的だった。
 直ぐに差し入れられた舌は僕の口内を撫で回すよりも先に僕の舌に絡みつき撫で啜った。

「ふっ、うんっ、うっ。」

 息をつかせぬように唇を離さず僕の唇ごと奪うかのように激しいキスをされる。
 鼻で呼吸が出来なくて、次第に息苦しさを感じてきた。

「うっ、ううんっ、うっ、うっ。」

 苦しさに何度もルークの身体をドンドンと叩く。
 そんな必死なアピールもルークは気にせず僕の唇を貪り食う。
 次第に熱くなる身体に僕はもじもじと膝を擦らせた。

「ん?どうした?」

 そんな仕草には直ぐに気付く。ルークはきっと分かってやってるんだ。
 僕はそんなルークがちょっと憎らしくなって軽く睨んだ。

「んんんっっ!」

 再び勢いよくキスをされて目を白黒させた。
 何で突然?

「んっ、ノアっ…可愛いっ、可愛いっ。」

 ルークの声が時折聞こえて、そんな声にキュンとなる。

「会いたかった…ノアっ。」

 心のこもった言葉が聞こえて、僕も同じ気持ちになる。

「僕もっ。ルークに会いたくて…心配で、しょうがなくて…。」

 ルークが敵に捕らえらえていた時間を思い出して僕の身体が震えた。
 あの時の恐怖はもう一生忘れられない。

「もう会えないかとっ…。そんな事ないって思ってもっ…。」

 涙が溢れてきた。目の前にルークがいる事が嬉しくて堪らないのに、まだ恐ろしさが抜けない。僕はその恐ろしさを消したくてぎゅっとルークに縋り付いた。

「ルークッ、ルークッ。」

 僕の身体をギュッと抱きしめてくれるルークの身体が硬く、そして温かく、僕に現実のルークだと教えてくれる。
 この腕の中にいれば何も問題ない、と安心できる。
 それはルークに初めて会った時から全く変わりがない。

「大丈夫だ、俺はここにいる。ノアの傍にいる。」

 何度もそう告げながら頭を撫で続けるルークの姿に次第に落ち着きを取り戻した僕は気付くとルークにがっしりと抱き込まれていた。

 ほぼ全裸だったルークの肌を直接感じたくて、僕は自分のシャツをまくりあげルークの肌と重なり合わせる。しっとりと汗ばんだ僕の身体はぴったりとルークの肌に張り付くように重なった。

「ノア…。」
「んっ。」
「可愛い…。気持ちいいのか?」

 言われるまで気付かなかったけれど、僕は胸の尖りを固いルークの肌に何度も何度も擦り付けていたようだ。

「あっ…。」

 急に恥ずかしくなって身体を離そうとすると、ルークが片手で僕の背を抑えた。

「んっ。」

 その反動でルークの肌と僕の胸の突起、そして興奮している僕の中心が触れた。

「ああっ。」

 その刺激に声が漏れる。我慢したいのに我慢出来ない。

「はぁ…。ノアの肌が…。」

 ルークも興奮しているのか、僕の身体を更に自分に近付けた。ゴリッとした感触がして、ルークの興奮が伝わる。
 急くように僕の下履きも下着も全て床に落としてルークは僕を更に引っ張り上げた。

 ちゅっ、ちゅぅっとキスの音を響かせながら僕とルークの中心を重ねて擦り動かす。
 ぬるぬると自分の先端から粘る液体が出ているのが感じられて、ルークの硬い指先がグリグリと刺激する。

「あっ、あっ、あっ。」

 思わずルークのモノに強く押しつけるように腰が動いて、いつの間にか硬く張り詰めた筋の部分が重なりあった。

「んぅ…。あっ、気持ちっいいっ。」
「ノア…可愛い…ノア…俺の…。」

 ぬっちゃ、ぬっちゃ、と粘液の卑猥な音が響く。僕の手に重なるようにルークの手が重なって、2人で一心不乱に擦り上げる。
 突き上げるような動きをするルークの腰の動きが僕の身体も同じように跳ね上げさせた。

「ひゃぅっ。」

 その瞬間ゴリッと強く擦られて、僕の臀部がビリビリと震えた。

「ああっ、もうっ、イクっ、イクっ。」

 ビクビク震えるお尻の筋肉が僕の限界を伝えてくる。
 ルークもまた一緒に果てを迎えようと僕にキスをしながら動きを速めた。

「ふっ、ふっ、うっ、もっ、もうっ。」
「ああっ、いいぞっ。俺も…一緒に…イクからっ。」

 最後のトドメとばかりに胸の尖りをルークの指がギュウッと摘まんで、僕のお腹の奥がその衝撃できゅぅっと締まった。

「ああああっ。」
「くぅっ。」

 ドクドクと流れ落ちる精液の匂いを感じる。青臭くて、情事の深さを感じさせる匂いだ。
 僕たちは無言で何度もキスを交わし続ける。


 ルークを休ませてあげるという目的はとうに忘れ去られてしまったけれど、もう一度温かい湯をもってこさせて、身体を拭かないとなぁ、なんてぼんやりと考えていた。



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