面倒臭がり屋な皇太子と面倒臭がり屋な悪役令嬢

ノンノノンノ

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第一章「悪役の運命」

1-3

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 ──どうしよう。
 顔を見るまで攻略対象だと分からなかったククーナは、関わりたくない一心で俯き、後悔していた。
 
 さっさと喋れば良かった、と。
 
(……オマットルートはネタバレスレで見たから内容はなんとなく分かるけど、いざ現実になると考えると……ううん、面倒くさい)
 
 こんなことなら皇太子の外出に渋々付き合った方がマシだったか、と目を瞑る。
 
「では私は仕事に戻るとしよう。何、年齢も近いのだから心配ないさ。仲良くしてやってくれ」

 語るだけ語ったからか清々しい慈愛の瞳で退出する公爵。
 扉を開閉した音が響き渡り、暫くした後動いたのはオマットだ。
 
「シルヴィ皇太子殿下との逢い引きを手伝うのが私の役目だと聞き及んでいます。が、間違いないかどうか今一度確認させてください……貴方は、ビターミネント公爵の言うように殿下を好いているんですか?」
 
 日頃から中立的な立場にいる彼の性格は、ククーナ自身うろ覚えのぼやけた説明書で理解していた。
 してはいたが、実際に目の当たりにするとこうも有り難く思えるのか。オマットが救世主のように眩しく映る。
 
 少女が覚えている説明書の内容は『天才魔術師と名高い公爵子息。◯◯で◯◯な一面もあるが、常に中立であろうと心掛けている生真面目な性格をしている。◯◯の◯◯に反応しやすい』という、何とも微妙な文面だった。
 
「噂と真実は常に紙一重であり、自ら確認する手間を惜しんで後悔するならば手間をかけよう……というのが私の信条なのです。私個人の我が儘に付き合わせてしまって申し訳ないのですが、宜しければお聞かせ願えますか? ビターミネント公爵令嬢」
「……」
「あ、そうでしたね。喋れないのなら、頷くか首を振っていただければ」
 
 ──眩しい……。
 手間を惜しまない公爵子息に、手間を惜しむ公爵令嬢。正反対な者同士が合わさって起きるのは反発か、感服か。
 
 天にも昇る心地で助けを請おうと頷いた。

 そう、頷いた。
 
 端的に言えば間違えたのだ。
 
「なるほど。分かりました、愛し合う者同士の恋の応援……協力は惜しみません。任せてください」
 
 このままでは誤解が解けずに面倒事に巻き込まれる──そうは思ったものの、ククーナは別のことを言及した。
 たった一言、たった「誤解です」と言うだけで分かってくれそうな好機を……
 
「それと、友人になるようにとも頼まれているのですが……」

「協力は惜しまないって本当ですか」
「……しゃべっ、た……?」
 
 別のことに費やそうと目論んだのだ。

 言質を取ってどこにでも行けそうな扉の代わりになって貰おう。そう考えた。
 喋れることに目を見開いていたオマットも、「ひょっとして何か頼みたいことがあるのだろうか?」と真剣な眼差しから強い意思を感じ取る。
 
「ああ、勿論。……見返りは、内容によっては欲しいかもしれませんが大したものでないなら、無くても構いませんよ」
「歩く移動手段になってください」
「それは流石に、ちょっと」

 間髪入れずに断られしかめっ面になるククーナ。
 余程の形相だったのだろう、令嬢とは思えないその表情に公爵子息は破顔して口を湾曲に描く。
 
「……っなるほど、なんとなく貴方が人前で喋らない理由が分かった気がします」
 
 クスッと静かに笑い、片方だけ短く編み込みをしたアンバランスな髪の長さを持ち合わせている彼の姿は、一枚の絵のようだった。
 こんなスチルあっただろうかと思い返してもぴったりと重なる場面のスチルは無く、疑問が増える。
 ククーナが覚えていないだけの可能性もあるが、くるいけのゲームスタートは十七歳。その時十八歳になっているオマットとは一歳差。
 十二歳の今は十三歳と、ゲームでは描かれない年齢だ。
 
「皇太子殿下に会う為の移動は手伝いますから、安心してください」
「……敬語面倒じゃないですか? 外しても良いですよ」
「殿下の婚約者に、そう馴れ馴れしくは出来ませんよ。友人なら少しは半減されるでしょうが」
「じゃあよろしくお願いします」

 そして仲良くなった暁にはどこでもいけるアレな扉になって貰うのだ──怠惰を決め込んだククーナは積極的だった。
 もはや皇太子との仲を正す以前の問題である。
 
「……ははっ、分……かりました。ではククーナ嬢、貴方も話しやすいように話してください。喋れることは誰にも言わないでおくので」
「分かった。よろしく
「ん?」
「……様」

 聞き間違いか? と言いたげな目線を何を思ったか「貴族ルールを無視したことへの注意」と受け取り、様を付けて訂正。
 彼としては名前の違和感に疑問を抱いていただけだったのだが、全く違う受け取り方をする少女を見て楽しくなったのだろう。口元を隠し愉快そうに笑っていた。
 
 未来の移動手段(予定)を見つけ、少しばかりテンションが上がり珍しくついでに「マットレスのシナリオ、どんなだっけ」と懐かしさに浸れているククーナ。
 
 オマットのルートでは、初恋相手の死を乗り越えられず婚約者が決まらない悩みが明かされる。
 彼には長く続いた婚約者がおらず、何回も婚約しては別れ、婚約しては別れ……の繰り返し。その原因は最初の婚約者の死が起因となっているのだ。
 
 ゲームで聖女がやることと言えば勿論この乙女ゲームあるあるの心の傷を癒し、「彼女さんがそんなこと望んでると思ってるんですか!」と克服させネガティブからポジティブへとジョブチェンジさせること。
 後は帝国を救う為に共闘して戦ったりデートしたり戦ったりデートしたりとざっくり言っても王道であることが窺えよう。
 
 だが、ここで一旦思い出して欲しい。
 
 ネタバレスレは……ざっくりとしか書かれておらず、詳細な設定は実際にやらない限り分からないものだと言うことを──
 
 考えようとしたククーナは面倒な予感がして速やかに思考をシャットダウンさせるに至った。
 その時間、僅か三十秒。
 少しテンションが上がったくらいではきっと、面倒くさがらず思考を回転させても三十秒が限界なのだ。
 
「友人になったことだし、聞いてもいいだろうか?」
「あ、はい。何でしょ」
「外へ出ることの難しさは貴方の中でどれくらいなんだ、随分と痩せ細っているように見受けられる」
 
 オマットは自分の腕をつつくように指差して少女の腕を比喩的に指し示す。皇太子と出会ってからというもの、運動を全くしていなかったククーナはシルヴィの「出かける時は僕が抱えるから、とりあえず出かけよう?」という優し必死さから悪化の一途を辿っていた。
 
 他力本願の癖がついたのだ。
 そう、今正に公爵子息を移動手段として見ているように。
 
 シルヴィもまた、頼れる(?)者として認定されてしまっている。
 だからこそより細く、より痩せてしまった彼女の腕は折れやすそうな程華奢だった。食事も好き嫌いが激しいのか、あまり食べない。ビターミネント公爵家の料理人達がどんなに頑張っても、完食することは無かったのだ。 
 それを知ってか知らないでか、提案する。
 
「……身体強化の類いの魔法を使ってはどうだろう。ビターミネント公爵家には氷属性適正を持つ者が生まれやすいと聞く。氷が使えるなら疲労を緩和するものが使えるし、運動も捗る」
 
 ククーナの面倒くさがりな性格を知らない彼だからこの考えに至ったのだろう。
 
 くるいけは王道ファンタジー設定もふんだんに盛り込まれており、魔法はよくある炎、水、風、土の他に雷、氷がありレアな属性として光と闇が存在している。全部で八種類。
 当然生まれ持った魔力に威力や使える範囲は左右され、魔力があっても魔力制御が上手く出来なければ不発するのがお決まりだ。
 通常は一つの属性に適正があるものだが、ファンタジーあるあるで複数属性に適正を持つ者もいる。
 二つはまだよくある部類、三つは少なく、四つ五つとなると珍しく魔法学園でも重宝されるようになる。
 皇族は勿論通常属性の全てに適正がある者が多く、光や闇も使える者が出てくる。
 稀に庶民でもレア属性に適正を持って生まれてくる者はいるが、貴族の方がその割合は高い。
 
 オマットの言う通り、確かにククーナは氷属性に適正はあるのだが、わざわざ神経を使いそうな魔法を使ってみようとは思わなかった。
 
「凄いですねは……(一歩以上動く)運動が出来るなんて……」
 
()の中の声が伝わらなかった為、彼は頭を打たれた衝撃を受ける。
「重い病気を患っているのか……!?」と、酷い名前間違いをされたことさえ気付かずに。
 
 勿論そんなことは無いのだが、()を取り除いた文章から一般的な運動に憧れを抱いているようにもとれる。
 オマットは「私は運動すら出来ないので、外に憧れているんです」と解釈してしまっていた。
 
「それは……その、(医師から)後天的(な病気)だと?」
「あー。そうですね、(転生してから)動かなくなって……」
「なんとも……それは……」 
 
 抱えなくとも良かった居たたまれぬ気持ちを抱え、失言だったと崩れ落ちるオマット。
 
「……申し訳、ない……!」
「あ、いえ。(運動させようとしなくて)大丈夫です」
 
 少年は思った。
 なんてひたむきな少女だろう、と。
 皇太子妃でありながら後天性の病気を患い、動けなくなったともあればその重責は計り知れない。周りの目線、皇帝や皇后からの圧力……貴族や皇族達から疎まれるのはまず間違いなかった。 
 それでも彼女に想いを寄せるシルヴィ皇太子殿下は諦めずに婚約者であり続ける為、涙ぐましい努力や逢い引きを重ねているのだろう──と、ここまで(事実とは異なるが)気付いた。
 
 移動手段になって欲しいというのはまさか……人の目を気にせず殿下に会いに行く為ではないか。
 そう考えればしっくり来た。
 突然前触れもなく喋り、「愛し合う者同士の恋の応援」……この文言の後に言った協力についての言及。恐ろしい程辻褄が合ってしまった誤解はもはや誤解を通り越し一つのミステリーを産み出していた。
 
「事情は理解した……ならやはり、早く殿下の元へ連れていくべきだな」
「えっ?」
 
 またしても何か違う方向へと勘違いされていることを理解したが時既に遅し。
 
「失礼、送り届ける為だ。多少の無礼は見逃してほしい」
 
 紳士的に断りを入れては微動だにしないククーナを抱き抱え、魔力を身に纏い始めるオマット。
 止めることもせずただ……彼女の思考は停止していた。
 
◆◆◆
 
 次は何を試そう。
 
 昼の自室、勉強合間にククーナ嬢ポジティブ変換大作戦プラントリプルTを練っていた僕は、これまでの記述と睨めっこをする。
 
・話題提供  宝石、ドレス、お洒落、食べ物×
・好きなもの 未だに判明せず
・嫌いなもの 面倒なこと全て?
・趣味    見つかっていない
・輪廻転生  前の人生、まだ訊けてない
・例のソレ  ヤバいことしか分かってない
 
 ──うん。達成率ゼロ。悲しいかな。
 無意識に遠い目をして現実逃避をし、窓に視線を向ける。
 この調子で本当に悪役にならずに生きれるんだろうか……むしろ面倒事が増えたような……。
 
 まあ、うん。仕方ないね。
 ククーナ嬢に会いに行く分には「婚約者を大切にしている皇太子」ってちょっとだけ立派に見えるからか勉強もサボ……見逃してもらえるところはあるし。やはり死んだ後の方が面倒だからね、うんうん。
 忘れないように最初彼女が言っていたゲージ? の展開も大まかにメモしてある。
 ……ゲームって書いてあるね、間違えたね。
  
 一応あれから、ヤバい何かというのの正体を探る為にガーラ帝国の近状や城内をそれとなく頑張って探ってはみた。しかし、あまりこれといった情報は出てきていない。
 部下に頼りきりで申し訳ない気はするが、流石に城を歩き回って走り回ってを繰り返したら面倒……息切れするから、効率を考えてそうしているだけだ。
 
(分からない……彼女の好きなものが……全くといっていいほど……)
 
 途方に暮れていた次の瞬間、瞬く間に天井から突き破って降り立つように現れる二人の人影。
 僕の婚約者と……──誰だ。
 
 誰なんだその目が瞑れる程眩しいビームを目から放っている(※放っていない)オレンジ髪は……。
 
「えーと、……どちら様?」
 
 とりあえず笑顔で誤魔化そう。
 突っ込みたい気持ちを抑える為、目を閉じた。
 
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