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プロローグ
5 死んでも働かされるなんて冗談だろ?
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衝撃的な事実を知らされて、もう永眠したくなった。
けれどもそれも許されず、根気よく話を続けるしか、この拷問から逃れる術がない。
気分はもう、ここさえ乗り切れれば感動のゴールが待っている、と自分を鼓舞するマラソン選手か何かだ。
「……事情は納得できないけど、分かったことにしよう。
それで? どっちにも行けなかったら、俺はどうすればいいんだ?」
「地球の他に私が創造した星がある。
ジャンルだとファンタジーに分類される星で、タンガリアという名前だ。
人間の他に猫耳、エルフ、ドワーフ——様々な人種が共存していて、剣あり魔法ありで魔物もいるから、血湧き肉躍る冒険もできると保障しよう。
そこで勇者として転生させてやろう。生まれながらにありとあらゆる能力——チートは君の望むままに与える。
どうだ? 魅力的な話だろ?」
自信満々、絶対に飛びつくと思っている顔だ。
異世界転生。
真人も小中高とどっぷりRPGゲームにハマったから、魅惑的な提案だとは思う。
厨二病でなくても、ファンタジー好きなら、一度は考えたことがあるだろう。
もし自分がこの世界の住人だったらと。
それがチートを与えられて、自分の思うままに世界を変えていけるというなら、いくら犠牲を払ってでもなりたいだろう。
転生した後は、勝ち組になれるのは決定しているのだから。
ただ、真人は現在二十五歳のサラリーマンだ。
ゲームから離れて久しく、長時間労働やパワハラに疲れて、寝たい働きたくない以外の感情を失ってしまった。
身内も早くに亡くし、身軽な天涯孤独だ。彼女はいたが、会える時間がなくて振られた。
生きることに縛られる理由は何もない。
生きてたから、とりあえず生きてみただけだ。
今さら、転生して人生を謳歌するより、働かずに死んでいたい気持ちの方が凌駕していた。
「どこが? やっと死ねたのに、また生き返って仕事しなきゃいけないとか、拷問以上の苦痛だよ。
天国にも地獄にも行かせられないって言うんなら、頼むから消滅させてくれ。
それが一番の罪滅ぼしだ」
「…………」
女神ルキナが沈黙する。
自信満々に提示した条件を真人があっさり蹴ったから怒っているのだろうか。
そう真人が思っていると、
「…………っふ。あはははははっ!」
なぜか、突然女神ルキナが腹を抱えて笑い出した。
「君って奴は。なんて面白い奴なんだ!
最近の地球はつまらん者ばかりで、いっそ巨大隕石でも衝突させてやろうかと思っていたが……。
気に入った!
私の力を貸してやるから、神になれ」
「はあっ?!」
真人は自分の耳を疑った。
(今こいつ、『神になれ』って言わなかったか?)
消滅させて欲しいと言ったことに対しての答えとしては、赤点どころか0点だ。
どこをどう受け取れば、真人を神にしてやろうという発想に行き着くのか。
女神ルキナは電波すぎて、話の展開についていけない。
だが、確認しない訳にはいかないだろう。
主に自分の保身のために。
「すまない。耳がどうかしたみたいだ。
今、俺に神になれって言わなかったか?」
「もちろん」
(『もちろん』、じゃねぇぇぇぇぇっ!! )
胸中で絶叫した真人は、速攻で女神ルキナの説得に乗り出した。
「いいか、よーく考えるんだ。
人間ごときに神の力なんて貸し与えるもんじゃない。
人間の欲望はそれはそれは恐ろしい物なんだぞ。
それに、神の仕事なんて、一番多くて面倒に決まってんじゃねぇか!!」
力み過ぎて、思わず心の声が漏れるのだった。
けれどもそれも許されず、根気よく話を続けるしか、この拷問から逃れる術がない。
気分はもう、ここさえ乗り切れれば感動のゴールが待っている、と自分を鼓舞するマラソン選手か何かだ。
「……事情は納得できないけど、分かったことにしよう。
それで? どっちにも行けなかったら、俺はどうすればいいんだ?」
「地球の他に私が創造した星がある。
ジャンルだとファンタジーに分類される星で、タンガリアという名前だ。
人間の他に猫耳、エルフ、ドワーフ——様々な人種が共存していて、剣あり魔法ありで魔物もいるから、血湧き肉躍る冒険もできると保障しよう。
そこで勇者として転生させてやろう。生まれながらにありとあらゆる能力——チートは君の望むままに与える。
どうだ? 魅力的な話だろ?」
自信満々、絶対に飛びつくと思っている顔だ。
異世界転生。
真人も小中高とどっぷりRPGゲームにハマったから、魅惑的な提案だとは思う。
厨二病でなくても、ファンタジー好きなら、一度は考えたことがあるだろう。
もし自分がこの世界の住人だったらと。
それがチートを与えられて、自分の思うままに世界を変えていけるというなら、いくら犠牲を払ってでもなりたいだろう。
転生した後は、勝ち組になれるのは決定しているのだから。
ただ、真人は現在二十五歳のサラリーマンだ。
ゲームから離れて久しく、長時間労働やパワハラに疲れて、寝たい働きたくない以外の感情を失ってしまった。
身内も早くに亡くし、身軽な天涯孤独だ。彼女はいたが、会える時間がなくて振られた。
生きることに縛られる理由は何もない。
生きてたから、とりあえず生きてみただけだ。
今さら、転生して人生を謳歌するより、働かずに死んでいたい気持ちの方が凌駕していた。
「どこが? やっと死ねたのに、また生き返って仕事しなきゃいけないとか、拷問以上の苦痛だよ。
天国にも地獄にも行かせられないって言うんなら、頼むから消滅させてくれ。
それが一番の罪滅ぼしだ」
「…………」
女神ルキナが沈黙する。
自信満々に提示した条件を真人があっさり蹴ったから怒っているのだろうか。
そう真人が思っていると、
「…………っふ。あはははははっ!」
なぜか、突然女神ルキナが腹を抱えて笑い出した。
「君って奴は。なんて面白い奴なんだ!
最近の地球はつまらん者ばかりで、いっそ巨大隕石でも衝突させてやろうかと思っていたが……。
気に入った!
私の力を貸してやるから、神になれ」
「はあっ?!」
真人は自分の耳を疑った。
(今こいつ、『神になれ』って言わなかったか?)
消滅させて欲しいと言ったことに対しての答えとしては、赤点どころか0点だ。
どこをどう受け取れば、真人を神にしてやろうという発想に行き着くのか。
女神ルキナは電波すぎて、話の展開についていけない。
だが、確認しない訳にはいかないだろう。
主に自分の保身のために。
「すまない。耳がどうかしたみたいだ。
今、俺に神になれって言わなかったか?」
「もちろん」
(『もちろん』、じゃねぇぇぇぇぇっ!! )
胸中で絶叫した真人は、速攻で女神ルキナの説得に乗り出した。
「いいか、よーく考えるんだ。
人間ごときに神の力なんて貸し与えるもんじゃない。
人間の欲望はそれはそれは恐ろしい物なんだぞ。
それに、神の仕事なんて、一番多くて面倒に決まってんじゃねぇか!!」
力み過ぎて、思わず心の声が漏れるのだった。
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