神の手プロジェクト~新世界創造したつもりが奴に蝕まれていく~

くりくりさん

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第1章 新世界創造

15 俺の世界の名前は…

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 寝つけなかった。

 マナトは珍しく普段酒の席でしか飲まないビールを片手に、パソコンの前に座っていた。
 アルコールを入れてるのに、妙に頭が冴えている。

 明日は世界の名前を入力して、ルキナに世界創造以外の神の力の使い方を教えてもらい、お礼を言って別れる。
 そのシーンをシュミレートして、その時浮かぶ自分の感情を殺していく。

 明日は笑顔で別れる。そのために。

 ある程度終わると、マナトはビールを一気に飲み干し、肺の空気を絞り出すような大きなため息を吐いた。

「あとは、世界の名前か……」

 たくさんの名前が出てくる。
 だが、これといっていい名前はない。

 そのとき、ふと彼女の顔が頭に浮かんだ。

「そうだ、そうしよう」

 マナトは自分が思いついた名前に、少し気分を浮上させた。




 ピピピピピピッ!

「こんな所で寝るな!」

「……あれ、俺寝てた?」

 どうやら、あのままパソコンに突っ伏して寝てしまったらしい。
 パシッとルキナに頭を叩かれて目が覚めた。

 ルキナとは今日で最後だと思うと、叩かれても嬉しいのだから困る。

「む? なんだ、もう世界の名前を入れてしまったのか?」
 
 頭をぽりぽりと掻いていたマナトは、ルキナの発したその言葉に眉根を寄せた。

「んな訳ないだろ。やり方も知らないんだから、冗談は——えっ?!」

 タチの悪い冗談だと思いつつ、画面を覗き込んだマナトは驚愕の声を上げた。
 なぜなら、そこに表示されている情報は、彼女の指摘通りの状態だったからだ。

__________________________


名前 :ジェンレーン
誕生 :42055(万年)
種類 :惑星
中核 :ケイ酸塩鉱物
直径 :15600(km)

__________________________



「ジェンレーン……。どう言う意味の名前なんだ?」

「……知らない」

「知らない?」

 ジェンレーンなんて名前の候補は、昨日考えた中にもなかった。
 それに、そもそもマナトは名前をつけてはいない。
 誰が、なんのために、マナトの世界に勝手に名前をつけたのか。

 青ざめるマナトを見て、状況を察したらしいルキナも真顔になった。
 画面を覗き込んで何かを見つけると、マナトの肩を掴む。

「早く止めろ! 加速進化させている!」

「うわっ!!」

 ルキナに指摘されて、慌ててマナトは加速進化を元に戻す。
 加速進化が、『×5000000』に変更されていた。
 昨日まで、もう進化は必要ないから『×1』にしていたはずなのに。

 元には戻したが、経過した時間は神でも戻せない。

「……一体、どれだけ時間が経過したんだろ」

 昨日までの詳細な情報を、マナトは覚えていなかった。
 次から次へと続く不審な出来事に、マナトは茫然とするしかない。

「ちょっと席を代わってくれないか?」

「…………あぁ、うん」

 反応鈍く、のろのろとマナトは席を立つ。
 その空いた席にルキナは滑り込むと、マウスを手に惑星の情報をスクロールし始めた。

「……………………」

 長い沈黙。

「ルキナ?」

 ある一点を見て、手を止めてしまったルキナに、マナトは嫌な予感がしながら、名前を呼ぶ。

 固まっていたルキナが、ゆっくりと顔を上げてマナトを見た。
 その目には、憐憫の情が浮かんでいた。

「知的生命体が創作クリエイトされている。それも多種族。
 ——もちろん、人間もだ」

「!!」

 その言葉は、マナトを打ち砕いた。
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