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第2章 世界知覚
21 ナメクジはナメクジでも舐めんなよ!
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マナトは途方にくれていた。
これからどうすればいいのか全然分からない。
「……ルキナを探そう」
考えた末に出てきたのは、地道にジェンレーンを探索して、ルキナを探す、だった。
ルキナもマナトと同じ状態だとすれば、管理者権限を使えなくてこの世界に投げ出されているだろうし。
「もし、ルキナが俺の部屋に戻ってたら、向こうから何か連絡くれるだろう。
まずはルキナを見つけて、『guest』を倒すのはその次だ」
やるべきことを口にすると、マナトは少し気分が浮上した。
何も状況は変わっていないが、不安になって何もしないより、目標を立てて行動するほうが、自分には合っている。
そうと決まれば早速行動だ!
と意気込んだのはいいが、問題はどの方角に歩き出すかだった。
村か街に行って、情報収集したいのだが。
「これって、結構重要だよな……」
辺り一面は草原。
くるっとその場で回転してみても、人影どころか、建物も見当たらない。
闇雲に歩き回って、偶然人に出会える確率も少なそうだ。
最悪、方向を間違えれば、滞在一日目にして野垂れ死ぬ運命が確定するかもしれない。
「~~っ! あー、この行き詰まった感じ、久々に仕事してるって感じだな」
快適な環境で、一日八時間労働ができていた昨日までが恋しい。
悩むマナトを誰かが押したのは、そんな時だった。
「うわっ!」
押すというより、膝カックンされて、バランスを保てずに前に倒れる。
手をついて、なんとか頭を打つのは死守したが、
「誰だ! イタズラにもほど、があ…る……」
首だけで後ろを振り返って怒鳴りかけたマナトの言葉が、尻つぼみになって消えた。
そこにいたのは人間ではなかった。
マナトの腰くらいまである緑色の巨大ナメクジだった。
「き、気持ち悪っ! どこから現れたんだ、こいつ?」
これも進化の結果なのだろうか?
何をどう進化すれば、こんなに巨大なナメクジが誕生するというのか。
二つのツノがこちらを探るようにピクピク動き、ヌメヌメとしたボディで移動する。
その様子は、まさにマナトの知るナメクジと同じだが、大きい分、気持ち悪さは地球産を遥かに上回っていた。
さらに不思議なのは、今まで兎くらいしかいなかった草原に、突然現れたということだ。
この大きさだったら、さすがに見回したときに気づいているはずである。
ナメクジは、頭だか目だかわからないツノの部分で、マナトに体当たりしてきた。
先ほど膝カックンされたと思ったのは、この行動だったらしい。
「痛っ…………くはない?」
反射的に痛いと言いかけたが、衝撃は感じるものの、痛みは感じない。
マナトが痛がらないのが不服だったのか、同じ行動を何度も繰り返してきた。
「わわっ、やめろって!」
痛くはないが、だからといって黙ってやられっ放しは嫌だ。
慌てて立ち上がると、ナメクジと対峙した。
なんだこいつと思うと、ナメクジの左側にウインドウが開いた。
__________________________
種族 :ジャイアントスラッグ
ランク :E
Lv :3
HP :54/54
MP :3/3
攻撃力 :12
防御力 :3
素早さ :1
スキル :体当たり
__________________________
マナトと似たような項目が並んでいた。
決定的に違うのは、数値の桁とアビリティがないことと、あと一つ。
「ランクってなんだ?」
何かの称号か?
アバターを選んでいたときには、そんな項目はなかった記憶がある。
(にしても、この構図って……、某RPGのバトルシーンみたいじゃないか?)
ウインドウの位置は違うが、後はここにマナトのデータとコマンドが表示されれば、まさにそうなる。
「これ……、もしかしてモンスターって奴か?」
口に出してみると、そんな気がしてきた。
だとすれば、自然の進化ではなく、何かしらの手が加えられて、ここまで巨大化しているのかもしれない。
(俺の世界に知的生命体どころか、モンスターまでいるなんて……。『guest』は何考えてやがる)
これで勇者だの魔王だのが現れたら、完璧ロープレの世界だ。
(これだったら、最初にルキナが提示した世界に転生するのと大して変わらないだろ。
あー、面倒くせぇ。早く終わらせて、毎日寝倒してやる)
だが、とりあえず目の前のモンスターの対処だ。
「痛くはないけど、攻撃……されてるんだよな。
俺も攻撃していいのか?」
でも、こんなねちょねちょした奴を素手で殴りたくない。 攻撃を受けたマナトの服は、すでにねちょねちょだが。
それとこれは別なのだ。
多分、マナトのステータスなら、素手でも攻撃は通るとは思うが、直接触らないで済む武器が欲しいところだ。
「そうだ確か、空間収納にアイテム詰め込んだからって、ルキナが言ってたな」
問題はどうやって、その空間収納を呼び出すか、だ。
ジャイアントスラッグのステータスが現れたときのようにとりあえず念じてみた。
すると、手に何かが触れる感触がした。
見下ろしてみると、手のひらから先が不自然に消えていた。
「!!」
ドキッとして慌てて手を引く。すると、手は指が五本ちゃんとついていて、さっきまで手があった空間が不自然に揺らいでいた。
「これが空間収納?」
恐る恐るまた手を突っ込んでみる。
空間の中を探ってみるが、物に当たるような感覚はなかった。
「まさか、これも『guest』に何かされてるのか?
ルキナは装備を一通り入れてくれてたはずなのに」
そう思った瞬間、手の中に何かが触れた。さっきまでそこには確かに何もなかったはずなのに、まるで呼び出されたように——
「あー、そういうことか」
空間収納は呼び出し式らしい。取り出したいと思った物が瞬時に現れる。
マナトは、手に触れたそれを握ると、空間から引きずり出した。
これからどうすればいいのか全然分からない。
「……ルキナを探そう」
考えた末に出てきたのは、地道にジェンレーンを探索して、ルキナを探す、だった。
ルキナもマナトと同じ状態だとすれば、管理者権限を使えなくてこの世界に投げ出されているだろうし。
「もし、ルキナが俺の部屋に戻ってたら、向こうから何か連絡くれるだろう。
まずはルキナを見つけて、『guest』を倒すのはその次だ」
やるべきことを口にすると、マナトは少し気分が浮上した。
何も状況は変わっていないが、不安になって何もしないより、目標を立てて行動するほうが、自分には合っている。
そうと決まれば早速行動だ!
と意気込んだのはいいが、問題はどの方角に歩き出すかだった。
村か街に行って、情報収集したいのだが。
「これって、結構重要だよな……」
辺り一面は草原。
くるっとその場で回転してみても、人影どころか、建物も見当たらない。
闇雲に歩き回って、偶然人に出会える確率も少なそうだ。
最悪、方向を間違えれば、滞在一日目にして野垂れ死ぬ運命が確定するかもしれない。
「~~っ! あー、この行き詰まった感じ、久々に仕事してるって感じだな」
快適な環境で、一日八時間労働ができていた昨日までが恋しい。
悩むマナトを誰かが押したのは、そんな時だった。
「うわっ!」
押すというより、膝カックンされて、バランスを保てずに前に倒れる。
手をついて、なんとか頭を打つのは死守したが、
「誰だ! イタズラにもほど、があ…る……」
首だけで後ろを振り返って怒鳴りかけたマナトの言葉が、尻つぼみになって消えた。
そこにいたのは人間ではなかった。
マナトの腰くらいまである緑色の巨大ナメクジだった。
「き、気持ち悪っ! どこから現れたんだ、こいつ?」
これも進化の結果なのだろうか?
何をどう進化すれば、こんなに巨大なナメクジが誕生するというのか。
二つのツノがこちらを探るようにピクピク動き、ヌメヌメとしたボディで移動する。
その様子は、まさにマナトの知るナメクジと同じだが、大きい分、気持ち悪さは地球産を遥かに上回っていた。
さらに不思議なのは、今まで兎くらいしかいなかった草原に、突然現れたということだ。
この大きさだったら、さすがに見回したときに気づいているはずである。
ナメクジは、頭だか目だかわからないツノの部分で、マナトに体当たりしてきた。
先ほど膝カックンされたと思ったのは、この行動だったらしい。
「痛っ…………くはない?」
反射的に痛いと言いかけたが、衝撃は感じるものの、痛みは感じない。
マナトが痛がらないのが不服だったのか、同じ行動を何度も繰り返してきた。
「わわっ、やめろって!」
痛くはないが、だからといって黙ってやられっ放しは嫌だ。
慌てて立ち上がると、ナメクジと対峙した。
なんだこいつと思うと、ナメクジの左側にウインドウが開いた。
__________________________
種族 :ジャイアントスラッグ
ランク :E
Lv :3
HP :54/54
MP :3/3
攻撃力 :12
防御力 :3
素早さ :1
スキル :体当たり
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マナトと似たような項目が並んでいた。
決定的に違うのは、数値の桁とアビリティがないことと、あと一つ。
「ランクってなんだ?」
何かの称号か?
アバターを選んでいたときには、そんな項目はなかった記憶がある。
(にしても、この構図って……、某RPGのバトルシーンみたいじゃないか?)
ウインドウの位置は違うが、後はここにマナトのデータとコマンドが表示されれば、まさにそうなる。
「これ……、もしかしてモンスターって奴か?」
口に出してみると、そんな気がしてきた。
だとすれば、自然の進化ではなく、何かしらの手が加えられて、ここまで巨大化しているのかもしれない。
(俺の世界に知的生命体どころか、モンスターまでいるなんて……。『guest』は何考えてやがる)
これで勇者だの魔王だのが現れたら、完璧ロープレの世界だ。
(これだったら、最初にルキナが提示した世界に転生するのと大して変わらないだろ。
あー、面倒くせぇ。早く終わらせて、毎日寝倒してやる)
だが、とりあえず目の前のモンスターの対処だ。
「痛くはないけど、攻撃……されてるんだよな。
俺も攻撃していいのか?」
でも、こんなねちょねちょした奴を素手で殴りたくない。 攻撃を受けたマナトの服は、すでにねちょねちょだが。
それとこれは別なのだ。
多分、マナトのステータスなら、素手でも攻撃は通るとは思うが、直接触らないで済む武器が欲しいところだ。
「そうだ確か、空間収納にアイテム詰め込んだからって、ルキナが言ってたな」
問題はどうやって、その空間収納を呼び出すか、だ。
ジャイアントスラッグのステータスが現れたときのようにとりあえず念じてみた。
すると、手に何かが触れる感触がした。
見下ろしてみると、手のひらから先が不自然に消えていた。
「!!」
ドキッとして慌てて手を引く。すると、手は指が五本ちゃんとついていて、さっきまで手があった空間が不自然に揺らいでいた。
「これが空間収納?」
恐る恐るまた手を突っ込んでみる。
空間の中を探ってみるが、物に当たるような感覚はなかった。
「まさか、これも『guest』に何かされてるのか?
ルキナは装備を一通り入れてくれてたはずなのに」
そう思った瞬間、手の中に何かが触れた。さっきまでそこには確かに何もなかったはずなのに、まるで呼び出されたように——
「あー、そういうことか」
空間収納は呼び出し式らしい。取り出したいと思った物が瞬時に現れる。
マナトは、手に触れたそれを握ると、空間から引きずり出した。
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