101人目の勇者様！

第六章 キクラゲって漢字で書ける？

第三話 回復魔法のありがたさ

「ぐわああああああぁ！」


魔物の潜む巨大な森の中に、突如大きな叫び声があがる。
そう、その声の主は俺、勇者だ。
魔物に殴られ、とてもとても痛かったが故ゆえに出てしまった声だ。
なんとか痛みをこらえ殴られた箇所を見てみると、なんと痣あざができていた。
そりゃ痛いわけだ。あー痛い。もう死ぬだろうな。


「何で痣出来たくらいでそんな生まれたての子鹿みたいに全身プルプル震えてるんですか。早く行きますよ。」
僧侶が声をかけて罵声を浴びせてくる。
「いやいや、元ニートなめんなよ！めっちゃ痛がりなんだぞ！本当に痛いからな！」
「はいはい分かりました」

そう言いながら僧侶は俺の傷口痣に手をかざして、謎の呪文を唱えた。
するとどうだろう。傷口からは痛みは消え、残ったのは「痣くらいで死にかけていたという羞恥心」だけではないか。
さすが僧侶。感心したぞ。



こうして俺達は再び旅路についたのであった。