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番外編パート2 お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい
(4)お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい その1-2
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「向かいのビルが予備校だったのは私、地元だったから知ってたんだ。で、君が学生なのも分かった。で、綾女に連れてくるように言った理由なんだけどね」
めぐみは、黒いメッシュの背もたれがついた椅子に座った陽太の横に、座布団を着けた自分の椅子を持ってきて、陽太に膝を寄せる。
「君くらいの男の子が好む、彼女の下着についてちょっと知りたくてね」
めぐみは自分の椅子に腰掛け、膝の上で両肘をついて前かがみになり、陽太の顔をのぞき込むように上目遣いに見る。興味津々で見つめてくるめぐみに、陽太はドキドキしながら固まっていた。
「先輩、いきなりそこ言っちゃうんですか」
綾女がコーヒーを机に置きながら、めぐみにツッコミを入れる。陽太はガチガチに固まったままで、運ばれてきたコーヒーにも気づけなかった。
「ほら、陽太くんも困ってるよ。って、陽太くん、緊張しちゃってる?」
「は……はい。なんか面接を受けてる気分です」
陽太は背を伸ばして膝をしっかりと閉じ、太腿に両手を乗せて拳を握ったままで冷や汗をかいていた。
「やだなぁ。別に陽太くんいじめようとかそんなこと考えてないし、一応会社だけど、こんな感じだし、嫌な上司とか、わけわかんない人とか来ないから、安心していいよ」
めぐみは陽太を安心させるようにそう言うが……。
「じ、実は、年上の女性と喋る機会があまりなくって……」
陽太は、絞り出すような声で自白する。
「あっ……」
綾女は思わず声を上げてしまった。も、もしかしてこの子……。めぐみは綾女の様子を察知すると、椅子からすっと立ち上がって、綾女の運んできたコーヒーを取る。
「ふふっ、ごめんね。いろいろ驚かせちゃったみたいね。お詫びに陽太くん、この後、綾女を好きにしていいよ」
「えっ? それはどういう……」
「め、めぐみ先輩?」
綾女と陽太は目を丸くして、同時にめぐみを見る。
「うふふっ、多分だけど、今日は陽太くんにとっても、綾女にとっても、運命の日だったんだね。ううん。きっとそう」
めぐみはコーヒーを口にしながらふたりに微笑みかける。
「陽太くん、今まで彼女いたことないでしょ」
陽太は、めぐみの発した一言に、痛いところをぐさりと突かれる。
「は、はい。実は……」
「うんうん。初々しくていいなぁ。私もきらいじゃないけど、ね、綾女?」
「えっ、め、めぐみ先輩ーっ」
綾女は頬を赤らめながら、めぐみと陽太にどう反応していいのか困惑する。
「うんうん、ふたりとも、そんなに年離れていないはずだし、いいんじゃない?」
「そ、そういえば……」
「綾女は大学を出たばっかりで入社したてなのよ。そういえば、陽太くん第一志望ってどこ?」
「え、A大の政経です」
「えっ、A大受けるんだっ!」
綾女の顔がぱぁっと輝く。
「はい。現役では太刀打ちできなかったので、リベンジを果たしたくて……。です」
「うんうん。青春だぁー。そんな頃あったなぁー」
めぐみは懐かしそうに天井を見上げる。
「陽太くん、綾女もA大を卒業してここ来たんだよ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。私は文学だったけど、確か入試傾向はそんなに変わんなかったはず……」
「ね、綾女、陽太くんの勉強見てあげたら? ここの部屋、上手く使ってくれていいし」
「先輩っ、さすがにそれは……」
めぐみは顔を横に振って綾女の肩に手を置き、声のトーンを下げて言う。
「綾女、こういうときのための、この会社なの。言ったでしょ?」
「あっ……」
綾女は何かを思い出したように頷くと、めぐみも黙って笑顔で首を縦に振る。
「じゃ、決まりね」
めぐみはシンクに向かって自分のコーヒーを片付けると、ハンガーにかかっていた上着を取り、事務机に置いていたバッグを持つ。
「私はそろそろ帰るよ。後はふたりで仲良く……ね」
「せ、先輩?」
「ふふっ、綾女、戸締まりだけしっかりしておいてね」
そう言ってめぐみは綾女に向かってウインクをすると、そのままドアを開けて行ってしまった。
「ああっ、もうっ! いつも勝手だなぁ……」
綾女はひとつ溜息をついてから、陽太の方を見る。
「ごめんね。変なことになっちゃった……」
「いえ、僕は全然……」
「ふふっ、優しいんだ。うん。男の子は優しいのがいいよ」
そう綾女が言った後に、わずかの沈黙が流れる。部屋が静まり返って何を話したらいいのか分からない。陽太は沈黙に耐えかねて話を切り出す。
「あ……、あの、さっきのお話なんですが……」
「う……、うん、何かな?」
綾女も突然話し始めた陽太にびっくりする。
「じ、実は、予備校に自分とは合わない先生がいて、その講習だけは、どうしても、もう受けたくないんです」
「えっと……、か、科目は?」
「げ、現代文……です」
綾女はそれを聞くと、再び目を輝かせる。
「現代文なら、私、得意だったし、受験のときのテキストとか残ってるよ。ね、陽太くん、お詫びといってはなんだけど、どうかな? 私が代わりに見てあげるのは……、だめかな?」
綾女は陽太を上目遣いで見つめる。その透き通ったきれいな目で見つめられたら……。陽太はブンブンと首を横に振って綾女に言う。
「駄目じゃないですっ。こちらこそ……、よろしくお願いしますっ!」
陽太は綾女に向かって勢い良く頭を下げると、ちょうど真向かいにいた綾女の胸に頭が衝突する。ふわっとした感触が陽太の額に密接し、ほのかに甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
「わっ……、ご、ごめんなさいっ……」
陽太は慌てて椅子を引いて距離を取る。一瞬驚いた綾女だったが、その後陽太の目を見ながら微笑んで、優しく言葉を返す。
「ううん、大丈夫。私こそありがとう。これから、よろしくね」
めぐみは、黒いメッシュの背もたれがついた椅子に座った陽太の横に、座布団を着けた自分の椅子を持ってきて、陽太に膝を寄せる。
「君くらいの男の子が好む、彼女の下着についてちょっと知りたくてね」
めぐみは自分の椅子に腰掛け、膝の上で両肘をついて前かがみになり、陽太の顔をのぞき込むように上目遣いに見る。興味津々で見つめてくるめぐみに、陽太はドキドキしながら固まっていた。
「先輩、いきなりそこ言っちゃうんですか」
綾女がコーヒーを机に置きながら、めぐみにツッコミを入れる。陽太はガチガチに固まったままで、運ばれてきたコーヒーにも気づけなかった。
「ほら、陽太くんも困ってるよ。って、陽太くん、緊張しちゃってる?」
「は……はい。なんか面接を受けてる気分です」
陽太は背を伸ばして膝をしっかりと閉じ、太腿に両手を乗せて拳を握ったままで冷や汗をかいていた。
「やだなぁ。別に陽太くんいじめようとかそんなこと考えてないし、一応会社だけど、こんな感じだし、嫌な上司とか、わけわかんない人とか来ないから、安心していいよ」
めぐみは陽太を安心させるようにそう言うが……。
「じ、実は、年上の女性と喋る機会があまりなくって……」
陽太は、絞り出すような声で自白する。
「あっ……」
綾女は思わず声を上げてしまった。も、もしかしてこの子……。めぐみは綾女の様子を察知すると、椅子からすっと立ち上がって、綾女の運んできたコーヒーを取る。
「ふふっ、ごめんね。いろいろ驚かせちゃったみたいね。お詫びに陽太くん、この後、綾女を好きにしていいよ」
「えっ? それはどういう……」
「め、めぐみ先輩?」
綾女と陽太は目を丸くして、同時にめぐみを見る。
「うふふっ、多分だけど、今日は陽太くんにとっても、綾女にとっても、運命の日だったんだね。ううん。きっとそう」
めぐみはコーヒーを口にしながらふたりに微笑みかける。
「陽太くん、今まで彼女いたことないでしょ」
陽太は、めぐみの発した一言に、痛いところをぐさりと突かれる。
「は、はい。実は……」
「うんうん。初々しくていいなぁ。私もきらいじゃないけど、ね、綾女?」
「えっ、め、めぐみ先輩ーっ」
綾女は頬を赤らめながら、めぐみと陽太にどう反応していいのか困惑する。
「うんうん、ふたりとも、そんなに年離れていないはずだし、いいんじゃない?」
「そ、そういえば……」
「綾女は大学を出たばっかりで入社したてなのよ。そういえば、陽太くん第一志望ってどこ?」
「え、A大の政経です」
「えっ、A大受けるんだっ!」
綾女の顔がぱぁっと輝く。
「はい。現役では太刀打ちできなかったので、リベンジを果たしたくて……。です」
「うんうん。青春だぁー。そんな頃あったなぁー」
めぐみは懐かしそうに天井を見上げる。
「陽太くん、綾女もA大を卒業してここ来たんだよ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。私は文学だったけど、確か入試傾向はそんなに変わんなかったはず……」
「ね、綾女、陽太くんの勉強見てあげたら? ここの部屋、上手く使ってくれていいし」
「先輩っ、さすがにそれは……」
めぐみは顔を横に振って綾女の肩に手を置き、声のトーンを下げて言う。
「綾女、こういうときのための、この会社なの。言ったでしょ?」
「あっ……」
綾女は何かを思い出したように頷くと、めぐみも黙って笑顔で首を縦に振る。
「じゃ、決まりね」
めぐみはシンクに向かって自分のコーヒーを片付けると、ハンガーにかかっていた上着を取り、事務机に置いていたバッグを持つ。
「私はそろそろ帰るよ。後はふたりで仲良く……ね」
「せ、先輩?」
「ふふっ、綾女、戸締まりだけしっかりしておいてね」
そう言ってめぐみは綾女に向かってウインクをすると、そのままドアを開けて行ってしまった。
「ああっ、もうっ! いつも勝手だなぁ……」
綾女はひとつ溜息をついてから、陽太の方を見る。
「ごめんね。変なことになっちゃった……」
「いえ、僕は全然……」
「ふふっ、優しいんだ。うん。男の子は優しいのがいいよ」
そう綾女が言った後に、わずかの沈黙が流れる。部屋が静まり返って何を話したらいいのか分からない。陽太は沈黙に耐えかねて話を切り出す。
「あ……、あの、さっきのお話なんですが……」
「う……、うん、何かな?」
綾女も突然話し始めた陽太にびっくりする。
「じ、実は、予備校に自分とは合わない先生がいて、その講習だけは、どうしても、もう受けたくないんです」
「えっと……、か、科目は?」
「げ、現代文……です」
綾女はそれを聞くと、再び目を輝かせる。
「現代文なら、私、得意だったし、受験のときのテキストとか残ってるよ。ね、陽太くん、お詫びといってはなんだけど、どうかな? 私が代わりに見てあげるのは……、だめかな?」
綾女は陽太を上目遣いで見つめる。その透き通ったきれいな目で見つめられたら……。陽太はブンブンと首を横に振って綾女に言う。
「駄目じゃないですっ。こちらこそ……、よろしくお願いしますっ!」
陽太は綾女に向かって勢い良く頭を下げると、ちょうど真向かいにいた綾女の胸に頭が衝突する。ふわっとした感触が陽太の額に密接し、ほのかに甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
「わっ……、ご、ごめんなさいっ……」
陽太は慌てて椅子を引いて距離を取る。一瞬驚いた綾女だったが、その後陽太の目を見ながら微笑んで、優しく言葉を返す。
「ううん、大丈夫。私こそありがとう。これから、よろしくね」
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