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番外編パート2 お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい
(7)お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい その3-1
しおりを挟む翌日、陽太は予備校の講習が終わると、再び向かいののビルを訪れた。綾女に改めて現代文の講習をお願いするためだった。三階に上がり、白いドアをノックすると、昨日とは違う女性が出てくる。
「あら、男の子、どうしたのかな?」
「あ、陽太くん、ちょっと待っててー」
後ろから綾女の声がして出てきた女性に声をかけ、中に入れるように言う。
「え。もしかして綾女のいい人? ちょっとっ、そんなの聞いてないよ」
「昨日ちょっとね、あ、詳しい話はあと。陽太くん、シンクの方のテーブルに座ってて」
陽太は中に通され、入口の横にある木製の小さなテーブルの方に向かう。しばらく、事務机の方でめぐみを含め、四人の女性同士でわいわい話していたが、綾女がすぐに陽太のもとに駆け寄ってくる。
「ごめんね。昨日も話したけど、準備でバタバタしてて……」
綾女は昨日と同じジーンズ姿で、汗をタオルで拭いながら陽太のもとに来ると、ライムの淡い匂いが陽太の鼻腔をくすぐる。
「こちらこそすみません。お忙しいところ。今日はすぐに帰りますので」
陽太は綾女からする匂いに思わず抱きしめたくなる衝動にかられ、心臓をばくばくさせながら綾女に言う。
「そっかぁ。あ、座って。とりあえずお茶入れるよ」
綾女は陽太にそばにある椅子をすすめると、カップを二つ用意してコーヒーを淹れはじめる。陽太は遠慮するが、綾女が笑顔でコーヒーを淹れている姿を見て、すすめられるままに椅子に腰掛ける。
「嬉しいな。陽太くんから来てくれるなんて、びっくりしたよ」
綾女は陽太の前にコーヒーを置くと、自分も向かいの椅子に座ってコーヒーを置く。
「あの、昨日の話を……」
「昨日の……」
そこでふたりは昨日の夕方のことを思い出して、同時に顔に火がつく。
「い……、いえ、あの、現代文の……」
「あ、ああ、そうよね。勉強の話よね」
「それ以外に何があるのよー。綾女?」
事務机のほうからめぐみがニヤニヤしながら、茶々を入れる。
「もうっ、先輩は黙っててっ。それで、何かあったのかな?」
「いえ、予備校の講習の方をキャンセルすることを家族に伝えました。改めて、ちゃんとお話しておこうと思いまして」
「へぇー、いまどきの子にしては、かたいねー。綾女、いい子つかまえたねー」
事務机の方にいた初めて見る女性のうちのひとりが、にやけながら言う。
「もうっ、みんな仕事しててよー!」
「って言ってもねぇー」
「ねー」
「もうっ。しょうがないなぁ……」
綾女は立ち上がると、事務机の方に向かって、今日初めて会うふたりを陽太に紹介する。
「えっと、めぐみさんは昨日会ってるからいいとして、こっちが夏目裕子(なつめゆうこ)、その隣がさっき出てくれた松永香織(まつながかおり)、どっちとも、私よりちょっとだけ年上の先輩よ」
「東雲陽太といいます、宜しくお願いします。」
陽太は立ち上がると二人に向かって頭を下げる。
「ふふっ、よろしくね。さっき、ちょっとだけ話聞いたけど、綾女、ここで家庭教師するんだ」
「うん、香織。昨日、そういうことになったの。でも、今日は講習ないから来ないとばっかり思ってたの」
「そうかぁー。まだ何もないところだけど、そのうち陽太くんがすっごい喜ぶ部屋になっちゃうからね」
裕子がニヤニヤしながら陽太にピンク色の下着をダンボールからとってチラチラと見せる。
「もうっ、陽太くんは純粋なんだから、からかわないであげてっ!」
綾女が裕子に両手を振って制する。
「おっと、昨日一日で色々あったみたいねー。綾女?」
めぐみがニヤニヤしながら綾女に言うと、
「もうっ、めぐみ先輩も突っ込まないでっ。ご、ごめんね、陽太くん。みんな興味津々で……」
「い、いえ、僕は大丈夫です……」
陽太はうつむきながら頬を赤く染める。
「ま、これから陽太くん、何回もここに来ることになるから、この雰囲気には慣れておいたほうがいいよ。大丈夫、勉強するときは静かにしてるから」
めぐみが陽太にそう言うと、陽太はめぐみに向かってコクリと頷いた。
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