【最弱】の召喚術師【最強】の軍勢につき

雪雪ノ雪

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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル

最初の犠牲

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 ニーナの案で、派手にやることは決定した。次に考えるべきは、どこから消すかだ。

 これに関しては俺から案がある。

「迷宮都市インゼルのぉ......」

 迷宮都市インゼル。ダンジョン迷宮と呼ばれる、魔石しか落とさない魔物が出てくる迷宮で、そのダンジョン迷宮の上に作られた都市。

 魔石はこの世界において、無くてはならない必需品で、いくらあっても足りないぐらいだ。

 どの国もダンジョン迷宮の1つ2つは管理しており、そのダンジョン迷宮から魔石を供給している。

 この魔王国ですら2つ程ダンジョン迷宮を管理している。それほど大事な資源であり、大事な場所なのだ。

「あそこなら人が集まっているし、実力が高い冒険者達もいる。もう1つ迷宮都市はあるが、インゼルに比べると規模は小さいからな。派手に殺るならあそこがいいと思うんだがどうだ?」

「確かにあそこを落とせれば、お主が目立つだけでなく、王国の力も一気に落とせる。しかし大丈夫かのぉ?あそこには灰輝級ミスリルの冒険者もおったはずじゃが......」

 冒険者とは魔物を狩ることを専門とした職業で、魔王国を除く全ての国に存在する。

 冒険者は冒険者ギルドと呼ばれる組織が仕切っており、冒険者ギルド自体は全ての国に対して中立を宣言している。

 魔物に関しては彼らはプロフェッショナルであり、様々な魔物の被害から人々を守っている為国によっては、国を守る騎士よりも人気があったりするのだ。

 冒険者には階級があり、下から鉄級アイアン銅級ブロンズ銀級シルバー金級ゴールド白金級プラチナ灰輝級ミスリルの6段階あり、灰輝級ミスリルレベルまで行くと世界に7人しか存在しない。

 7人と言う少なさだが、彼らは人外の強さを誇っており、本当に小さい国ぐらいなら1人で落とせてしまう。

 その1人がインゼルにいるのだ。

「大丈夫だ。相手は所詮人間。生きている以上やりようはある」

「お主もその人間なのじゃが?」

「知らんな」

「......迷宮都市を落としたとして、次はどうするのじゃ?」

「王都に知られれば、間違いなく自分たちの街を固める。村が手薄になるな」

 インゼル程の街が落ちたとなれば、間違いなく混乱をもたらす。

 貴族連中は間違いなく、自分たちの街に戦力を集中させるだろう。

 それこそ、村にいたはずの駐屯兵すらも戻してな。

「その手薄になった村を叩き......生産性を下げるという訳じゃな?」

「出来れば畑は焼くか、食い散らかしておきたいな。直ぐに使えないようにしておけばそれでいい。1年もすれば、食糧難の始まりだ」

「他国からの支援、又は食料の買取はどうするのじゃ?」

「支援はまず無い。したところでしれてるし、メリットが無い。属国も余った分は分けるかもしれないが、支援と言うよりは買収だな。そして食料の買収は潰す。ひとつ残らず潰せれば、次に待っているのは平民や農奴達の反乱だ」

 王国貴族は控えめに言って腐っている。

 国の為では無く、自分の利益のためだけに重税を課すのだ。食糧難になった時まず間違いなく、自分たちの分だけは何としても確保し、平民より下の階級の人達の事は一切考えないだろう。

 そうすれば次に起こるのは反乱だ。

 いつの時代も水、食料は反乱や戦争の引き金となる。

「上手く行けば2年でこの状況に持って行ける。後は、反乱で弱った街から順に叩く。最後は王都を落として終わりだ」

「ふむ....成功率は?」

「断言しよう。ほぼ100%だ」

「ほう?」

 強気な俺の発言に、魔王陛下は眉を吊り上げる。

「随分と大きく出たのぉ」

「迷宮都市を落とせた時点で俺たちの勝ちだ。そして俺は、確実に迷宮都市を落とせるのでな」

「......まぁいい。この件はお主に全てなg......じゃなくて、一任しておるのだ。しくじっても何とかしてやる」

 このロリババァ、今全て投げたって言おうとしたな?誤魔化しきれてないぞ?

 俺の視線に気づいたのか、咳払いをして魔王陛下は何事も無かった様にニーナに話しかける。

「ところでニーナや」

「なに?お姉ちゃん」

「こやつの好きな紅茶が入っそうじゃの。妾も後で飲みに行っても良いか?」

 何故それをお前も知っている.....いや、ゼノンさん辺りが垂れ込んだな?後、俺に聞けよ。仮にも屋敷の主は俺なんだから。

「マスター?」

 どうやら、ニーナは俺に許可を求めているようだ。

 偉いぞニーナ。どっかのロリババアと違ってちゃんと分かっているな。

 .........ものすごく、ものすごーく、NOと言ってやりたいが、行ったところで魔王陛下は着いてくるのは目に見えている。

「いいぞ。このロリババアの分のお菓子も後で買うか」

 ぱぁ、とニーナの顔が明るくなる。

 どうやら魔王陛下が来ることが嬉しいようだ。

「ほう、それではこれで買うといい。もちろんお主らの分も入っておるぞ」

 そう言ってニーナの手に金貨を握らせる。

「お姉ちゃん!!多いよ!!」

 ニーナの手の中には10枚の金貨が握られていた。ゼノンさんといい、小遣いの感覚おかしくないか?

「よいよい。残った分は迷宮都市の観光にでも使うが良い」

「なぁ、魔王陛下」

「なんじゃ?」

敵情視察かんこうって名目なら予算降りる?」

「偶に、お主のその毛の生えた心臓が羨ましく思うぞ.....」

 それ程でもないね
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