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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル
仕込み
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この街を歩いた時に、仕込んだ魔法陣からラット達が次々と召喚される。
その数、500匹。俺が五感共有できるギリギリの数だ。
かなりの集中力を使う上に、自分の周りの様子が分からなくなる為ニーナに俺の周囲を警戒させている。
「よし、仕込みを始める」
今回のラット達でやる事は、街の全貌把握と人がいない場所に魔法陣を仕掛けることだ。
より効率的に、そして効果的に召喚獣達を人間に嗾ける為の街の把握と魔法陣設置だ。
召喚されたラット達に命令を出しながら、街中を駆け巡っていく。
ラットは魔物ではなく、動物に分類される生き物で、至る所にいる。その為、街中で見かけても一切の疑問を持たれない。
流石に、1箇所に1000匹集まってるとかなら目立つが、2.3匹いた所で目もくれない。
更に足が早く、大人が走るぐらいの速さで走れるので、活動範囲が広いのだ。
この街の広さ程度なら、3.4時間あれば端から端まで調べることができるだろう。
「お?ここは領主の家か?」
動かしていたラットのグループの1つが、一際大きな屋敷を発見する。
場所は大通り沿いから少し外れたところだ。
白を基調とした屋敷で、太陽の光を反射し、宝石と負けず劣らずの輝きを放っている。正直眩しすぎる気もするが、見栄を張る貴族ならばこのぐらいが当然なのかもしれない。
ここに2種間後にニーナが潜入して、首を取ってこなくてはならない。少し屋敷の中を探索しておくか。
ラット達を素早く動かしながら、屋敷の中に入っていく。
屋敷の中も、白を基調としており、ちょっと目がチカチカする。別に白色が嫌いという訳では無いが、ここまで真っ白だと少し嫌になってくる。
ラットの毛皮は茶色なので、周りが白色だととても目立つ。バレると、処分されるのは目に見えているので、なるべく迅速にそれでいて正確に屋敷の見取り図を完成させなくては。
俺は一旦他のラット達との五感共有を解き、その場に待機と命令を送る。
そして、マジックバックから紙とペンを取り出すと、屋敷の中にいるラット達を再び命令し動かす。
屋敷の中は三階建てで、2階に領主の寝室がある様だ。
俺達がこの街を滅ぼすのを決行するのは夜中の為、ニーナはここで領主の首を取って来るだろう。
屋敷の中は特にトラップのようなものは無く、何人かの警備兵が巡回しているだけのようだ。
歩き方や雰囲気を見るからに、ニーナの敵ではない。唯一まともそうな奴がいたが、到底ニーナに敵うとは思えなかった。
更に探索を進めると、とある一室から声が聞こえてくる。
どうやら応接室のようで、領主と思わしき人物と商人らしき人物が話している。
「これで宜しいですかな?」
「えぇ、ありがとうございます。ジゼル様。これであの邪魔な商会が潰せます」
「その代わり分かっていますね?ゼギンさん」
「分かっております。お約束はキチンと果たしますので、ご心配なく」
どうやら俺の予想は合っていたようで、身体は少し痩せ気味だがしっかりと鍛えられており、かなりいい生地を使った派手そうでありながら品のある服を着ているのが領主であるジゼル・フォン・エドナルフ。
中年太りしたどこにでもいるおっさんの見た目をしている、趣味の悪い派手な服を着ているのがゼギン。確かゼギン商会の会長だったか?
俺の中の貴族は、豚のように丸々とった体型に、趣味の悪すぎる派手で豪華な服を身に纏ったゴミ以下の存在だが、どうやらこのジゼルとかいう貴族は少し違うらしい。
どこかの商会を潰す手助けをする代わりに、自分の要求をしている辺りゴミ以下なのは違いないが、見た目はかなり俺の想像している貴族とは異なっている。
冒険者が多いこの街だと、デブの豚は舐められるのだろう。
だが、脳筋ではこの街の管理は出来ない。普通に優秀なんだろうな、このジゼルって人。ただ、賄賂などを受け取っている辺王国の人間だ。
王国貴族は腐りきっており、自分の利益のためなら何でもするような屑ばかりだ。場所によっては『初夜権』などと言う馬鹿げた法を作る所もある。
もちろん王族もだ。
帝国や皇国の方が何倍もマシだと思う。まぁ、あちらはあちらで問題があるちゃあるのだが、王国よりはマシだ。
「これで見取り図はいいかな?おい、ニーナ」
「どうしました、マスター?」
周囲を警戒していたニーナが、てくてくと寄ってくる。
俺は、今し方書いた屋敷の見取り図をニーナに手渡す。
「これ、ニーナが潜入して首を取って来る領主脳筋館の見取り図だ。流石に警備兵の巡回経路とかまでは調べてないが、警備兵が何人いるかとかは書いておいたら、参考にしてくれ」
「ほへぇ.......やっぱり情報収集は召喚魔法が断トツで楽ですね。私も覚えようかな.......」
「やめとけ、絶対にやめとけ。俺はどうしようもなくて覚えたものだし、召喚魔法を覚えようとするのはドMの頭がおかしい奴だけだから」
ニーナに、あんな苦行をやらせる訳には行かない。
俺は必死でニーナを止める。
「でも、私も出来た方が何かと便利じゃありません?」
「便利かもしれないが、召喚魔法を覚えるぐらいなら、探知魔法を極めてくれ。そっちの方が実用性がある。召喚魔法は俺がやればいいんだからな」
「うーん、そこまで言うならそうしますが........」
ニーナは少し残念そうにしながらも、周囲の警戒に戻って行った。
あっぶねぇ.......あんな苦行をニーナにやらせるところだった。今後も注意しないとニーナがやり出しかねない..........気をつけなければ。
その後、仕込みは無事に終わり、崩壊の準備は着々と進むのだった。
その数、500匹。俺が五感共有できるギリギリの数だ。
かなりの集中力を使う上に、自分の周りの様子が分からなくなる為ニーナに俺の周囲を警戒させている。
「よし、仕込みを始める」
今回のラット達でやる事は、街の全貌把握と人がいない場所に魔法陣を仕掛けることだ。
より効率的に、そして効果的に召喚獣達を人間に嗾ける為の街の把握と魔法陣設置だ。
召喚されたラット達に命令を出しながら、街中を駆け巡っていく。
ラットは魔物ではなく、動物に分類される生き物で、至る所にいる。その為、街中で見かけても一切の疑問を持たれない。
流石に、1箇所に1000匹集まってるとかなら目立つが、2.3匹いた所で目もくれない。
更に足が早く、大人が走るぐらいの速さで走れるので、活動範囲が広いのだ。
この街の広さ程度なら、3.4時間あれば端から端まで調べることができるだろう。
「お?ここは領主の家か?」
動かしていたラットのグループの1つが、一際大きな屋敷を発見する。
場所は大通り沿いから少し外れたところだ。
白を基調とした屋敷で、太陽の光を反射し、宝石と負けず劣らずの輝きを放っている。正直眩しすぎる気もするが、見栄を張る貴族ならばこのぐらいが当然なのかもしれない。
ここに2種間後にニーナが潜入して、首を取ってこなくてはならない。少し屋敷の中を探索しておくか。
ラット達を素早く動かしながら、屋敷の中に入っていく。
屋敷の中も、白を基調としており、ちょっと目がチカチカする。別に白色が嫌いという訳では無いが、ここまで真っ白だと少し嫌になってくる。
ラットの毛皮は茶色なので、周りが白色だととても目立つ。バレると、処分されるのは目に見えているので、なるべく迅速にそれでいて正確に屋敷の見取り図を完成させなくては。
俺は一旦他のラット達との五感共有を解き、その場に待機と命令を送る。
そして、マジックバックから紙とペンを取り出すと、屋敷の中にいるラット達を再び命令し動かす。
屋敷の中は三階建てで、2階に領主の寝室がある様だ。
俺達がこの街を滅ぼすのを決行するのは夜中の為、ニーナはここで領主の首を取って来るだろう。
屋敷の中は特にトラップのようなものは無く、何人かの警備兵が巡回しているだけのようだ。
歩き方や雰囲気を見るからに、ニーナの敵ではない。唯一まともそうな奴がいたが、到底ニーナに敵うとは思えなかった。
更に探索を進めると、とある一室から声が聞こえてくる。
どうやら応接室のようで、領主と思わしき人物と商人らしき人物が話している。
「これで宜しいですかな?」
「えぇ、ありがとうございます。ジゼル様。これであの邪魔な商会が潰せます」
「その代わり分かっていますね?ゼギンさん」
「分かっております。お約束はキチンと果たしますので、ご心配なく」
どうやら俺の予想は合っていたようで、身体は少し痩せ気味だがしっかりと鍛えられており、かなりいい生地を使った派手そうでありながら品のある服を着ているのが領主であるジゼル・フォン・エドナルフ。
中年太りしたどこにでもいるおっさんの見た目をしている、趣味の悪い派手な服を着ているのがゼギン。確かゼギン商会の会長だったか?
俺の中の貴族は、豚のように丸々とった体型に、趣味の悪すぎる派手で豪華な服を身に纏ったゴミ以下の存在だが、どうやらこのジゼルとかいう貴族は少し違うらしい。
どこかの商会を潰す手助けをする代わりに、自分の要求をしている辺りゴミ以下なのは違いないが、見た目はかなり俺の想像している貴族とは異なっている。
冒険者が多いこの街だと、デブの豚は舐められるのだろう。
だが、脳筋ではこの街の管理は出来ない。普通に優秀なんだろうな、このジゼルって人。ただ、賄賂などを受け取っている辺王国の人間だ。
王国貴族は腐りきっており、自分の利益のためなら何でもするような屑ばかりだ。場所によっては『初夜権』などと言う馬鹿げた法を作る所もある。
もちろん王族もだ。
帝国や皇国の方が何倍もマシだと思う。まぁ、あちらはあちらで問題があるちゃあるのだが、王国よりはマシだ。
「これで見取り図はいいかな?おい、ニーナ」
「どうしました、マスター?」
周囲を警戒していたニーナが、てくてくと寄ってくる。
俺は、今し方書いた屋敷の見取り図をニーナに手渡す。
「これ、ニーナが潜入して首を取って来る領主脳筋館の見取り図だ。流石に警備兵の巡回経路とかまでは調べてないが、警備兵が何人いるかとかは書いておいたら、参考にしてくれ」
「ほへぇ.......やっぱり情報収集は召喚魔法が断トツで楽ですね。私も覚えようかな.......」
「やめとけ、絶対にやめとけ。俺はどうしようもなくて覚えたものだし、召喚魔法を覚えようとするのはドMの頭がおかしい奴だけだから」
ニーナに、あんな苦行をやらせる訳には行かない。
俺は必死でニーナを止める。
「でも、私も出来た方が何かと便利じゃありません?」
「便利かもしれないが、召喚魔法を覚えるぐらいなら、探知魔法を極めてくれ。そっちの方が実用性がある。召喚魔法は俺がやればいいんだからな」
「うーん、そこまで言うならそうしますが........」
ニーナは少し残念そうにしながらも、周囲の警戒に戻って行った。
あっぶねぇ.......あんな苦行をニーナにやらせるところだった。今後も注意しないとニーナがやり出しかねない..........気をつけなければ。
その後、仕込みは無事に終わり、崩壊の準備は着々と進むのだった。
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