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第100層 灰霊宮殿 -アッシュパレス-
第7話 ボス部屋の隠し部屋
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【禍津世界樹の洞 第100層 深淵の玉座】
部屋は薄暗い。背後のボス部屋の燭台の灯りが少し入ってきてはいるが、それでも精々足元を照らすくらいで、2歩先は影となって何も見えなかった。
「しゃーない……ライト付けるか」
僕は肩の上で浮遊する魔導カメラを掴み、レンズとは逆部分、お尻のところにあるコントロールパネルを操作し、ライトを点灯させた。
丸いレンズを覆うようにドーナツ型に備え付けられたライトが部屋の中を照らす。最初に警戒するべきはモンスターの存在だ。ライトに照らされて襲い掛かってくるようなモンスターは……どうやらいない。
「ふぅ……ここはなんだろう……倉庫……な訳ないよな」
玉座の間に倉庫が隣接されてるなんて話は聞いたことがない。しかし見渡す限り、荷物のような物がそこら中に置かれていた。
「何の部屋だろう? 有識者いるか?」
スマホを取り出し、コメント欄を見るが助かりそうな情報はなかった。
仕方なく僕はその辺の箱やら何やらを物色し始めた。何か役に立つ物があれば助かるんだが……。
「……お? なんだあれ」
積み重なった木箱の向こう側に何かが見えた。よく見ようと顔を近づけてみるが、薄暗くて見えない。
ライトで照らしながら見ようとしても、僕が邪魔で結局影になってよくわからなかった。
「うーん……あ、そうだ」
ポン、と手を叩いた僕は魔導カメラを掴んで木箱の隙間に押し付け、スマホの配信画面を見てみる。こうすればカメラの映像が直接……うーん、画面が小さくてよく見えない。
配信画面をスワイプし、コメント欄を確認してみる。
「何が見えるか教えて~」
『扉』
『扉』
『ドア』
「ドア? なんでこんな積んだ木箱の裏にドアがあるんだよ……」
理由は分からないが、端的に言って怪し過ぎる。何があるか分からないが、何かを隠しているのは明らかだった。
「怪し過ぎるよな~? よーし、この邪魔な木箱を動かして開けてみようぜ!」
コメント欄は大盛り上がりだ。彼等もこのドアの向こうが気になってしょうがないみたいだ。
そりゃあそうだ。高難易度ダンジョンの誰も見た事がない最下層の隠された扉。
気にならないはずがなかった。
僕はゆっくりと一番上の木箱に手を掛ける。中身は何が入ってるのか分からないが、そんなに重くない。
それを慎重にゆっくりと床の上に下ろす。万が一落としたとなったら、もしかしたらラスボスが駆け込んでくるかもしれない。失敗は許されないだろう。
ゆっくり、ゆっくりと時間を掛けて木箱を下ろしていく。下ろした木箱を丁寧に積んで足場にし、上の方の木箱も下ろしていく。
「ふぅ……こんなもんかな」
グッと腰に手を当てて背筋を伸ばす。久しぶりに肉体労働をした気分だ。
木箱の隙間から覗くことしかできなかった謎のドアは、しっかりとカメラに納まっている。
当然、僕にもしっかりと見えていた。現れた扉は、この部屋に入ってきた扉よりも古く、所々切れ目のような穴がある。ちょっと強めに体当たりとかしたら壊れてしまいそうだ。しないけども。
「開けてみるか……!」
コメント欄もよう盛り上がっておる。急かすコメントばっかりだ。視聴者数も10万以上をキープしている。時間が時間だし寝る人もいるかもしれないが、それを補うように新規の人も増えている。
よく見ればチャンネルフォロー数も結構な数だ。このフォローとは別に月額登録ができるサブスクライブ登録者数も、僕には想像もつかないような人数が登録されていた。
そーっとドアノブに触れる。熱くもないし、電気も流れていない。ぎゅっと握り締め、手前に引く。
「……あ!」
扉の向こうは小さな小部屋だった。調度品も家具もない寒々しい部屋だった。だが、その中央に、一つだけ物が置いてあった。
「宝箱だ……!」
カメラのライトが照らし出したのは金の装飾が施された黒い箱だった。
部屋は薄暗い。背後のボス部屋の燭台の灯りが少し入ってきてはいるが、それでも精々足元を照らすくらいで、2歩先は影となって何も見えなかった。
「しゃーない……ライト付けるか」
僕は肩の上で浮遊する魔導カメラを掴み、レンズとは逆部分、お尻のところにあるコントロールパネルを操作し、ライトを点灯させた。
丸いレンズを覆うようにドーナツ型に備え付けられたライトが部屋の中を照らす。最初に警戒するべきはモンスターの存在だ。ライトに照らされて襲い掛かってくるようなモンスターは……どうやらいない。
「ふぅ……ここはなんだろう……倉庫……な訳ないよな」
玉座の間に倉庫が隣接されてるなんて話は聞いたことがない。しかし見渡す限り、荷物のような物がそこら中に置かれていた。
「何の部屋だろう? 有識者いるか?」
スマホを取り出し、コメント欄を見るが助かりそうな情報はなかった。
仕方なく僕はその辺の箱やら何やらを物色し始めた。何か役に立つ物があれば助かるんだが……。
「……お? なんだあれ」
積み重なった木箱の向こう側に何かが見えた。よく見ようと顔を近づけてみるが、薄暗くて見えない。
ライトで照らしながら見ようとしても、僕が邪魔で結局影になってよくわからなかった。
「うーん……あ、そうだ」
ポン、と手を叩いた僕は魔導カメラを掴んで木箱の隙間に押し付け、スマホの配信画面を見てみる。こうすればカメラの映像が直接……うーん、画面が小さくてよく見えない。
配信画面をスワイプし、コメント欄を確認してみる。
「何が見えるか教えて~」
『扉』
『扉』
『ドア』
「ドア? なんでこんな積んだ木箱の裏にドアがあるんだよ……」
理由は分からないが、端的に言って怪し過ぎる。何があるか分からないが、何かを隠しているのは明らかだった。
「怪し過ぎるよな~? よーし、この邪魔な木箱を動かして開けてみようぜ!」
コメント欄は大盛り上がりだ。彼等もこのドアの向こうが気になってしょうがないみたいだ。
そりゃあそうだ。高難易度ダンジョンの誰も見た事がない最下層の隠された扉。
気にならないはずがなかった。
僕はゆっくりと一番上の木箱に手を掛ける。中身は何が入ってるのか分からないが、そんなに重くない。
それを慎重にゆっくりと床の上に下ろす。万が一落としたとなったら、もしかしたらラスボスが駆け込んでくるかもしれない。失敗は許されないだろう。
ゆっくり、ゆっくりと時間を掛けて木箱を下ろしていく。下ろした木箱を丁寧に積んで足場にし、上の方の木箱も下ろしていく。
「ふぅ……こんなもんかな」
グッと腰に手を当てて背筋を伸ばす。久しぶりに肉体労働をした気分だ。
木箱の隙間から覗くことしかできなかった謎のドアは、しっかりとカメラに納まっている。
当然、僕にもしっかりと見えていた。現れた扉は、この部屋に入ってきた扉よりも古く、所々切れ目のような穴がある。ちょっと強めに体当たりとかしたら壊れてしまいそうだ。しないけども。
「開けてみるか……!」
コメント欄もよう盛り上がっておる。急かすコメントばっかりだ。視聴者数も10万以上をキープしている。時間が時間だし寝る人もいるかもしれないが、それを補うように新規の人も増えている。
よく見ればチャンネルフォロー数も結構な数だ。このフォローとは別に月額登録ができるサブスクライブ登録者数も、僕には想像もつかないような人数が登録されていた。
そーっとドアノブに触れる。熱くもないし、電気も流れていない。ぎゅっと握り締め、手前に引く。
「……あ!」
扉の向こうは小さな小部屋だった。調度品も家具もない寒々しい部屋だった。だが、その中央に、一つだけ物が置いてあった。
「宝箱だ……!」
カメラのライトが照らし出したのは金の装飾が施された黒い箱だった。
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