42 / 81
第80層 白骨平原 -アスティアルフィールド-
第42話 男の子が大好きなやつ
しおりを挟む
【禍津世界樹の洞 87層 白骨平原】
ラースヴァイパーとの戦闘後、しばらく歩いてスマホのGPSが87層に切り替わったのを確認してからハドラー達にそのことを連絡した。
歩いていて分かったことだが、やはりあの雨はラースヴァイパーの仕業だった。極端な豪雨と、歩いて戦闘した位置を離れたところ、乾いた草地になったからだ。
極端で局地的な豪雨は対象の視界と動きを悪くさせ、精神を擦り減らす。そうして弱ったところを圧倒的膂力で狩るのがラースヴァイパーの習性なのだろう。
憤怒の割に随分狡猾なやり口だ。
それぞれで焚いた焚火を囲う。朝食のお礼なのか、今夜はハドラー達が夕食をお裾分けしてくれた。乾燥させた肉を香辛料で味付けして焼いたという料理だ。なんでも、ホワイトオーク族に伝わる伝統料理だとか。
「旨いな、これ」
「口の中がピリッとして、凄いです。乾燥したお肉でも焼くと香ばしい油が出るんですね」
白胡椒のような風味が懐かしい。気付いたらあっという間に食べ終わっていたくらい、夢中になって齧っていた。
食事を終えた僕はハドラー達にお礼を言おうと思ってオーク組の焚火へと向かった。見れば食事はもう終わっていたようで、今回の戦闘で入手したラースヴァイパーの槍の鑑賞会が開かれていた。
「美味しい料理、どうもありがとう」
「あ、王様~」
人懐っこいアレッドが僕を見て嬉しそうに笑う。強面オークなのに可愛いとか狡いだろう……!
アレッドの肩を軽く叩いてから焚火の傍に腰を下ろす。
「それか。ラースヴァイパーのドロップアイテムは」
「はい。話には聞いたことがあります。憤怒の蛇を倒すことで得られる武器があると。信じてはいませんでしたが」
そんなにドロップ率が低いのかな。結構強そうだもんな。それに憤怒というと七つの大罪の一つだ。男の子は大好きなやつ。大層な名前のついてるモンスターだなとは思っていたが、きっとレアなモンスターだったんだろうな。
「あんなでかいモンスターは初めて見たよ。ハラハラしながら見てたけど、余計な心配だったね」
「俺達も初めてでしたが、日々の訓練のお陰でなんとか」
「あの鋭い突き、立派だった。その槍はハドラーの為に現れたのかもね」
この中で専門的に槍を使えるのはハドラーだけだ。次期長老としても箔がつくだろう。
改めて槍を見る。腕のある蛇からドロップしたが、腕の無い本来の姿の蛇が柄に絡み、ガバッと開いた口から二又の穂先が伸びている。その刃はラースヴァイパーの特徴的なあの逆立った鱗を模しているのか、鋭い返しがいくつも連なって形成されている。これに刺されたら酷い怪我になるだろうな……見てるだけで何だか背中が痛くなってくる。
「名前とかあるのか?」
「さっき皆で話してたんですけど、ラースヴァイパーから取って【ラースエッジ】と名付けようかなって」
「いいね……めちゃくちゃ格好良い!」
「やっぱり王様もそう思う!?」
アレッドが身を乗り出し、目をキラキラさせながら尋ねてくる。
「うん、羨ましいくらいだよ」
「俺が考えたんだよ~!」
「アレッドは名付けの才能があるなぁ」
「ふふふふ……!」
「他にはどんな意見が出たんだ?」
キーロやブルーノ、勿論ハドラーも様々な意見を出したみたいだけど、アレッドのが飛び抜けてセンスがあったみたいで、結局全員が納得せざるを得ないくらいだったようだ。こういうのって考えるのめちゃくちゃ楽しいんだよな……盛り上がるのも分かる。
「格好良いと言えば王様の武器も格好良いよな」
思い出したようにキーロが言う。座るのに邪魔で外して地面に直置きしたスクナヒコナを手に取り、鞘から抜いてみせる。
「キーロの剣も格好良いけど、僕の剣もなかなかだろ?」
「それがあの大きいのになるの?」
「ん? あぁいや、あれは別の剣。これだろ?」
キーロが言ってるのはリョウメンスクナの方だろう。長老ガーニッシュを分からせたあの剣はでかすぎて大変なのでレッグポーチに仕舞ってある。
それを引き抜いてやると、皆驚いていた。こんなにでかい剣が小さなポーチから出てくるんだからビックリするよな。
「それそれ! 長老倒した大剣!」
「凄いです、めちゃくちゃ格好良い!」
キーロもブルーノもめっちゃヨイショしてくれるから気分が良い。特にブルーノは同じ大剣使いとして憧れるものがあるのだろう。キラキラした目でリョウメンスクナをジーっと見つめていた。
「持ってみるか?」
「えっ、いいんですか!?」
「ちょっとくらい大丈夫だよ」
「やった、ありがとうございます!」
跳ねるように立ち上がったブルーノが腰を折って頭を下げる。それでようやく頭の天辺が見えるんだから立派な体躯だ。
手の平をズボンでゴシゴシ拭いてから手を伸ばすので、その手に渡してあげようとしたその瞬間、八咫が僕の頭の上に留まった。
「やめておけ」
「っ!」
驚き、反射的に手を引っ込めた。ブルーノはブルーノで、八咫に止められたことで先程まで満面の笑顔だったのに今はすっかり青褪めている。
「私が王と認めた人間以外が触れると神罰が下ることになるぞ」
「マジかよ……」
「申し訳ございません、申し訳ございません、申し訳ございません……っ!」
「いや、ブルーノは全然悪くないよ。僕が知らなかっただけだから」
剣を置き、土下座して謝るブルーノの肩を掴んで頭を上げさせる。
「ブルーノが無事で良かった。ありがとう、八咫。本当に助かった」
「問題ない。無駄な神罰執行をしたくなかっただけだ。オークよ、面を上げよ。貴様に罪はない。どちらかと言えば王の証である王剣を臣下にホイホイ渡そうとするこいつが馬鹿なのだ」
「そこまで言わなくても……いや、渡したらどうなったかと思うと言ってくれていい。本当に僕が馬鹿だった」
僕と八咫が必死に慰めたことでブルーノは顔を上げてくれた。自らを罰しそうな程に泣いた顔を見ると、僕までもらい泣きしそうだった。
「ごめんな……触らせてあげたかったけれど、ブルーノに死なれると僕も悲しい」
「はい……」
「よし、逆の立場になろう。ブルーノの剣を僕に触らせてくれ。ラースヴァイパーをぶった切った時、格好良くて興奮したんだよな」
僕の言葉をちゃんと聞いてくれたからか、それからは気を取り直してくれて、ブルーノは大剣を貸してくれた。
これがまためちゃくちゃ重くて、あのラースヴァイパーの巨躯を寸断できるのも納得できた。まず持ち上げるのに相当な筋力が必要だった。これを自由自在に操るブルーノの力の強さと器用さは目を見張るものがある。
でもお陰様でリョウメンスクナの運用方法もだんだん見えてきた気がする。重さを増やして遠心力を付ける斬撃なんか良いな……。
そんな妄想をブルーノ達と語り合っていると八咫が僕を突く。何だと振り返ると、敷いたリネンの上に座ったアイザがこっくりこっくりと舟を漕いでいた。
僕は申し訳ない気持ちで慌てて妄想会議を閉会し、アイザを寝かせて僕も床に就いたのだった。
ラースヴァイパーとの戦闘後、しばらく歩いてスマホのGPSが87層に切り替わったのを確認してからハドラー達にそのことを連絡した。
歩いていて分かったことだが、やはりあの雨はラースヴァイパーの仕業だった。極端な豪雨と、歩いて戦闘した位置を離れたところ、乾いた草地になったからだ。
極端で局地的な豪雨は対象の視界と動きを悪くさせ、精神を擦り減らす。そうして弱ったところを圧倒的膂力で狩るのがラースヴァイパーの習性なのだろう。
憤怒の割に随分狡猾なやり口だ。
それぞれで焚いた焚火を囲う。朝食のお礼なのか、今夜はハドラー達が夕食をお裾分けしてくれた。乾燥させた肉を香辛料で味付けして焼いたという料理だ。なんでも、ホワイトオーク族に伝わる伝統料理だとか。
「旨いな、これ」
「口の中がピリッとして、凄いです。乾燥したお肉でも焼くと香ばしい油が出るんですね」
白胡椒のような風味が懐かしい。気付いたらあっという間に食べ終わっていたくらい、夢中になって齧っていた。
食事を終えた僕はハドラー達にお礼を言おうと思ってオーク組の焚火へと向かった。見れば食事はもう終わっていたようで、今回の戦闘で入手したラースヴァイパーの槍の鑑賞会が開かれていた。
「美味しい料理、どうもありがとう」
「あ、王様~」
人懐っこいアレッドが僕を見て嬉しそうに笑う。強面オークなのに可愛いとか狡いだろう……!
アレッドの肩を軽く叩いてから焚火の傍に腰を下ろす。
「それか。ラースヴァイパーのドロップアイテムは」
「はい。話には聞いたことがあります。憤怒の蛇を倒すことで得られる武器があると。信じてはいませんでしたが」
そんなにドロップ率が低いのかな。結構強そうだもんな。それに憤怒というと七つの大罪の一つだ。男の子は大好きなやつ。大層な名前のついてるモンスターだなとは思っていたが、きっとレアなモンスターだったんだろうな。
「あんなでかいモンスターは初めて見たよ。ハラハラしながら見てたけど、余計な心配だったね」
「俺達も初めてでしたが、日々の訓練のお陰でなんとか」
「あの鋭い突き、立派だった。その槍はハドラーの為に現れたのかもね」
この中で専門的に槍を使えるのはハドラーだけだ。次期長老としても箔がつくだろう。
改めて槍を見る。腕のある蛇からドロップしたが、腕の無い本来の姿の蛇が柄に絡み、ガバッと開いた口から二又の穂先が伸びている。その刃はラースヴァイパーの特徴的なあの逆立った鱗を模しているのか、鋭い返しがいくつも連なって形成されている。これに刺されたら酷い怪我になるだろうな……見てるだけで何だか背中が痛くなってくる。
「名前とかあるのか?」
「さっき皆で話してたんですけど、ラースヴァイパーから取って【ラースエッジ】と名付けようかなって」
「いいね……めちゃくちゃ格好良い!」
「やっぱり王様もそう思う!?」
アレッドが身を乗り出し、目をキラキラさせながら尋ねてくる。
「うん、羨ましいくらいだよ」
「俺が考えたんだよ~!」
「アレッドは名付けの才能があるなぁ」
「ふふふふ……!」
「他にはどんな意見が出たんだ?」
キーロやブルーノ、勿論ハドラーも様々な意見を出したみたいだけど、アレッドのが飛び抜けてセンスがあったみたいで、結局全員が納得せざるを得ないくらいだったようだ。こういうのって考えるのめちゃくちゃ楽しいんだよな……盛り上がるのも分かる。
「格好良いと言えば王様の武器も格好良いよな」
思い出したようにキーロが言う。座るのに邪魔で外して地面に直置きしたスクナヒコナを手に取り、鞘から抜いてみせる。
「キーロの剣も格好良いけど、僕の剣もなかなかだろ?」
「それがあの大きいのになるの?」
「ん? あぁいや、あれは別の剣。これだろ?」
キーロが言ってるのはリョウメンスクナの方だろう。長老ガーニッシュを分からせたあの剣はでかすぎて大変なのでレッグポーチに仕舞ってある。
それを引き抜いてやると、皆驚いていた。こんなにでかい剣が小さなポーチから出てくるんだからビックリするよな。
「それそれ! 長老倒した大剣!」
「凄いです、めちゃくちゃ格好良い!」
キーロもブルーノもめっちゃヨイショしてくれるから気分が良い。特にブルーノは同じ大剣使いとして憧れるものがあるのだろう。キラキラした目でリョウメンスクナをジーっと見つめていた。
「持ってみるか?」
「えっ、いいんですか!?」
「ちょっとくらい大丈夫だよ」
「やった、ありがとうございます!」
跳ねるように立ち上がったブルーノが腰を折って頭を下げる。それでようやく頭の天辺が見えるんだから立派な体躯だ。
手の平をズボンでゴシゴシ拭いてから手を伸ばすので、その手に渡してあげようとしたその瞬間、八咫が僕の頭の上に留まった。
「やめておけ」
「っ!」
驚き、反射的に手を引っ込めた。ブルーノはブルーノで、八咫に止められたことで先程まで満面の笑顔だったのに今はすっかり青褪めている。
「私が王と認めた人間以外が触れると神罰が下ることになるぞ」
「マジかよ……」
「申し訳ございません、申し訳ございません、申し訳ございません……っ!」
「いや、ブルーノは全然悪くないよ。僕が知らなかっただけだから」
剣を置き、土下座して謝るブルーノの肩を掴んで頭を上げさせる。
「ブルーノが無事で良かった。ありがとう、八咫。本当に助かった」
「問題ない。無駄な神罰執行をしたくなかっただけだ。オークよ、面を上げよ。貴様に罪はない。どちらかと言えば王の証である王剣を臣下にホイホイ渡そうとするこいつが馬鹿なのだ」
「そこまで言わなくても……いや、渡したらどうなったかと思うと言ってくれていい。本当に僕が馬鹿だった」
僕と八咫が必死に慰めたことでブルーノは顔を上げてくれた。自らを罰しそうな程に泣いた顔を見ると、僕までもらい泣きしそうだった。
「ごめんな……触らせてあげたかったけれど、ブルーノに死なれると僕も悲しい」
「はい……」
「よし、逆の立場になろう。ブルーノの剣を僕に触らせてくれ。ラースヴァイパーをぶった切った時、格好良くて興奮したんだよな」
僕の言葉をちゃんと聞いてくれたからか、それからは気を取り直してくれて、ブルーノは大剣を貸してくれた。
これがまためちゃくちゃ重くて、あのラースヴァイパーの巨躯を寸断できるのも納得できた。まず持ち上げるのに相当な筋力が必要だった。これを自由自在に操るブルーノの力の強さと器用さは目を見張るものがある。
でもお陰様でリョウメンスクナの運用方法もだんだん見えてきた気がする。重さを増やして遠心力を付ける斬撃なんか良いな……。
そんな妄想をブルーノ達と語り合っていると八咫が僕を突く。何だと振り返ると、敷いたリネンの上に座ったアイザがこっくりこっくりと舟を漕いでいた。
僕は申し訳ない気持ちで慌てて妄想会議を閉会し、アイザを寝かせて僕も床に就いたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる