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第80層 白骨平原 -アスティアルフィールド-
第54話 オーク達との別れと宣戦布告
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「また来てください」
「あぁ、勿論。それまで元気でな」
ガラッハの入口でハドラーと握手をして別れの挨拶を言い合う。握った手から伝わってくるのは強い意志だ。この集落を良くしたいとか、あの父のようにはならないとか、そういった感情が伝わってくる。
ハドラー達に手を振りながら離れ、ハルピュイアモードのヴァネッサの背中に乗る。アイザもすでに乗っている。八咫は僕の肩だ。
ホワイトオーク達に手を振っていると羽ばたいたヴァネッサがゆっくりと高度を上げていく。落ちないようにしっかりしがみ付いていると、あっという間に見えなくなった。
「空の旅というのもいいもんだな」
「楽でいいですね」
空の旅というのはとても気持ちがいい。ヴァネッサも気持ち良さそうに飛んでいるので、それを見ているだけでも色んな嫌な気持ちが抜けていくようだ。
風を切って飛ぶ体験は2回目だけど、本当に楽しい。自分で飛べたらもっと楽しいかもしれないけれど、これはこれで良いもんだ。
前回の旅とは違うルートでまっすぐ飛ぶ。最後にベクタを一目見れたらなと思ったが、79層に進むための階段は別の方向にある為に視界にも入らなかった。
あっという間に階段の場所へとやってきた。これまでずっと草原と大小様々な骨が転がっていただけの平原に、大きな白い山が現れた。木も草も生えていないそれは、近付くにつれてそれが大きな骨の塊であることが分かる。
色んな部位の骨を圧縮させたような骨の塊の一部分にだけ空洞ができている。そこは上へ続く階段だ。一人ずつ縦に並んでしか進めないような細い階段を登っていくと、見慣れた広い空間に出た。
80番台に来てからここまで長かった……ようやく81層を抜け、80層の安全地帯へとやってきた。
【禍津世界樹の洞 第80層 白骨平原 安全地帯】
八咫、アイザ、そして新規加入メンバーであるヴァネッサを加えた4人で焚火を囲む。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「美味しそ~!」
アイザが旅立つ時にもらったんだろうか、骨製の器にスープが注がれていく。まだ集落を離れて1日程しか経っていないが、妙な懐かしさに胸がきゅーっと縮む感覚に陥る。
その中に注がれたスープは細かい野菜が沢山入った少し濁りのあるスープだ。そっとスプーンを入れて掬い、零れないように息を吹いて少し冷ましてからゆっくりと口の中へ流す。
「んんっ……、美味しい!」
「ありがとうございますっ」
野菜の甘味とスパイスの効いた味が口内で一気に広がる。煮崩れた野菜も舌の上で崩れるように溶けて旨味だけを残して消えていく。口の中の味がなくなれば次、なくなれば次と、だんだんと中毒のように何度も何度も、味わうことも忘れて食べている間に器の中が空っぽになってしまった。
「お代わりどうですか?」
「いる!」
一も二も無く僕はその提案に賛成し、器を突き出した。
食後、今後の進路を八咫と中心に相談する。
「道はいくつかあるけれど、次に向かうのはどこなんだ?」
「今後、ダンジョンを出た後の商売の為のコネを確保しにいこうと思う」
なんだっけ。八咫が言っていたのは魔力石の採掘だったな。
「じゃあ鉱山か」
「あぁ。向かう先は黒刻大山脈。各層にある階層都市を巡ることになる」
「おぉ……面白そう!」
スプーンをガジガジと齧っていたヴァネッサが楽しそうに両手を上げる。層名も格好良いし階層都市というのも確かに面白そうだ。このダンジョンのようにいくつも層が重なってできた都市、という認識だろうか。移動とか不便そうだけど……エレベーターとかあると嬉しいな。
「そこでドワーフと友好関係を築く。できればある程度素材を入手できるといいな。アイザやヴァネッサの装備も整えたい」
「そうだな。弓と……短剣も使ってたっけ。それとヴァネッサは肉弾戦だったからそういう系の装備が欲しいな」
「私様は重いの苦手だから軽めので!」
「あ、私もそっちの方向でお願いします」
「よし。じゃあ今日のところは寝るとしよう」
方針が決まったので解散ということになった。焚火は調理の為に焚いたので別に維持する必要はない。燃え移るものもないし放っておけば勝手に消えるだろう。
各々、適当に距離を置いて離れて寝転がる。八咫はアイザと一緒に。ヴァネッサはまだ温もりが残る焚火の傍に。僕は皆が視界に入る場所で、尚且つ少し距離を置いて壁際に背を預けてスマホを弄っていた。
「そろそろ僕も将来のことを考えないといけないなってところまで来たんだよな」
『王様になるって話?』
「それもあるけれど、その為にはまずここを出るって話じゃん? でもそもそもの話、僕がこうなった原因をどうにかしないといけない。ニュースにもなってるから知ってると思うけれど、よくないリスナーがちょっといたよね」
僕を99層に放り込んだ悪逆リスナー。僕も酔って寝てしまったのも悪いかもしれないが、安全地帯で休憩を理由に宿泊することは探索者界隈では別段、変わったことではない。
ただ、僕が初心者配信者でちょうど都市伝説があって面白いからって理由だけでそこへ放り込んだのだ。僕がこうして生きてるのはただ運が良かっただけ。
「アーカイブに残ってる僕を転送罠に放り込んだ奴を探し出して探索者協会で処分してもらう。僕はダンジョンの中にいて出向いて行動することができないから皆に情報を集めてもらいたい」
『しょうちゃん、遅いぞ』
『もう全部特定されてる』
『しょうちゃんが行動してないだけでネットでは全部晒されてる』
僕は全然予想してなかった展開にスマホを取り落としそうになった。危ない危ない……。
「マジかよ。それ正しい情報だったら詳細情報を僕の配信アカウントに送っておいてくれないか?」
コメント欄にうんとかおっけーという言葉がどんどん流れていき、5分もしない間にアーカイブのスクリーンショットと名前から何まで全部詳細に書かれたダイレクトメッセージが送られてきた。
「おっけーありがとう。これ後で探索者協会に送っておくね」
これで一旦、やらかしたアホ達には処分が下るだろう。
それから今度やるのは【宣戦布告】である。
「次に、この配信を見てる各リスナー、探索者、ニュース記事を書いてる記者さん。僕はこれからダンジョンを出たらこの【禍津世界樹の洞】を買い取るつもりだ。このダンジョンを逆から進むってことは、これから出会う敵はどんどん弱くなるし、死ぬつもりはないからここでもう宣言しておくよ。近い内にここは必ず僕が支配する。だから、このダンジョンを攻略しようだなんてことは僕が許さない。邪魔するなら抗争もするのでよろしくお願いします」
『うおおおおおおおお!!!!』
『まだ攻略もしてないのに私物化きたーーーー!!!』
『荒れそう~w』
コメント欄の反応は様々だが、ここを出てからあーだこーだ言っても遅い。臣下の命が懸かってるんだ。賢い探索者なら僕がこの時点で生きているので脱出は可能だということも理解しているはずだし。頭の弱い探索者が横取りしようと考えて侵入してくるかもしれないが、そういう奴等は全員捉えて放り出す。
万が一殺そうとしてきたなら、こちらも考えなければいけない。
「ま、そういう訳だから、変に争いたくない人はよそのダンジョンに行ってくれ。こっちには神様がいるんだ。強さも知ってるだろう?」
虎の威を借る狐がそこにいた。しかしその虎の威はあまりにも強大だった。
「んじゃあ明日も早いので、おやすみ~」
魔導カメラをオートモードにして床に就く。明日は新しい場所。ワクワクする気持ちをどうにか抑えて、僕は眠りについた。
「あぁ、勿論。それまで元気でな」
ガラッハの入口でハドラーと握手をして別れの挨拶を言い合う。握った手から伝わってくるのは強い意志だ。この集落を良くしたいとか、あの父のようにはならないとか、そういった感情が伝わってくる。
ハドラー達に手を振りながら離れ、ハルピュイアモードのヴァネッサの背中に乗る。アイザもすでに乗っている。八咫は僕の肩だ。
ホワイトオーク達に手を振っていると羽ばたいたヴァネッサがゆっくりと高度を上げていく。落ちないようにしっかりしがみ付いていると、あっという間に見えなくなった。
「空の旅というのもいいもんだな」
「楽でいいですね」
空の旅というのはとても気持ちがいい。ヴァネッサも気持ち良さそうに飛んでいるので、それを見ているだけでも色んな嫌な気持ちが抜けていくようだ。
風を切って飛ぶ体験は2回目だけど、本当に楽しい。自分で飛べたらもっと楽しいかもしれないけれど、これはこれで良いもんだ。
前回の旅とは違うルートでまっすぐ飛ぶ。最後にベクタを一目見れたらなと思ったが、79層に進むための階段は別の方向にある為に視界にも入らなかった。
あっという間に階段の場所へとやってきた。これまでずっと草原と大小様々な骨が転がっていただけの平原に、大きな白い山が現れた。木も草も生えていないそれは、近付くにつれてそれが大きな骨の塊であることが分かる。
色んな部位の骨を圧縮させたような骨の塊の一部分にだけ空洞ができている。そこは上へ続く階段だ。一人ずつ縦に並んでしか進めないような細い階段を登っていくと、見慣れた広い空間に出た。
80番台に来てからここまで長かった……ようやく81層を抜け、80層の安全地帯へとやってきた。
【禍津世界樹の洞 第80層 白骨平原 安全地帯】
八咫、アイザ、そして新規加入メンバーであるヴァネッサを加えた4人で焚火を囲む。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「美味しそ~!」
アイザが旅立つ時にもらったんだろうか、骨製の器にスープが注がれていく。まだ集落を離れて1日程しか経っていないが、妙な懐かしさに胸がきゅーっと縮む感覚に陥る。
その中に注がれたスープは細かい野菜が沢山入った少し濁りのあるスープだ。そっとスプーンを入れて掬い、零れないように息を吹いて少し冷ましてからゆっくりと口の中へ流す。
「んんっ……、美味しい!」
「ありがとうございますっ」
野菜の甘味とスパイスの効いた味が口内で一気に広がる。煮崩れた野菜も舌の上で崩れるように溶けて旨味だけを残して消えていく。口の中の味がなくなれば次、なくなれば次と、だんだんと中毒のように何度も何度も、味わうことも忘れて食べている間に器の中が空っぽになってしまった。
「お代わりどうですか?」
「いる!」
一も二も無く僕はその提案に賛成し、器を突き出した。
食後、今後の進路を八咫と中心に相談する。
「道はいくつかあるけれど、次に向かうのはどこなんだ?」
「今後、ダンジョンを出た後の商売の為のコネを確保しにいこうと思う」
なんだっけ。八咫が言っていたのは魔力石の採掘だったな。
「じゃあ鉱山か」
「あぁ。向かう先は黒刻大山脈。各層にある階層都市を巡ることになる」
「おぉ……面白そう!」
スプーンをガジガジと齧っていたヴァネッサが楽しそうに両手を上げる。層名も格好良いし階層都市というのも確かに面白そうだ。このダンジョンのようにいくつも層が重なってできた都市、という認識だろうか。移動とか不便そうだけど……エレベーターとかあると嬉しいな。
「そこでドワーフと友好関係を築く。できればある程度素材を入手できるといいな。アイザやヴァネッサの装備も整えたい」
「そうだな。弓と……短剣も使ってたっけ。それとヴァネッサは肉弾戦だったからそういう系の装備が欲しいな」
「私様は重いの苦手だから軽めので!」
「あ、私もそっちの方向でお願いします」
「よし。じゃあ今日のところは寝るとしよう」
方針が決まったので解散ということになった。焚火は調理の為に焚いたので別に維持する必要はない。燃え移るものもないし放っておけば勝手に消えるだろう。
各々、適当に距離を置いて離れて寝転がる。八咫はアイザと一緒に。ヴァネッサはまだ温もりが残る焚火の傍に。僕は皆が視界に入る場所で、尚且つ少し距離を置いて壁際に背を預けてスマホを弄っていた。
「そろそろ僕も将来のことを考えないといけないなってところまで来たんだよな」
『王様になるって話?』
「それもあるけれど、その為にはまずここを出るって話じゃん? でもそもそもの話、僕がこうなった原因をどうにかしないといけない。ニュースにもなってるから知ってると思うけれど、よくないリスナーがちょっといたよね」
僕を99層に放り込んだ悪逆リスナー。僕も酔って寝てしまったのも悪いかもしれないが、安全地帯で休憩を理由に宿泊することは探索者界隈では別段、変わったことではない。
ただ、僕が初心者配信者でちょうど都市伝説があって面白いからって理由だけでそこへ放り込んだのだ。僕がこうして生きてるのはただ運が良かっただけ。
「アーカイブに残ってる僕を転送罠に放り込んだ奴を探し出して探索者協会で処分してもらう。僕はダンジョンの中にいて出向いて行動することができないから皆に情報を集めてもらいたい」
『しょうちゃん、遅いぞ』
『もう全部特定されてる』
『しょうちゃんが行動してないだけでネットでは全部晒されてる』
僕は全然予想してなかった展開にスマホを取り落としそうになった。危ない危ない……。
「マジかよ。それ正しい情報だったら詳細情報を僕の配信アカウントに送っておいてくれないか?」
コメント欄にうんとかおっけーという言葉がどんどん流れていき、5分もしない間にアーカイブのスクリーンショットと名前から何まで全部詳細に書かれたダイレクトメッセージが送られてきた。
「おっけーありがとう。これ後で探索者協会に送っておくね」
これで一旦、やらかしたアホ達には処分が下るだろう。
それから今度やるのは【宣戦布告】である。
「次に、この配信を見てる各リスナー、探索者、ニュース記事を書いてる記者さん。僕はこれからダンジョンを出たらこの【禍津世界樹の洞】を買い取るつもりだ。このダンジョンを逆から進むってことは、これから出会う敵はどんどん弱くなるし、死ぬつもりはないからここでもう宣言しておくよ。近い内にここは必ず僕が支配する。だから、このダンジョンを攻略しようだなんてことは僕が許さない。邪魔するなら抗争もするのでよろしくお願いします」
『うおおおおおおおお!!!!』
『まだ攻略もしてないのに私物化きたーーーー!!!』
『荒れそう~w』
コメント欄の反応は様々だが、ここを出てからあーだこーだ言っても遅い。臣下の命が懸かってるんだ。賢い探索者なら僕がこの時点で生きているので脱出は可能だということも理解しているはずだし。頭の弱い探索者が横取りしようと考えて侵入してくるかもしれないが、そういう奴等は全員捉えて放り出す。
万が一殺そうとしてきたなら、こちらも考えなければいけない。
「ま、そういう訳だから、変に争いたくない人はよそのダンジョンに行ってくれ。こっちには神様がいるんだ。強さも知ってるだろう?」
虎の威を借る狐がそこにいた。しかしその虎の威はあまりにも強大だった。
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