もう遅いざまぁ極めたパーティ追放、外れスキルガチャ開拓スローライフ/不遇職極めた俺だけスキル獲得チートな件

RichardRoe(リチャード ロウ)

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第二章 役立たず付与魔術師、【嫉妬の大罪】レヴィアタンを討伐する

第一五話「いつもそばにいると思ってたのに、急に消えた裏切りもの」

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 ずっと魂の位階の九位にあった名前が消えたとき、胸にぽっかり穴が開いた気がした。





 ◇◇◇




 ざぁこ、ざぁこ、そんなに弱かったらいつか死んじゃうよ。
 けらけら笑って囃し立ててきた今までの言葉。相手の反応を楽しむためのからかい文句だったのに、もう二度と返答が返ってこないと分かってしまえば、浮かれた思いも色あせる。言葉の裏に込もっていた相手への甘えが、もうどこにも届かないと分かった途端、急に迷子になったような気分になった。


 よわよわおにい。そんなだから、活躍できないんだよ?
 冷や水をぶっかけるのが好きだった。微妙な顔になるのが好きだった。濡れそぼった犬みたいで、間抜けで、けらけら笑えた。
 ちゃんとモモがリードを引っ張ってあげないとだね、とからかい続けるのに最適な距離感だった。どこまでたっても一歩足りないところが、彼らしいと思っていた。


 名前が消えたとき、あ、死んじゃった、とあっさり思った。
 取り乱すことはなかった。泣き虫のアズのように、誰にもわかるような狼狽え方はしなかった。


 モモは失っただけ。言葉に潜めたいくつかの甘えを。
 無意識のうちの甘えだったから、思い出して数え上げていくと、想像している以上の量になってしまって。
 それが今度は持ち逃げされてしまったわけで。
 油断していたせいなのか、心の、思った以上に深い部分の、思い入れのこもったところまで。


 許さない。そんなの、ずるい。


 だからモモは、しばらく不機嫌になってしまった。
 泣き虫のアズが狼狽えるなら、モモは腹を立ててやるのだ。


 そしてだからモモは、あの日、見覚えのあるその顔に遭遇した時、心臓を鷲掴みにされてしまった。
 死んだと思った相手。もう二度と甘えられないと思った相手。よわよわおにい。いつもそばにいると思ってたのに、急に消えた裏切りもの。


「どちらさんですか、ではこの辺で」


 どちらさん、だって。
 自分は、モモは。
 残されたこっちが、どんな思いだったと思って。
 そんなことも知らずに、さっさとどこかに行きやがって。


 何もかもを伝える前に逃げ出してしまったせいで、喉まで出かかったいろんな感情が、行き場を失って爆発しそうになった。
 爆発しないかわりに、心臓が思い切り暴れたような気がした。





 ◇◇◇





 そんなことを思い出すのが――死ぬ直前になるなんて。


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