イタコスタントマンは転生して亡国騎士団長になり獣人王の番になりました

ももっけ

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俺は、誰もいない森の中、太い木に登って身を隠すと座禅を組んだ。
俺の前世はスタントマンである。
役者であり、あらゆる武道を極めた格闘家でもある。
そして、あらゆる武神をその身に宿す、清らかなイタコの一人だった。

精神を集中させ、呼吸を整えた。
久しぶりの大舞台に興奮して、こうしていないと気が収まらない。
俺は手を広げ、空を見上げる。
鬱蒼とした木々の合間から、うっすらと星々の輝きが見えた。

ここはどこなんだろう。
地球は、あの輝きのどれかなのだろうか。

前世に思いを巡らせ、体内に魂を呼び寄せた。
自身の体にまだ見ぬ英霊が宿るのを感じた。
この魂は……獣人だろうか。珍しい。
体内に宿った英霊のオーラは黄金色に光り輝いている。

人の魂には色がある。
赤、青、緑、黄色、LED電球のように色鮮やかなそれらは、子供の頃から俺と共にあった。

そういえば、ツェリの魂も美しい金色だったな。

ゆっくりと立ち上がり、二つの魂が一つの体の上で重なり合うのを感じた。
俺は腰の剣に手をかけ、隣国軍の方へ戻っていった。
俺の掌からは、漏れ出た金色の光がうっすらと輝いていた。



俺は軍の後方に弱そうな医務官が一人でいるのを見つけ、そいつを誘拐した。
適当に木に吊るして、上着とズボンを拝借する。
俺の顔を知らないものがみたら、どこからどう見てもガタイのいい隣国軍の医務官だ。

それから陣の中央部まで顔を隠しながら進む。
ところどころに武器が置かれているが、元団員たちはきちんと工作をしてくれたらしい。
火薬の一つが水浸しになっているのを横目で確認して、高級幹部の集まる場所へ入る。
すると警備係の兵士が「君、ここから先は高級幹部以上だけが入れる場所だ。離れなさい」と止めてきた。
俺は無言で腰に下げた剣を抜き、兵士の腹に突き立てた。

「貴様まさか、王国の騎士団長か!?」

突然血を流して倒れた仲間と、彼を刺した医務官の服を着た男に周囲は呆気に取られていた。
そのまま俺は警備を突破して最も大きい天幕に向かって走り出した。

剣を片手に全速力で突っ込んでくる男を、慌てて隣国兵たちが追いかけた。
天幕の向こうから、息を荒げた兵士が叫ぶのが聞こえた。

「国王、奇襲です!
後方右翼から獣人兵たちが現れました!
後方部隊は壊滅状態、なぜか火薬類が使い物になりません!」
「慌てるな。我が軍とあちら、どれほど戦力差があると思っている。早く奴らを蹴散らしてこい!」
「はっ」

天幕を出ようとした兵士と鉢合わせした俺は、そのまま彼を蹴り飛ばして足を切り付け、奥に座る王の元へ突っ込んだ。

「人数が多かろうが、少なかろうが、将棋は玉を取った方が勝つんだよ!」
「なにっ!?」

俺は王を人質に取るように後ろから拘束して、彼の首に剣を押し当てた。
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