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第3章 戦乱の翼
樹海にて4
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底抜けの男好きかつ女嫌いなのか、それとも猪の件の腹いせか。
同族が倒された直後だというのに、女性の姿をした8体の植物達は天城と紅炎さんには構わず、ユナ目掛けて総出でツタを伸ばした。
「わっ、とっと…。」
正面に咲く植物を狙っていたユナは攻撃の手を止め、回避に専念する。
「ふふっ。すごいにはすごいけど、フウジンさんの攻めに比べたら大したことないかな♪」
楽しそうに笑うユナの余裕の物言いも、伊達ではない。
紙一重のところで、まるで踊るようにして、ツタをかわし続けた。
否、ただ避けるだけではなく、徐々に植物達に近付いていた。
「本当は植物も大好きなんだけど、あなたたちみたいな危ないお花は間引かせてもらわなきゃね!悪いけど―きゃっ!?」
だが、攻撃態勢に移ろうとした一瞬の隙を突かれ、右足を絡め取られる。
「ユナさん!」
そこに再び浴びせられたツタの集中砲火にただ1人、それも脇差1本での抵抗は手が足りず、ユナは見る間に全身を縛り上げられてしまう。
最初に狙った植物に脇差が届くまで、あと1歩の距離での出来事だった。
「あっ…く…うっ…。」
好機と言わんばかりに笑った植物達は、胸部を飾る花々を数枚ちぎるとそれに魄力を込め、息を吹きかけて飛ばした。
鋭利な刃と同じ切れ味を与えられた、花びらの群れ。
身動きできないユナが受ければ、間違いなく微塵切りになるところだったが。
「封岩祭!」
天城がユナの周囲に岩の壁を作り、刃となった花びらを軽々と防いだ。
「あらよっと~。」
紅炎さんが火を纏った手刀でツタを焼き払い、ユナは自由の身となる。
「ああ、助かった…!カケルさん、コウエンさん、ありがとう!」
「…別に、テメエを助けたかッたワケじゃねエ。蒼空じゃねエが、まだまだテメエをこき使ってやらなきゃ気が済まねエッてだけだ。」
「それでも、ありがとう!」
天城は腕を組みそっぽを向いたが、ユナの笑顔は曇らなかった。
「カケルさんがどんな理由でやったにしても、私が助けてもらったのには変わりないからね!」
「…ケッ。調子の狂うアマだゼ。」
呆れと照れが混ざった調子で、天城がぼやく。
「はは、まあまあ~。あんまりスルーしてると、花のおねーさん達が怒っちまうぜ~。」
唇を尖らせた植物達が、3人に総攻撃を仕掛けて来た。
2体はツタを、また別の2体は槍のようにした根っこを伸ばし、残る4体は切れ味鋭い花びらを飛ばす。
しかし天城と紅炎さんだけでなく、ユナも危なげなくかわしてみせる。ところどころドジな面がある奴だが、流石に同じ攻撃で二度も三度もしてやられる程の間抜けではなかった。
「それじゃ、今度こそ…!」
「ユナ、退がれ。」
脇差を構え直したユナは俺の声で足を滑らせ、尻餅を付いた。
「いたたた…フウジンさん、何で…?」
「天城と紅炎さんに任せる方が速く済みそうだからな。」
「そんなあ…恩返しに、1体くらい倒したいんだけど…。」
「まあ、向こうがほんのちょっと上くらいのもんだし、1対1なら十分勝ち目あるだろうけどな。」
涙目で尻をさするユナに、兄が言う。
「でもあの数だし、モタモタしてて雷に捕まっちゃ最悪だしさ。」
「うう…分かりました、退きます…。」
力なく立ち上がったユナが、とぼとぼとこちらに戻る。
「いや~、期待されてんな~。こりゃユナ嬢の分まできっちり成果出さねえと、カッコ付かねえぞ~。」
「なら、遅くても10秒で片付けようゼ。」
「おうよ~。」
紅炎さんはモデルガンをしまうと、耐火性の手袋を外す。
一旦合わせた両手をすぐに開くと大きな炎が現れ、槍の形に整えられた。
「灼炎槍!」
槍型の炎を素手で掴んだ紅炎さんが、勢い良く横薙ぎを放つ。
範囲内にいた4体の植物は皆、火だるまとなって燃え尽きて行った。
「岩砕宴!」
天城も土をまとわせた拳を繰り出し、残る4体の植物を次々に襲う。
伸びてきたツタにかすられることもないまま植物達の頭や腹を突き破り、全て一撃で仕留めた。
「ふう、片付いたな。蒼空、何秒経った?」
左腕の時計を見てみた。
「…おお、やるじゃねぇか。6秒位だったぜ。」
「へー。天くんにしてはいい感じだったんじゃない?ボクならもうちょっと早く片付けてたけどね☆」
「ほう、抜かすじゃねエか。何なら直接やり合って白黒付けとくか?」
「あはは、それもいいかもね!」
「いいかもじゃねぇわ、ド阿呆共!折角目障りなのが失せたのに、てめぇらが揉めてどうすんだ!」
「ちょっ、ジョウダンだってば…。」
「そんな下らねぇジョークは嫌いなんだよ!ほれ、とっとと進むぞ!ユナ、道…。」
道案内をしろと言おうとした口が、思わず止まった。
ユナは何とも虚しげな顔で、肩を落としていたのだ。
「…ユナちゃん…そんなに…落ち込まないで…ラダンを…どうにも…できなかったのに…たった…3日で…こんなに…伸びたんだから…ユナちゃんだって…ものすごい…才能…あるよ…。」
「…だけど…雑用係なのに、大した戦力になれなくて…みんなにたくさん修行もつけてもらったのに…。」
小さくこぼした溜息には、失意が満ちていた。
「…ウジウジしてんじゃねぇ。お前も天城も紅炎さんも、それぞれ潰せる敵を潰した。それで良いだろ。」
「…そうだな。ユナはユナにできる事をちゃんとやってる。その点は、何も恥じる事ないさ。狂言誘拐犯をフォローするのも気に食わないけどな…。」
溜息と共に付け加えはしたが、兄の微笑みは僅かに自嘲が混ざっているだけで、概ね穏やかだった。
「…本当?私、ちゃんと役に立ってる?」
「そう聞かれて、立ってないなんて言えないよね…情報収集も掃除も洗濯も料理も戦いもできるなんてヒト、2人も3人もいないしさ。」
「あの花共相手には、ヘマやりやがッたがな。…まア、イノシシを黙らせた分で目を瞑っとくとするか。」
「…だそうだ。ほれ、とっとと道案内に戻れ。」
「…うんうん…あとは…まっすぐって…言ってたけど…私…方向音痴だから…がいど…してくれないと…不安…。」
ユナの唇に、笑みが戻る。
「…ふふ、分かりました!ご案内します!」
彼女を先頭に、俺達が再びスクムルトへ向けて歩き出した時。
轟音が響き、空が光った。
「「おわっ!!」」
思わず兄と同時に叫んでしまうが、直後に自分の目を疑った。
稲光は、地上から空に向かって伸びていたのだ。
「…何、あの雷?」
「きっと、どなたかの魄能でしょう。自然の雷より、大きな魄力を感じます。」
「…あれ…うちの…弟の…雷…!」
「えっ!?」
氷華をはじめ、全員が舞さんを見やる。
「…確かにこの魄力、舞と感じが似てるけど…。」
「舞ちゃんは水使いなのに、弟くんは雷使うのか?」
「意外ですね。嵐刃さんも風刃さんも風使いでいらっしゃるので、家族なら全員同じ魄能を持つのかと思っておりましたが…。」
「…魄力とか…魄能って…個人差が…大きくて…家族が…どうとか…基本…関係…ないから…ね…。」
「基本?例外もあるんですか?」
「…え…?…あっ…!」
俺の問いに、舞さんが右手で口元を覆い隠した。
まるで、絶対に漏らしてはいけない秘密を口走ってしまったかのように。
「…う…うん…例外も…ある…け…けど…それは…大体の人は…本当に…関係ない…から…。」
「何だよ…引っ掛かる言い方だな。」
「その話は後にして、走ろう!あの雷がマイさんの弟さんの魄能なら、まだスクムルトの外には出てないはずだよ!」
「…ちょっと待て。」
駆け出そうとしたユナを止め、空を睨む。
「どうしたの、フウジンさん!急がないと…!」
「ユナ…さっきの操魄術って技以外で、他人の魄力がくっ付いたりする事はあるもんなのか?」
「え?多分、ないはずだけど…。」
ユナが空を見上げてすぐに、再び地上から空へと稲妻が走った。
やはり、先程感じた事は気のせいではない。
あの雷には、2つの魄力が込められている。
より細かく言うなら、舞さんの弟の魄力に、他人の魄力が混ざっている感覚だ。
「…これ、雷使いが2人いて同時に撃ってるとか、2人がかりで1つの雷撃ってるとかか?」
「…ううん。それなら、2人の魄力ははっきり分かれて感じられるはずだよ。こんな風に、余計なものが混ざった感じにはならない…。」
「…それじゃ…弟は…。」
「…誰かに操られてる、ッて覚悟した方が良いみてエだな…。」
「…しかも、この混ざってる方の魄力…異様に頭に来る…。」
強盗のラダンも不快感しか覚えない魄力をまとっていたが、それがまだマシと錯覚する程。
今にも魄力の主を見つけ出して殴り飛ばしたいと思う程、腹立たしい気配だった。
「…もしかしたら、この野郎は…。」
「…皆、ここで悩むのはよそう。」
俺が心当たりを口にしようとしたところに、兄が割って入った。
「かなりめんどい事になってそうだけど、どのみち舞の弟に会わない訳には行かないからな。」
「…そうだな。悪い。無駄な時間取らせた。」
「滅相もございません。大事な忠告を頂きましたよ。」
「舞ちゃんの弟くん見つけても気を抜くな、ってな~。」
魅月さんと紅炎さんが走り出すと、他の者もそれに続く。
最初は全員軽めに走っていたが、いつの間にか全力を出しており、徒歩5分とされていた道を2分程で駆け抜けた。
同族が倒された直後だというのに、女性の姿をした8体の植物達は天城と紅炎さんには構わず、ユナ目掛けて総出でツタを伸ばした。
「わっ、とっと…。」
正面に咲く植物を狙っていたユナは攻撃の手を止め、回避に専念する。
「ふふっ。すごいにはすごいけど、フウジンさんの攻めに比べたら大したことないかな♪」
楽しそうに笑うユナの余裕の物言いも、伊達ではない。
紙一重のところで、まるで踊るようにして、ツタをかわし続けた。
否、ただ避けるだけではなく、徐々に植物達に近付いていた。
「本当は植物も大好きなんだけど、あなたたちみたいな危ないお花は間引かせてもらわなきゃね!悪いけど―きゃっ!?」
だが、攻撃態勢に移ろうとした一瞬の隙を突かれ、右足を絡め取られる。
「ユナさん!」
そこに再び浴びせられたツタの集中砲火にただ1人、それも脇差1本での抵抗は手が足りず、ユナは見る間に全身を縛り上げられてしまう。
最初に狙った植物に脇差が届くまで、あと1歩の距離での出来事だった。
「あっ…く…うっ…。」
好機と言わんばかりに笑った植物達は、胸部を飾る花々を数枚ちぎるとそれに魄力を込め、息を吹きかけて飛ばした。
鋭利な刃と同じ切れ味を与えられた、花びらの群れ。
身動きできないユナが受ければ、間違いなく微塵切りになるところだったが。
「封岩祭!」
天城がユナの周囲に岩の壁を作り、刃となった花びらを軽々と防いだ。
「あらよっと~。」
紅炎さんが火を纏った手刀でツタを焼き払い、ユナは自由の身となる。
「ああ、助かった…!カケルさん、コウエンさん、ありがとう!」
「…別に、テメエを助けたかッたワケじゃねエ。蒼空じゃねエが、まだまだテメエをこき使ってやらなきゃ気が済まねエッてだけだ。」
「それでも、ありがとう!」
天城は腕を組みそっぽを向いたが、ユナの笑顔は曇らなかった。
「カケルさんがどんな理由でやったにしても、私が助けてもらったのには変わりないからね!」
「…ケッ。調子の狂うアマだゼ。」
呆れと照れが混ざった調子で、天城がぼやく。
「はは、まあまあ~。あんまりスルーしてると、花のおねーさん達が怒っちまうぜ~。」
唇を尖らせた植物達が、3人に総攻撃を仕掛けて来た。
2体はツタを、また別の2体は槍のようにした根っこを伸ばし、残る4体は切れ味鋭い花びらを飛ばす。
しかし天城と紅炎さんだけでなく、ユナも危なげなくかわしてみせる。ところどころドジな面がある奴だが、流石に同じ攻撃で二度も三度もしてやられる程の間抜けではなかった。
「それじゃ、今度こそ…!」
「ユナ、退がれ。」
脇差を構え直したユナは俺の声で足を滑らせ、尻餅を付いた。
「いたたた…フウジンさん、何で…?」
「天城と紅炎さんに任せる方が速く済みそうだからな。」
「そんなあ…恩返しに、1体くらい倒したいんだけど…。」
「まあ、向こうがほんのちょっと上くらいのもんだし、1対1なら十分勝ち目あるだろうけどな。」
涙目で尻をさするユナに、兄が言う。
「でもあの数だし、モタモタしてて雷に捕まっちゃ最悪だしさ。」
「うう…分かりました、退きます…。」
力なく立ち上がったユナが、とぼとぼとこちらに戻る。
「いや~、期待されてんな~。こりゃユナ嬢の分まできっちり成果出さねえと、カッコ付かねえぞ~。」
「なら、遅くても10秒で片付けようゼ。」
「おうよ~。」
紅炎さんはモデルガンをしまうと、耐火性の手袋を外す。
一旦合わせた両手をすぐに開くと大きな炎が現れ、槍の形に整えられた。
「灼炎槍!」
槍型の炎を素手で掴んだ紅炎さんが、勢い良く横薙ぎを放つ。
範囲内にいた4体の植物は皆、火だるまとなって燃え尽きて行った。
「岩砕宴!」
天城も土をまとわせた拳を繰り出し、残る4体の植物を次々に襲う。
伸びてきたツタにかすられることもないまま植物達の頭や腹を突き破り、全て一撃で仕留めた。
「ふう、片付いたな。蒼空、何秒経った?」
左腕の時計を見てみた。
「…おお、やるじゃねぇか。6秒位だったぜ。」
「へー。天くんにしてはいい感じだったんじゃない?ボクならもうちょっと早く片付けてたけどね☆」
「ほう、抜かすじゃねエか。何なら直接やり合って白黒付けとくか?」
「あはは、それもいいかもね!」
「いいかもじゃねぇわ、ド阿呆共!折角目障りなのが失せたのに、てめぇらが揉めてどうすんだ!」
「ちょっ、ジョウダンだってば…。」
「そんな下らねぇジョークは嫌いなんだよ!ほれ、とっとと進むぞ!ユナ、道…。」
道案内をしろと言おうとした口が、思わず止まった。
ユナは何とも虚しげな顔で、肩を落としていたのだ。
「…ユナちゃん…そんなに…落ち込まないで…ラダンを…どうにも…できなかったのに…たった…3日で…こんなに…伸びたんだから…ユナちゃんだって…ものすごい…才能…あるよ…。」
「…だけど…雑用係なのに、大した戦力になれなくて…みんなにたくさん修行もつけてもらったのに…。」
小さくこぼした溜息には、失意が満ちていた。
「…ウジウジしてんじゃねぇ。お前も天城も紅炎さんも、それぞれ潰せる敵を潰した。それで良いだろ。」
「…そうだな。ユナはユナにできる事をちゃんとやってる。その点は、何も恥じる事ないさ。狂言誘拐犯をフォローするのも気に食わないけどな…。」
溜息と共に付け加えはしたが、兄の微笑みは僅かに自嘲が混ざっているだけで、概ね穏やかだった。
「…本当?私、ちゃんと役に立ってる?」
「そう聞かれて、立ってないなんて言えないよね…情報収集も掃除も洗濯も料理も戦いもできるなんてヒト、2人も3人もいないしさ。」
「あの花共相手には、ヘマやりやがッたがな。…まア、イノシシを黙らせた分で目を瞑っとくとするか。」
「…だそうだ。ほれ、とっとと道案内に戻れ。」
「…うんうん…あとは…まっすぐって…言ってたけど…私…方向音痴だから…がいど…してくれないと…不安…。」
ユナの唇に、笑みが戻る。
「…ふふ、分かりました!ご案内します!」
彼女を先頭に、俺達が再びスクムルトへ向けて歩き出した時。
轟音が響き、空が光った。
「「おわっ!!」」
思わず兄と同時に叫んでしまうが、直後に自分の目を疑った。
稲光は、地上から空に向かって伸びていたのだ。
「…何、あの雷?」
「きっと、どなたかの魄能でしょう。自然の雷より、大きな魄力を感じます。」
「…あれ…うちの…弟の…雷…!」
「えっ!?」
氷華をはじめ、全員が舞さんを見やる。
「…確かにこの魄力、舞と感じが似てるけど…。」
「舞ちゃんは水使いなのに、弟くんは雷使うのか?」
「意外ですね。嵐刃さんも風刃さんも風使いでいらっしゃるので、家族なら全員同じ魄能を持つのかと思っておりましたが…。」
「…魄力とか…魄能って…個人差が…大きくて…家族が…どうとか…基本…関係…ないから…ね…。」
「基本?例外もあるんですか?」
「…え…?…あっ…!」
俺の問いに、舞さんが右手で口元を覆い隠した。
まるで、絶対に漏らしてはいけない秘密を口走ってしまったかのように。
「…う…うん…例外も…ある…け…けど…それは…大体の人は…本当に…関係ない…から…。」
「何だよ…引っ掛かる言い方だな。」
「その話は後にして、走ろう!あの雷がマイさんの弟さんの魄能なら、まだスクムルトの外には出てないはずだよ!」
「…ちょっと待て。」
駆け出そうとしたユナを止め、空を睨む。
「どうしたの、フウジンさん!急がないと…!」
「ユナ…さっきの操魄術って技以外で、他人の魄力がくっ付いたりする事はあるもんなのか?」
「え?多分、ないはずだけど…。」
ユナが空を見上げてすぐに、再び地上から空へと稲妻が走った。
やはり、先程感じた事は気のせいではない。
あの雷には、2つの魄力が込められている。
より細かく言うなら、舞さんの弟の魄力に、他人の魄力が混ざっている感覚だ。
「…これ、雷使いが2人いて同時に撃ってるとか、2人がかりで1つの雷撃ってるとかか?」
「…ううん。それなら、2人の魄力ははっきり分かれて感じられるはずだよ。こんな風に、余計なものが混ざった感じにはならない…。」
「…それじゃ…弟は…。」
「…誰かに操られてる、ッて覚悟した方が良いみてエだな…。」
「…しかも、この混ざってる方の魄力…異様に頭に来る…。」
強盗のラダンも不快感しか覚えない魄力をまとっていたが、それがまだマシと錯覚する程。
今にも魄力の主を見つけ出して殴り飛ばしたいと思う程、腹立たしい気配だった。
「…もしかしたら、この野郎は…。」
「…皆、ここで悩むのはよそう。」
俺が心当たりを口にしようとしたところに、兄が割って入った。
「かなりめんどい事になってそうだけど、どのみち舞の弟に会わない訳には行かないからな。」
「…そうだな。悪い。無駄な時間取らせた。」
「滅相もございません。大事な忠告を頂きましたよ。」
「舞ちゃんの弟くん見つけても気を抜くな、ってな~。」
魅月さんと紅炎さんが走り出すと、他の者もそれに続く。
最初は全員軽めに走っていたが、いつの間にか全力を出しており、徒歩5分とされていた道を2分程で駆け抜けた。
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